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ACT 2:ORIGIN
[4] ムコの改造計画を練る中、デカパイ存続をかけた攻防が勃発する。[バストサイズ読み上げ/パイズリ妄想]
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不思議なもんで、ムコの改造計画は、無意識に頭の中で組み立ててたパズルみたいにスルスルと形になっていった。
まず防御性能だ。
クグツメのフレームはかなりタフに作られてる。実際、ブッチャーの部下が撃ちまくったカネミツSMGの5.7ミリ弾なんて余裕で弾いた。問題はクロダみたいな対サイボーグ口径だ。あの12.7ミリ徹甲弾には派手にやられた。
装甲を強化しないといけないが、重量を大幅に増やしたら機動性が死ぬ。クグツメボディの最大の武器は、あの人間離れした反応速度と蛇みたいにしなやかな身のこなし。それを殺すわけにはいかない。
それと、体表は人工皮膚のまま維持したい。一見しただけじゃ戦闘用義体だとバレない。人混みに紛れられる。敵が油断する。それ自体が立派な戦略的アドバンテージだ。
解決策は皮下防弾層。
人工皮膚の直下に、多層アラミド繊維のメッシュシートを追加で仕込む。厚さは2ミリ以下。軽量。でも被弾時のエネルギーを面で受け止めて、フレームに到達する衝撃を大幅に減衰させる。
アンチボーグ弾の直撃を完全に止めるのは無理だ。それには軍用義体が積んでる何層もの複合装甲が必要になる。でもダメージレベルを致命傷からフレームの凹みくらいには格下げできる。それだけで生存率が段違いだ。
欲を言えば、人工皮膚自体も軍用グレードに総取っ替えしたいところだ。ナイフで突かれても破れない、軽微なダメージなら生身みたいに自己修復するハイエンドなやつ。
ちなみにバカ高い。一応見積もりを出してみた。全身分のコストは……ギリ行けるか。貯金口座の残高が半分消し飛ぶが。
爺ちゃんごめん。このままだと遺産全部セクサロイドに突っ込むかも、って言ったら聞こえが最悪すぎるよな。でもこれそういうんじゃねえから。
次は出力だ。
クグツメは工場出荷時に安全リミッターがかかってる。人工筋繊維の過負荷による破断を防ぐためのものだ。それに、メガコーポの重役様が激しい夜のセッションに勤しんでる最中、万が一にも腰骨をブチ砕いたら困るからな。訴訟リスク回避だ。
そのリミッターを解除する。アクチュエータが本来持ってる最大出力を全開放すれば、打撃力は軽く倍増する。リスクは持続戦闘中のオーバーヒートだが、冷却系をアップグレードすれば対処できる。
俺はムコの脳殻から抽出した視覚ログを何度も何度も見返して研究した。あの荷降ろし場での戦闘、6人のサイボーグニンジャを瞬殺した一連の動きを本人の目線で追体験した。
ムコの戦闘スタイルは明確だった。脚中心の近接戦闘だ。
あのキック。高く、速く、凶暴。クグツメのボディもそれに完璧に適してた。あのバカみたいに長い脚はただの飾りじゃない。レバレッジだ。テコの原理で力を増幅する。遠心力を乗せて叩き込む。
あの時は非武装だったから仕方なく肉弾戦に徹してたんだろうが、たとえ武器があったとしても、このボディは重火器を担ぐより近接戦闘に向いてる。強度対重量比、バランスシステム、センサー密度、セクサロイドとしての設計全てが精密で高速な動きに最適化されてる。
そして、あの刀さばき。
敵から奪った振動刀を握った瞬間、まるで何十年も使い込んだ愛刀みたいに振るった。
ムコは絶対に刀の使い手だった。
今の時代、刀ってのは時代遅れどころか最先端の武器だ。
サイボーグ技術の発展が変えたのは、武器の選択肢だけじゃない。戦闘のロジックそのものが書き換わった。
複合装甲の普及。反射神経の人工強化。その結果、射撃戦の価値が相対的に下がった。軍用義体は銃弾を弾く、避ける。距離を取って撃ち合っても、なかなか決着がつかない。
でも刃は違う。単分子エッジは装甲を無視する。どんなに頑丈なフレームも、分子結合レベルで切断される。
だから戦術がシフトした。間合いを詰めて、斬る。サムライの時代の再来だ。
なら答えは決まってる。近接戦闘特化だ。
股関節と膝関節の耐久性を3倍に引き上げる。衝撃吸収システムも多層化。サイボーグの強化骨格を粉砕するような蹴りのストレスに何百発と耐えられるようにする。
腕部も当然、アンチボーグ銃を反動でブッ壊れずに扱えるだけの剛性は確保するが、予算と労力の大半は下半身に集中投下だ。
それとちょっとした遊び心を加える。踵に格納式スパイクを内蔵。キックやストンプの瞬間だけ、ガシャッと展開する。
踏みつけで頭蓋を貫通する、ヒールドロップで防弾皮膚をブチ抜く。それに垂直面を登るためのクライミングアンカーとしても使える。
映えるだろ?
