人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

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第十章

再び塔へ1

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「どうやら塔のルールはシャリンに適用されないようだな」

 ちょうどいいB級ゲートを探すのも難しい。
 B級ゲートになると危険が大きい代わりに得られる利益も大きい。

 安全のためにも素早くゲートを攻略することが求められてほとんどが大きなギルドが攻略権を買って攻略してしまう。
 特に都市部に近いところは大きなギルドに積極的に話が持っていかれることもあり、小規模ギルドの圭たちではなかなか手が届かないのだ。

 そこでとりあえず塔の攻略を進めることにした。
 シャリンは当然のことながら塔の攻略をしたことがない。

 だから一階から順に攻略せねばならないと思っていたのだけどシャリンに塔の試練は課されなかった。
 なぜか一階の試練も表示されなくて困惑していたところ、試しに上の階に行ってみたら行けた。

 二階から三階にも行けた。
 どうにもシャリンは塔のルールに縛られることなく階層を移動することができるようである。

「悪魔だからかねぇ」

「そうかもしれないな」

 なぜそんなことが可能なのか疑問ではあるけれど悪魔だからだろうということになった。
 そういえばと圭は思う。

 圭を襲った、シャリンの親であるデルマードは塔にいた。
 さらには圭がデルマードによって塔の中で引き込まれた先も塔の中であり、上の階であった。

 悪魔も塔の中に入ることができるし塔のルールに縛られることなく上の階に行くことが可能なのではないかと今更ながらに気がついた。

「ともかく問題は解決だな」

 シャリンのためにまた一から塔の試練をクリアしていねばならないかと思っていたけれどその必要がなくなった。
 子供がいるということで奇妙な目を向けられることはあったけれど塔にいるということは覚醒者でそれよりも下の階をクリアしてきたことになる。

 だから声をかけてくるような人はいなかった。

『シタチュフリスガの巣を探せ!

 シークレット
 王の遺品を見つけろ!』

 こうして十階まで上がってきた。
 シャリンはエントランスに引っ掛かることもなく圭たちと一緒に上がってくることができていた。

「んで前も来た時も疑問だったんだけどシタチュフリスガってなんだ?」

「モンスターの名前だよ。蛇の頭に四本足をした奇妙なモンスター……らしいよ」

「ふーん」

「十階からはいくつかの試練をクリアしていく形になるらしいんだ。その分一階あたりの広さももあって結構大変みたい」

 十階についてもネットで調べた。
 ただ十階まで来ると攻略する人の数もグッと減るために情報も少なかった。

 まだ十階だと情報は転がっていたがこれから先のことになると手探りで進めねばならないと圭は少し不安を抱えていた。

「とりあえずシタチュフリスガを探してみようか」

 シタチュフリスガは見た目にはわかりやすいモンスターである。
 探せというのが試練になっているので適当に歩き回って探してみることにする。

「ええと……あっちの方かな」

 シタチュフリスガの巣については大まかな場所の情報もあった。
 エントランスゲートから入って正面には大きな山が見えている。

 ネットの情報によるとシタチュフリスガの巣は見える山を背にして進んでいった方向にあるらしい。

「シュッシュッ!」

 シャリンはやる気を見せて拳を突き出している。
 一応棒は背負っているものの前回の反省を生かしてあまり使う気はなかった。

「おっ、あれがシタチュフリスガじゃないか?」

「うわっ、なんか気持ち悪!」

 圭の説明で聞いて波瑠がイメージしていたのは蛇の体に四本足があるのかなと思っていた。
 しかしシタチュフリスガはしっかりと四本足の下半身があって腕はなく上半身が蛇になっている奇妙なモンスターであった。

「なんつーかデザインに失敗したモンスターみたいだな」

「ただ油断はするなよ? C級相当のモンスターだから」

 奇妙な見た目こそしているがシタチュフリスガはC級相当の強さがあるモンスターである。
 牙には毒があり四足が生み出す速度は侮れない。

「とりゃー!」

 ただ毒だって噛み付けることができればこそである。
 顎下にシャリンのアッパーを食らったシタチュフリスガが空高く舞い上がる。

 そのまま地面に倒れるとデロンと舌を出して動かなくなる。

「シュッシュッ!」

「シュッシュッ!」

 シャリンとフィーネで拳を突き出した勝利のポーズを取る。
 もうすっかり仲良しさんだ。

 流石にシャリンの前ではC級モンスターは歯が立たない。

「シタチュフリスガがいるってことは近くに巣があるかもしれないな」

 圭たちは周辺を探し始めた。

「んーあれかな?」
 
 何体かシタチュフリスガを見つけて倒した。
 基本的には噛み付いてくるだけなので戦うのはそんなに難しくなかった。

 そうしていると草原の中で奇妙な場所を見つけた。
 木の枝を集めたような大きな巣のようなものがあって、その上でシタチュフリスガが寝ている。

 どう見たってシタチュフリスガの巣だろう。

『シタチュフリスガの巣を探せ! クリア!
 シタチュフリスガの巣から失われた鍵を見つけ出せ!

 シークレット
 王の遺品を見つけろ!』

「おっ?」

 試練が更新されて目の前に表示が現れた。
 今度はシタチュフリスガの巣から鍵を見つけろというらしい。
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