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御遼神社の狐と神様
【10】長男と次男
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それはそうと、一つ気になる事があった。
そのため、昼威はその日曜日は、救急のバイトを入れなかった。
本当はもっと早く休みを取りたかったのだが、中々抜けるわけには行かなかった。
「忙しくて嫌になる」
そう呟いたのは、既に夏といって差し支えのない、ある日曜日の事だった。
クリニックは、元々日曜日は休みである。
珍しく朝起きた昼威は、階段を下りながら、味噌汁の良い匂いに細く息をはいた。
「おはよう、昼威。享夜は、紬くんを迎えに出かけたよ」
居間へと向かうと、朝食の用意をしている長兄、朝儀の姿があった。
斗望も座っている。
朝儀は、週末になると、度々、この藍円寺に帰ってきて、斗望を預けて出かけていく。金曜日の夜に来て、土曜日に出かける事が多いのだが、事前に昼威が「日曜日を開けてくれ」と頼んでいたため、本日は土曜に斗望を連れて帰るのではなく、二泊しているようだ。
享夜と昼威は料理をしないが、朝儀はシングルファーザーだからなのか、料理が得意だ。そのため、朝儀がいる時だけは、藍円寺の住居側に、良い香りが漂う。
「昼威さん、おはよう!」
「おはよう」
甥の斗望の頭を叩くように軽く撫でてから、昼威は座った。
――気になっていたのは、六条彼方が朝儀の名前を知っていた事である。
しかし子供の前で話す事でもないだろうし、まずは食べようと、昼威は箸を手に取る。
「今日は、紬が来るのか?」
何とはなしにそう聞くと、朝儀が頷いた。
「そうらしいよ。ほら、なんだか、お化け屋敷があったでしょう? あそこの件を、玲瓏院のご隠居に享夜が頼まれたとかって話で、紬くんが手伝いに来てくれるんだって」
兄の声に、昼威は何度か頷いた。
お化け屋敷――こと、呪鏡屋敷(ジュキョウヤシキ)と呼ばれる、元々は民家だった、現在は廃屋が、この集落から少し離れた場所にある南通りの地蔵の奥から続く県道の先に存在するのである。
内部には呪われた鏡があるそうで、心霊協会の人々が総出で周囲に結界を構築しているというのは、昼威も聞いていた。その結界が、少し前に、誰かのイタズラと、テレビのロケで二度にわたり破壊されたという噂は、昼威も耳にしていた。
誰からかといえば――病院のスタッフからだ。
心霊現象に好意的なこの土地では、例え科学的な病院であっても、雑談でさらっとこういう話題が出る。他の土地ならば、考えられないだろう。
無論、病院だけを切り取るならば、誰もいない部屋からナースコールが……といった怪談話には事欠かないが。
それから食事を終えたので、昼威は皿洗いをする朝儀の横に立った。
斗望は居間で、朝のヒーロー番組を見ている。
「座ってて良いのにというか、いつも座ってるのに」
「話があるといっただろう」
朝儀が洗った皿を受け取り、布で拭きながら昼威が言った。
「そうだったね。どうかした?」
「――六条彼方という人物を知っているか?」
「え」
昼威がそう言うと、朝儀が皿を取り落としそうになった。慌てて手を伸ばした昼威は無事にキャッチしたが、手が泡まみれになる。
「し、知ってるけど……なんで?」
「どういう関係だ?」
「い、言えない。言えないよ。秘密! 昼威こそ、どうして彼方さんの事を知ってるの?」
朝儀の声に、昼威は溜息をつきながら皿をおいて、手の泡を水で流した。
「この前諸事情で街コンにいったら、そこの主催者でな。名刺交換をしたら、苗字を見て、お前の関係者かと聞かれたんだ」
「そうなんだ。そういえば、イベント関連の会社を経営しているって聞いてたけど」
「イベント関連、か。ほう。それ以外は?」
「それ以外? 彼方さんの事は、まだ知り合って間もないし、そこまで知らないけど」
嘘をついているようには見えなかったので、何度か昼威は頷いた。
だとすれば、である。