ここまでは全部、理屈が通ってる。
標準的な戦闘改造を非標準の素体に応用してるだけ。
問題は……あの爆乳だ。
◇
デスクで電力分配の最終計算やってる時、コトッと音がしてマグカップが現れた。安物のインスタントコーヒー粉末が溶けた黒い液体から、湯気が立ち上ってる。
ムコだ。いつの間に背後に。足音は一切聞こえなかった。あの裸足は床の上を幽霊みたいに歩く。
「ああ、サンキュー。そこ置いといて……く、れ」
言いかけて、顔を上げてしまった。
ミスった。
ムコが俺のデスクの端っこに、何の気なしに腰掛けていた。長い脚をブラブラさせながら。
着てるのは俺の古いタンクトップ。何年も前のやつで、首元が経年劣化でダルダルに伸びきってて……
あの果てしない谷間が、全部見える。
物とか失くせそうなくらい深ッかい谷間が。
「――……ッッッ」
脳がスタックした。
言葉にならない音を喉から絞り出す。
首がムチ打ちになりそうな勢いで、タブレットに視線を叩きつける。
「どうした?」
「い、いや。なんでもない。大丈夫」
バカみたいな話だ。
俺は3日間かけてあのボディを隅から隅まで修理したんだぞ。裸なんて見飽きるほど見た。どころか、フレームに肘まで突っ込んで、内部機構を一つ残らずこの手で触った。
じゃあなんで今、こんなに心臓がバクバクしてんだ?
違うんだよ。動いてると全く別物だ。
あのでっっっかい塊に人肌の体温が通ってて、呼吸で揺れて。しかも完全無防備、ノーガード、持ち主の意識的には「触りたきゃ好きにしろ」のお触りオッケー状態。
そんなのが目と鼻の先にぶら下がってると……
ムコが俺のスクリーンを覗き込もうとして、少し前かがみになった。
最悪だ。あのゆるゆるのタンクトップの胸元がもっとずり下がって……いや。見ない。タブレットに視線を固定する。見ないぞと意志の力で。失敗した。また横目で見た。
「どこまで進んだ?」
「ん……ああ、順調。今スペック詰めてる最中」
ムコが体重を移動させて、デスクがミシッと軋んだ。
デスクの天板に鎮座してる幅広の骨盤。ムッチムチの太ももが天板に乗っかって、重量で横に広がってる。タンクトップの裾が太ももの付け根ギリギリまで捲れ上がって……
……クソ、どうせ下ノーパンだろこいつ。
何かイライラしてくる。
あー……最後に抜いたのいつだっけ……?
ブッチャーが乗り込んでくる前。何日前だ? 4日? 5日?
