87 / 115
亜人攻略・魔王復活編
古参の歴史の承認者
しおりを挟む
ラカスタトリオ(黒豹、ジャガー、虎)を従えてイグアナを連れ立ってワニに会う…
亜人文化の多様性は冷静に考えて途轍もない幅広さである。
河の向こう側は魔法王国。
山脈の向こうは機械帝国である。
「なんでもアリだな…」
湿地帯を抜け、巨大な湖に到着する。
イグアナ姿の亜人リィナ=シェルフィ・風頁の賢翼は湖の辺りに立つと「クゥルゥゥオン」と声高に不思議な音を出す。
ゆっくりと水面に浮かび上がるワニの頭。
想定よりずっと大きい。
ザバリと4体ほどが立ち上がる。
「シャハァッッ」と音を交わす。
ワニの兵士はオレ達の正面向かって左右に分かれると、奥から一際巨大なワニが浮かび上がる。クルーザーが浮かんできたのか?と思うほどの巨大な頭。
口を開けばオレ達全員一飲み出来そうな巨大な口は以外にも静かな、しかし腹に響く声で話す。
「歴史を速度で駆け巡る小さきモノ達よ…」
「バル=グロス・深流を歩む王・ワニの長老だ」
リィナが紹介してくれる。
「オレはシェルと言う。こっちはツガイの雫、娘の黒曜だ」
…
………
「…なんと驚きだ…竜の娘だと?」
と、驚きの返答が来たのは五秒くらい待った後だ。
……コリャあ、会話が大変そうだ。
「オレ達は侵略に来たわけではない。だが、この大地の一部を共有して使わせて欲しい。オレ達の仲間は少しだけ通行させて欲しいだけなんだ」
「……我等は水辺に近寄るものは獲物と見なす。近づかなければ手出しはせぬ。近づけは狩る。交渉は不要だ」
話が噛み合わない。が、互いに不干渉で居ようと言うことか。
リィナが口を挟む。
「偉大なる歴史を語る者バル=グロスよ。彼のモノは、私がお主から聞いタ歴史について符号すル点を感じたが…真祖なる太古の神聖生物ノ話ヲ聞かセてはくれまいか?」
「………神聖なる粘性生物は…太古に多様性の為に分裂し、それぞれが代表を決めて戦った。前回は六百年前の大戦であった。」
バルの知識は、ホーリースライムの過去の大戦に遡る。
勢力争いが起きると世界の縮図が書き換わる。
世界が書き換わりスライムは再び歴史に埋もれていく。
スライムの力の継承を受けたものがその後の社会を作る。
つまり、オレの行動そのものが、未来を変えていく?
「バル=グロス、その…前の大戦で以前とは何が書き変わったんだ?」
「小さき死に急ぐ卵を産まぬものよ…先の大戦では日出る光の天使を掲げた一族が全てを平定した。代わりに最も抵抗した『大地を支配した更なる小さき一族』は滅んだ…我等は関わらず、出しゃ張らず自分達を守った。故に主らに関わらない」
つまり、歴史の傍観者であったと。
一つの処世術ではあるな。
「それはお前たちの総意なのか?」
「我らハ、水辺を離れテ生活は成り立たなイ」リィナはその分かりづらい表情で語る。
「我ラは、外気の温度と潤沢な水分が無イ環境でハ、生活が成り立たなイ…故に、安易な同盟や連合ハ、難しイ」
「お前たちが種族を平定し、この土地を得たいと考えるのが、伝説にある古代種の争いに関わるものであるなら、我らはソこに関わらなイ。邪魔もしなイが邪魔もさレたくナい…とイうことになル」
「ところで、勝ち残った古代種と契約していた種族と言うのは?世界を書き換えたその末裔って…」
「お前たち短き駆け巡る種……と、言いたいところだが…お前たちは滅びる側であった……小さきモノよ」
「?滅ぶどころか隆盛だが…」
「光の種族の情けであった。光の種族は選択を間違えたのだ……お前たちは、同情で生き永らえたに過ぎない」
「どういうことか?」
「先の大戦では、土を掘る種族、お前たちよりさらに小さきモノたちは、大地から硬き鉄、鉛、銅を精製し武器を作り続け戦ったが、光の種族に滅ぼされた。光の種族はお前たちの見た目変わらず我らから見れば同じ種族に見えるが、我らと同じくらい長い年月を生きる…彼らは、抵抗しなかった近しい見た目の小さきモノを許し、助けた」
光の種族というのが、オレ達人間に近しい種族と言うのが分かったが、亜人を別としてあまり極端な種族の違いを感じたことはない…絶滅したさらに小さきモノというのは、ドワーフとかだろうか?