「朝儀、あいつは危険だから、金輪際近づかず、縁を切れ」
「え」
「親しい仲でもないんだろう? 最近知り合ったなら」
「う、うん、ま、まぁ……危険って、何? 何が?」
昼威は腕を組んだ。享夜は、朝儀がオカルトとは無縁で生きてきた、元国家公務員だと信じているのだが、昼威は知っている。長兄は、実は誰よりも、霊能力が強い。国家公務員だというのも嘘ではないが。
「呪殺屋だそうだ。お前の命が狙われているか、そうでないなら、お前を雇用するつもりかもしれない。藍円寺――というか、玲瓏院の関係者が、人殺めるような仕事に就くというのはありえない。ダメだからな。いくら金に困っても」
そう釘を刺した昼威を見て、朝儀が首を振った。
「六条さんはそんな人じゃない。僕の命を狙ったり、僕に危険な橋を渡らせたりはしないよ。本人が何をしているかは知らないけど」
「そうなのか?」
「うん。安心していいよ。絶対に、昼威や享夜に迷惑をかけたりはしないし、ましてや僕には斗望がいるんだからね」
そう言うと、元々目の細い兄が、さらに細めて笑った。穏やかで優しい顔だ。
確かに、外見では一番頼りなさそうに見えるが、朝儀が誰よりも頼りになるのは間違いない。子供がいる強さなのだろうか。
「それに、お金に困ってるのは、昼威でしょう? 僕は、それなりに失業保険と遺族年金と貯金で、斗望と二人で頑張ってるよ? たまに享夜にお金を借りるけど、きちんと返してるし」
「う……」
「どうして一番の高給取りなのに、昼威は常にお金に困ってるの?」
悪気はなさそうなのに毒しかない兄の言葉に、昼威の胸が痛んだ。
その後、昼食の仕込みをするという朝儀を残し、昼威は居間に戻った。
「昼威さん」
すると、斗望が笑顔になった。テレビが終わったらしい。
「今日は、享夜くんはいなんでしょう?」
「ああ」
「でも、昼威さんがいる。珍しいね」
小学生の斗望はそう言うと、昼威の隣に座り直した。朝儀と同じで、茶色い髪と瞳をしている。この地域でたまに生まれる、天然物の茶色だ。ただ斗望の顔立ちは、亡くなった母親にであるらしく、つり目の朝儀とは異なり、アーモンド型である。
「昼威さんは、ひきこもりとか不登校にも詳しい? そういうお医者さんなんでしょ?」
甥の声に、頭を撫でながら、昼威は微笑した。
「ああ。専門だ。救急よりは、よっぽどな。児童や思春期が専門というわけではないが」
「あのね、僕の友達が、学校に来ないんだよ。どうしたら、また会えるかな?」
「そうなのか。家には行ってみたのか?」
何気なく昼威は聞いた。心優しい甥が可愛い。
「もうお引越ししてる。引越しが落ち着くまでお休みだって聞いてたのに、一昨日でまる一年、来なかったんだよ。僕達……来年には中学生なのに」
すると斗望がうなだれた。俯いて、悲しそうな顔をしている。
「一年?」
「うん。最初は、お母さんが死んじゃってショックなのかと思ったんだけど……」
「そうか――喪失は悲しいものだからな」
「……もう、学校に来ないのかな?」
「その子のお父さんは?」
「最初からいなかったみたい。もっとずっと前に死んじゃったって聞いた」
「……なるほど。では、引越しというのは、引き取り先か?」
「うん。お祖父ちゃんの家だって」
それを聞いて、昼威は何度か頷いた。
「じゃあ、そのお祖父ちゃんの家に行ってみたらどうだ? 学校を転校していないなら、新南津市のどこかなんだろう?」
「うん……でもね、お祖父ちゃんも死んでるみたい」
「――では、どこに引っ越したんだ?」
「僕と冥沙ちゃんで調べた時は、お祖父ちゃんの奥さん……つまり、お祖母ちゃんの所に行ったみたいだっていうのは分かったんだ」
冥沙というのは、斗望よりも少し年上の少女だ。瀧澤教会のお嬢様で、中学からは私立に通っているのだが、小学校は斗望と同じだったため、よく甥が遊んでいるという話を昼威も聞いていた。
「だから僕ね、お祖母ちゃんの所に行ってみたんだ」
「そうか。会えたのか?」
「ううん……知らないって言われた。そんな子はいないって」
そう言うと、斗望が寂しそうな顔をした。