よく考えたらあれから一回も処理してねーじゃん。自覚したらすっげえムラついてきた。まずい。
「お前が送ったプランを見た。脚部を強化する方向性はいい。装甲層も」
「……ん、」
「ただ、一つ頼みがある」
「……ん……?」
脳の血液がどんどん下半身に引っ張られてる。
ヤバい、ムコが何か言ってるけど、半分しか頭に入ってこない……。
その時、ムコの手が上がって、自分の爆乳にムニュッと指が埋まった。
無表情のまま、低い声で言う。
「この胸は邪魔だ。取り除いてくれ」
一瞬で正気に戻された。
俺は勢いよく振り返って、椅子ごとひっくり返りそうになった。
「ダメに決まってんだろ!!」
ムコの頭がわずかに傾いた。
「……。駄目?」
「ダメ。ありえん。それは絶対に残す」
「単純な話だ。質量を減らせば機動性が上がる」
「ああ、言いたいことはわかってる。でもダメだ」
「理由を説明しろ」
「お前、ブッチャーのマイクロランチャー食らったの覚えてるだろ? 20ミリHE弾が真正面から直撃だ。10メートル吹っ飛ばされてコンテナに叩きつけられた。なんで胴体の内部構造が無傷で済んだと思う?」
タブレットにクグツメのスペックシートを表示して、ムコに向けて突き出した。
「これ読め」
ムコが身を乗り出して読む。
あっやべ、乗り出さないでくれ。お願いだから……クソ、もう遅い。
だぷん♡ と、アレが重たげに視界の端で揺れる。
ムコが画面に目を落として、あの低い声で読み上げ始める。
「バスト仕様……トップ110センチメートル、アンダー75センチメートル。カップサイズ換算Kカップ相当。各乳房2.8キログラム、合計……」
「そこじゃねええええッ!!」
声が完全に裏返った。
タブレットをひったくって、必死に画面をスクロールダウンする。
やめろ。マジでやめてくれ。
視界の端に実物が存在してる状態で、本人の口からバストサイズのフルスペックを読み上げられるの、低い男声でも関係なくキく……っ。
つーか、改めて数字で突きつけられると……
110センチ。
Kカップ。
2.8キロ。片乳で。
……でっっっっ、デカすぎだろ……っ!!!
なんつー暴力的なスペックしてやがんだこのデカパイ……ッ!!
これ自体が武器だろ。アドバンテージどころの話じゃねえ、立派な戦術兵器だ。
こんなもん目の前に放り出されて、正常な判断力を保てる男がいるか? 問答無用でIQ50くらい下げてくるって。
っていうか……。
マジで、男が勝てるか?
これに。
脳内で勝手にシミュレーションが始まる。
対戦カード、チンコ vs 爆乳(片乳2.8キロ×2)。
チンコ側の戦力分析……平均的な成人男性の勃起時重量、約100グラム。ムコの片乳の28分の1。両乳合わせたら56分の1。
物理的質量差は圧倒的不利。
チンコ側の勝算は……ねえよ。1ミリもねえ。戦いにすらなってない。一方的な虐殺だ。チンコ側が瞬殺される未来しか見えない。せいぜいあのバカ乳を白いのでドロドロにしてやるのが精一杯だ。それで勝ったとか言い張れるか? 白旗上げてるのと変わんねえだろ。
……いや、待て。
受け身だから負ける、ヤられる前提で考えてるから負けるんだ。
逆に考えろ。
こっちから仕掛ける。
こっちから……犯す。
あのデカ乳をレイプする。
あの谷間を、能動的に、攻撃的に、ファックする。
あの2.8キロ×2の間に強引にチンコねじ込んで、ミッチミチの柔肉を無理やり押し広げて、ギュウギュウに圧迫されながらも、こっちのペースで腰を振ってやる。
パイズリじゃない。谷間レイプだ。
いっつもいっつもチンピク誘発してくるデカ乳を、メチャクチャに嬲ってやる。
ムコの冷たい目に見下ろされながら……あったかくてやわっこい、2.8キロと2.8キロに両側からサンドイッチされて、根元まで完全に埋没して、逃げ場ゼロでみっっっっちり圧迫されて……
……ムコがあの長い腕で下から乳を寄せてきたら?
ギュウウッと圧かけてきたら?
上下にユサユサ揺すられたら?
