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ジパング編
京の都の世界樹と集結する志
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京の都に着いた。
八咫烏の小夜の案内で、オレ、雫、アカツキ、サユリ、お銀、そして影から見守るラカスタ達。
ウズシオは水から長くは離れられないという事で洞窟で待機して貰う事にした。
オレが知っているいわゆる観光の街というイメージはない。
だが、地形も地名もココまで関わってくれば、ほぼ変わらないという事ははっきりしている。
つまり、ジパングという名の島国は、オレが知っている日本の過去に当たる場所である。
周囲のエルダリア王国のある大陸の位置や取り巻く環境、何と言っても世界樹なんて言うものは過去にもあったためしはないので、猿の惑星の様な遠い未来や過去という訳でもなさそうだが…
だが、ホーリースライムがその勢力争いを一定周期を経て世界改編と称してこの世界に住む生物を代表として立てて争わせるこの世界で、最期の勝者が何を望みかなえて来たのかが分からないため…オレの様な異世界転生者がソレを望んだとして何も不思議はない。
姪っ子のメイが後から追って先に着いていたなんて、ふざけた事例もある訳で、全く油断もあったものではない。
だが、こうして世界樹に近づいてその異様な都の中枢を目指しながらその核心に近づいている気がする。
小夜の案内で特に大きな問題も起きず世界樹の麓迄たどり着く。だが、羅生門…ゲートを通らなければ先に進めず、そこには選ばれし者しか通ることを許されない。
一行は、そびえたつ巨大な城門と強力な術式の結界を前にして立ち止まらざるを得なかった。
「ここからどうするんだ?」
「強行突破します」
え?ここへ来ていきなり何で?
「羅生門を守護する悪鬼羅刹になり下がった狂気のサムライ集団がいるからです…私の結界やごまかしの術では通用しません…ですので、こちらも最大戦力をぶつけます」
ソレってオレ達のことか?
オレの視線を感じて小夜が苦笑する。
「苦労して得た貴方達をここで差し出すようなことはいましめせん」
ことさら作った笑顔で小夜が言う。
「我らとて、搾取されるだけの体制に不満を持たないことは無いのです…ですが、武力介入の後のことを考えると、実行には慎重になります。犠牲を恐れるわけではないですが犠牲が無駄になる戦いはただのやり場のない憤りを垂れ流しているだけです…シェル様はアルヴァを打倒し、同胞を返還してくださりました…無駄な殺生と権力意識がない方だと我らは存じております」
「勝手に祭り上げられるのは好きじゃないな…確かに捕虜にしたサムライは無条件で帰したけど、その意図は別に無駄な殺生は身内を失っているからお互いさまで、戦う理由が無くなったら戻ってもらっただけの話だ…それ以上の意図も無いよ…」
「しかし…こうして個人で動き、意趣返しで攻め込み蹂躙するでもなく、少数で動かれているのは我らに慮ってだと…」
「確かに、力づくで攻め入る方法は話が早いけど、それってアルヴァと何が違うのか?あいつを倒せたのは、オレの主義主張が異なる点で、奴の絶対的な力を上回れたからだと思っている……」
そもそも、雫を連れて行ってとっとと迎合してしまえば終わりと思っていたしな…
「ソレこそ我等が求めて止まぬ力です。シェル様はあのアルヴァを打ち破った際に、お一人では無く、仲間の加護を複雑に組み合わせて絆の力で打ち勝ったと聞いております」
「随分詳しいな…」
オレの警戒心が警報を鳴らすが、小夜は落ち着いている。
「八咫烏の情報網を甘く見ないでくださいませ…先の大戦にも仲間は沢山参加しております」
確かに大戦では巫女による巫術は侮れない魔法術式みたいなものであった。
術札を媒体にした式神による攻撃は、エルダリア王国には無い文化だった。
「ああ、札と墨…マナを練り込んだまじないか…」オレには分らんが…だが、恐らくわざと香を仕込んだのだ…
「今回私たちに協力してくださる武士達です」
武装したサムライの集団がオレ達の前に立っている。
「大石内蔵助・茜と申します」
比較的がっしりした体系だが、女性か…
「女性だと何か不都合が?」
「いや、すまない…オレの周りは女性が多いなって話さ」
「主人は先の大戦で討ち死に致しました…」
「う…それは…ご愁傷様です」
「貴方達が大陸から来た使者なのですね…アルヴァを倒してくださったことお礼申し上げます」
「オレが仇かもしれないが…?」
鉢金の付いた鉢巻きの下、凛々しい顔の茜は、その逞しい躰と黒い外套で赤穂浪士のリーダー足りえる風格をしている…しかし、四十七士居る訳じゃないよな…?