確かハイランダーズの祖先が、近しい様な事を言っていたが、かれらはドワーフというより普通の人間だった。
「分かった…オレ達も別にここで争いを起こしたいわけでは無い…互いに不干渉であるなら、せいぜい邪魔をしないようにするさ…だが、一つだけ提案がある」
「何だ?小さきモノよ」
「お前たちが言う古代種、つまり雫の本体も、日の光を好まず地下に洞窟を掘って生活の根幹を構えている。洞窟は大気も安定し、水分の蒸発も地上とは異なり、安定していると言える…まあ、暗いのは難点だが、そういった環境は提供できる。興味あるなら案内もしよう」
「その誘イ、ドレグ=ヴァス火海族は、もしやシたラ話を聞くかもしれなイ」
「ドレグ=ヴァス?」
「火山地帯に住ム。彼らハ地熱に依存スる戦いに長けタ戦士ノ一族」
リィナの声が畏怖に震える気がする。
「リザードマンの中で最も獰猛で戦闘に長けた一族です…我らも積極的に近づこうとは思いません」
カイラが警戒心を持ちながらも、補足してくれる。
「こっちには、ラカスタの君たちと、何より黒曜がいるからな…よし、まあ、せっかくなんで話をしてみよう」
「良いだろウ…案内しよウ」
こうして、オレたちはリザードマン族の最後の種族に会うことになる。
亜人文化の多様性は冷静に考えて途轍もない幅広さである。
河の向こう側は魔法王国。
山脈の向こうは機械帝国である。
「なんでもアリだな…」
湿地帯を抜け、巨大な湖に到着する。
イグアナ姿の亜人リィナ=シェルフィ・風頁の賢翼は湖の辺りに立つと「クゥルゥゥオン」と声高に不思議な音を出す。
ゆっくりと水面に浮かび上がるワニの頭。
想定よりずっと大きい。
ザバリと4体ほどが立ち上がる。
「シャハァッッ」と音を交わす。
ワニの兵士はオレ達の正面向かって左右に分かれると、奥から一際巨大なワニが浮かび上がる。クルーザーが浮かんできたのか?と思うほどの巨大な頭。
口を開けばオレ達全員一飲み出来そうな巨大な口は以外にも静かな、しかし腹に響く声で話す。
「歴史を速度で駆け巡る小さきモノ達よ…」
「バル=グロス・深流を歩む王・ワニの長老だ」
リィナが紹介してくれる。
「オレはシェルと言う。こっちはツガイの雫、娘の黒曜だ」
…
………
「…なんと驚きだ…竜の娘だと?」
と、驚きの返答が来たのは五秒くらい待った後だ。
……コリャあ、会話が大変そうだ。
「オレ達は侵略に来たわけではない。だが、この大地の一部を共有して使わせて欲しい。オレ達の仲間は少しだけ通行させて欲しいだけなんだ」
「……我等は水辺に近寄るものは獲物と見なす。近づかなければ手出しはせぬ。近づけは狩る。交渉は不要だ」
話が噛み合わない。が、互いに不干渉で居ようと言うことか。
リィナが口を挟む。
「偉大なる歴史を語る者バル=グロスよ。彼のモノは、私がお主から聞いタ歴史について符号すル点を感じたが…真祖なる太古の神聖生物ノ話ヲ聞かセてはくれまいか?」
「………神聖なる粘性生物は…太古に多様性の為に分裂し、それぞれが代表を決めて戦った。前回は六百年前の大戦であった。」
バルの知識は、ホーリースライムの過去の大戦に遡る。
勢力争いが起きると世界の縮図が書き換わる。
世界が書き換わりスライムは再び歴史に埋もれていく。
スライムの力の継承を受けたものがその後の社会を作る。
つまり、オレの行動そのものが、未来を変えていく?
