【革命大戦紀 SLIVED EKURIPUSU/スリヴドゥエクリプス】

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第26話 違和感

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 砲撃を受けて被弾する艦。 ブリッジへ向かおうとしていた時に急ぐ兵たちとすれ違う。丁度その時ライルは、爆発に巻き込まれ、倒れる兵士たちを目の前で見た。 

 悲鳴と共に血を流す兵たち。

兵士1「こちらB班。衛生兵を頼む。 負傷者2名」

 血を流しながらも、起き上がらない兵士にすり寄る負傷兵。

負傷兵2「駄目だ、こいつ息しいないぞ」

 ライルは急いでブリッジの扉を開く。 あそこにいて自分に何ができようか。 ライルはエールス達に事情を聴く。

エールス「急いで出撃してくれ!」

ライル「俺も出ます!」

グロス「お前はここでおとなしくしとけ。 宇宙でなんて戦ったことないだろ」

ライル「だけど、こんなところで俺だけじっとなんてしてられない」

 ライルの頭の中で地球の政府に言われた約束事が足枷の様に襲い掛かっていた。 ライルが彼らと同行するのも、地球の政府と取引をしていたからだった。 あの戦い移行、自分の家族である者たちは重傷で治療に当たった。 きってはその治療費や、今は壊れてしまった、住む場所、彼らの地球での、生存場所を約束に、シーキュウナ隊と解決までの協力を約束したのだ。
 それはほぼ強制的な契約。 一方的な圧力そのものであった。 だから、ライルとしても要らないと、地球に返される、もしくは、この隊が失敗してしまうと、地球での、彼らの居場所はなくなってしまうわけである。

 ニルスはライルの格好を見ると、すっと、一言だけ放つと、グロスと出て行った。

ニルス「足手まといだ」

 ライルは大人しくブリッジに残った。 あいにくと、艦内からの通信がブリッジに響く。

兵士「格納庫で爆発、整備班が負傷。 死人はまだわかりません」
整備師「こちらでも負傷兵が、頼む、手を貸してくれ」

 その震えた声を聴くたびに。 ライルは自分の失態ではないかと、震えた。 あの時……。 この事態をブリッジの画面越しに見ているだけなんて本当に許されるのかと自分を問い詰めては、行き急ぐ自分を必死に抑えつける。



 サーゲンレーゼから発進する2機のAD。 


リュウト「な、なんだこいつら。……こんなの聞いてないぞ」

ミネ「ぼろぼろなのに、動きが……」

 その時彼らの後方で、大爆発が起こる。 自分たちの乗ってきた戦艦が、エールスの狙う砲撃で落ちたのだ。

ミネ「な、なんだよ、あの艦隊。 あんなの見たことないぞ。 何が、残骸の掃除だ、」

リュウト「俺たちの……、帰る艦が、無くなっ……た、」

ガク「リュウト! ミネ! 逃げろ!」

 後ろから届く通信回線。 気づくと彼らの機体は爆発していた。 


ガク「ミネ―――――!! リュウト―――――!!」


ニルス「なんだこいつら、戦闘慣れしてない部隊か。 しかし、ここにもアルカーナの軍がうろついていたとは」

グロス「なんにせよ、こっちもやばいんだ。 さっさと終わらせようぜ」


 ニルスとプリーマに乗るグロスの機体は、残りの4機も大破させ帰還した。 

 11へ向かう、シーキュウナ隊に、アルカーナの偵察艦は幾度となく襲い掛かってきた。 その度に、シーキュウナ隊はそれを撃破して、11へと艦を進めていった。




 ガクは、成りたての兵士だった。  

ガク「行ってきます! 母さん」

 そう言って彼は家を後にした。 全ては家にお金を入れる為。  彼らはある艦隊に配属され、複数人で割り振られた班で任務にあてられた。 訓練としての、戦争後の調査である。 ここに集う子供たちはガクのような子供たちかまたは、意志や将来、お国への忠誠心が強い子たちである。

 そればかりか、訓練生として若く集められた兵士がこの任務に沢山充てられていた。 実践の戦場後を見る事も大事なステータスアップにつながる。 それがこの国の教え方でもあった。

ガク「よう! リュウト! ミネ!」

リュウト「おはよう!」

ガク「ナミネとカルトは?」

ミネ「まだ来てないって」

ガク「あいつらまた寝坊か、」


 彼らはシーファースの前に集まり、談笑に浸った。 教官が来れば、こんな時間はしばらくないからだ。ここに集まったのは40ほどの兵たち。シーファースに積まれたのは、彼らには馴染みのある、旧式であるエターとエターⅡ。

 命令、見つけた敵兵は撃退すること。 味方がいた場合は救援信号を出すことだった。 教官が来れば一気に空気がかわる。誰一人として口を開けるものをいなくなる。彼らは命令を聞くと、飛び立っていく。