「もう、芹架くんには会えないのかな……」
「!」
昼威は、甥から続いた名前を聞いて、目を見開いた。
そのため、昼威はその日曜日は、救急のバイトを入れなかった。
本当はもっと早く休みを取りたかったのだが、中々抜けるわけには行かなかった。
「忙しくて嫌になる」
そう呟いたのは、既に夏といって差し支えのない、ある日曜日の事だった。
クリニックは、元々日曜日は休みである。
珍しく朝起きた昼威は、階段を下りながら、味噌汁の良い匂いに細く息をはいた。
「おはよう、昼威。享夜は、紬くんを迎えに出かけたよ」
居間へと向かうと、朝食の用意をしている長兄、朝儀の姿があった。
斗望も座っている。
朝儀は、週末になると、度々、この藍円寺に帰ってきて、斗望を預けて出かけていく。金曜日の夜に来て、土曜日に出かける事が多いのだが、事前に昼威が「日曜日を開けてくれ」と頼んでいたため、本日は土曜に斗望を連れて帰るのではなく、二泊しているようだ。
享夜と昼威は料理をしないが、朝儀はシングルファーザーだからなのか、料理が得意だ。そのため、朝儀がいる時だけは、藍円寺の住居側に、良い香りが漂う。
「昼威さん、おはよう!」
「おはよう」
甥の斗望の頭を叩くように軽く撫でてから、昼威は座った。
――気になっていたのは、六条彼方が朝儀の名前を知っていた事である。
しかし子供の前で話す事でもないだろうし、まずは食べようと、昼威は箸を手に取る。
「今日は、紬が来るのか?」
何とはなしにそう聞くと、朝儀が頷いた。
「そうらしいよ。ほら、なんだか、お化け屋敷があったでしょう? あそこの件を、玲瓏院のご隠居に享夜が頼まれたとかって話で、紬くんが手伝いに来てくれるんだって」
兄の声に、昼威は何度か頷いた。
お化け屋敷――こと、呪鏡屋敷(ジュキョウヤシキ)と呼ばれる、元々は民家だった、現在は廃屋が、この集落から少し離れた場所にある南通りの地蔵の奥から続く県道の先に存在するのである。
内部には呪われた鏡があるそうで、心霊協会の人々が総出で周囲に結界を構築しているというのは、昼威も聞いていた。その結界が、少し前に、誰かのイタズラと、テレビのロケで二度にわたり破壊されたという噂は、昼威も耳にしていた。
誰からかといえば――病院のスタッフからだ。
心霊現象に好意的なこの土地では、例え科学的な病院であっても、雑談でさらっとこういう話題が出る。他の土地ならば、考えられないだろう。
無論、病院だけを切り取るならば、誰もいない部屋からナースコールが……といった怪談話には事欠かないが。
それから食事を終えたので、昼威は皿洗いをする朝儀の横に立った。
斗望は居間で、朝のヒーロー番組を見ている。
「座ってて良いのにというか、いつも座ってるのに」
「話があるといっただろう」
朝儀が洗った皿を受け取り、布で拭きながら昼威が言った。
「そうだったね。どうかした?」
「――六条彼方という人物を知っているか?」
「え」
昼威がそう言うと、朝儀が皿を取り落としそうになった。慌てて手を伸ばした昼威は無事にキャッチしたが、手が泡まみれになる。
「し、知ってるけど……なんで?」
「どういう関係だ?」
「い、言えない。言えないよ。秘密! 昼威こそ、どうして彼方さんの事を知ってるの?」
朝儀の声に、昼威は溜息をつきながら皿をおいて、手の泡を水で流した。
「この前諸事情で街コンにいったら、そこの主催者でな。名刺交換をしたら、苗字を見て、お前の関係者かと聞かれたんだ」
「そうなんだ。そういえば、イベント関連の会社を経営しているって聞いてたけど」
「イベント関連、か。ほう。それ以外は?」
「それ以外? 彼方さんの事は、まだ知り合って間もないし、そこまで知らないけど」
嘘をついているようには見えなかったので、何度か昼威は頷いた。
だとすれば、である。
「朝儀、あいつは危険だから、金輪際近づかず、縁を切れ」
「え」
「親しい仲でもないんだろう? 最近知り合ったなら」
「う、うん、ま、まぁ……危険って、何? 何が?」
