闇鴉 ~私を一人にしないで束縛して~

水無月

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 第1章 

何者でしょう?

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ゴリ…差理螺先生の「これで、入学式は終わりだ。各自帰れ」という命令口調と、ともに教室を出る
…あんなんで教師は務まるのか
差理螺先生が去ると教室に残る者は携帯やゲーム機を取り出し遊び始める
逆に帰る者は、ゆっくりと鞄に荷物をいれずに教室を出たり、鞄すら取らずにさっさと帰る者…自由だ
まあ、私は鞄すら持ってきてないんだけど
それより…
「………いつまで付いてくるの?」
「えー?さっきも言ったじゃーん、命ちゃんが話してくれるまでー」
…きも

私が教室から出ると既に出ていたのかさっきの4人組が私の前に立ちはばかる
さっさと帰りたい私は最初無視しようかと思ったんだけど…
付いてくる付いてくる…とうとう家の近くのコンビニにまで来ていた
流石に、住所まで知られるとめんどいから適当に言って追い返そうと思ったら全く聞く耳を持たない
早く帰ってこのウィッグ取りたいのに…
「もう帰ってくれない?」
「や・だ、教えてくれなきゃ家までついてくよ?」
「だから、私に理由を聞かれても分からないってば」
「嘘だー」
さっきからこの繰り返しで埒が明かない
チラッと他の3人を見ると完全に傍観の姿勢を取っている
……はあ
心の中でため息をつくと『チャラ男』の方を向き大きな声で
「そっちの…何だっけ、竜だっけ?」
いきなり私が話を振ったので4人は眼を見開いたけどチャラ男は頷く
「そいつがバカだから、私が入ったのに気付かなかったんじゃない?」
「「「「…………」」」」
多分、4人の間の空気が止まったと思う…
あれ?でもこれはチャンス…さっさと退散しよ

~竜side~

『そいつがバカだから、私が入ったのに気付かなかったんじゃない?』

今日は朝方までがありヘトヘトになりながら倉庫に戻った
すると、パソコンを弄っていた翔が顔を上げて俺を見て一言
「今日は水高(水凛高校)の入学式ですよ?大丈夫ですか?竜?」
「……そういえばそうだったな」
翔に言われるまで忘れてたことに気付く
「えー?忘れてたのー?竜ー?」
「…珍しい」
清はニヤニヤしながら、零は首を傾げる
「…ほっとけ…時間になったら起こしてくれ」
翔の返事も聞かずに俺はソファに体を預けるとすぐに意識を手放した

「竜、起きて下さい。時間です」
「……もう時間か…」
「はい」
ソファから起き上がると欠伸を噛み殺しながら部屋を見回す
「清と零はどうしたんだ?」
やけに静かだと思ったらあの二人がいない
「ああ、あの二人なら先に行きましたよ。何でも差理螺という先生に呼ばれたとか…」
「へえ、あの二人を動かす何て凄いな」
まあ、俺とは関係ないしいいか
「車で行きますか?」
「…いや、バイクで行く」
下に降りるとバイクに跨りエンジンをかける

高校に着くとさっさと教室に入る。当然誰もいなくガランとしている
本当はこの高校では行事は絶対参加だが入学式だけ特別な抜け穴がある
実は入学式に参加する新入生だけは参加しているかどうかは教室で確認するらしい
つまり、入学式に参加しなくても教室にいればいい、という事だ
変な所で甘い高校だ…まあ、おかげで寝れるんだが
適当な席に座ると顔を伏せてすぐに眠りに落ちた

物音がした気がして顔を上げて瞬時に俺は固まった
俺の二つ前の席に金髪の女が寝ている
…いつのまに…
俺は女嫌いだから同じ部屋に入ってきたら絶対に気付くはずなのに…
「竜ー、さっきさぼってたでしょー!てどしたのー?」
「また寝てたんですか?竜?」
「竜?」
いつの間にか翔達が入ってきたが俺は目の前の女に釘付けになる
俺の視線の後を追うように3人が女の方を向くとすぐに俺に詰め寄る
「竜?どういうことですか?女が平気になったんですか?」
「本当かよー!竜ー」
「あの竜が…」
何か好き勝手言ってるが俺は首を横に振る
「いや、さっき気付いた」
「「「…………は?」」」
「寝てたらいつの間にかそこにいた」
「「「…………」」」
俺達は目で合図すると女の席に近づく
翔が女を起こしている間に簡単に説明する
まず、俺達は『闇鴉』という名の族だ、それも全国NO1の…だ
しかも俺は総長、そんな俺に気付かれずに女が部屋に入れる可能性は0に等しい
だがこの女は俺に全く気付かれずにこんな近くまで来ていた…一体、何者なんだ…この女は
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