おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。

お茶飲み人の愛自好吾(あいじこうご)

文字の大きさ
80 / 222

第79話 奴隷市場 ①

しおりを挟む

 クラッチの町中で、ニールとばったり遭遇した。

 何やらウキウキとしている、まあそうだよな、休暇が貰えたし、昇進もしたし、金一封まで貰えたとなればさぞ嬉しかろう。

「ようジャズ、奴隷買いに行こうぜ。」

「聞こえてるよ、二回も言うな、わざと返事しなかったんだよ。」

 こいつは、リップという女が居ながら更に奴隷まで欲しがるとは、節度ってものがあるだろうに、節度ってものが、ホント何言ってんだかな、こいつ。

「リップはどうすんだよ、リップは? お前等二人共うまくいってんだろ?」

「リップはリップ、奴隷は奴隷さ、まったくの別物だよ。いいかジャズ、男ってのはな、いつかは奴隷を欲しがるもんなんだぜ。男にとって奴隷を持つのは夢であり浪漫なんだよ。解るだろ?」

「そりゃ俺だって男だからさ、そういう奴隷はもし持てたらいいな位には思ってるけどさ………。」

「だろー、金もある事だし、奴隷市場へ行ってみようぜ。」

ふーむ、奴隷ねえ、日本で奴隷なんか売買したら即ポリスだが、異世界ならいいのか。

奴隷を持つ貴族の話とかよく聞くしな。だが、道具屋で薬草を買うとは訳が違う。

商品は人、奴隷だ。色々な問題が無ければいいんだがな。

その辺、この国の法律ってどうなってんのかねえ。

「なあニール、そもそも奴隷ってのは金貨5、6枚で買えるものなのか? 俺はもうちょっと高いと思うがな。」

「大丈夫だ、俺の村の村長が、畑仕事を手伝わせる為に奴隷を一人買ったんだが、村の皆でお金を出し合って村長が主人って事で契約した時、金貨3枚で買ったって言ってた。」

 何!? 金貨3枚? そんなに安いものなのか? いや、多分だけど農奴として買った奴隷だったから金貨3枚だったかもしれんな。

「ちなみに、その奴隷は男か?」

「ああ、そうだ、結構歳いってたな。」

やはりか、奴隷によって値段は様々だろうな。

 もし俺が奴隷を買うならば、やっぱり若い女性で戦闘もこなせる戦闘奴隷が欲しいよな、勿論、夜のお相手もして貰う感じで。

そういう奴隷って幾ら位するのかな? きっと物凄くお高いんだろうな。

「なあニール、お前の欲しい奴隷ってのは女なんだよな?」

「当たり前だろ。何で俺が男の奴隷を欲しがると思ってんだよ。嫌だよ、女がいいんだよ。女が。」

「そういう奴隷ってさ、やっぱり高いと思うんだよね、お前幾ら位の奴隷を買うつもりなんだ?」

「そうだな、大体金貨5枚ってところだな。それ位出せばそこそこの見た目の奴隷が買えるかもしれないだろ。一緒に奴隷市場へ行こうぜ、ジャズ。」

「うーん、奴隷市場ねえ。お金は大切だから、貯めておいた方がいいような気がするがな。」

「なに言ってんだジャズ、折角大金が入ってきたんだから使わなきゃ損だぜ、それにモー商会がやってる奴隷市場なら安心で確実な奴隷が多いんだぜ、行こうぜジャズ。」

ふーむ、まあ買う買わないは別にして、一度奴隷市場ってのを見学するのもいいかもな。

 もし、もしも俺が一目惚れした奴隷が居たら、………………やっぱり高いんだろうな、そういう奴隷ってのは。

「まあ、行くだけ行ってみてもいいがな、買うかどうかは値段次第だがな。」

「よし! 決まりだな、早速行こうぜ。奴隷市場はこっちの方角だ、あ~~楽しみだな。一体どんな娘《こ》が居るのかな? 俺の持ち金で買えるかな? 優しい奴隷が居ればいいな。」