昼威は腕を組んだ。享夜は、朝儀がオカルトとは無縁で生きてきた、元国家公務員だと信じているのだが、昼威は知っている。長兄は、実は誰よりも、霊能力が強い。国家公務員だというのも嘘ではないが。
「呪殺屋だそうだ。お前の命が狙われているか、そうでないなら、お前を雇用するつもりかもしれない。藍円寺――というか、玲瓏院の関係者が、人殺めるような仕事に就くというのはありえない。ダメだからな。いくら金に困っても」
そう釘を刺した昼威を見て、朝儀が首を振った。
「六条さんはそんな人じゃない。僕の命を狙ったり、僕に危険な橋を渡らせたりはしないよ。本人が何をしているかは知らないけど」
「そうなのか?」
「うん。安心していいよ。絶対に、昼威や享夜に迷惑をかけたりはしないし、ましてや僕には斗望がいるんだからね」
そう言うと、元々目の細い兄が、さらに細めて笑った。穏やかで優しい顔だ。
確かに、外見では一番頼りなさそうに見えるが、朝儀が誰よりも頼りになるのは間違いない。子供がいる強さなのだろうか。
「それに、お金に困ってるのは、昼威でしょう? 僕は、それなりに失業保険と遺族年金と貯金で、斗望と二人で頑張ってるよ? たまに享夜にお金を借りるけど、きちんと返してるし」
「う……」
「どうして一番の高給取りなのに、昼威は常にお金に困ってるの?」
悪気はなさそうなのに毒しかない兄の言葉に、昼威の胸が痛んだ。
その後、昼食の仕込みをするという朝儀を残し、昼威は居間に戻った。
「昼威さん」
すると、斗望が笑顔になった。テレビが終わったらしい。
「今日は、享夜くんはいなんでしょう?」
「ああ」
「でも、昼威さんがいる。珍しいね」
小学生の斗望はそう言うと、昼威の隣に座り直した。朝儀と同じで、茶色い髪と瞳をしている。この地域でたまに生まれる、天然物の茶色だ。ただ斗望の顔立ちは、亡くなった母親にであるらしく、つり目の朝儀とは異なり、アーモンド型である。
「昼威さんは、ひきこもりとか不登校にも詳しい? そういうお医者さんなんでしょ?」
甥の声に、頭を撫でながら、昼威は微笑した。
「ああ。専門だ。救急よりは、よっぽどな。児童や思春期が専門というわけではないが」
「あのね、僕の友達が、学校に来ないんだよ。どうしたら、また会えるかな?」
「そうなのか。家には行ってみたのか?」
何気なく昼威は聞いた。心優しい甥が可愛い。
「もうお引越ししてる。引越しが落ち着くまでお休みだって聞いてたのに、一昨日でまる一年、来なかったんだよ。僕達……来年には中学生なのに」
すると斗望がうなだれた。俯いて、悲しそうな顔をしている。
「一年?」
「うん。最初は、お母さんが死んじゃってショックなのかと思ったんだけど……」
「そうか――喪失は悲しいものだからな」
「……もう、学校に来ないのかな?」
「その子のお父さんは?」
「最初からいなかったみたい。もっとずっと前に死んじゃったって聞いた」
「……なるほど。では、引越しというのは、引き取り先か?」
「うん。お祖父ちゃんの家だって」
それを聞いて、昼威は何度か頷いた。
「じゃあ、そのお祖父ちゃんの家に行ってみたらどうだ? 学校を転校していないなら、新南津市のどこかなんだろう?」
「うん……でもね、お祖父ちゃんも死んでるみたい」
「――では、どこに引っ越したんだ?」
「僕と冥沙ちゃんで調べた時は、お祖父ちゃんの奥さん……つまり、お祖母ちゃんの所に行ったみたいだっていうのは分かったんだ」
冥沙というのは、斗望よりも少し年上の少女だ。瀧澤教会のお嬢様で、中学からは私立に通っているのだが、小学校は斗望と同じだったため、よく甥が遊んでいるという話を昼威も聞いていた。
「だから僕ね、お祖母ちゃんの所に行ってみたんだ」
「そうか。会えたのか?」
「ううん……知らないって言われた。そんな子はいないって」
そう言うと、斗望が寂しそうな顔をした。
「もう、芹架くんには会えないのかな……」
「!」
昼威は、甥から続いた名前を聞いて、目を見開いた。
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