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piece4 楽しい遊園地
お化け屋敷と拓真の弱点
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次のアトラクションについては、拓真と剛士の意見が真っ二つに割れた。
「ヤダヤダ!絶対入るー!」
駄々っ子のように声を上げる拓真。
「だってお前、絶対ダメじゃん。今日は悠里と彩奈もいるし、やめとけって」
困ったように説得を試みる剛士。
2人の指す方向には、新設されたお化け屋敷があった。
「だってこないだイトコと行ったときは、入れなかったんだもん。オレ、今日来た目的の80パーセントはコレなんだからな!」
「80パーセントって、殆どじゃん」
笑いながら彩奈が仲裁に入る。
「よくわかんないけど、拓真くんがそこまで言ってんだし、いいんじゃないの?」
「わー、彩奈ちゃん優しい!ほらほら~」
拓真が嬉しそうに剛士に笑いかけた。
「ね?ね? だからゴウ、オレの面倒よろしくね?」
そして剛士の返答を待たずに悠里に目を向ける。
「悠里ちゃんゴメン!お化け屋敷んときだけ、ゴウのこと貸してね?」
「うん、もちろん!」
理由はわからないが、悠里も、にっこり笑って頷いた。
はあーっと、剛士が長い溜め息をつく。
「お前ら、拓真のビビり具合知らないから、そんなこと言えんだよ」
「え?何それ、逆に面白そうなんだけど!」
お化け屋敷に向かいながら、彩奈が笑った。
「拓真くん、ビビりなの?」
「そーそー、めっちゃビビる。でも、好きなんだよねえホラーが」
ワガママが通り、ご機嫌な様子の拓真が応える。
「今日はオレのお守り役のゴウがいるから、楽しみにしてたんだ!」
「お前なあ……」
呆れたように、剛士が拓真の金髪頭を小突く。
「よろしくね?」
「……まあ、あの姿を2人に見られてもいいって思えるお前のメンタルだけは、尊敬するわ」
剛士がそこまで言う拓真の姿とは、どのようなものなのだろうか。
悠里と彩奈は顔を見合わせ微笑むと、先を歩く男子2人の後をついて行った。
お化け屋敷は空いており、すぐに入れるようだ。
2人ペアになって、時間差で案内されるシステムだった。
ピッタリ寄り添う拓真に、諦めた様子の剛士。
そんな2人を見ているだけで、既に面白い。
「ああ、お化け屋敷に入るアンタたちを、上からモニタリングしときたいわ」
「あ、できますよ?」
冗談めかして言った彩奈の言葉に、受付の女性スタッフが応えた。
この遊園地は、小さな子ども連れの客が多い。
そのため、子どもたちだけでお化け屋敷にチャレンジする客のために、モニタリングスペースを設けているそうだ。
「モニターは出口にあるので、そちらでご覧いただけます」
出口の方向を指し、スタッフが親切な笑顔を浮かべた。
「ねえ、悠里。そうしない?」
「うん!」
ニヤニヤ笑いを顔いっぱいに広げた彩奈の誘いに、悠里は大きく頷いた。
「じゃ、そういうわけで!シバさん、拓真くんのお守り、がんばってねー!」
「はーい、行ってくるねー!」
ニコニコで手を振り返してくる拓真と、げんなりした表情で見送る剛士。
悠里はそっと剛士に手を振った。
「あとでね」
「ん、」
面倒臭そうな表情は変わらなかったが、剛士の唇は悠里に向かい、微かな笑みを浮かべてくれた。
「ヤダヤダ!絶対入るー!」
駄々っ子のように声を上げる拓真。
「だってお前、絶対ダメじゃん。今日は悠里と彩奈もいるし、やめとけって」
困ったように説得を試みる剛士。
2人の指す方向には、新設されたお化け屋敷があった。
「だってこないだイトコと行ったときは、入れなかったんだもん。オレ、今日来た目的の80パーセントはコレなんだからな!」
「80パーセントって、殆どじゃん」
笑いながら彩奈が仲裁に入る。
「よくわかんないけど、拓真くんがそこまで言ってんだし、いいんじゃないの?」
「わー、彩奈ちゃん優しい!ほらほら~」
拓真が嬉しそうに剛士に笑いかけた。
「ね?ね? だからゴウ、オレの面倒よろしくね?」
そして剛士の返答を待たずに悠里に目を向ける。
「悠里ちゃんゴメン!お化け屋敷んときだけ、ゴウのこと貸してね?」
「うん、もちろん!」
理由はわからないが、悠里も、にっこり笑って頷いた。
はあーっと、剛士が長い溜め息をつく。
「お前ら、拓真のビビり具合知らないから、そんなこと言えんだよ」
「え?何それ、逆に面白そうなんだけど!」
お化け屋敷に向かいながら、彩奈が笑った。
「拓真くん、ビビりなの?」
「そーそー、めっちゃビビる。でも、好きなんだよねえホラーが」
ワガママが通り、ご機嫌な様子の拓真が応える。
「今日はオレのお守り役のゴウがいるから、楽しみにしてたんだ!」
「お前なあ……」
呆れたように、剛士が拓真の金髪頭を小突く。
「よろしくね?」
「……まあ、あの姿を2人に見られてもいいって思えるお前のメンタルだけは、尊敬するわ」
剛士がそこまで言う拓真の姿とは、どのようなものなのだろうか。
悠里と彩奈は顔を見合わせ微笑むと、先を歩く男子2人の後をついて行った。
お化け屋敷は空いており、すぐに入れるようだ。
2人ペアになって、時間差で案内されるシステムだった。
ピッタリ寄り添う拓真に、諦めた様子の剛士。
そんな2人を見ているだけで、既に面白い。
「ああ、お化け屋敷に入るアンタたちを、上からモニタリングしときたいわ」
「あ、できますよ?」
冗談めかして言った彩奈の言葉に、受付の女性スタッフが応えた。
この遊園地は、小さな子ども連れの客が多い。
そのため、子どもたちだけでお化け屋敷にチャレンジする客のために、モニタリングスペースを設けているそうだ。
「モニターは出口にあるので、そちらでご覧いただけます」
出口の方向を指し、スタッフが親切な笑顔を浮かべた。
「ねえ、悠里。そうしない?」
「うん!」
ニヤニヤ笑いを顔いっぱいに広げた彩奈の誘いに、悠里は大きく頷いた。
「じゃ、そういうわけで!シバさん、拓真くんのお守り、がんばってねー!」
「はーい、行ってくるねー!」
ニコニコで手を振り返してくる拓真と、げんなりした表情で見送る剛士。
悠里はそっと剛士に手を振った。
「あとでね」
「ん、」
面倒臭そうな表情は変わらなかったが、剛士の唇は悠里に向かい、微かな笑みを浮かべてくれた。
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