……勝てない。
絶対に勝てない。
即負けする。
なんなら今の状態なら、戦闘開始3秒でKO負けすると思う。挟まれた瞬間にブッこ抜かれる自信がある。
いや、あの2.8キロをチンポの上にドスンと乗っけられただけで、あの重量感だけでイける気がする……。片乳で試合終了だ。
………………。
ヤバい、溜まりすぎてるせいか完全に頭おかしくなっちまってる。このままじゃマジでムコの乳にチンコ押し付けかねない。
今は仕事モードだ。技師モードだ。プロフェッショナルに徹しろ徹しろ徹しろ……
「……胸部の構成素材、ダイラタンシーポリマー。これのことか?」
ムコの男声が、暴走してた脳を現実に引き戻してくれた。
何の話してたんだっけ? ああクグツメの乳スペックの話だ。
ゴホン、と咳払いする。
「そ、そう。ダイラタンシーポリマー。……お前、知ってるか?」
「スマートマテリアル。通常状態では軟組織として柔軟性を保つが、衝撃を受けると分子構造が再配列して硬化する」
「正解。お前の乳はただの高級シリコンじゃなかった。反応装甲だ」
ムコが問題の胸を見下ろした。それから俺を見た。
「……装甲か」
「そ。弾丸や爆発を真正面から食らうと、そのダイラタンシーの乳が瞬間的に硬くなって衝撃を吸収、胸腔全体に分散させてフレームを守る。お前が生き延びたのは運じゃない。カグラザカの変態的なエンジニアリングのおかげだ。VIPの肉の盾になるのを想定して、そんな場所にも周到に防御機能を仕込んでる」
タブレットを置いて、腕を組んだ。
「……だからそれは取り外さない。以上」
沈黙。
ムコは長い間、じっと俺を見ていた。
それからとても静かに言った。
「お前が乳が好きなだけだろう」
カッと顔が発火した。
「……い、今説明したばっかだろ!? 戦術的に合理性があるって!!」
「恥ずかしがってるな」
「恥ずかしがってなんかない! 俺は……っ、ああクソ! そうだよ俺は巨乳好きだ! 満足か!? でもな、意識失ったお前をここまで引きずってきたのは俺だし、この作業を無料でやってんのも俺、有り金全部お前のパーツに突っ込んでるのも俺だ。だからそうだ、その乳は残す。絶対に。異論は認めねえ!!」
ムコはただ俺を見ている。相変わらずの無表情で。
「……俺のこと笑ってんだろ、今」
「いや」
ムコが言った。明らかに「ああ」って意味のトーンで。
間。
「わかった。そこまで主張するなら、残していい」
「…………意見が一致してよかった」
これ以上恥をかく前に、さっさと図面に向き直った。
まず防御性能だ。
クグツメのフレームはかなりタフに作られてる。実際、ブッチャーの部下が撃ちまくったカネミツSMGの5.7ミリ弾なんて余裕で弾いた。問題はクロダみたいな対サイボーグ口径だ。あの12.7ミリ徹甲弾には派手にやられた。
装甲を強化しないといけないが、重量を大幅に増やしたら機動性が死ぬ。クグツメボディの最大の武器は、あの人間離れした反応速度と蛇みたいにしなやかな身のこなし。それを殺すわけにはいかない。
それと、体表は人工皮膚のまま維持したい。一見しただけじゃ戦闘用義体だとバレない。人混みに紛れられる。敵が油断する。それ自体が立派な戦略的アドバンテージだ。
解決策は皮下防弾層。
人工皮膚の直下に、多層アラミド繊維のメッシュシートを追加で仕込む。厚さは2ミリ以下。軽量。でも被弾時のエネルギーを面で受け止めて、フレームに到達する衝撃を大幅に減衰させる。
アンチボーグ弾の直撃を完全に止めるのは無理だ。それには軍用義体が積んでる何層もの複合装甲が必要になる。でもダメージレベルを致命傷からフレームの凹みくらいには格下げできる。それだけで生存率が段違いだ。
欲を言えば、人工皮膚自体も軍用グレードに総取っ替えしたいところだ。ナイフで突かれても破れない、軽微なダメージなら生身みたいに自己修復するハイエンドなやつ。
ちなみにバカ高い。一応見積もりを出してみた。全身分のコストは……ギリ行けるか。貯金口座の残高が半分消し飛ぶが。
爺ちゃんごめん。このままだと遺産全部セクサロイドに突っ込むかも、って言ったら聞こえが最悪すぎるよな。でもこれそういうんじゃねえから。
