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気持ち合い
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「ツカサ、百面相してる」
「そりゃあ自分の顔を見てみろなんていわれたら見たくもなるって」
背中に少し重みを感じて、後ろを振り返るとゼロが後ろから抱きしめていた。
背中を包まれるような温かさに、手で鏡に映る自分の顔を隠す。
ゼロはこんな俺でも、ずっと待ってくれてたんだな。
嬉しいという気持ちもあるけど、本当にこんなあっさりでいいのかと思う。
そんな事、ゼロなら気にしないんだろうけど…やっぱりはっきりさせたい。
俺の腰に回された手を掴んで、ゼロの方に振り返った。
鼻が触れるほど至近距離で見つめ合う。
「俺、あんなにレイチェルちゃんレイチェルちゃんって言ってたのに本当にいいのか?」
「ツカサが俺の事を好きになってくれた…それだけで俺はいいんだ」
「……でも」
「不安?」
「ゼロが待ってくれてたのに、不安に思うなんて悪いよな…こんな都合のいい事があっていいのかって…」
「ツカサの不安がなくなるまで、俺は溢れるほど愛をあげる」
「ゼロ…んっ」
ゼロの優しい声に導かれるように、上を向くと唇が触れ合った。
柔らかくて、温かい舌が俺の口の中に入る。
恐る恐る自分も舌を伸ばしていると、撫でられて軽く吸われて気持ちいい。
キスって、何も考えられなくなるほど気持ちいいんだな。
夢中になってゼロの舌を追いかけながら背中に腕を回した。
どのくらいキスをしていたのか、唇が離れた時には立っていられなかった。
「…はぁ、はぁ」
「ツカサが不安に思う事はない、不安がなくなったら俺はツカサに永遠の愛をいっぱいあげる」
「…ゼロ」
「だから、笑って」
ゼロにそう言われて、口元に笑みを浮かべた。
心から幸せだと伝わっただろうか、無理していない自然の笑みだ。
足がフラフラしていて、ゼロに支えられる。
足元を見ると、影ゼロは俺の影と重なっていた。
なんというか、俺の意地のせいで影達にも迷惑掛けて申し訳ないな。
といっても、生きているのはゼロの影だけなんだけど…
「ツカサ、ベッドに行く?」
「…お前はすぐそっちに行こうとする」
「ダメなのか?」
「………ダメなんて言ってない」
ゼロが落ち込んでるみたいだけど、自分から言うのはやっぱり恥ずかしい。
素直にゼロに言う日は来なさそうだなと、自分でも思う。
ゼロにお姫様だっこされて運ばれるから「一人で歩く!」と足をばたつかせて抵抗する。
俺はゼロと恋人になったけど、女扱いされたいんじゃない!
ゼロは口元に笑みを浮かべているだけで、俺を下ろしてくれない。
下ろされたのはベッドの上で、ギシッと音が鳴った。
シングルベッドなのに、男二人で乗るとは想定していないから当然だ。
俺に覆い被さるゼロを見て、顔がだんだん近付いてくる。
きっとこのキスを受け入れたら、やっぱりそうなる…よな。
物凄く恥ずかしいけど、でも…俺は覚悟を決めてここに来たんだ。
こんな事で怯えてどうする!潔く腹をくくれ俺!
