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【九】男娼のごとき成長Ⅰ
しおりを挟む――もう何日が経過したのかも分からない。
窓の無い部屋で、俺は意識がある時は、ずっと体を弄ばれていた。全身を熱が絡め取っていて、既にまともに思考する事が出来なくなっていた。
目を開けた俺は、この日も残酷な快楽が訪れるのだろうと、漠然と考えていた。
すると扉が開いて、ベリアス将軍が入ってきた。
「着替えろ」
そう言うと、俺の拘束具を外し、ベリアス将軍がベッドの傍らの椅子を見た。そこには、箱に入った貴族服が置いてあった。樹の国のものとは異なる、火の国の服だった。俺はベリアス将軍の言葉には、逆らえない。言われた通りに、気だるい体を起こして、シャツに腕を通す。ベリアス将軍は、俺の首輪に触れてから、ニッと笑って、リボンを付けてくれた。樹の国の服には縁取りが無いのだが、火の国の服には必ず金の線が入っている。赤い装束を纏った俺は、ふらつく足取りを叱咤し、必死に立っていた。ベリアス将軍が、そんな俺の手首を握る。赤い痕が残っている。
「今日は侯爵家の方がお見えでな。樹の国でも有名だった美貌が見たいと仰せだ」
「……」
僕の母は、確かに国一番の美姫と呼ばれていた。外見が瓜二つの俺の容姿も美しいと言われた事は確かにある。だが、俺は男だ。違和感がある。
「行くぞ」
そのまま手を引かれ、俺はここに来てから、初めて部屋の外に出た。ふらふらしている僕の腰を抱き寄せながらベリアス将軍が歩く。そうして連れて行かれたのは、広い応接間だった。象の肌に似た色の長椅子に、でっぷりと肥えた貴族が三人座っていた。
「おお、連れてきたか」
「これがネルス殿下か。確かに噂の通りだな」
「どこまで開発したんだね?」
卑しく笑う彼らの前に連れて行かれた俺は、その瞬間震えた。薔薇が、ジンと熱を帯びたからだ。彼らの視線を受けると、体が炙られたようになる。
「それはマーガス侯爵様達ご自身でお確かめ下さい」
ベリアス将軍が俺の肩に手を置く。すると中央に座っていた中年の肥えた男が立ち上がった。そして正面から俺を抱きしめ、首筋を舐めた。それだけで俺は果てた。べちゃりと下衣が濡れる。俺の耳にマーガス侯爵が息を吹きかける。ポロポロと俺は泣いた。腹部には彼の脂肪が当たっていて、息からは嫌な臭いがする。だが、手つきはベリアス将軍よりも優しい。それが逆に辛い。そのままするするとリボンを解かれ服を開けられ、ギュッと俺は目を閉じた。
絨毯の上に押し倒されたのはそれからすぐで、膨張した肉茎を挿入される。
「エーザイン伯爵、中々具合が良いがもっと可愛がってやりたい。乳首を愛でてやれ」
「おや、お優しい」
クスクスと笑ってから、ひげをたたえた人物が歩み寄ってきた。こちらもでっぷりと太っている。彼は俺の背を起こすと後ろに回った。そして乳首を摘まみ、ゆるゆると指を動かし始めた。短く太いマーガス侯爵の陰茎では、俺の最奥には届かない。もう俺は、太く長いベリアス将軍のものやドリスのもので無ければ、物足りないらしい。乳首への刺激も羽を撫でるようなもので、全然足りない。俺は熱に浮かされたようになり、必死で呼吸して体の熱を逃そうとした。
「ユナーザ男爵は、確か足が好きなんだったかな?」
「覚えて頂いていて光栄です」
「舐めてやれ」
「有難うございます」
最後の一人が歩み寄ってきて、俺の足首を掴んだ。
「ああ! ひ、ぁ!」
挿入され、乳首を弄られながら、俺は足の指を口に含まれた。けれどどの刺激も物足りない。このように焦らされるような行為では、辛い。辛かった。思わず腰を動かすと、三人が楽しそうに笑った。そうして侯爵が腰を揺さぶり始め、すぐに内部に放った。そこからは、三人に交互に中を暴かれた。だが俺は果てる事を許されなかった。黒薔薇の魔力だ。
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