ドエル(宿ししもの達)

( ᵕ̩̩ㅅᵕ̩̩ )白夜

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1話

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校門を抜けるとそこにはでかでかと、クラス分けの看板が書かれていた。

「俺は1-Aか」

看板を確認し、クラスへと向かう。
クラスへ着くと、もう既に半数ほどクラスは埋まっていた。

「俺の席はあそこか」

俺の席は窓側から二列目の前から二番目だ。

「なんと無難な席…」

そう思いながら、自分の席に着くと後ろの席の奴が話しかけてきた。

「やっほー、席近いからこれからよろしくね!」

なんと馴れ馴れしいやつだ。
そう思いつつもこれからの学校生活を棒に振りたくないので、無難に返答する。

「あぁ、よろしく」

「名前なんて言うの?」

面倒くさいやつだな。
会話を広げてきやがる。
仕方ないので答える。

酒呑 鬼神しゅてんきしん

「珍しい名前だね!私は鈴原ララすずはららら

聞いてもないのに自分から名乗ってきやがった。
それなら先に名乗れよ。
そう心の中で思いつつも、自分を抑える。

「まあ普通ではないよな…」

「君は何宿してるの?」

人にズカズカ乗り込んできやがる。
1番苦手なタイプの人間だ。
このタイプの人間は距離感がバグっている。

「鬼だけど…」

「鬼かー!私はラファエルなの!なんか敵同士みたいだね!」

「そうだね…あはは…」

勝手に聞いといて勝手に敵対視してきやがった。
天使だから頭もパッパラパーってか?
なんともめんどくさいやつが、近くの席になっちまった。
これも鬼たる所以か毎度貧乏くじを引かされる。

「あっ、先生来たよ!」

勝手に会話初めて勝手に終わりやがった。
なんて自由人なんだ。

「おい、静かにしろよ。俺が1-A担任水谷流みずたにながれだ。俺は水を宿している。」

水か、どんなもんなんだろ?
正直自分以外に興味がなかったから、他のやつのドエルってあんまり知らないんだよな。
そもそも、ドエルの授業って本格的になるの高校からだし。

「みんな知っての通り、高校からはドエルの授業が多くある。皆自分の宿しているドエルの扱いや戦闘の授業もあるので、中学生気分のままだと置いていかれるからな。」

ドエル、それは人々が何かしらを自身に宿している能力。
それらの能力を生かしこの世界の人間は暮らしている。
それは、物質ないし物や人物様々だ。

「それでは早速一限は体力測定だ、皆着替えてグランドに集合だ。」

そう言って、先生は教室を出ていった。

「初めから体力測定なんだ!色んなドエルが見れそうで楽しみだね鬼神!」

こいつ初対面なのに名前呼び…
つくづくめんどくさい奴に絡まれてしまったものだ。

「じゃあ更衣室別だしまた後で…」

「うん!後でね!!」

そう言って教室を出ていった。

「俺も着替えるか」

呆れながら体操着に着替える鬼神だった。
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