 彼らの両親は肩を落とし、家族達は泣き崩れる。 悲報が家族に告げられたのは、それから2か月後の事であったから。



 勿論このことは近くにいたアルカーナ軍にも届くのだが、彼らもまた別働で任務を遂行していた。 近くのアークシップ内に潜む兵たち。


エリク「いまだ。 始めるぞ」

 その合図で一斉に、走り出すと、一人、また一人と人が倒れていった。 たくさんの銃声が鳴り響くと、それは民間人も一緒に倒れる事態となった。 
 兵器や、乗り物から出される爆発で、辺りはがれきの山。 建物も半壊し、埋もれる人もまた現れる。 

 そんな被害をもたらしながらも、人々は争う事を止めず、必死に、生きる為戦った。 撃たれた人々もまたこれでもかと言わんばかりに武器を持った人たちが飛び出し、殺し合いは続く。 

 激戦の中、アルカーナの兵たちは疲労と困憊で押されていたが、エリクがADを持ち出したことで、一変する。 


エリク「これ以上無駄な、争いはよそう。 一気に片づける。 お前たちは被弾しないよう、私の後ろに回れ」


 暴れまわる敵をよそに、簡単にひねりつぶされていく人々。 やめてくれと懇願する彼らに、エリクは容赦のない銃口を向けた。 15時32分。 一つのアークシップの占拠を完了した。 敵は対AD用の軍事武器を備え、軍の機体であるADがその場を占拠していたが、エリクの率いる部隊と、エリクの乗るたった一機のADの前には敵ではなかった。

 エリクが司令塔と思しき集まりに突撃。 ADという圧倒的武力の差を見せつける結果となった。  
 反発してきた人々は、エリク率いる、アルカーナ軍によってすべて殺害された。

兵士「お疲れ様です。 後はどうします」

エリク「ここの者は全員殺せ」


伝令兵「少尉!」

 一人の兵士が向こうから大急ぎで走ってくる。

伝令兵「大変です。 この近くで、訓練中の兵が被害にあっていると通信が」

エリク「ん? そうれまた無粋な事を。 彼らを叩くなどと、日乃本が黙っていないぞ。 彼らはあれでいて忠義にうるさい国だ」

伝令兵「えぇ、それで我々に助けを求めてきているのですが…… それが、新型の艦だと……言う話も……」


エリク「何!? 新型だと。 落としたのではないのか? カールスのやつ。 失敗したのか。 
 という事は……」


伝令兵「どうしますか? ここの任もあります」

エリク「―――――いや、行こう。 これは面白い事になった。 それに日乃本にも恩を作れるとあっては一隅のチャンスだ 」

伝令兵「しかしここは?」

エリク「大丈夫さ。 ほとんどはここで継続していればいい。 ここの者たちも大切だ。 上がるのは、俺だけでいい。 皆には休憩も」

 一人の女性が、彼の元へと歩いて駆けつける。  その姿に目を引かれる兵士たち。

「まさか、一人でお行きになられるの?」

伝令兵「ネ、ネナス殿」

エリク「ネナス!  ここは皆に任せようと思ってな。 なに、訓練兵を叩いて楽しんでいる連中に皆の体力を消耗させる必要はないだろ。 私一人で叩き落してやるさ」

 顔の赤い伝令兵。 彼は慌てて背筋をピシッと伸ばすと固く敬礼した。 ネナスと言う女性は、えらくエリクの顔をのめり込んで伺う。 その魔性の表情は男たちには魅力的で仕方なかった。 

ネナス「お怒りなのですね。 少尉の正義のお心が許さないと仰られてらっしゃる。 弱い者いじめは関心しませんわね」

 そういって心配そうな表情を見せては、持っているペンを下唇に当てて見つめる。

エリク「そんなものではないよ。 私は正義などとそんな優れた心は持っていない。 皆と同じさ。 だがアルカーナに入った意味はそこにある。これに行かなくてなんの為に戦っているのかがわからない。見逃せない話さ 」


ネナス「その優しさはいつかあなたの身を滅ぼしかねませんよ」

エリク「もしそんな時が来たのなら、それが私の終着なのだろう。 ネナス、ついてきてくれるか?」

ネナス「勿論ですわ。あなた一人では危なっかしくてほっておけないですから」

エリク「ありがとう、助かるよ」





 一方、追い込まれていた連合政府はみるみる内に拠点が制圧されていき、その域を小さくしていた。境界線で戦線を強いているも突破されていく。 それをまずいと思った首脳たちは、経済的協力を行っている、ユナイテッド合衆国へ協力を要請した交渉に出ていた。 しかし、これは今に始まったことではなかった。 今だから、よりこの経済ビジネスのおかげで潤っているユナイデット国だったが、ユナイデット国は決して自国の戦争への参加に首を縦に振りはしなかった。 その代わり、同盟国として、経済的支援だけはするの一点張りである。
  ユナイデット国は、経済発展に貢献し、全国屈指の貿易ナンバーワンの座を、この戦争のおかげで手にしていた。そして、今あるほとんどのADは彼らの提供でもある。 それゆえに、連合政府としては彼らの協力が口から手が出るほど欲していた。 彼らの提供する武器はどれも最新鋭で協力すぎるがゆえに。

