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第十章
不幸を背負う者9
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「今あなたの中では私が与えた幸運と背負わされた不幸がせめぎ合っています」
「だからか……」
ようやく圭は納得した気分だった。
類い稀な幸運や幸運の才能値が神話級なことから幸運だと言われることについて理由はつけられる。
けれどもこれまでの戦いの中で圭のことを幸運なだけではなく不幸な者だと言う相手もいた。
むしろ幸運だと言う時には不幸だと言うこともセットであった。
圭は本来は世界の不幸を背負って死ぬべき運命にあった。
いまだに不幸は無くなったわけではなくラクスの幸運の力によって不幸が抑え込まれているに過ぎない。
故に幸運で、不幸なのである。
「あなたの両親はあなたの不幸を少しでも減らそうとして、あなたの不幸を引き受けて……若くして亡くなってしまいました」
「……そんな」
「ですが二人は何も後悔していません。あなたがこうして生きているから」
自分のせいで両親が死んだ。
さらりと言われたけれど重たい真実に圭は複雑な表情をした。
たとえ後悔していないと言われてもすぐには納得できるものじゃない。
「…………これを伝えるためにわざわざ?」
色々と疑問だったことが解消される話であった。
不幸と言われる理由や両親が実はラクスの信者だったなど圭としては聞いてよかったと思えた。
ただ話の内容そのものに利益はない。
疑問がなくなって胸のつかえがいくらか取れたけれど全部過去の話である。
「もちろんこのことだけではありません。圭、あなたに警告を伝えに来ました」
「警告?」
「あなたは生まれながらにして神の力を宿しています。そして幸運と不幸がせめぎ合い、運命という枠組みであなたのことを予測することは非常に難しい。今世界が神々の賭け事の対象になっていることはご存知でしょう? あなたが強くなったことで今あなたは色々なところから注目されているのです」
圭は神々のゲームにとってイレギュラーな存在となっていた。
弱かった時には誰も圭のことを見もしなかったが、圭が強くなるにつれて幸運と不幸を内に持つ圭はゲームの中で注目されるようになってきた。
「良い存在もあれば悪い存在もある。注目されることは必ずしも良いこととは限りません。ここで起きたこともあなたを消そうと目論む神による介入だったのです」
他の人が経験したように十階ではシタチュフリスアとアルデバロンどちらが勝ってもいいようになっていた。
しかし圭を倒すために塔のルールを曲げてアルデバロンが負けてはいけないように仕向けたのである。
これは圭を狙う神がやったことだった。
代わりにラクスが圭に接触できるようにはなったがシャリンの存在がなければ危ないところであった。
「これから戦いはより激しさを増します。あなたたちを狙う神もより色々と仕掛けてくるでしょう。それだけでなくこのゲームもさらに激しくなっていきます。……私にはもうほとんど力はないのであなたを助けられませんが、あなたを助けてこのゲームを終わらせたい神々もいます」
ラクスが手を伸ばす。
するとラスクの手に光が差した。
「力はありませんが私はあなたの側にいます。これを」
光の中に剣のカケラが降りてくる。
「私の力が宿った剣……きっとあなたの力になってくれる」
剣のカケラはラクスの剣のカケラであった。
うっすらと光をまとう剣のカケラはふわりと圭の前まで飛んできた。
「急いで強くなって……もうあまり時間は残されていない。破滅、支配、何を望む神々の手に渡るかによって将来は違いますが他の神に世界を渡してはいけない」
圭が剣のカケラに触れると光が失われて軽く手に重さがかかる。
「塔を登るにしても気をつけて。この先も奴らはきっと介入してくる。圭、あなたはこの世界の希望」
「なかなか……重たいな」
「これまでやってきたように進めばいい。…………もう限界みたいね。忘れないで……あなたは幸運に満ちている。不幸を打ち払い、世界を救って。本当はシークレットクエストの報酬もあったのですが私が会いにきたことで剣のカケラを渡すのが精一杯になってしまいました。いつかまた……本当の私であなたに会いたい…………」
「わっ!」
急にラクスが倒れた。
鎧が派手にガシャンと音を立てて、手をつくことすらなかった。
「……ラクス?」
そのままラクスは動かなくなり、立ち上がることも声に反応することも無くなった。
「ここでの用事は終わったようだねぇ」
「ケイ、ヒマ。帰ろう」
「ピピ、オナカスイタ!」
異常な状況に圭を含めてみんなどうしたものかと思っていたけれどシャリンとフィーネだけはいつもと変わらなかった。
