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四席と呼ばれる者達2
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それから数日後。
お祭りに行ったのがいい気分転換になったのか、だいぶ勉強がはかどったように感じる。
それに舞の稽古以外にも休憩の時に鈴麗とお茶をしたりするようになって、随分心に余裕が生まれた。
今まで気分転換に舞をしていたけどそればかりしていても心は休まらないしね。
さて、休憩終わりっと。次は確か資料室だったよね。
湯呑に残っていた春黄菊のお茶を喉に流し込み自室を出る。
諭按さんとの待ち合わせ場所である資料室に向かっていると突然歓声のような声が聞こえてきた。
「な、何?」
あっちは確か闘技場だったような・・・。
何をしているのか気になり、好奇心に負け声のする方へ向かう。
するとそこにはざっと100人くらいの近衛隊と思われる兵士達がいた。
「あの、何が行われているんですか?」
あまりの人だかりに近くにいた兵士に声をかける。
「あっ!巫女様。巫女様もご覧になった方がいいですよ!」
「えっ?」
兵士はそう言って私を前の方まで連れて行ってくれた。
人だかりを抜けると目の前で2人の男女が剣を交えていた。
「これは?」
「決闘ですよ!」
「決闘?」
「はい。2か月に1度、輝国の近衛隊である”青龍”と”玄武”が掃除当番をかけて戦うんです!」
兵士は目をか輝かせながら説明をしてくれる。
掃除当番を決めるためだけに決闘って・・・。
少し呆気にとられたが、兵士が構わず話続けるので静かに耳を傾ける。
「決闘は5人制で先鋒・次鋒・中堅・副将ときて、今から大将戦が行われるところなんです!」
興奮気味に教えてくれる兵士と話しながら今から始まる勝負の行方を見守るべく、まずは女性の方に目を向ける。
頭の上で1つに束ねられた青い髪は軽く剣を振るたびに綺麗になびき、その横顔は大人っぽくつい見惚れてしまう。
その前で準備をしている男性は濃い茶髪に襟足が肩にかかるくらいまであり、剣を扱う人にしてはスラッとした体型をしているにも関わらず立ち姿はしっかりとしており、その表情には余裕さえ見えてくる。
審判の合図があり、決闘が始まった。
少し2人を観察しながら見ていたが2人の戦いはどんどん激しさを増していく。
凄い。素人目に見ても実力者同士の戦いということが分かる。
兵士同士の戦いというのでてっきり命うつしを使用した決闘なのかと思ったら純粋に剣の実力のみで戦っているようだ。
確か諭按さんの話だと近衛隊は命うつしの強さだけでなく基礎的な剣術・体術が備わっていないとまず入隊できない。かつ、近衛隊の隊長である四席の2人みずから入隊試験の試験官を務め厳選する。
つまり、青龍と玄武に所属する兵士達は選び抜けれた人材ということになる。
そんな隊の大将戦を任されているのだからこの2人はとてつもない実力者なのだろう。
白熱していく決闘を観戦していたが、その時は突然訪れた。
次の瞬間、女性が男性の剣を払い一気に沈み込んだと思ったら男性の喉元に剣の切っ先を向け触れる寸前で止めた。
「そこまで!勝者、青龍。これにより玄武には2か月の掃除当番を命ずる」
一瞬の出来事だったが審判の声がかかると戦っていた2人のもとへたくさんの兵士達が駆け寄る。
「お疲れ様でした!」
「とても素晴らしかったです!」
興味本位で立ち寄ったがとてもいいものが見れたな。
しかし、兵士達の様子を見ながらふと我に返る。
諭按さんと資料室で待ち合わせをしてるんだった!!
