おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。

お茶飲み人の愛自好吾(あいじこうご)

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第198話 廃洋館探索任務 ⑦

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 不測の事態が起きた、冒険者たちは実は吸血鬼だった。

しかしまあ、予想出来なかったとは言え、これで事態は見えてきた。

あとは簡単だ、このバンパイア共を排除すればいいだけ。

この戦場の勝利条件は、村娘の護衛、吸血鬼の排除、そんなところか。

幸いな事に、ここに居るアンデッドモンスターは奴等にとって邪魔でしかない。

なのでここは、護衛対象を守ればいい。あとは自分達も下手を打たなければいい。

早速指示を飛ばす。

「ニール、リップは隊長達の支援。解ってると思うがバンパイアには銀の剣じゃなきゃダメージは通らないからな!」

「おう! 任しとけ!」

「おっけー!」

メリー伍長はこちらが指示を出すまでもなく、隊長たちの下へ移動していた。

「さて、やるか。」

俺も腰から銀の剣を抜く。片手で持ち、構える。

三人のうち、一人がこちらへと飛び掛かって来た。

「確かナイフは効かないんだっけ。」

じっくり見極め、攻撃範囲に入って来たところへ、パワースラッシュを叩き込む。

「ギャアアアアアアーーーーーッ!?」

吸血鬼の一人を叩き切る、もう動かない。どうやら倒したみたいだ。

「まあ、こんなもんだな。」

実際、バンパイアは噛まれなければどうという事は無い。

 接近を許す訳じゃないけど、こちらの攻撃範囲に入ってこなければ攻撃は当たらな
い。

 こう狭いと、必殺技を使う訳にはいかない。下手に攻撃して無関係なアンデッドモンスターに被害を出す訳にはいかないからな。

こちらは片が付いた、隊長たちはどうかな。

 俺が見やると、丁度ニールとリップのコンビが一人のバンパイアに攻撃をしているところだった。

「とおりゃああああーーーー!!!」

 ニールの奴、相変わらず大振りの攻撃をしているな、それを躱したバンパイアがニールに注意を向けているところへ、リップが銀の剣を突き刺した。

「これでも! くらえ!」

 リップの攻撃は見事に命中、バンパイアの背中から銀の剣が突き出て、大ダメージを与えたようだ。

「ギャアアアアアアッ!? お、おのれええ!!?」

 リップへ注意を向けた吸血鬼だが、今度はニールの攻撃が炸裂。上段からの振り下ろしにて、止めの一撃となった。

「よそ見してる場合かよ!!」

「!!?」

ニールの一撃で、バンパイアは縦に真っ二つに引き裂かれ、声も無く沈黙した。

「やるじゃないか二人共。」

俺の声に、二人はニコリとしてサムズアップした。

「よし! これで二つ。残りは?」

 俺が隊長たちを見ると、丁度最後のバンパイアに止めの一撃を叩き込むところだった。

「サキ! やりますわよ!」

「ああ! いつでもいいよ!」
 
 バンパイアを挟み込む形で距離を詰め、隊長たち二人の合体技、「メガスマッシュ」を繰り出すところだ。

バンパイアはどちらを先に攻撃しようかと、左右を見やりその場で立ち止まる。

「それがいけないんだな、これが。」

戦場で足を止める。それは攻撃して下さいと言っているようなものだ。

「「 はああああああああーーーーーーー!!! 」」

 裂迫の勢いで左右から挟み撃ちし、サキ隊長とナナ少尉の合体技「メガスマッシュ」が炸裂した。

「「 メガスマーーーーーシュッ!!! 」」

バンパイアを挟み込んでからの同時攻撃、両側から銀の剣を突き刺し攻撃。

これは堪らんだろう、単純に攻撃力2倍だからな。

「ギャアアアアアアーーーーーーーーーーーーー………………。」

吸血鬼の身体を二つの銀の剣が刺し貫き、そのまま絶命した。

「ふう~~、終わったか。」