「バル=グロス、その…前の大戦で以前とは何が書き変わったんだ?」
「小さき死に急ぐ卵を産まぬものよ…先の大戦では日出る光の天使を掲げた一族が全てを平定した。代わりに最も抵抗した『大地を支配した更なる小さき一族』は滅んだ…我等は関わらず、出しゃ張らず自分達を守った。故に主らに関わらない」
つまり、歴史の傍観者であったと。
一つの処世術ではあるな。
「それはお前たちの総意なのか?」
「我らハ、水辺を離れテ生活は成り立たなイ」リィナはその分かりづらい表情で語る。
「我ラは、外気の温度と潤沢な水分が無イ環境でハ、生活が成り立たなイ…故に、安易な同盟や連合ハ、難しイ」
「お前たちが種族を平定し、この土地を得たいと考えるのが、伝説にある古代種の争いに関わるものであるなら、我らはソこに関わらなイ。邪魔もしなイが邪魔もさレたくナい…とイうことになル」
「ところで、勝ち残った古代種と契約していた種族と言うのは?世界を書き換えたその末裔って…」
「お前たち短き駆け巡る種……と、言いたいところだが…お前たちは滅びる側であった……小さきモノよ」
「?滅ぶどころか隆盛だが…」
「光の種族の情けであった。光の種族は選択を間違えたのだ……お前たちは、同情で生き永らえたに過ぎない」
「どういうことか?」
「先の大戦では、土を掘る種族、お前たちよりさらに小さきモノたちは、大地から硬き鉄、鉛、銅を精製し武器を作り続け戦ったが、光の種族に滅ぼされた。光の種族はお前たちの見た目変わらず我らから見れば同じ種族に見えるが、我らと同じくらい長い年月を生きる…彼らは、抵抗しなかった近しい見た目の小さきモノを許し、助けた」
光の種族というのが、オレ達人間に近しい種族と言うのが分かったが、亜人を別としてあまり極端な種族の違いを感じたことはない…絶滅したさらに小さきモノというのは、ドワーフとかだろうか?
確かハイランダーズの祖先が、近しい様な事を言っていたが、かれらはドワーフというより普通の人間だった。
「分かった…オレ達も別にここで争いを起こしたいわけでは無い…互いに不干渉であるなら、せいぜい邪魔をしないようにするさ…だが、一つだけ提案がある」
「何だ?小さきモノよ」
「お前たちが言う古代種、つまり雫の本体も、日の光を好まず地下に洞窟を掘って生活の根幹を構えている。洞窟は大気も安定し、水分の蒸発も地上とは異なり、安定していると言える…まあ、暗いのは難点だが、そういった環境は提供できる。興味あるなら案内もしよう」
「その誘イ、ドレグ=ヴァス火海族は、もしやシたラ話を聞くかもしれなイ」
「ドレグ=ヴァス?」
「火山地帯に住ム。彼らハ地熱に依存スる戦いに長けタ戦士ノ一族」
リィナの声が畏怖に震える気がする。
「リザードマンの中で最も獰猛で戦闘に長けた一族です…我らも積極的に近づこうとは思いません」
カイラが警戒心を持ちながらも、補足してくれる。
「こっちには、ラカスタの君たちと、何より黒曜がいるからな…よし、まあ、せっかくなんで話をしてみよう」
「良いだろウ…案内しよウ」
こうして、オレたちはリザードマン族の最後の種族に会うことになる。
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
愛しているなら拘束してほしい
守 秀斗
恋愛
会社員の美夜本理奈子(24才)。ある日、仕事が終わって会社の玄関まで行くと大雨が降っている。びしょ濡れになるのが嫌なので、地下の狭い通路を使って、隣の駅ビルまで行くことにした。すると、途中の部屋でいかがわしい行為をしている二人の男女を見てしまうのだが……。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる