愛玩洞窟〜汝洞窟を愛せよ、奥に深く深淵に

黒船雷光

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ジパング編

裏陰陽師との裏取引

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 この「八咫烏」なる組織が信用に足りるのかが分からないが、この小夜という巫女とウズシオと言われているクラーケンが今回の騒動を起こしているとして…

「オレ達は、『八咫烏』に担がれたということか?」
「不本意であることは理解しておりますが、こちらから接触は難しく、この結界に案内するための手段として事件を起こしました」
 小夜の理屈は通っている様なそうでない様な…良く分からない。事件そのものは、オレ達がここに来る前から起きていたと聞いている。

「我々の情報網をあまり甘く見ないで頂きたい」
 小夜という巫女は年齢を見た感じ、まだ十代に見える。
「な、なんですか?八咫烏をバカにすると、許しませんヨ」

「情報網…つまり、オレたちが入国してからの動きは全部把握しているってことか?」
「お主が下半身にものを言わせて異性を支配していることもな……ヘンタイ」
「おい、ちょっと怖いんですけど…どこまで知ってんだよ?!」
 ラカスタとサユリに護衛させていたのに……ん?
 チリっと違和感を感じる。が、今は…

「つまり、オレ達が何を目指しているのか…よく知っているという事か」

「我が主シェルよ…この者たちの要望を聞き入れて一刻も早く世界樹とやらの中枢にいくしかあるまい」
 どうやら、力をセーブしているとはいえ、繋がりのない異国の地での雫の活動限界が来たようだ…これは急がねばなるまい。

「小夜さん、こちらは割と急ぎなんだ…八咫烏の暗躍する理由にこちらはこだわりはないし、今の話の流れだと、城代には監視が付いていて、迂闊なことは一切口に出来ないけど、あんたたちとは通じてた…だから、世界樹への中枢に潜入するためにも協力するのが最適解ということで理解したと思うんだが、それでいいのか?」

「話が早くて助かるぞ…」小夜はニヤリと笑う。
 怪しさ満点なのだが…

「だがこれまでの流れでお前たちがこだわる秘匿性を考えた時に、オレ達ココに向かうまでに寄席などまあまあ目立つ動きをしている…もし、お前たちみたいな有能な秘匿性高い別グループがいた場合、バレてやしないか?」

「その辺は、問題ないと思っています。『我ら以外に監視はいなかった』ことがハッキリしています。それと、結界はかなり広範囲に仕掛けて迷わせておりますので、尾行や監視程度で追跡は出来ません」

 んんん?ってことは…
「おい、カイラ?」

 しばらくして、黒豹のままのカイラが馳せ参じる。
「シェル様…すいません、お待たせいたしました」

「おい、追跡可能だぞ…」
 小夜の方を向いてドヤ顔をすると、彼女は結構困った顔になった。

「ちょっと…お伺いしてもいいでしょうか?」
「なんだ?」
「いえ、シェル様ではなく、そちらの獣人の方ですが…」

「何だい?」人に戻ったカイラが応じる。
「あなた方の絆は…嗅覚以外に何かあるのでしょうか…」
「追跡するための手立てを聞いているなら、匂いと気配、そして音だ」
「左様ですか…少し驚いております。結界内ではそうした感覚もすべて狂わせるように出来ているのですが…獣人の方には通用しないのかもしれません」

「つまり…?」
「カイラさんでしたっけ…大陸から来られた獣人の方々は特別だということです」
「結界が当てにならないってことじゃねーのか?」
「し、失礼な!」

「まあ、兎に角協力は惜しまないし、時間もない……オレ達に何を望む?」
「我等と協力し、世界樹中枢のエルフ討伐の先鋒になって頂きます」
「オレ達が先方になるメリットってなんだ?」
「あなた方の情報は我々は独特の組織の連絡網を使い共有していますが、同時に気配の消去にも気を使っております。そうでなければ堺の街にたどり着く前に、エルフ族に仕える武将たちに襲われていたことでしょう…これからも我らはお支えしますので、討伐の先陣を切って頂ければ。導きは私と主人の仇のウズシオが行います」

「分かった良いだろう…城代には説明する必要があるのか?」
「いいえ、最低限の連絡も抑えるべきかと…関係を断つことこそが最上の手かと」

 そして、遂にその晩世界樹に乗り込むために出発する。
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