「そのようですわね。」

えげつない破壊力があるな、あの攻撃は。流石に倒しただろう。

バンパイアの死体は、倒れたと同時に灰へと変わった。

「ふうーやれやれ、何とかこの場は凌いだみたいですね。流石は隊長たち、お見事でした。」

「まあ、ざっとこんなもんよ。」

「フフ、士官学校の時を思い出しましたわ。」

ふーむ、二人は今の技を士官学校の時に編み出したのか。やるなあ。

「よーし! これで片が付いたな。総員、警戒態勢のまま待機! メリー伍長、他の敵の匂いはするか?」

全員がメリー伍長に視線を向けたところ、メリー伍長は首をフルフルと横に振った。

「いえ、敵勢力の匂いはしないです。もうこの辺りには敵はいないです。」

それを聞いた皆は、ホッと肩を撫でおろした。

「よし! 戦闘終了! 各自安全確保、そののちこちらへ集合!」

「「「「 了解!! 」」」」

さてと、まずは銀の剣を仕舞って辺りを見回す。

「ふーむ、特に変わった様子は無いな。吸血鬼も灰の塊になった訳だし。」

異常無しだ。

 静かなものだ、まあ周りのアンデッドモンスターは静かに見守ってくれていたお陰で、こちらが動き易かった訳だな。

 隊長たちの下へ合流だ、歩いて向かった。その途中で門番スケルトンが声を掛けてきた。

「いや~~、大したもんだ。あんた等強いんだな~。ちょっと見直したぜ。」

「ああ、まあな。あんたも手伝ってくれただろ?」

「ん? 何の事だ?」

そう、このスケルトンは密かに護衛対象の村娘を後ろから守っていたのだ。

「ふふふ、とぼけなさんなって。あんた良い所があるじゃねえか。」

「ふふふ、気付いたあんたも中々やるじゃねえか。」

こうして、この場の戦闘は終了した。何事も無くて良かった。

隊長たちと合流し、お互いに身の安全を確かめ合った。

「ニール、リップ、お疲れ。」

「おう、ジャズもお疲れ。」

「ジャズは流石ね。」

「いやいや、お前等も中々やるじゃないか。」

と、ここでサキ隊長から労いの言葉を貰った。

「いや、ジャズ少尉は一人で対処しただろう、流石英雄だな。」

「よしてくださいよ隊長、偶然ですよ。偶然。」

「はっはっは、謙遜して、私も鼻が高いぞ。」

「う~ん、今からでも遅くはありませんわ。ジャズ少尉、わたくしの隊に入りなさいな。」

「ちょっとナナ、どさくさに紛れて何言ってんのよ。駄目だからね、ジャズ少尉は私の隊員なんだからね。」

「あら、貴女新しい隊員が欲しいって言っていたじゃありませんの。丁度新人が軍に入隊してきましたし、いい機会ですわ。」

「駄目駄目、ジャズは渡さん。」

「いいじゃありませんの、ちょっとこちらへ寄越したって。」

ふーむ、隊長たちはなにやら言い合いを始めたが、俺はどっちでもいいからなあ。

「モテモテね、ジャズ。」

「リップは一言多いなあ。」

「ジャズと俺のゴールデンコンビがあるから、サキ小隊はこのままだぜ。」

「はいはい。」

よしよし、護衛対象も無事だし、後はこの少女を村まで護衛していけばいいな。

 こちらの問題は解決しそうだ、さて、問題はもう一つ。

「大丈夫だったかい? カリーナ。」

「ええ、私は平気。男爵様が盾となってくれていましたから。」

ほーう、ジョッシュの奴は良い感じにカリーナ嬢を守っていた様だ。

中々いい感じじゃないか、そのままダンスに誘えば申し分ないな。

「さあ皆、舞踏会の続きだ。存分に楽しみ給え。」

ジョッシュの一言で、この場は収まり、舞踏会は再会した。

ジョッシュは俺の方を向いて、こくりと頷き、俺も頷き返す。

「カリーナ、私と踊っては貰えないだろうか?」

ジョッシュはカリーナへ向け、手を差し出す。

さあ、どうなる、この一手。

「はい、喜んで。」

奥ゆかしく答えたカリーナ嬢は、頬を染めつつ返事をする。

そして、カリーナ嬢はその手を取った。






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