#秒恋3 友だち以上恋人未満の貴方に、甘い甘いサプライズを〜貴方に贈るハッピーバースデー〜

ReN

文字の大きさ
40 / 50
piece7 バレンタイン・サプライズ

剛士のサプライズ

しおりを挟む
剛士の長い指が、ゆっくりと悠里の髪を撫でる。

「好きだよ」
「……え?」
「悠里のこと」

耳元で、囁くように伝えられた、剛士の気持ち。
初めて、言葉にして伝えてくれた、剛士の思い。

驚きが過ぎると、じわじわと甘い喜びが込み上げてくる。
悠里は、きゅうっと剛士にしがみついた。


「悠里」
剛士が優しい声で、彼女に願う。
「もう少しだけ、俺のこと、待っててくれる?」
「……はい」

悠里は、殆ど無意識のうちに答えた。
「いつまでも、待ってます……」
「あまり待たせないようにする」
「ふふ……うん」

剛士がくれた真っ直ぐな思いと、約束。
それさえあれば、どこまでも、がんばれる気がした。

「ゴウさん……大好き」
「俺も……大好きだよ」


2人が気持ちを伝え合い、甘やかに抱きしめ合った、その時だった。

ガチャガチャッと、玄関の鍵が開く音がした。

「えっ!?」
悠里が顔を上げる。
パチリと剛士と目が合った。

「……弟?」
「う、うん。そうみたい……」
時計を見ると、まだ17時前だ。

「いつもより2時間以上早い……どうして」
ふっと剛士が微笑んだ。
「……タイムアップかあ」


惜しむように、力を込めて抱き寄せられる。
大きな手が、悠里の後頭部を優しく包み込む――


ちゅっと、髪に柔らかな感覚が落ちた。


バタバタと廊下を小走りに近づいてくる音。
剛士がそっと悠里を離し、リビングのドアを見つめた。

その一瞬後に、勢いよくドアが開く。
剛士が、悪戯っぽく微笑んだ。
「……おかえり。お邪魔してます」

憧れの人物を認めた悠人が、顔をほころばせた。
「良かったあ、柴崎さんだあ!あ、ただいまです!あっ、お誕生日おめでとうございます!!」

興奮のあまり、いつになく早口で答え、悠人が深々と頭を下げる。
「はは、ありがとな」
弟からのお祝いの言葉に、剛士は切れ長の瞳を優しく細めた。

「今日も、部活だったんだな」
「はい!でも今日は顧問の先生の都合で、16時終わりだったんですよ!」

喜々として内部情報を報告してくる彼に、思わず剛士は笑った。
「そっか。お疲れ」
「はい!ありがとうございます!」


剛士は悠人を見つめ、悪戯っぽく首を傾げた。
「……やるか?」
長い指が、庭のゴールを指す。

ぱあっと悠人の目が輝いた。
「はい!お願いします!!」
荷物を置き、悠人がガッツポーズをする。

「やった……やった!めっちゃ走って、帰ってきた甲斐があった……」
「はは、ありがとな」


剛士は笑い、傍らの悠里に囁いた。
「じゃ、ちょっと庭借りるな?」

真っ赤な頬のまま、おずおずと剛士を見上げる悠里に微笑みかける。
「……続きはまた、今度な」

悠人には見えないように、そっと彼女の手を握り、剛士は立ち上がった。
幸い悠人は、隣にいる姉のことなど、眼中にないようだ。


甘い熱が、悠里の隣から離れていき、頭がようやく動き出す。

悠里はぎこちなく、自分の髪に触れた。
感じた甘い感覚を、繰り返し繰り返し、思い返す。

髪に触れた、剛士の優しい唇を。

――ちゅって、された。
髪に、ちゅって、されちゃった…… 


まさかのタイミングで帰ってきた弟。
悠里の頭に、昨夜のやり取りが蘇る。

剛士に会いたいと、さんざん駄々を捏ねていた悠人が、急に引き下がった。
あれは、今日の練習が短いことを思い出したからなのだろう。
姉には何も伝えず、一か八かで必死に走って帰ってきたに違いない。


悠里は、バスケットボールを用意して庭に向かう2人を見つめる。
楽しそうにバスケの話をしている姿は、まるで兄弟のようだ。

これはこれで、嬉しい光景だった。
剛士との絆が、また強くなる気がした。

この熱くなった頬が少し落ち着いたら、2人のシュート練習を見学させて貰おう。

悠里がそう思った瞬間だった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)

MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

屈辱と愛情

守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

10年前に戻れたら…

かのん
恋愛
10年前にあなたから大切な人を奪った

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【完】経理部の女王様が落ちた先には

Bu-cha
恋愛
エブリスタにて恋愛トレンドランキング4位 高級なスーツ、高級な腕時計を身に付け ピンヒールの音を響かせ歩く “経理部の女王様” そんな女王様が落ちた先にいたのは 虫1匹も殺せないような男だった・・・。 ベリーズカフェ総合ランキング4位 2022年上半期ベリーズカフェ総合ランキング53位 2022年下半期ベリーズカフェ総合ランキング44位 関連物語 『ソレは、脱がさないで』 ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高4位 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高2位 『大きなアナタと小さなわたしのちっぽけなプライド』 ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高13位 『初めてのベッドの上で珈琲を』 エブリスタさんにて恋愛トレンドランキング最高9位 『“こだま”の森~FUJIメゾン・ビビ』 ベリーズカフェさんにて恋愛ランキング最高 17位 私の物語は全てがシリーズになっておりますが、どれを先に読んでも楽しめるかと思います。 伏線のようなものを回収していく物語ばかりなので、途中まではよく分からない内容となっております。 物語が進むにつれてその意味が分かっていくかと思います。

処理中です...