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side坂下耀亮
side坂下耀亮:家族構成~就職
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俺の家族は比較的目立つ。一般家庭の中では、いい方の暮らしぶりかなという自覚はあった。
彫りも深く切れ長の目で高身長の父は、小さな輸入品関係の会社社長。お嬢様育ちのおっとりとした色白で目鼻立ちのハッキリした母は、小柄な専業主婦。顔は母似高身長の兄、滉耀は、有名大学を卒業後海外を飛び回るやり手営業マン。父似の妹、の瑠花は、その日本人離れしたルックスと体型で学生時代から読者モデル。卒業後は、モデルとして本格的に活動を始めた。
ド派手な美形一家に異分子の俺、祖父に似た地味な日本人顔で平均身長の耀亮。医療機器メーカー平社員五年目。顔は、隔世遺伝ってやつだと思う。のんびりとした祖父に俺は特別扱いで可愛がってもらえた。長期休みには一人だけ祖父の家に滞在させてもらったりしていた。今考えると、周りから色々言われている俺を守りたい気持ちもあったんだと思う。
祖父の田舎にいくとシーちゃんという天使のような子がとても俺に懐いてくれた。ふわふわの薄い茶髪で、目がくりくりとした可愛い子だった。家族以外にあんなにくっつかれたのは初めての経験で、俺はシーちゃんと沢山遊んだ。花冠とか花指輪を作ると、とっても喜んで結婚しようってよく言ってくれた。
高校になる頃には、祖父の家に行ってもシーちゃんには会えなくなった。祖父に聞いても、別荘持ち主の所に一時滞在していた親戚の子としか知らないらしくて、それっきりだ。淡い初恋の想い出……かな。
兄と妹とは幼稚園、小学、中高一貫まで親の方針でずっと同じ学校。それぞれ年齢的にギリギリ一学年しか違わないことで、華やかで持て囃されていた二人と似ても似つかない俺は、二人のファンから陰口を叩かれていた。ファンなら、家族も大切にした方がいいんじゃないかと何度思ったかわからない。地味とか言われても、自分が一番知ってますけど。と怒る気にも家族に話す気にもなれなかった。
「いいな」と思った人は、滉耀や瑠花に会うとすぐに彼らに靡き夢中になり、最後には俺への態度を露骨に変えて離れていってしまった。二人と違って地味な俺がよっぽどお気に召さなかったらしい。
何度も同じことが起こるうちに諦めの気持ちが強くなり、特別な人を作らず兄妹の話題も極力避けて、集団にそれとなく埋没するように過ごすことで、ようやく平穏な学生生活を送れるようになった。
優秀な兄の通う有名大学には成績的に到底追い付かなかったので、学歴に合う理系大学に通った。兄妹が居ない大学生活四年間は、比較的心穏やかにゆるやかに過ごせた気はする。それでも、特別に仲良くなれる人には恵まれなかった。
就職先には、親とは全く縁の無い医療機器メーカーを選んだ。大学に企業説明会にきた田村昌也部長(今の上司)の話に心惹かれたからだった。
「私たちの仕事は、花形とは言い難いでしょう。ですが、私たちの努力で今日助けられない人が明日は助けられるかもしれないのです!同じ志を持ち、一緒に頑張っていける人を我々は求めています。」
ずっと、目立つ家族と比べられてきた自分にとって。こつこつと誰かの役に立つ仕事は天命だと思った。この熱意をもった人と一緒に働きたい!そう強くそう思ったのだ。兄や父は強く反対していたけど、社会勉強のために必要だと人生で初めて父に粘り強く交渉をしてようやく就職を勝ち取った。
新人教育も担当してくれた田村先輩(当時は部長ではなかった)に一人立ちのお祝い飲み会に連れていってもらい盛大に酔っぱらった俺は、企業説明会で感銘を受けた話を眉を下げながら延々と語ったと笑われ、その後は困っている場面にはからかうように
「おい。坂下きゅんがまた出てきているぞ。」
声をかけられ、さり気無く目をかけてもらえたり助けてもらえるようになった。
