愛玩洞窟〜汝洞窟を愛せよ、奥に深く深淵に

黒船雷光

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亜人攻略・魔王復活編

沼地の王

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 オーク達が恐れるあまり、少し離れた場所の木の上に簡易的な足場を組んで、くつろげる場所を作る。

 ラカスタの三人とオレと雫で、作成会議だ。
 黒曜は鉄心達と遊んでいる。

「ところで、リザードマン達の特徴が知りたいのだが…」
「概ね三種に分類される種族が確認されています」
「え?おっきなトカゲってだけじゃないのか?」
「蜥蜴…は、比較的蔑みの意味があります故、迂闊に使いませんように」
 カイラは少し難しい顔をする。

「……結構高い文明を持っていたりするのか?」
「沼地の住人は好戦的である」
「我らは滅多に近づかないっす」
「奴らは水辺では最強だからな…」
 中々に面倒な種族でもあるが…水辺の爬虫類と言えばワニやイグアナ系か?

「ドレグ=ヴァス火海族ひかいぞく、グル=ザル湿界王朝しっかいおうちょう、シェル=ラーム樹冠同盟じゅかんどうめいという三種族が主になります」

 山間から平地に掛けて住むカイラが説明するのはドレグ=ヴァス。
「火海族は火山地域に活動の拠点を持ち、非常に素早く、どう猛で毒を持ちます」
 毒を持つ蜥蜴でどう猛で素早い…何となく最初から嫌な予感…
「奴らはあまり群れを成しませんが、理知的で行動力があり、工芸なども行うのが特徴です…体格は我らと同じか少し小さいくらいですが、尾がある程度の長さを持ちますので、全体的に大きく見えます」
「走るの早そうだね…」
「よくご存じですね…あのような足の構造でも速度が出ますな」
 そりゃーアレだ…間違いなくコモドドラゴンだな…SNSで見たわ。

 ザルクが次いで説明してくれる「グル=ザルは沼地、水源近くに住む長寿の巨漢で見た目も恐ろしい種族ですが、陸地ではそこまで活動的ではありません。ただ、水中では我らでも相手になりません。多くを語らないですが、長寿故に知識量は半端ないです。水辺で奴らに出遭うのは即、死が待っています」
 …もう、コレワニだろ…間違いない

 最後は我からとタイガが語る「シェル=ラームは水陸共に問題なく活動し、種族によっては海に生息するものもいるぞ。比較的群れで生活し生活水準も安定している一族と言えるかな。外交的な面もあるので、交渉するなら彼らがいいとは思うが…」

「なんだ、歯切れが悪いな…」
「気温に期限が左右されるからな…コミュニケーションを取るのは結構大変だぞ…」
 …ちょっと想像がつかない。海に住んでる?
「奴らの中ではトゲが多い種です」あーあれか…イグアナか…

「何となくわかった気がする…明日黒曜と共に挨拶に行くぞ」

 次の日。

 黒曜が抱えるゴンドラに乗って移動する。
 この前まで馬車をそのまま運んでたが、専用のゴンドラになり、巨大なベルトまで付いてて、エラリア女王が黒曜用に作らせていた事がわかる。

 ラカスタメンバーも共に飛ぶ。カイラが目を丸くして外を眺める。
「トンデモない代物ですね…黒曜殿には驚きしかありません」
「まぁなぁ~トンデモないと言うか、飛んでるけどな」

「汝の揚げ足取りは詰まらない」
「いや、雫さん?コレは駄洒落と言って…」
 どうやら、最近ご無沙汰で機嫌が悪い様だ。

 ちょっと、雫さんにヘソ曲げられると色々不都合なので、懸命にゴンドラ内で奉仕して、ラカスタメンバーがソレをニヤニヤ眺めると言う何とも羞恥プレイを晒す中で沼地に着く。

沼地には、粗末ではあるがある程度の規模の街が見えてくる。
「想像よりも組織的な生活をしているな…」
街の真ん中、広場に黒曜と降りる。

巨大な羽と体を持つ黒い竜…黒曜の異様さは、衆目を集めるに十分すぎる効果を持っている。
そしてゴンドラから降り立つのはラカスタの代表的な三種を率いる小さな人間。
周囲を組織的に槍を持ったイグアナにしか見えない頭部を持ったリザードマン達が囲む。
ざっと30…人。武具の類は比較的質素で、動物の皮か葦を編んだ服の様だ。だが、よく見ると一部金属を編み込んであったり、話に聞いていた通り加工と装飾をする程度の文化レベルがある様だ。

正面の社から鱗に複数の色が混ざった全体的には色が黒い歴史を感じる風貌のイグアナが前に進み出る。
「何カ用デアルカ?」

「オレたちは、お前たちを滅ぼしに来た」
「え?」という顔をラカスタ達さえする。

「後ろに控える黒き竜はこの街など一瞬で灰燼に帰すことが出来る」
「武力行使カ?」
「そうだ…」
「デハ何故コノ場ニ来タ?」
「選択肢はある…」
「何ヲ望ム?」
「同盟だ」
「脅迫デ…カ?」
「同盟は図々しいか…協定を結びたい。複雑な内容を取り決められないと思ってね…」
「馬鹿ニシテイルノカ?」
あんまり表情変わらないから怒っているのかどうかわからん…

「シェル殿…尻尾を見られよ」カイラがボソッと助言をくれる。
表情は変わらないが、確かにイラついているのか…尾の先がピシピシと地面を叩いている。
すると、突然社の奥から声がした。

おさ!ちょっと待っテ頂戴…」
明るい緑の体色に金の冠鱗を持つのが特徴の若い個体が現れた。

「あなたは?」
「リィナ=シェルフィ・風頁の賢翼と呼ばれテいル…」
だいぶ流ちょうに共有語を語る…彼らの声帯に男女があるのか分からないが声がだいぶ女性っぽい。

「話は聞いていタ。イきなリ、伝説の竜で乗り込んデ脅迫しながラ協定とは…」
「リィナ=シェルフィ…いい名前だ。いきなり大多数を焼き払って、降伏を強いても良かっただろ?」
「そうシない理由は?」
「恐怖と殺戮は恨みしか生まないからね…だけど、オレ達には君たちに提供できる交渉材料はない。だから、乱暴だけど手を出さなければこちらも手を出さないという協定を結べればと思ってね…」

「ラカスタ達を連れてきているのは?」
「多少なりとも彼女たちとは絡みがあるんだろ?仲介役をお願いした…あと、ボディガードも」
「ラカスタを従えル…そノ力…」シュルシュルと紫色の舌が出る。
「なるホド…お前が…そうなのカ?」
突然何かを察したような話し方…気になる。

「詳しくは…グル=ザルのおさに話を聞こうデハないカ」
「協定は結んでくれるのか?…まあ、単純に互いの文化圏の不干渉を願うだけだが…緩衝地帯は設定したい」
「それは、ソの価値をお前ガ持っているのカ次第ダ」
「俺の価値?」

「いいかラ、付いて来イ」

そう言うとオレ達を案内し始める。
脅して話を聞かせる線はもう不要になったので、黒曜は人型になってもらい同行させる。

湿地の先に川がある。そこにひときわ大きいワニが現れた。
「バル=グロス・深流を歩む王ダ」リィナ
その巨大さは、顔だけなら黒曜の竜の時より大きいかもしれない…もはや怪獣だ…

「ワシに何か用かの?」巨大な口から落ち着いた、太く低音がが響き渡る声でゆっくり語る。
わしじゃなくてワニだろ…と思ったが黙っておく。

「パル=グロス…お主が昔語っていた伝説の話を詳しく教えてくれ」
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