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第一章
ストレイト小侯爵の後悔…②
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だから、勘違いしたのだ。
その眼差しが自分に向けられていると…。
ルシアを自分を引き立たせてくれるアイテムか何かだと思い込んでいた。
そして、ルシアと過ごす時間が長くなるにつれ、シェリエルとの会話は少なくなった。
彼女が何を思って過ごしているかなど考えもせず、ルシアに酔いしれた。
そんな自分が今思えば、恐ろしい。
この浅ましい心をシェリエルに知られたくはなかった。
俺といると安らぐと褒めてくれた彼女にだけは…。
そんな風に考えていた事自体、彼女が炎の中に消えてから気づくとは…。
やはり、俺は凡庸で愚かな男だ。
ルシアが飛び降りたと聞いた時、真っ先に浮かんだのはシェリエルがどんな面持ちでいるかだった。
泣いているなら抱きしめたかった。絶望しているならそばにいて、慰めてやりたかった。
兄のような存在として…。
だから、飛んでいったのにすべてが遅かった。
マーシャン子爵の屋敷は悲劇に見舞われ、屋敷は崩れかかっていた。
瓦礫の下敷きになっている彼女を見た時、背筋が凍った。
助けたいと思ったのに、彼女が望んだのは弟を連れ出す事だけだった。
それだけを懇願したのだ。だから、それに従った。
彼女に従ったのだ。
けして見捨てたわけではない。
そう思いたいのに、最後に微笑んだシェリエルの顔が張り付いて離れない。
あんな場所で自分に笑いかけて欲しかったわけではない。
穏やかな場所で自分を見つめて欲しかった。
社交界で手を取りたかったのもルシアではなくシェリエルだったのだ。
彼女がよかった。
「俺の大切な人なんです」
その言葉を言える勇気があれば、彼女との人生は違った物になったかもしれない。
シェリエルがこの想いを受け止めてくれたかどうかは分からない。
それでも何かが変わったかもしれない。執事が言ったようにシェリエルも俺がルシアが好きだと思っていたのだろう。
だが、違う。
俺が好きだったのはシェリエルだ。
ルシアではない。
シェリエル!
シェリエル!
どうして、気づかなかったのだろう。
すぐそばに大切な物はあったのに…。
昔は俺の名前を呼んでくれたのに、いつからか小侯爵様と呼ぶようになったシェリエル。
それがなぜだか腹立たしかったし、モヤモヤした物を感じていた。
その理由をようやく理解した。だが、後悔してもすべてが遅い。
悲しみにくれるマーシャン子爵家の人々に追い打ちをかけた連中が処罰されようとも地獄に落ちようともこの行き場のない思いをおさめる場所がない。
シェリエルは死んだのだから。
「ああ…。なぜ、俺はこうなんだ!」
ストレイト小侯爵の叫びは誰にも届かなかった。
その眼差しが自分に向けられていると…。
ルシアを自分を引き立たせてくれるアイテムか何かだと思い込んでいた。
そして、ルシアと過ごす時間が長くなるにつれ、シェリエルとの会話は少なくなった。
彼女が何を思って過ごしているかなど考えもせず、ルシアに酔いしれた。
そんな自分が今思えば、恐ろしい。
この浅ましい心をシェリエルに知られたくはなかった。
俺といると安らぐと褒めてくれた彼女にだけは…。
そんな風に考えていた事自体、彼女が炎の中に消えてから気づくとは…。
やはり、俺は凡庸で愚かな男だ。
ルシアが飛び降りたと聞いた時、真っ先に浮かんだのはシェリエルがどんな面持ちでいるかだった。
泣いているなら抱きしめたかった。絶望しているならそばにいて、慰めてやりたかった。
兄のような存在として…。
だから、飛んでいったのにすべてが遅かった。
マーシャン子爵の屋敷は悲劇に見舞われ、屋敷は崩れかかっていた。
瓦礫の下敷きになっている彼女を見た時、背筋が凍った。
助けたいと思ったのに、彼女が望んだのは弟を連れ出す事だけだった。
それだけを懇願したのだ。だから、それに従った。
彼女に従ったのだ。
けして見捨てたわけではない。
そう思いたいのに、最後に微笑んだシェリエルの顔が張り付いて離れない。
あんな場所で自分に笑いかけて欲しかったわけではない。
穏やかな場所で自分を見つめて欲しかった。
社交界で手を取りたかったのもルシアではなくシェリエルだったのだ。
彼女がよかった。
「俺の大切な人なんです」
その言葉を言える勇気があれば、彼女との人生は違った物になったかもしれない。
シェリエルがこの想いを受け止めてくれたかどうかは分からない。
それでも何かが変わったかもしれない。執事が言ったようにシェリエルも俺がルシアが好きだと思っていたのだろう。
だが、違う。
俺が好きだったのはシェリエルだ。
ルシアではない。
シェリエル!
シェリエル!
どうして、気づかなかったのだろう。
すぐそばに大切な物はあったのに…。
昔は俺の名前を呼んでくれたのに、いつからか小侯爵様と呼ぶようになったシェリエル。
それがなぜだか腹立たしかったし、モヤモヤした物を感じていた。
その理由をようやく理解した。だが、後悔してもすべてが遅い。
悲しみにくれるマーシャン子爵家の人々に追い打ちをかけた連中が処罰されようとも地獄に落ちようともこの行き場のない思いをおさめる場所がない。
シェリエルは死んだのだから。
「ああ…。なぜ、俺はこうなんだ!」
ストレイト小侯爵の叫びは誰にも届かなかった。
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