次は出力だ。
クグツメは工場出荷時に安全リミッターがかかってる。人工筋繊維の過負荷による破断を防ぐためのものだ。それに、メガコーポの重役様が激しい夜のセッションに勤しんでる最中、万が一にも腰骨をブチ砕いたら困るからな。訴訟リスク回避だ。
そのリミッターを解除する。アクチュエータが本来持ってる最大出力を全開放すれば、打撃力は軽く倍増する。リスクは持続戦闘中のオーバーヒートだが、冷却系をアップグレードすれば対処できる。
俺はムコの脳殻から抽出した視覚ログを何度も何度も見返して研究した。あの荷降ろし場での戦闘、6人のサイボーグニンジャを瞬殺した一連の動きを本人の目線で追体験した。
ムコの戦闘スタイルは明確だった。脚中心の近接戦闘だ。
あのキック。高く、速く、凶暴。クグツメのボディもそれに完璧に適してた。あのバカみたいに長い脚はただの飾りじゃない。レバレッジだ。テコの原理で力を増幅する。遠心力を乗せて叩き込む。
あの時は非武装だったから仕方なく肉弾戦に徹してたんだろうが、たとえ武器があったとしても、このボディは重火器を担ぐより近接戦闘に向いてる。強度対重量比、バランスシステム、センサー密度、セクサロイドとしての設計全てが精密で高速な動きに最適化されてる。
そして、あの刀さばき。
敵から奪った振動刀を握った瞬間、まるで何十年も使い込んだ愛刀みたいに振るった。
ムコは絶対に刀の使い手だった。
今の時代、刀ってのは時代遅れどころか最先端の武器だ。
サイボーグ技術の発展が変えたのは、武器の選択肢だけじゃない。戦闘のロジックそのものが書き換わった。
複合装甲の普及。反射神経の人工強化。その結果、射撃戦の価値が相対的に下がった。軍用義体は銃弾を弾く、避ける。距離を取って撃ち合っても、なかなか決着がつかない。
でも刃は違う。単分子エッジは装甲を無視する。どんなに頑丈なフレームも、分子結合レベルで切断される。
だから戦術がシフトした。間合いを詰めて、斬る。サムライの時代の再来だ。
なら答えは決まってる。近接戦闘特化だ。
股関節と膝関節の耐久性を3倍に引き上げる。衝撃吸収システムも多層化。サイボーグの強化骨格を粉砕するような蹴りのストレスに何百発と耐えられるようにする。
腕部も当然、アンチボーグ銃を反動でブッ壊れずに扱えるだけの剛性は確保するが、予算と労力の大半は下半身に集中投下だ。
それとちょっとした遊び心を加える。踵に格納式スパイクを内蔵。キックやストンプの瞬間だけ、ガシャッと展開する。
踏みつけで頭蓋を貫通する、ヒールドロップで防弾皮膚をブチ抜く。それに垂直面を登るためのクライミングアンカーとしても使える。
映えるだろ?
ここまでは全部、理屈が通ってる。
標準的な戦闘改造を非標準の素体に応用してるだけ。
問題は……あの爆乳だ。
◇
デスクで電力分配の最終計算やってる時、コトッと音がしてマグカップが現れた。安物のインスタントコーヒー粉末が溶けた黒い液体から、湯気が立ち上ってる。
ムコだ。いつの間に背後に。足音は一切聞こえなかった。あの裸足は床の上を幽霊みたいに歩く。
「ああ、サンキュー。そこ置いといて……く、れ」
言いかけて、顔を上げてしまった。
ミスった。
ムコが俺のデスクの端っこに、何の気なしに腰掛けていた。長い脚をブラブラさせながら。
着てるのは俺の古いタンクトップ。何年も前のやつで、首元が経年劣化でダルダルに伸びきってて……
あの果てしない谷間が、全部見える。
物とか失くせそうなくらい深ッかい谷間が。
「――……ッッッ」
脳がスタックした。
言葉にならない音を喉から絞り出す。
首がムチ打ちになりそうな勢いで、タブレットに視線を叩きつける。
「どうした?」
「い、いや。なんでもない。大丈夫」
バカみたいな話だ。
俺は3日間かけてあのボディを隅から隅まで修理したんだぞ。裸なんて見飽きるほど見た。どころか、フレームに肘まで突っ込んで、内部機構を一つ残らずこの手で触った。
じゃあなんで今、こんなに心臓がバクバクしてんだ?