 それに対し、同盟国でないアルカーナ帝国等に対し連合国側がとっている経済的貿易禁止令は、相当の痛手でもあった。 
 だが、経済トップでもあり、リーダー的存在である、ユナイデット国に動いてもらわなければ、落とされかねない窮地に立つ連合国軍は、彼らと何度もユナイデット国参加の交渉を求め続けた。 




 シーキュウナ隊は俄然、敵艦からの攻撃を受ける事が続いており、いつしか、グロスは出撃をスキャットマンと交代して、酒に入り浸っていた。

 戦闘中でも、走行中でもお酒を飲むグロスの姿を見ているとそれが、成れた行動であることが伺えた。 

クレイド「また飲んでるよ、グロスさん……」

ジャン「艦長もおかしいんですよ。 なんで注意しないんですかね、みんな」

サフィ「やっぱり長くいると、特別特権の間柄とかで許してもらえるんですかね~ あぁ、いいなぁ」

シノ「こら! あなた達、何だらだらしているの!!」


 シノの活気に意表をとられるのだった。



 艦長とエレクは神妙な顔立ちで話していた。 薄暗くした部屋に、彼らは光るテーブルを囲んで資料を見る。

エレク「やっぱりおかしいんだ。 俺たちは修理してはいるが、まるで形だけだ。俺に言わせりゃ、修理と言うよりただの外装交換でしかない。 あの機体はいったい何なんだ?」

エールス「私も詳しい事は聞いていない。 ただあれを乗せるようにと」

エレク「俺たちにも全く詳細が知らされてないんだ」

エールス「あの時、マニュアルを受け取ったんじゃないのか? 分厚い資料を」

エレク「あぁ、読んださ。 全員でな。 あの機体の詳しい事が書いてあるっちゃ書いてある。 だけどありゃ設計図じゃねぇ。 真層はどこにも書かれてねえからな。 あんなのは、俺たち長年やってる整備士にはわかる。あんなもんただの見取り図だ。 あの通り指示には従っているが。 なんなんだ、あれは? 何を隠している? いっそ一度バラしちゃいけねぇのか?」


 エレク達整備兵にとって、ニフティーを名乗るあの機体は逸脱した謎の機体でしかなかった。 外側だけの交換や、修理の仕方は実際に触れ、知れるにせよ、肝心の骨組みまでは触らせてもらえず、全く分からない機体だったからである。 車であれば、フレームもわからず、外装しか交換させてもらえない。 中のエンジンや、冷却装置など、どこにあるかは設計図には記載あるものの、では実際どんな形のエンジンが積んであって、どういう風に組まれているか全く、見れていないのである。 これほど機械好きを馬鹿にした、修理はない。 

エールス「それはまずい。 そんなことすれば軍法違反ものになる。 それに、ばらして元に戻せなくなったらどうする。 今我々にはあれだけが、頼りでしかない……」

エレク「確かに。 だが、ふーん、どうも、嫌な感じしかしねぇんだよな。 あの機体。 おかしいところは他にもあるってからよぉ」

エールス「そういえば、グロスさんもそんな事を言っていた気が」

 エールスはグロスと話していた時の事を思い出して語る。 それはグロスがリフトで挙げられた時の事であった。 グロスはいったん一人でフラっと離れると、一人、部屋で酒に酔いしれていた。

エールス「大丈夫か?」

グロス「あぁ、艦長か。へへっ、みっともないところ見せちまったな。 あいつはなんだ? 」

エールス「新型の事か。 新しい技術の機体なんだ。 操縦が慣れないのも、よくある事だろう」

グロス「なぁ、艦長、知ってるか。 俺たちに与えられる物。 それは、 人が扱えるように調整されたものしか配備されないんだよ。だけどよ、……あれは違う」

エールス「違う? 何を言っているんです?」

グロス「あれは人が乗るようにはつくられちゃいねぇ」

エールス「何を言っているんです? ちゃんと操縦席もあるだろうに」

グロス「そういう事じゃねぇんだよ、あれは。 まるで後付けだ。 何か隠されてるのか知らねぇが、アイツには……、これ以上、ライルを乗せるべきじゃねぇ」

 あの時のグロスの顔はいつにもまして真剣で、どこか恐怖を感じていたようにも、そして、強い意志と、とても怖い顔をしていた。 エールスですら、そんな険相で話すグロスを見たんものだから内心ビビっていた。 


エレク「後付け……。 グロスの言う事は間違ってねぇ。 おかしいんだ。 あいつ、あの惑星から出る時も相当のダメージを追ったはずだ。 確かに、装甲は異常なまでに固い金属を使われているし、ほかのよりも強度の強さを俺たちは触って知っている。てか、あんな金属、どっから出てきたんだ?  にしたって、普通内部にも、ダメージは来る。 使ってりゃぁな。 だけど俺たちは誰も”そこ”を触ってねぇんだぜ? 何故外側だけの修理で、普通に出撃して帰ってこれる? フレームも手を掛けないと動かなくなったり、腕の一本無くなっててもおかしくねぇ、 メンテってのはそう言うもんだ」

エールス「!!」

エレク「つまり、俺たちの知らないところで誰かが、あの機体を修理してやがる。 こっそりと隠れてな。 俺たちの中に軍の回し者がいる。 それしか考えられねぇ」

エールス「しかしなぜ黙って……」

エレク「それはそいつに聞き出すしかねぇ。 だけど、お前さんも思ってるんだろう。 今回の作戦。 俺たちの行動。 命令から違和感がプンプンしてくるのがよ」

エールス「この話は内密にしていくれて。 それでいて、整備兵の方はあなたに任せられるか?」

エレク「あぁ、何としても見つけ出してやりてぇもんだしな。 こそこそしてやがるのが気に食わねぇ。 いっそ問い詰めてやるか」

エールス「頼む。 くれぐれも周りには気を付けてほしい」

エレク「あぁ。 ばれねぇように、夜な夜な回ってみるか」

エールス「AIも搭載しているのだろう」

エレク「あぁ。 あいつはあまり多くは語らない主義らしいんでね」



 そんな事もあり、エールスはライルへの出撃命令を止めていた。 当の本人は自分に出撃がかからない事に、違和感を持っていたのだが、ライルの知るところではなく。 自分が要らない存在になることを気にかけるのだった。

 そうして遭遇する戦闘をいくつも潜り抜け、イレブンワンに無事到着したエールス達。 
 そのシップの内部を見たクレイドとライルは目を大きくしていた。 しかし、周りの兵たちはいい顔をしない者もいた。 グロスもその一人だ。そんな顔をした彼らはこの場所に足をつけようとはしなかった。 



 シノの指示のもと班を分けてイレブンワンに降り立つと、ライル達はサフィーとジャンと共に、街を観光した。

 ライル達からしたら見たこともないものばかりが並ぶ。 まるで経済都市、いやそれ以上だ。 何処から出ているのか? 枠がないスクリーン映像に、走る車にタイヤすら無いものもある。 そしてみんな細くてスタイルがいい。 地球での細さとはまた違う出で立ちでみんなきれいに映った。

 町はイベントのような催し物でにぎわっていた。 楽しそうに歩く人たちの方わら、休憩するためにお店に入ると、抗争の話が耳に入る。 

 その客の話では、女性への差別的な行いに対し、立ち上がった人たちの話について、誹謗中傷を語っていた。 中でも『シャコミール』と『フレッティモ』彼女たちの話題が出るでる。 彼女らは、その女性解放軍のリーダーらしいのだが、こうまで誹謗中傷されるとはとんだ嫌われ者なのだなと言う印象が強くなる。 
  

 この町でも、アルカーナとの戦争の話を、するものが多い。 それは、軍服を着た、シーキュウナ隊が通るからだ。 


市民「兵隊さん! 頑張ってください。 応援しています」

市民A「連合政府の軍だ! ここに来られるってことは、ここでも戦争が!」

 と怯える人たちもいた。 

 またアルカーナ軍を応援する市民たちは見ると、酒瓶などを投げてくる。  だがそんな住民は本当に少数派だ。 ここでは大抵が戦争が早く終わってほしいと言う人たちだった。


 ここに住む女性が買い物をしている時に、男たちが数人でその女性を囲っていた。 見るからに嫌そうにしている女性だったが、彼女の買い物袋から、食材を取り出すと、それを勝手にむしゃぼる男。 それを見たライルは男たちに割って入ろうとした時、クレイドが先にそれをした。 

男1「なんだこの女!! おめぇも俺たちと遊びたいのか」

 男たちは可愛い女がもう一人増えたと喜びをあらわにして、軽率にも嫌がるクレイドの手を掴んだものだから、ライルの拳が、つかんだ男に炸裂した。 

男2「何してんだこいつ!」

男1「ぶっ殺す!!……、」

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