「……そうだな。行こうか」
何はともあれ十階はクリアした。
色々と話も聞けたので頭の中で整理する時間も欲しい。
圭たちは十一階にはいかずそのまま塔を降りて外に出たのだった。
「だからか……」
ようやく圭は納得した気分だった。
類い稀な幸運や幸運の才能値が神話級なことから幸運だと言われることについて理由はつけられる。
けれどもこれまでの戦いの中で圭のことを幸運なだけではなく不幸な者だと言う相手もいた。
むしろ幸運だと言う時には不幸だと言うこともセットであった。
圭は本来は世界の不幸を背負って死ぬべき運命にあった。
いまだに不幸は無くなったわけではなくラクスの幸運の力によって不幸が抑え込まれているに過ぎない。
故に幸運で、不幸なのである。
「あなたの両親はあなたの不幸を少しでも減らそうとして、あなたの不幸を引き受けて……若くして亡くなってしまいました」
「……そんな」
「ですが二人は何も後悔していません。あなたがこうして生きているから」
自分のせいで両親が死んだ。
さらりと言われたけれど重たい真実に圭は複雑な表情をした。
たとえ後悔していないと言われてもすぐには納得できるものじゃない。
「…………これを伝えるためにわざわざ?」
色々と疑問だったことが解消される話であった。
不幸と言われる理由や両親が実はラクスの信者だったなど圭としては聞いてよかったと思えた。
ただ話の内容そのものに利益はない。
疑問がなくなって胸のつかえがいくらか取れたけれど全部過去の話である。
「もちろんこのことだけではありません。圭、あなたに警告を伝えに来ました」
「警告?」
「あなたは生まれながらにして神の力を宿しています。そして幸運と不幸がせめぎ合い、運命という枠組みであなたのことを予測することは非常に難しい。今世界が神々の賭け事の対象になっていることはご存知でしょう? あなたが強くなったことで今あなたは色々なところから注目されているのです」
圭は神々のゲームにとってイレギュラーな存在となっていた。
弱かった時には誰も圭のことを見もしなかったが、圭が強くなるにつれて幸運と不幸を内に持つ圭はゲームの中で注目されるようになってきた。
「良い存在もあれば悪い存在もある。注目されることは必ずしも良いこととは限りません。ここで起きたこともあなたを消そうと目論む神による介入だったのです」
他の人が経験したように十階ではシタチュフリスアとアルデバロンどちらが勝ってもいいようになっていた。
しかし圭を倒すために塔のルールを曲げてアルデバロンが負けてはいけないように仕向けたのである。
これは圭を狙う神がやったことだった。
代わりにラクスが圭に接触できるようにはなったがシャリンの存在がなければ危ないところであった。
「これから戦いはより激しさを増します。あなたたちを狙う神もより色々と仕掛けてくるでしょう。それだけでなくこのゲームもさらに激しくなっていきます。……私にはもうほとんど力はないのであなたを助けられませんが、あなたを助けてこのゲームを終わらせたい神々もいます」
ラクスが手を伸ばす。
するとラスクの手に光が差した。
「力はありませんが私はあなたの側にいます。これを」
光の中に剣のカケラが降りてくる。
「私の力が宿った剣……きっとあなたの力になってくれる」
剣のカケラはラクスの剣のカケラであった。
うっすらと光をまとう剣のカケラはふわりと圭の前まで飛んできた。
「急いで強くなって……もうあまり時間は残されていない。破滅、支配、何を望む神々の手に渡るかによって将来は違いますが他の神に世界を渡してはいけない」
圭が剣のカケラに触れると光が失われて軽く手に重さがかかる。
「塔を登るにしても気をつけて。この先も奴らはきっと介入してくる。圭、あなたはこの世界の希望」
「なかなか……重たいな」
「これまでやってきたように進めばいい。…………もう限界みたいね。忘れないで……あなたは幸運に満ちている。不幸を打ち払い、世界を救って。本当はシークレットクエストの報酬もあったのですが私が会いにきたことで剣のカケラを渡すのが精一杯になってしまいました。いつかまた……本当の私であなたに会いたい…………」
「わっ!」
急にラクスが倒れた。
鎧が派手にガシャンと音を立てて、手をつくことすらなかった。
「……ラクス?」
そのままラクスは動かなくなり、立ち上がることも声に反応することも無くなった。
「ここでの用事は終わったようだねぇ」
「ケイ、ヒマ。帰ろう」
「ピピ、オナカスイタ!」
異常な状況に圭を含めてみんなどうしたものかと思っていたけれどシャリンとフィーネだけはいつもと変わらなかった。
「……そうだな。行こうか」
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