田村先輩が部長になり、「新人教育担当」の打診が初めてきた入社三年目には、全力で断ることができた。だが五年目の今年、部長より更に上からの頼み込みと言う名の強要を回避できなかった。
彫りも深く切れ長の目で高身長の父は、小さな輸入品関係の会社社長。お嬢様育ちのおっとりとした色白で目鼻立ちのハッキリした母は、小柄な専業主婦。顔は母似高身長の兄、滉耀は、有名大学を卒業後海外を飛び回るやり手営業マン。父似の妹、の瑠花は、その日本人離れしたルックスと体型で学生時代から読者モデル。卒業後は、モデルとして本格的に活動を始めた。
ド派手な美形一家に異分子の俺、祖父に似た地味な日本人顔で平均身長の耀亮。医療機器メーカー平社員五年目。顔は、隔世遺伝ってやつだと思う。のんびりとした祖父に俺は特別扱いで可愛がってもらえた。長期休みには一人だけ祖父の家に滞在させてもらったりしていた。今考えると、周りから色々言われている俺を守りたい気持ちもあったんだと思う。
祖父の田舎にいくとシーちゃんという天使のような子がとても俺に懐いてくれた。ふわふわの薄い茶髪で、目がくりくりとした可愛い子だった。家族以外にあんなにくっつかれたのは初めての経験で、俺はシーちゃんと沢山遊んだ。花冠とか花指輪を作ると、とっても喜んで結婚しようってよく言ってくれた。
高校になる頃には、祖父の家に行ってもシーちゃんには会えなくなった。祖父に聞いても、別荘持ち主の所に一時滞在していた親戚の子としか知らないらしくて、それっきりだ。淡い初恋の想い出……かな。
兄と妹とは幼稚園、小学、中高一貫まで親の方針でずっと同じ学校。それぞれ年齢的にギリギリ一学年しか違わないことで、華やかで持て囃されていた二人と似ても似つかない俺は、二人のファンから陰口を叩かれていた。ファンなら、家族も大切にした方がいいんじゃないかと何度思ったかわからない。地味とか言われても、自分が一番知ってますけど。と怒る気にも家族に話す気にもなれなかった。
「いいな」と思った人は、滉耀や瑠花に会うとすぐに彼らに靡き夢中になり、最後には俺への態度を露骨に変えて離れていってしまった。二人と違って地味な俺がよっぽどお気に召さなかったらしい。
何度も同じことが起こるうちに諦めの気持ちが強くなり、特別な人を作らず兄妹の話題も極力避けて、集団にそれとなく埋没するように過ごすことで、ようやく平穏な学生生活を送れるようになった。
優秀な兄の通う有名大学には成績的に到底追い付かなかったので、学歴に合う理系大学に通った。兄妹が居ない大学生活四年間は、比較的心穏やかにゆるやかに過ごせた気はする。それでも、特別に仲良くなれる人には恵まれなかった。
就職先には、親とは全く縁の無い医療機器メーカーを選んだ。大学に企業説明会にきた田村昌也部長(今の上司)の話に心惹かれたからだった。
「私たちの仕事は、花形とは言い難いでしょう。ですが、私たちの努力で今日助けられない人が明日は助けられるかもしれないのです!同じ志を持ち、一緒に頑張っていける人を我々は求めています。」
ずっと、目立つ家族と比べられてきた自分にとって。こつこつと誰かの役に立つ仕事は天命だと思った。この熱意をもった人と一緒に働きたい!そう強くそう思ったのだ。兄や父は強く反対していたけど、社会勉強のために必要だと人生で初めて父に粘り強く交渉をしてようやく就職を勝ち取った。
新人教育も担当してくれた田村先輩(当時は部長ではなかった)に一人立ちのお祝い飲み会に連れていってもらい盛大に酔っぱらった俺は、企業説明会で感銘を受けた話を眉を下げながら延々と語ったと笑われ、その後は困っている場面にはからかうように
「おい。坂下きゅんがまた出てきているぞ。」
声をかけられ、さり気無く目をかけてもらえたり助けてもらえるようになった。
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