仮名「生死」

( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )白夜

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その後の私に出来ることはほとんどなかった。
されるがまま、流されるままお守りをされ退院をした。
赤子にできることはそれほど多くないという事だ。

だが、この状況を整理するには充分すぎる時間だった。
新しい、性はどうやら齋藤。
名は紅葉。
生まれたのはどうやら12月10日らしい。
自殺から転生までのラグはそれほどないらしいが、そんな事より冬生まれの自分に秋っぽい名をつける親のネーミングセンスを先ず疑った。
ちゃん付けで呼ばれているあたり、女性と推測出来るが、赤子をちゃん付けで呼ぶのに性別はあまり関係ないし、名前からも性別を推測しずらい。
どちらとも取れる名前をつけるあたり、この性別がわかる前から名前を考えていた事が伺え、より親への不安が募る。

生前の私が男性ということもあり、新しい姓に生きる希望を見いだせるかもしれないという淡い期待を持ちながら自身の成長を待つしかない息苦しさを抱えた。
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