赤の書 彼女の選ぶ道

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第一章 奪われた日常

第14話 進行

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「お前たちはこの階段を降りろ。
私も王様を探しに行く
すまないが彼女らを頼む」

お父様は兵隊さんに私たち頼むとお願いする
そんなの嫌よ
どうして私たちだけ逃げなきゃいけないの?


「嫌よ、私もアーネちゃん達を探しに行くわ」

「馬鹿を言うな。
これは遊びでは無いんだぞ。
ふざけるのはいいからお前は行け。
後はお父さんたちが解決するから」

「ふざけてないわ、真剣よ。
アーネちゃん達は私にとっても大事な家族よ。
それにお父様も、死んでほしくないわ。
ここにいる誰もが。
行くなら私も行く、一緒に探しに行くわ。
大勢のほうが早く見つかるわ」


お父様は兵隊さん達を見渡した。

その瞬間私の体がふわっと浮いた。

「ちょっと、何するの止めて! 」

私は兵隊さんに無理矢理持ち上げられた。

「こんなことしたら、お父様でも私許さないんだから」

「すまないな、ティターナ。
リリシア、後を頼む」

お母様も覚悟決めたようにお父様に従う。

後を頼む?お父様は死ぬ気なの?
どうして、私も探しに行くわ。
何故、私たちだげ逃げなければならないの?
死ぬときはみんな一緒でいい。
私たちだけ生き残るなんてそんなの嫌よ。
考えて、考えるのよ、連れていかれる前に。


「ねぇ―――――!」

ダメだわ。大声を出してみたけど、私の声には耳すら貸さない。
だったら。


「きぃやぁぁぁぁぁあぁぁぁ―――――!」


皆は驚いたようにこちらを見た。

「どうしたの?ティターナ! 」

お母様が驚いて私を心配している。


「本当に安全なの? 」


皆がきょとんとした


「どういうことだ?」


「この下は本当に安全だと言えるの? 

誰かこの下から上がって来たの?

火の手は下から回っているんでしょ? この下にはあの残酷な兵隊さん達が全くいない保証なんてどこにあるの? 」

「兵長! この下は安全なんだよな? 」


「安全かと言われると、確証はありません。 
ただ、ここにはまだ、火の手が上がっていないとしか。」


「もし仮に大勢の兵隊に出くわしてしまったら私たちと兵隊さんを合わせても6人だけよ。
これで、安全と言えるのかしら? 」

「この城にいるよりは安全です」

「そうかしら? 」

「ここで大勢で敵を迎え撃つほうが、少人数で行動するよりもはるかに安全だと思うわ」


「ぐむっ、」


兵長が言葉を詰まらせている。
もう一押し。


「それに、まだ3階まで沢山の兵隊は上がってきていないんでしょ?降りて出くわすより上がったほうが出会う確率は少ないわ」

「ダメだ。
じきににたくさんの兵隊が城へ流れ込んでくる。そうなっては逃げる手段すらないんだ!
言う事を聞きなさい!ティターナ! 」


「嫌よ!聞かないわ 
それって単純にお父様は死ぬっていってるんじゃない。
そんなの行ってらしゃいなんて言えないわ。
それに、下に行ったって安全の保証なんてどこにもないんじゃない」

睨んだ目でレビンのおじさんを見る

「それは、そうだが…」

「だったら、別々に死ぬより、お父様のそばで、みんな一緒でいさせて。
あなた達も王の為に死ぬと覚悟を決めているのでしょ?だったらわかって。
この事態がどれくらいの事か、私にもわかるわ。
助かる方法なんて今誰もわからないでしょ?

だったら、お願い。あなた達と同じ大事な王様を、私の親友でもあるアーネちゃんを一緒に守らせて」

「子どものお前に何ができるとい、…… 」

「子どもとか関係ないわ!
意志の問題よ!
お父様は私にそう言ったわ」

「ティターナ……」

「あれは、嘘なの? 」

「いやっ、それは、」

「お願いよ」


「わかった。
レビン殿。
下に行っても、安全の保障は無いのだな? 」

「えぇ、保証はないです。どこにも。
あくまで今知るうる中では一番可能性が高いだけとしか言えません」


「分かった。 だったら皆で王様を探しに行こう」

「しかし、アルスレット卿! 」


「ティターナの言う通りだ。
ここまで言い出したらティターナは言う事を聞かない。
それに、うちの家族はみんな同じ気持ちのようだしな」

お父様!


「わかりました。

―――――

では皆さん私についてきてください
王様を探しましょう。
ただし、絶対離れないでください。

行くぞ、皆の者! 
王を救出しに行く! 」

私たちは誰一人下に降りることは無く、皆が上へと目指した。

待っててね。ターニャちゃん。私たちが助けに行くから。
無事でいて。


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