こうしてニールと二人、クラッチの町の奴隷市場へ向けて、歩き出した。

実は俺も興味が無い訳ではない。見て回るのもいいかもしれないな。

 奴隷市場へ着く前に、俺の腕に装備されている「勇気の腕輪」を見る。

キャンペーンシナリオとかいうのをクリアしたボーナスで貰った、マジックアイテムだ。

 こいつは「指揮官」の装備スキルが身に付く腕輪で、スキル指揮官の効果は周りの味方に勇気を与え、士気を高める効果がある。

まあ、気持ちの問題ってやつだな。

 もし、万が一サキ隊長が指揮を執れなくなった時、俺がその次の階級である為、指揮を執る事になる。

なのでこの勇気の腕輪は俺が装備している。まあ、保険みたいなものだな。

「指揮官」のスキルがあると無いとでは、やはり違うと思う。

 そうこうしていると、何やら人だかりが見えてきた。どうやら奴隷市場へ着いたみたいだ。

「へえ~、ここが奴隷市場か、中々賑やかな感じじゃないか。」

「へへへ、ここで俺の新たな出会いが待っているって訳だぜ。行こうぜ。」

奴隷市場というのは実に様々な奴隷が売られていた。

 お店の中で取引される、所謂「高級」な奴隷から、まるで露店商の様に外で売られている奴隷も居る。

 外で売られている奴隷達は横一列に並んで、客から色々見られながら店の主と交渉しているみたいだ。

 奴隷達の顔の表情は明るかったり、暗かったり、やる気に満ちていたり、やる気なしだったり、様々な奴隷が揃っているみたいだ。

まあ無理も無い、奴隷落ちした人なんていい気分な訳が無い。

だが、自分が高く売られる事を期待しているっぽい奴隷も、中には居るだろう。

 奴隷は男だったり女だったり、殆どは人間ヒューマンだが、中にはエルフだったり、ドワーフだったり、ケモ耳ケモ尻尾の獣人だったり、実に様々な奴隷が揃っている。

 胸のあたりに値札が掛けられていて、ざっと見ただけで金貨20枚だったり、金貨15枚だったり、値段も色々といったところだ。

 そんな奴隷市場の一角で、一際目立つ所があった、「金貨8枚!」とか「金貨15枚!」とか聞こえてくる。

 おそらくオークションでもやっているかもしれない、見ると、な、なんと、物凄い美少女が競りに掛けられていた。

値札には「金貨30枚以上」と書いてあった。

 そうか、ああいう娘もいるのか。それにしても金貨30枚とは、中々高い値段が付いているじゃないか。

 きっとお金持ちのいい所の屋敷にでも売られる事だろう。顔の表情は流石に明るくはなかったが。

「おいジャズ! あっちに行ってみようぜ。安い奴隷が沢山居るってよ。」

「ああ、まあ見るだけならな。」

奴隷市場の中の一つに、やたらと安い奴隷が売られている店があった。

露店商みたいな売り方だが、ここからでもハッキリと奴隷を吟味できる様になっている。

 奴隷達はボロボロの布の服を着せられていて、鎖に繋がれている、逃げ出さない為ではあるとは思うが、ちょっと可哀想ではある。

「おおお! 居る居る! 可愛い子が沢山居るぞ! 値段も手頃だな! どうするジャズ、買うか?」

「いや、俺はいいよ。見てるだけだし。」

「何だよ、いい子がいっぱい居るんだぜ。買おうぜ。」

「お前が買えよ、そんなに気に入ったらさ。大体、幾ら位するんだ? いくら安いっていっても最低金額ってのがあるだろう。」

奴隷の一人の値札を見ると、確かに安い。金貨5枚と書かれていた。しかも若い女性でだ。

 こういうのは大抵あまり良くない奴隷を掴まされると思うのだが、さて、ちょっと店の人に聞いてみようかな。

「すいません、ちょっと聞きたいのですが。」

「はい、いらっしゃいませ。うちの店の子は皆いい子ばかりですよ。お安くしておきますから、どうぞご覧になっていって下さい。気に入った子がいたらお声を掛けて下さい、値段交渉も応じます。」

「あ、いえ、聞きたいのは、何故こんなにも安いのかって訳なんですが。」

 俺の質問に、奴隷商の主は少し困った表情をした。やはり何かあるんだな。曰く付とか。

「申し訳御座いません、当店の奴隷は所謂、「売れ残り」商品でして、決して粗悪な奴隷ではありませんが、そもそも「高級店」からのお下がりでして、中々売れずに困っている店からの、言ってみれば「型落ち品」というものでして、はい。」

ふーむ、そういう事情か、色々あるものなんだな。

「ところで、戦闘奴隷というのは、幾ら位するものなのでしょうか?」

「おや? お客さん、戦闘奴隷にご興味がおありなのですか? いい奴隷が居ますよ。しかし、戦闘がこなせるだけあって、少々値は張りますが。」

「お幾ら位ですか?」

「そうですな、強さにも寄りますが、最低金額で金貨20枚、といったところでしょうか。」

き、金貨20枚!? 駄目だ、桁が違う。

 とても今の俺じゃあ買えない、やっぱり奴隷は高いものなんだな。諦めるしかないよな。

「すいません、ちょっと自分には手が届きそうにありませんね、金貨5枚しか持ってないんで。」

俺が言うと、店の人は少し考え事をしている様子で、しかし、こう言いだした。

「………お客さん、実は金貨5枚の戦闘奴隷がいない訳ではないのですが………。」

「え!? 居るのですか?」

「………少々訳ありの奴隷でして………………。」










しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

おじさんが異世界転移してしまった。

お茶飲み人の愛自好吾(あいじこうご)
ファンタジー
ひょんな事からゲーム異世界に転移してしまったおじさん、はたして、無事に帰還できるのだろうか? モンスターが蔓延る異世界で、様々な出会いと別れを経験し、おじさんはまた一つ、歳を重ねる。

異世界に飛ばされた人見知りの僕は、影が薄かったから趣味に走る事にしました!