ついつい2人の戦いに見入ってしまい本来の目的を忘れるところだった。
それまで色々と説明をしてくれた兵士にお礼を言い、資料室へと急いだ。
「あの子、誰?」
女性は闘技場から速足で走り去る祈を指差し近くにいた兵士に尋ねる。
「あの方は新しく来られた巫女様です」
「あの子が・・・」
「どうかしたの?」
女性が考えるような素振りをしていると先程まで一戦交えていた男性が話しかけてくる。
「光焔のお気に入りを見かけただけよ」
「ああ、噂の巫女さん?」
「ええ。これから面白くなりそうね」
女性はそう言って男性に微笑みかけると、男性はそんな女性を見ながら頬を緩ませる。
「そんなこと言うなんて珍しいね」
「そう?」
「そうだよ。でも、オレも少し楽しみにしているんだよね」
「そうなの?」
珍しいものでも見たというような表情で男性を見る。
「彼女、なんだか凄いことをしてくれそうな気がしない?」
勘だけど。と笑いながら肩をすくめる。
「抽象的過ぎて分からない」
「まあ、楽しみだねってことだよ」
2人はそう話しながら兵士達を引き連れ闘技場を出た。
お祭りに行ったのがいい気分転換になったのか、だいぶ勉強がはかどったように感じる。
それに舞の稽古以外にも休憩の時に鈴麗とお茶をしたりするようになって、随分心に余裕が生まれた。
今まで気分転換に舞をしていたけどそればかりしていても心は休まらないしね。
さて、休憩終わりっと。次は確か資料室だったよね。
湯呑に残っていた春黄菊のお茶を喉に流し込み自室を出る。
諭按さんとの待ち合わせ場所である資料室に向かっていると突然歓声のような声が聞こえてきた。
「な、何?」
あっちは確か闘技場だったような・・・。
何をしているのか気になり、好奇心に負け声のする方へ向かう。
するとそこにはざっと100人くらいの近衛隊と思われる兵士達がいた。
「あの、何が行われているんですか?」
あまりの人だかりに近くにいた兵士に声をかける。
「あっ!巫女様。巫女様もご覧になった方がいいですよ!」
「えっ?」
兵士はそう言って私を前の方まで連れて行ってくれた。
人だかりを抜けると目の前で2人の男女が剣を交えていた。
「これは?」
「決闘ですよ!」
「決闘?」
「はい。2か月に1度、輝国の近衛隊である”青龍”と”玄武”が掃除当番をかけて戦うんです!」
兵士は目をか輝かせながら説明をしてくれる。
掃除当番を決めるためだけに決闘って・・・。
少し呆気にとられたが、兵士が構わず話続けるので静かに耳を傾ける。
「決闘は5人制で先鋒・次鋒・中堅・副将ときて、今から大将戦が行われるところなんです!」
興奮気味に教えてくれる兵士と話しながら今から始まる勝負の行方を見守るべく、まずは女性の方に目を向ける。
頭の上で1つに束ねられた青い髪は軽く剣を振るたびに綺麗になびき、その横顔は大人っぽくつい見惚れてしまう。
その前で準備をしている男性は濃い茶髪に襟足が肩にかかるくらいまであり、剣を扱う人にしてはスラッとした体型をしているにも関わらず立ち姿はしっかりとしており、その表情には余裕さえ見えてくる。
審判の合図があり、決闘が始まった。
少し2人を観察しながら見ていたが2人の戦いはどんどん激しさを増していく。
凄い。素人目に見ても実力者同士の戦いということが分かる。
兵士同士の戦いというのでてっきり命うつしを使用した決闘なのかと思ったら純粋に剣の実力のみで戦っているようだ。
確か諭按さんの話だと近衛隊は命うつしの強さだけでなく基礎的な剣術・体術が備わっていないとまず入隊できない。かつ、近衛隊の隊長である四席の2人みずから入隊試験の試験官を務め厳選する。
つまり、青龍と玄武に所属する兵士達は選び抜けれた人材ということになる。
そんな隊の大将戦を任されているのだからこの2人はとてつもない実力者なのだろう。
白熱していく決闘を観戦していたが、その時は突然訪れた。
次の瞬間、女性が男性の剣を払い一気に沈み込んだと思ったら男性の喉元に剣の切っ先を向け触れる寸前で止めた。
「そこまで!勝者、青龍。これにより玄武には2か月の掃除当番を命ずる」
一瞬の出来事だったが審判の声がかかると戦っていた2人のもとへたくさんの兵士達が駆け寄る。
「お疲れ様でした!」
「とても素晴らしかったです!」
興味本位で立ち寄ったがとてもいいものが見れたな。
しかし、兵士達の様子を見ながらふと我に返る。
諭按さんと資料室で待ち合わせをしてるんだった!!
ついつい2人の戦いに見入ってしまい本来の目的を忘れるところだった。
それまで色々と説明をしてくれた兵士にお礼を言い、資料室へと急いだ。
「あの子、誰?」
女性は闘技場から速足で走り去る祈を指差し近くにいた兵士に尋ねる。
「あの方は新しく来られた巫女様です」
「あの子が・・・」
「どうかしたの?」
女性が考えるような素振りをしていると先程まで一戦交えていた男性が話しかけてくる。
「光焔のお気に入りを見かけただけよ」
「ああ、噂の巫女さん?」
「ええ。これから面白くなりそうね」
女性はそう言って男性に微笑みかけると、男性はそんな女性を見ながら頬を緩ませる。
「そんなこと言うなんて珍しいね」
「そう?」
「そうだよ。でも、オレも少し楽しみにしているんだよね」
「そうなの?」
珍しいものでも見たというような表情で男性を見る。
「彼女、なんだか凄いことをしてくれそうな気がしない?」
勘だけど。と笑いながら肩をすくめる。
「抽象的過ぎて分からない」
「まあ、楽しみだねってことだよ」
2人はそう話しながら兵士達を引き連れ闘技場を出た。
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