違うんだよ。動いてると全く別物だ。
あのでっっっかい塊に人肌の体温が通ってて、呼吸で揺れて。しかも完全無防備、ノーガード、持ち主の意識的には「触りたきゃ好きにしろ」のお触りオッケー状態。
そんなのが目と鼻の先にぶら下がってると……
ムコが俺のスクリーンを覗き込もうとして、少し前かがみになった。
最悪だ。あのゆるゆるのタンクトップの胸元がもっとずり下がって……いや。見ない。タブレットに視線を固定する。見ないぞと意志の力で。失敗した。また横目で見た。
「どこまで進んだ?」
「ん……ああ、順調。今スペック詰めてる最中」
ムコが体重を移動させて、デスクがミシッと軋んだ。
デスクの天板に鎮座してる幅広の骨盤。ムッチムチの太ももが天板に乗っかって、重量で横に広がってる。タンクトップの裾が太ももの付け根ギリギリまで捲れ上がって……
……クソ、どうせ下ノーパンだろこいつ。
何かイライラしてくる。
あー……最後に抜いたのいつだっけ……?
ブッチャーが乗り込んでくる前。何日前だ? 4日? 5日?
よく考えたらあれから一回も処理してねーじゃん。自覚したらすっげえムラついてきた。まずい。
「お前が送ったプランを見た。脚部を強化する方向性はいい。装甲層も」
「……ん、」
「ただ、一つ頼みがある」
「……ん……?」
脳の血液がどんどん下半身に引っ張られてる。
ヤバい、ムコが何か言ってるけど、半分しか頭に入ってこない……。
その時、ムコの手が上がって、自分の爆乳にムニュッと指が埋まった。
無表情のまま、低い声で言う。
「この胸は邪魔だ。取り除いてくれ」
一瞬で正気に戻された。
俺は勢いよく振り返って、椅子ごとひっくり返りそうになった。
「ダメに決まってんだろ!!」
ムコの頭がわずかに傾いた。
「……。駄目?」
「ダメ。ありえん。それは絶対に残す」
「単純な話だ。質量を減らせば機動性が上がる」
「ああ、言いたいことはわかってる。でもダメだ」
「理由を説明しろ」
「お前、ブッチャーのマイクロランチャー食らったの覚えてるだろ? 20ミリHE弾が真正面から直撃だ。10メートル吹っ飛ばされてコンテナに叩きつけられた。なんで胴体の内部構造が無傷で済んだと思う?」
タブレットにクグツメのスペックシートを表示して、ムコに向けて突き出した。
「これ読め」
ムコが身を乗り出して読む。
あっやべ、乗り出さないでくれ。お願いだから……クソ、もう遅い。
だぷん♡ と、アレが重たげに視界の端で揺れる。
ムコが画面に目を落として、あの低い声で読み上げ始める。
「バスト仕様……トップ110センチメートル、アンダー75センチメートル。カップサイズ換算Kカップ相当。各乳房2.8キログラム、合計……」
「そこじゃねええええッ!!」
声が完全に裏返った。
タブレットをひったくって、必死に画面をスクロールダウンする。
やめろ。マジでやめてくれ。
視界の端に実物が存在してる状態で、本人の口からバストサイズのフルスペックを読み上げられるの、低い男声でも関係なくキく……っ。
つーか、改めて数字で突きつけられると……
110センチ。
Kカップ。
2.8キロ。片乳で。
……でっっっっ、デカすぎだろ……っ!!!
なんつー暴力的なスペックしてやがんだこのデカパイ……ッ!!
これ自体が武器だろ。アドバンテージどころの話じゃねえ、立派な戦術兵器だ。
こんなもん目の前に放り出されて、正常な判断力を保てる男がいるか? 問答無用でIQ50くらい下げてくるって。
っていうか……。
マジで、男が勝てるか?
