不要とされる寄せ集め部隊、正規軍の背後で人知れず行軍する〜茫漠と彷徨えるなにか〜

サカキ カリイ

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第一章

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シャプナはじっとクガヤを目を丸くして見つめたのでクガヤは慌てふためいた。「あ、いや、すぐ返事欲しいとかではないから!」

しかしシャプナは目を細めて別の場所を見た。
「あ、あれ、シャプナちゃん怒った?」

「クガヤ」シャプナは言った。

「シャプナ、知らないうちに他の者の縄張りに入ってた。これまずかった。そのままいたら殺されたかもしれない。」

シャプナは続けた。

「いまその者倒された。

シャプナその命消えた時の叫びで、その者がいたことがやっとわかった。

シャプナやはり力は強くない。縄張りの主に気づかなかった」シャプナはうなだれた。

縄張りの主?何のことだろう。クガヤは不思議に思った。

クガヤはシャプナが何を話してるのかほとんどわからなくなっていた。「シャプナちゃんが話してる縄張りってさ…」

その時、シャプナは何かを見てハッと息を飲んだ。

「危ない!クガヤ!」

シャプナはクガヤの足元に飛びかかった。

一匹の茶色い蛇が、いつの間にかとぐろを巻いてクガヤの足元近くにいたのだ。

「ウワワ!シャプナちゃん離れて!」

シャプナは蛇を抑え込もうとしていた。

しかし蛇は素早くシャプナの腕にぺったり巻き付いたので、シャプナはほどこうと蛇ごと地面をゴロゴロと転がった。

蛇に巻き付かれた両手で蛇の体を地面に数回押し叩くと、いきなり隙を見て蛇の首を咥えて噛んだ。
蛇はぐったりして動かなくなった。

クガヤは息を飲んだ。シャプナの口から牙が見えており、それで蛇の首を咥えていたのだ。

シャプナは蛇を口から地面へ落とし、膝立ちで嬉しそうに笑いながら言った。

「良かった。これ毒ある。蛇死んだ。クガヤ助けることできた。シャプナどうにか恩返しできた。」

クガヤは後ずさった。シャプナは人間では…

「クガヤどうしたの?」クガヤはどんどん距離を取ってしまった。
「シャプナ…君は人じゃないんだね…」

「クガヤ?気づいてなかった?」シャプナはポカンとしている。
「力、妖力が強くなりたいとか、最初から色々話してたよね。
シャプナ妖魔で妖力強くなりたいというお話。

これ話してもクガヤ人間なのに嫌がらない。

クガヤとってもいい人。

シャプナのはじめての人間のお友達。

さっきずっと一緒って言ってくれたし」

シャプナはキャッキャッと笑いながら立ち上がって飛び跳ねた。

「それは…その、」クガヤはさらに後ずさりながら言った。「人間だと思ってたから」

「え?」「シャプナのこと人間の女の子だと思ってたから」

「どういうこと?友達なら関係ないよね?」

「悪いけど」クガヤは恐ろしさと気まずさが心でせめぎ合っている中、自分でも甚だしく混乱しながら言った。

「人間でなければ、友達とかずっと一緒とかはなしで」
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