だが、予想通りその後ろには完全武装したサムライの集団が控えている。
よく見ると、半分は女性もう半分は一線を退いた老人たちだ。
「この方たちに託すのか?山門の突破を?」
「武士の本懐は余生をぬくぬく生きることではない…己が志のために戦う事こそ誉」
その死生観には、ちょっと同意しかねるな…だが、彼らの考え方を否定することも難しい……そう少しだけ同情するオレがいた。
八咫烏の小夜の案内で、オレ、雫、アカツキ、サユリ、お銀、そして影から見守るラカスタ達。
ウズシオは水から長くは離れられないという事で洞窟で待機して貰う事にした。
オレが知っているいわゆる観光の街というイメージはない。
だが、地形も地名もココまで関わってくれば、ほぼ変わらないという事ははっきりしている。
つまり、ジパングという名の島国は、オレが知っている日本の過去に当たる場所である。
周囲のエルダリア王国のある大陸の位置や取り巻く環境、何と言っても世界樹なんて言うものは過去にもあったためしはないので、猿の惑星の様な遠い未来や過去という訳でもなさそうだが…
だが、ホーリースライムがその勢力争いを一定周期を経て世界改編と称してこの世界に住む生物を代表として立てて争わせるこの世界で、最期の勝者が何を望みかなえて来たのかが分からないため…オレの様な異世界転生者がソレを望んだとして何も不思議はない。
姪っ子のメイが後から追って先に着いていたなんて、ふざけた事例もある訳で、全く油断もあったものではない。
だが、こうして世界樹に近づいてその異様な都の中枢を目指しながらその核心に近づいている気がする。
小夜の案内で特に大きな問題も起きず世界樹の麓迄たどり着く。だが、羅生門…ゲートを通らなければ先に進めず、そこには選ばれし者しか通ることを許されない。
一行は、そびえたつ巨大な城門と強力な術式の結界を前にして立ち止まらざるを得なかった。
「ここからどうするんだ?」
「強行突破します」
え?ここへ来ていきなり何で?
「羅生門を守護する悪鬼羅刹になり下がった狂気のサムライ集団がいるからです…私の結界やごまかしの術では通用しません…ですので、こちらも最大戦力をぶつけます」
ソレってオレ達のことか?
オレの視線を感じて小夜が苦笑する。
「苦労して得た貴方達をここで差し出すようなことはいましめせん」
ことさら作った笑顔で小夜が言う。
「我らとて、搾取されるだけの体制に不満を持たないことは無いのです…ですが、武力介入の後のことを考えると、実行には慎重になります。犠牲を恐れるわけではないですが犠牲が無駄になる戦いはただのやり場のない憤りを垂れ流しているだけです…シェル様はアルヴァを打倒し、同胞を返還してくださりました…無駄な殺生と権力意識がない方だと我らは存じております」
「勝手に祭り上げられるのは好きじゃないな…確かに捕虜にしたサムライは無条件で帰したけど、その意図は別に無駄な殺生は身内を失っているからお互いさまで、戦う理由が無くなったら戻ってもらっただけの話だ…それ以上の意図も無いよ…」
「しかし…こうして個人で動き、意趣返しで攻め込み蹂躙するでもなく、少数で動かれているのは我らに慮ってだと…」
「確かに、力づくで攻め入る方法は話が早いけど、それってアルヴァと何が違うのか?あいつを倒せたのは、オレの主義主張が異なる点で、奴の絶対的な力を上回れたからだと思っている……」
そもそも、雫を連れて行ってとっとと迎合してしまえば終わりと思っていたしな…
「ソレこそ我等が求めて止まぬ力です。シェル様はあのアルヴァを打ち破った際に、お一人では無く、仲間の加護を複雑に組み合わせて絆の力で打ち勝ったと聞いております」
「随分詳しいな…」
オレの警戒心が警報を鳴らすが、小夜は落ち着いている。
「八咫烏の情報網を甘く見ないでくださいませ…先の大戦にも仲間は沢山参加しております」
確かに大戦では巫女による巫術は侮れない魔法術式みたいなものであった。
術札を媒体にした式神による攻撃は、エルダリア王国には無い文化だった。
「ああ、札と墨…マナを練り込んだまじないか…」オレには分らんが…だが、恐らくわざと香を仕込んだのだ…
「今回私たちに協力してくださる武士達です」
武装したサムライの集団がオレ達の前に立っている。
「大石内蔵助・茜と申します」
比較的がっしりした体系だが、女性か…
「女性だと何か不都合が?」
「いや、すまない…オレの周りは女性が多いなって話さ」
「主人は先の大戦で討ち死に致しました…」
「う…それは…ご愁傷様です」
「貴方達が大陸から来た使者なのですね…アルヴァを倒してくださったことお礼申し上げます」
「オレが仇かもしれないが…?」
鉢金の付いた鉢巻きの下、凛々しい顔の茜は、その逞しい躰と黒い外套で赤穂浪士のリーダー足りえる風格をしている…しかし、四十七士居る訳じゃないよな…?
だが、予想通りその後ろには完全武装したサムライの集団が控えている。
よく見ると、半分は女性もう半分は一線を退いた老人たちだ。
「この方たちに託すのか?山門の突破を?」
「武士の本懐は余生をぬくぬく生きることではない…己が志のために戦う事こそ誉」
その死生観には、ちょっと同意しかねるな…だが、彼らの考え方を否定することも難しい……そう少しだけ同情するオレがいた。
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