これに。
脳内で勝手にシミュレーションが始まる。
対戦カード、チンコ vs 爆乳(片乳2.8キロ×2)。
チンコ側の戦力分析……平均的な成人男性の勃起時重量、約100グラム。ムコの片乳の28分の1。両乳合わせたら56分の1。
物理的質量差は圧倒的不利。
チンコ側の勝算は……ねえよ。1ミリもねえ。戦いにすらなってない。一方的な虐殺だ。チンコ側が瞬殺される未来しか見えない。せいぜいあのバカ乳を白いのでドロドロにしてやるのが精一杯だ。それで勝ったとか言い張れるか? 白旗上げてるのと変わんねえだろ。
……いや、待て。
受け身だから負ける、ヤられる前提で考えてるから負けるんだ。
逆に考えろ。
こっちから仕掛ける。
こっちから……犯す。
あのデカ乳をレイプする。
あの谷間を、能動的に、攻撃的に、ファックする。
あの2.8キロ×2の間に強引にチンコねじ込んで、ミッチミチの柔肉を無理やり押し広げて、ギュウギュウに圧迫されながらも、こっちのペースで腰を振ってやる。
パイズリじゃない。谷間レイプだ。
いっつもいっつもチンピク誘発してくるデカ乳を、メチャクチャに嬲ってやる。
ムコの冷たい目に見下ろされながら……あったかくてやわっこい、2.8キロと2.8キロに両側からサンドイッチされて、根元まで完全に埋没して、逃げ場ゼロでみっっっっちり圧迫されて……
……ムコがあの長い腕で下から乳を寄せてきたら?
ギュウウッと圧かけてきたら?
上下にユサユサ揺すられたら?
……勝てない。
絶対に勝てない。
即負けする。
なんなら今の状態なら、戦闘開始3秒でKO負けすると思う。挟まれた瞬間にブッこ抜かれる自信がある。
いや、あの2.8キロをチンポの上にドスンと乗っけられただけで、あの重量感だけでイける気がする……。片乳で試合終了だ。
………………。
ヤバい、溜まりすぎてるせいか完全に頭おかしくなっちまってる。このままじゃマジでムコの乳にチンコ押し付けかねない。
今は仕事モードだ。技師モードだ。プロフェッショナルに徹しろ徹しろ徹しろ……
「……胸部の構成素材、ダイラタンシーポリマー。これのことか?」
ムコの男声が、暴走してた脳を現実に引き戻してくれた。
何の話してたんだっけ? ああクグツメの乳スペックの話だ。
ゴホン、と咳払いする。
「そ、そう。ダイラタンシーポリマー。……お前、知ってるか?」
「スマートマテリアル。通常状態では軟組織として柔軟性を保つが、衝撃を受けると分子構造が再配列して硬化する」
「正解。お前の乳はただの高級シリコンじゃなかった。反応装甲だ」
ムコが問題の胸を見下ろした。それから俺を見た。
「……装甲か」
「そ。弾丸や爆発を真正面から食らうと、そのダイラタンシーの乳が瞬間的に硬くなって衝撃を吸収、胸腔全体に分散させてフレームを守る。お前が生き延びたのは運じゃない。カグラザカの変態的なエンジニアリングのおかげだ。VIPの肉の盾になるのを想定して、そんな場所にも周到に防御機能を仕込んでる」
タブレットを置いて、腕を組んだ。
「……だからそれは取り外さない。以上」
沈黙。
ムコは長い間、じっと俺を見ていた。
それからとても静かに言った。
「お前が乳が好きなだけだろう」
カッと顔が発火した。
「……い、今説明したばっかだろ!? 戦術的に合理性があるって!!」
「恥ずかしがってるな」
「恥ずかしがってなんかない! 俺は……っ、ああクソ! そうだよ俺は巨乳好きだ! 満足か!? でもな、意識失ったお前をここまで引きずってきたのは俺だし、この作業を無料でやってんのも俺、有り金全部お前のパーツに突っ込んでるのも俺だ。だからそうだ、その乳は残す。絶対に。異論は認めねえ!!」
ムコはただ俺を見ている。相変わらずの無表情で。
「……俺のこと笑ってんだろ、今」
「いや」
ムコが言った。明らかに「ああ」って意味のトーンで。
間。
「わかった。そこまで主張するなら、残していい」
「…………意見が一致してよかった」
これ以上恥をかく前に、さっさと図面に向き直った。
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