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剣の女王
第6話
しおりを挟むグラトリアの統治下、彼女の国は厳しくも公正な秩序が敷かれて、大いに繁栄した。
反乱勢力も完全に鎮圧されて、あらゆる種族が彼女に剣を捧げる。
大陸で最大の国となった彼女に歯向かう国はなくなり、彼女の国は平穏な月日が流れるが、周辺国の争いは激しさを増して荒廃の一途をたどっていく。
大量の難民が彼女の国に押し寄せる結果となったが、グラトリアは国の秩序を乱す存在として彼らの流入を厳しく制限した。
密入国者は性別や年齢に関係なく首を切り落とすという厳しい罰をかしてもなお、砂糖に群がる蟻の如く、難民は押し寄せてくる。
隣国ロダニアでは内戦が激化し、領主たちが力を争い続けた。
その余波で難民集団が山賊集団となり、少なくない国民が犠牲になると、剣の女王は各地の軍勢を終結させる。
「かの地にもはや秩序はない。我らの手で混沌たる元凶を制する時だ」
彼女の軍勢は野火の如くロダニアを駆け巡り、その地を支配下に置く。
戦に弱り切っていた人々は歓呼で彼女と彼女の軍勢を迎え入れて、ロダニアの権力者層は断罪される。
グラトリアは、ロダニア全土を掌握した自らの勝利に揺るぎない誇りを感じていた。
彼女と彼女の軍勢の統治の下、混乱と無秩序に満ちていた土地は再び秩序を取り戻しつつあった。彼女の名は大陸中に轟き、剣の女王としての威厳はさらに増していく。
宮殿に戻ると、彼女は玉座に座り、満足げに顧問たちを見渡した。各地の戦況報告が次々と届く中、彼女は自らの判断と力がすべてを正しく導いたと確信する。
「ロダニアは、我らが手によって秩序を取り戻した」と、グラトリアは堂々と宣言する。
「民は私に従い、混乱は鎮まった。全ての者が、私の名のもとに平和と繁栄を享受するのだ。もはや彼らはロダニアの民ではなく、グラトリアの民だ。望まぬ者は過去と共に地に還ってもらおう」
彼女の言葉に顧問たちは賛同し、彼女の支配の強さを改めて称えた。
「女王陛下、あなたのおかげで、我らはさらなる繁栄を手に入れました」と、最年長の顧問が頭を垂れた。
「ロダニアの民も、陛下を崇拝し、感謝の意を示しています。彼らは、もはやロダニアという名に執着しておりません。陛下のもとで新たな未来を望んでいます」
グラトリアは微笑みを浮かべた。民が自ら彼女に忠誠を誓い、剣を捧げることに疑問を持つことはなかった。それは当然の帰結であり、彼女の統治こそが正義であり力だったからだ。
「よろしい。彼らには私の秩序を教え、従う者には恩恵を与えよう。しかし、今一度いうが反抗する者には容赦はしない。我が剣の前に、いかなる反乱も成り立たぬ」
顧問たちは再び頷き、彼女の決断に従った。グラトリアの意志は絶対であり、彼女の国はその意志によってさらに拡大し、繁栄を続けることになるだろう。
彼女は宮殿のバルコニーに立ち、眼下に広がる国土を見渡した。そこには、彼女の手で築き上げられた平和と秩序が広がっていた。ロダニアの混乱は過去のものとなり、今やその土地も彼女の支配下にあった。
「これが私の幸福か……」と彼女は独り言を呟いた。
「これからも、私の力によってこの世界に平和がもたらされる。誰も私に逆らうことは許されない」
彼女の瞳には迷いはなく、強い狂気に輝いていた。剣の女王グラトリアは、自らの勝利に疑念を抱くことなく、さらなる未来へと進んでいった。彼女の国は、永遠に繁栄し続けるだろう。彼女の力がある限り。
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