まったりー
ファンタジー
主人公は、人見知りな占いが大好きな男の子。 そんな主人公は、いるのか分からない程の影の薄さで、そんなクラスが異世界に召喚されてしまいます。 生徒たちは、ステータスの確認を進められますが、主人公はいるとは思われず取り残され、それならばと外に1人で出て行き、主人公の異世界生活が始まります。

独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活

髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。 しかし神は彼を見捨てていなかった。 そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。 これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。

完結【真】ご都合主義で生きてます。-創生魔法で思った物を創り、現代知識を使い世界を変える-

ジェルミ
ファンタジー
魔法は5属性、無限収納のストレージ。 自分の望んだものを創れる『創生魔法』が使える者が現れたら。 28歳でこの世を去った佐藤は、異世界の女神により転移を誘われる。 そして女神が授けたのは、想像した事を実現できる創生魔法だった。 安定した収入を得るために創生魔法を使い生産チートを目指す。 いずれは働かず、寝て暮らせる生活を目指して! この世界は無い物ばかり。 現代知識を使い生産チートを目指します。 ※カクヨム様にて1日PV数10,000超え、同時掲載しております。

オレの異世界に対する常識は、異世界の非常識らしい

広原琉璃
ファンタジー
「あの……ここって、異世界ですか?」 「え?」 「は?」 「いせかい……?」 異世界に行ったら、帰るまでが異世界転移です。 ある日、突然異世界へ転移させられてしまった、嵯峨崎 博人(さがさき ひろと)。 そこで出会ったのは、神でも王様でも魔王でもなく、一般通過な冒険者ご一行!? 異世界ファンタジーの "あるある" が通じない冒険譚。 時に笑って、時に喧嘩して、時に強敵(魔族)と戦いながら、仲間たちとの友情と成長の物語。 目的地は、すべての情報が集う場所『聖王都 エルフェル・ブルグ』 半年後までに主人公・ヒロトは、元の世界に戻る事が出来るのか。 そして、『顔の無い魔族』に狙われた彼らの運命は。 伝えたいのは、まだ出会わぬ誰かで、未来の自分。 信頼とは何か、言葉を交わすとは何か、これはそんなお話。 少しづつ積み重ねながら成長していく彼らの物語を、どうぞ最後までお楽しみください。 ==== ※お気に入り、感想がありましたら励みになります ※近況ボードに「ヒロトとミニドラゴン」編を連載中です。 ※ラスボスは最終的にざまぁ状態になります ※恋愛(馴れ初めレベル)は、外伝5となります

最弱無双は【スキルを創るスキル】だった⁈~レベルを犠牲に【スキルクリエイター】起動!!レベルが低くて使えないってどういうこと⁈~

華音 楓
ファンタジー
『ハロ~~~~~~~~!!地球の諸君!!僕は~~~~~~~~~~!!神…………デス!!』 たったこの一言から、すべてが始まった。 ある日突然、自称神の手によって世界に配られたスキルという名の才能。 そして自称神は、さらにダンジョンという名の迷宮を世界各地に出現させた。 それを期に、世界各国で作物は不作が発生し、地下資源などが枯渇。 ついにはダンジョンから齎される資源に依存せざるを得ない状況となってしまったのだった。 スキルとは祝福か、呪いか…… ダンジョン探索に命を懸ける人々の物語が今始まる!! 主人公【中村 剣斗】はそんな大災害に巻き込まれた一人であった。 ダンジョンはケントが勤めていた会社を飲み込み、その日のうちに無職となってしまう。 ケントは就職を諦め、【探索者】と呼ばれるダンジョンの資源回収を生業とする職業に就くことを決心する。 しかしケントに授けられたスキルは、【スキルクリエイター】という謎のスキル。 一応戦えはするものの、戦闘では役に立たづ、ついには訓練の際に組んだパーティーからも追い出されてしまう。 途方に暮れるケントは一人でも【探索者】としてやっていくことにした。 その後明かされる【スキルクリエイター】の秘密。 そして、世界存亡の危機。 全てがケントへと帰結するとき、物語が動き出した…… ※登場する人物・団体・名称はすべて現実世界とは全く関係がありません。この物語はフィクションでありファンタジーです。

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

無尽蔵の魔力で世界を救います~現実世界からやって来た俺は神より魔力が多いらしい~

甲賀流
ファンタジー
なんの特徴もない高校生の高橋 春陽はある時、異世界への繋がるダンジョンに迷い込んだ。なんだ……空気中に星屑みたいなのがキラキラしてるけど?これが全て魔力だって? そしてダンジョンを突破した先には広大な異世界があり、この世界全ての魔力を行使して神や魔族に挑んでいく。

処理中です...