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サンライト・ホーリースライム編
最悪災厄の来訪者
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王国を挙げての祭事は1週間続き、来訪者の相手は大変で、正直飽きかけていた…
そこに辺境警備隊のケルベロス隊員から報告が入った。
「正体不明の武装集団が襲来…農村を襲い、拠点制圧」
北東都市フォージリッジ のさらに北は海が広がるが、その先は未開の地としてエリダリア王国の人間は近付かない…だが、エラリアはそこを警戒してケルベロス師団にココ最近は巡視させていたのだ。
「遂に来たか!?」
来る事は分かっていても、何故このタイミングなのか…オレには分からなかったが、エラリアには分かっていたようで、ケルベロス師団を即座に向かわせ、周辺の一般住人を避難させ始める。
「何でこのタイミング何だよ?」
「我が夫にして相方のシェルよ…我等は雫のムーンライト・ホーリースライムとガルバルディ帝国のアースライト・ホーリースライムの統合があったように、サンライト・ホーリースライムとアクアライト・ホーリースライムの統一の為の覇権争いがあったはずなのじゃ…」
そんなことくらい察せよと言うエラリアだが、そもそも地形もソッチのほうは把握していなかったのだ…反対側ばかり見ていたしな。
「それで、数は?!」
「確認された人数は七人…ですが全員かなりの手練れの様です」報告してくれたのは、ケルベロスのエラ・モーガン偵察隊長だ…懐かしいな…一番最初にエルトと一緒に洞窟に向かったメンバーの一人のはず。
「ガウェイン・ストーム重装兵長が戦死しました」
細身で濃い緑のクセのあるショートヘア、猫のような大きな目が悔しさに歪む。
その名前も覚えている…確か……マックスといい感じと聞いていた…立派な体格が自慢の…
「な、何だって?…他に犠牲は?」
「今のところは…ガウェイン兵長だけで、村民に犠牲はありません…この様な報告を…無念です」
ザワりとコレまでにない感覚が体を駆け巡る。
帝国と事を構えた時にも犠牲者は出ていた。
だが、今回は見知っている…と言うより、一度ならず肌を重ねた相手となると別だ…
多少ならずとも怪我なら治療修復可能な魔法も使える。何処かで【死】が遠くなっている感覚があった。
たが、ココではない土地にて、仲間を失えばソレは永遠に失われる。頭では理解していても、何処かで油断していた。急激に足元から湧き上がる冷たい感覚に頭が痺れる感覚。
普段、親しい彼女達と肌を合わせて感じる柔らかい甘ったるい痺れとは全く違う、冷たくドス黒い感覚…心臓が、血管が収縮し、手足が痺れ視界が狭くなる。
「今その者たちはどうしている?」
エラリアも同じなのであろう鋭い目つきに変わり冷静に問う。
「そ、ソレが…」
「索敵報告が主の任務であろう、申せ」
エラリアは既に腹を括ったのであろう。最早そこにうら若き乙女の顔など無い。
「ガウェイン兵長は斬首され、首を御印と掲げられています…服従無くば最大戦力を持って抵抗せよと……」
何かが音を立てて壊れる音がする。
怒り…と言った単純な感情では無い湧き上がる先程の冷たい感覚を上回る激しい激情、耳の後が痛くなるような鋭い慟哭が無意識に湧き上がる。
「落ち着くべし我主…」すぐ横に来ていた雫がオレの腕を抱いてその優しい感触に少しだけ気を削がれるが、落ち着くにはまだ遠い。
「敵の術中にハマるでないぞ我夫よ」
極めて冷たい視線で前を見るエラリア…
「ガウェインは巡視隊の隊長出あったのであろう…他の者は無事と言うことは、最低限の礼儀は弁えておるのだろう…強敵と言うことじゃ」
その冷静さをオレは理解しかねた…感情が知性を上回り声を出そうとするが、オレの腕を掴んでいる雫の腕の力が強くなりその想いがオレを思いとどませる。
「今の自分の立場をよく考えろ…」と…
食いしばった歯が軋む。
「只今エルフェルト騎士団長がケルベロス精鋭部隊を率いて向かっております」
エラは淡々と告げる。
エルフェルトことエルトはオレが王国騎士団長と最初に接触した騎士団長で当時は中隊長だった。
「我等は血筋にて半端故実績で評価してもらうしかないのだ」と……今や王国騎士団長となっても、尚先陣きって向かっているのだ…
いや、感心している場合ではない。
「雫!」「理解しておる」
「エラリア!」
「主が倒れたらすべてが終わりぞ、わかっておるよな?」
「…わかっている」喉から絞り出すように声を出す。彼女を今不安にさせてはならない。
「エルトたちだけでは不安だ…援護に回るぞ。鉄魁にも援護を願おう。ラカスタ達も来れるな。黒曜は…」「今は動けまい…」卵が孵るまでは致し方ないか…
『総力をもって抗え…』か…相当な自信があり、無駄な戦闘を避ける慈悲もあるが、容赦はしない…
「武士道ってやつか?…詳しくは知らねえけど、簡単じゃ無い…敵」
放置したら当然都市に侵攻するんだろうな…クソ、選択肢は無いのだ。
「元ギルド盟主のレイラ、ナディア、アストリッドも同行して欲しい。コレは総力戦になる…」