ギュッと目を閉じると、唇に柔らかい感触がした。
触れるだけの遠慮がちなキス、ゼロも俺とは違う意味で怯えているんだなって分かる。
俺はずっとゼロの気持ちに逃げ続けてきた、ゼロからしたら今も信じられないのかもしれない。
俺がした事だ、ちゃんとゼロに分らせないと…
俺はもう、逃げも隠れもしない…向き合うんだって…
ゼロの頬に触れて、思いっきり歯がぶつかった。
痛くて口を押さえながらゼロを見る。
呆然と俺を見ているゼロがいて、平然としている顔が腹立たしい。
「うー…」
「ツカサ」
「うおっ、なんだよ」
突然抱きしめられてびっくりした。
震えているゼロを見て、平然そうに見えてゼロもいっぱいいっぱいなんだなと気付いた。
ゼロの背中に腕を回して、俺より大きな背中を撫でた。
恋って、実っても臆病になるものなんだな…知らなかった。
ゼロは今が不安なんだろうけど、俺は今後が不安だよ。
いつか、この関係が終わってしまうんじゃないかって…それだけ、ゼロを繋ぎ止めるなにかが俺にはないんだ。
「そりゃあ自分の顔を見てみろなんていわれたら見たくもなるって」
背中に少し重みを感じて、後ろを振り返るとゼロが後ろから抱きしめていた。
背中を包まれるような温かさに、手で鏡に映る自分の顔を隠す。
ゼロはこんな俺でも、ずっと待ってくれてたんだな。
嬉しいという気持ちもあるけど、本当にこんなあっさりでいいのかと思う。
そんな事、ゼロなら気にしないんだろうけど…やっぱりはっきりさせたい。
俺の腰に回された手を掴んで、ゼロの方に振り返った。
鼻が触れるほど至近距離で見つめ合う。
「俺、あんなにレイチェルちゃんレイチェルちゃんって言ってたのに本当にいいのか?」
「ツカサが俺の事を好きになってくれた…それだけで俺はいいんだ」
「……でも」
「不安?」
「ゼロが待ってくれてたのに、不安に思うなんて悪いよな…こんな都合のいい事があっていいのかって…」
「ツカサの不安がなくなるまで、俺は溢れるほど愛をあげる」
「ゼロ…んっ」
ゼロの優しい声に導かれるように、上を向くと唇が触れ合った。
柔らかくて、温かい舌が俺の口の中に入る。
恐る恐る自分も舌を伸ばしていると、撫でられて軽く吸われて気持ちいい。
キスって、何も考えられなくなるほど気持ちいいんだな。
夢中になってゼロの舌を追いかけながら背中に腕を回した。
どのくらいキスをしていたのか、唇が離れた時には立っていられなかった。
「…はぁ、はぁ」
「ツカサが不安に思う事はない、不安がなくなったら俺はツカサに永遠の愛をいっぱいあげる」
「…ゼロ」
「だから、笑って」
ゼロにそう言われて、口元に笑みを浮かべた。
心から幸せだと伝わっただろうか、無理していない自然の笑みだ。
足がフラフラしていて、ゼロに支えられる。
足元を見ると、影ゼロは俺の影と重なっていた。
なんというか、俺の意地のせいで影達にも迷惑掛けて申し訳ないな。
といっても、生きているのはゼロの影だけなんだけど…
「ツカサ、ベッドに行く?」
「…お前はすぐそっちに行こうとする」
「ダメなのか?」
「………ダメなんて言ってない」
ゼロが落ち込んでるみたいだけど、自分から言うのはやっぱり恥ずかしい。
素直にゼロに言う日は来なさそうだなと、自分でも思う。
ゼロにお姫様だっこされて運ばれるから「一人で歩く!」と足をばたつかせて抵抗する。
俺はゼロと恋人になったけど、女扱いされたいんじゃない!
ゼロは口元に笑みを浮かべているだけで、俺を下ろしてくれない。
下ろされたのはベッドの上で、ギシッと音が鳴った。
シングルベッドなのに、男二人で乗るとは想定していないから当然だ。
俺に覆い被さるゼロを見て、顔がだんだん近付いてくる。
きっとこのキスを受け入れたら、やっぱりそうなる…よな。
物凄く恥ずかしいけど、でも…俺は覚悟を決めてここに来たんだ。
こんな事で怯えてどうする!潔く腹をくくれ俺!
ギュッと目を閉じると、唇に柔らかい感触がした。
触れるだけの遠慮がちなキス、ゼロも俺とは違う意味で怯えているんだなって分かる。
俺はずっとゼロの気持ちに逃げ続けてきた、ゼロからしたら今も信じられないのかもしれない。
俺がした事だ、ちゃんとゼロに分らせないと…
俺はもう、逃げも隠れもしない…向き合うんだって…
ゼロの頬に触れて、思いっきり歯がぶつかった。
痛くて口を押さえながらゼロを見る。
呆然と俺を見ているゼロがいて、平然としている顔が腹立たしい。
「うー…」
「ツカサ」
「うおっ、なんだよ」
突然抱きしめられてびっくりした。
震えているゼロを見て、平然そうに見えてゼロもいっぱいいっぱいなんだなと気付いた。
ゼロの背中に腕を回して、俺より大きな背中を撫でた。
恋って、実っても臆病になるものなんだな…知らなかった。
ゼロは今が不安なんだろうけど、俺は今後が不安だよ。
いつか、この関係が終わってしまうんじゃないかって…それだけ、ゼロを繋ぎ止めるなにかが俺にはないんだ。
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