そうして愛玩洞窟を伝ってスレインに運んでもらい、最速でエルト達と合流する。
待ったなしの戦いが始まるのだ。
そこに辺境警備隊のケルベロス隊員から報告が入った。
「正体不明の武装集団が襲来…農村を襲い、拠点制圧」
北東都市フォージリッジ のさらに北は海が広がるが、その先は未開の地としてエリダリア王国の人間は近付かない…だが、エラリアはそこを警戒してケルベロス師団にココ最近は巡視させていたのだ。
「遂に来たか!?」
来る事は分かっていても、何故このタイミングなのか…オレには分からなかったが、エラリアには分かっていたようで、ケルベロス師団を即座に向かわせ、周辺の一般住人を避難させ始める。
「何でこのタイミング何だよ?」
「我が夫にして相方のシェルよ…我等は雫のムーンライト・ホーリースライムとガルバルディ帝国のアースライト・ホーリースライムの統合があったように、サンライト・ホーリースライムとアクアライト・ホーリースライムの統一の為の覇権争いがあったはずなのじゃ…」
そんなことくらい察せよと言うエラリアだが、そもそも地形もソッチのほうは把握していなかったのだ…反対側ばかり見ていたしな。
「それで、数は?!」
「確認された人数は七人…ですが全員かなりの手練れの様です」報告してくれたのは、ケルベロスのエラ・モーガン偵察隊長だ…懐かしいな…一番最初にエルトと一緒に洞窟に向かったメンバーの一人のはず。
「ガウェイン・ストーム重装兵長が戦死しました」
細身で濃い緑のクセのあるショートヘア、猫のような大きな目が悔しさに歪む。
その名前も覚えている…確か……マックスといい感じと聞いていた…立派な体格が自慢の…
「な、何だって?…他に犠牲は?」
「今のところは…ガウェイン兵長だけで、村民に犠牲はありません…この様な報告を…無念です」
ザワりとコレまでにない感覚が体を駆け巡る。
帝国と事を構えた時にも犠牲者は出ていた。
だが、今回は見知っている…と言うより、一度ならず肌を重ねた相手となると別だ…
多少ならずとも怪我なら治療修復可能な魔法も使える。何処かで【死】が遠くなっている感覚があった。
たが、ココではない土地にて、仲間を失えばソレは永遠に失われる。頭では理解していても、何処かで油断していた。急激に足元から湧き上がる冷たい感覚に頭が痺れる感覚。
普段、親しい彼女達と肌を合わせて感じる柔らかい甘ったるい痺れとは全く違う、冷たくドス黒い感覚…心臓が、血管が収縮し、手足が痺れ視界が狭くなる。
「今その者たちはどうしている?」
エラリアも同じなのであろう鋭い目つきに変わり冷静に問う。
「そ、ソレが…」
「索敵報告が主の任務であろう、申せ」
エラリアは既に腹を括ったのであろう。最早そこにうら若き乙女の顔など無い。
「ガウェイン兵長は斬首され、首を御印と掲げられています…服従無くば最大戦力を持って抵抗せよと……」
何かが音を立てて壊れる音がする。
怒り…と言った単純な感情では無い湧き上がる先程の冷たい感覚を上回る激しい激情、耳の後が痛くなるような鋭い慟哭が無意識に湧き上がる。
「落ち着くべし我主…」すぐ横に来ていた雫がオレの腕を抱いてその優しい感触に少しだけ気を削がれるが、落ち着くにはまだ遠い。
「敵の術中にハマるでないぞ我夫よ」
極めて冷たい視線で前を見るエラリア…
「ガウェインは巡視隊の隊長出あったのであろう…他の者は無事と言うことは、最低限の礼儀は弁えておるのだろう…強敵と言うことじゃ」
その冷静さをオレは理解しかねた…感情が知性を上回り声を出そうとするが、オレの腕を掴んでいる雫の腕の力が強くなりその想いがオレを思いとどませる。
「今の自分の立場をよく考えろ…」と…
食いしばった歯が軋む。
「只今エルフェルト騎士団長がケルベロス精鋭部隊を率いて向かっております」
エラは淡々と告げる。
エルフェルトことエルトはオレが王国騎士団長と最初に接触した騎士団長で当時は中隊長だった。
「我等は血筋にて半端故実績で評価してもらうしかないのだ」と……今や王国騎士団長となっても、尚先陣きって向かっているのだ…
いや、感心している場合ではない。
「雫!」「理解しておる」
「エラリア!」
「主が倒れたらすべてが終わりぞ、わかっておるよな?」
「…わかっている」喉から絞り出すように声を出す。彼女を今不安にさせてはならない。
「エルトたちだけでは不安だ…援護に回るぞ。鉄魁にも援護を願おう。ラカスタ達も来れるな。黒曜は…」「今は動けまい…」卵が孵るまでは致し方ないか…
『総力をもって抗え…』か…相当な自信があり、無駄な戦闘を避ける慈悲もあるが、容赦はしない…
「武士道ってやつか?…詳しくは知らねえけど、簡単じゃ無い…敵」
放置したら当然都市に侵攻するんだろうな…クソ、選択肢は無いのだ。
「元ギルド盟主のレイラ、ナディア、アストリッドも同行して欲しい。コレは総力戦になる…」
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待ったなしの戦いが始まるのだ。
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