人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大

文字の大きさ
512 / 515
第十章

因縁あり2

しおりを挟む
「ふん、シャリンは楽しくやっているようだな」

 ユファが抱えるルシファーはシャリンの様子を見て軽く安心していた。
 魔界のゴタゴタやダンテの方を手伝っていたりしたのでシャリンの方は完全に圭に任せていた。

 暴れてやないか心配だったが圭が上手くシャリンをコントロールしていた。
 シャリンの方も意外と人間生活に適応しているしフィーネという先輩の存在も意外と大きい。

「まあ圭に嫌われることはしたくないからあやつも必死なのかもしらんな」

「他の悪魔の動きは何かありませんか?」

「妙なぐらい大人しくしている。もしかしたら水面下で何か計画してるかもしれないな」

 日本にある悪魔教の目立つ支部はダンテによって潰された。
 根こそぎ資金なども奪い取ったのでダンテも今やそこそこお金持ちになっている。

 ただルシファーが暴れ、ダンテが暴れたので悪魔教もかなり見つけにくくなった。
 目に見えないとこに隠れられるとそれはそれで不安である。

 どこかで反撃の機会を窺っていてもおかしくない。

「動き出したら潰せばよい」

「そうですね」

「それよりも暇」

「そういうな。ケイのため、世界のためにも塔に登ることは大切だ」

 ダンテもユファもある程度塔は登っている。
 覚醒者として初心者でもなくモンスターとの戦いはヴァルキリーギルドが引き受けてくれるのでただただ見ているだけとなっていた。

「この調子で五階まで一気に行くぞ!」

 ーーーーー

 五階のボスも事前に討伐を予約してあったのであっさり終わった。
 新人研修なので倒したモンスターを持ち帰るということも研修内容に含まれていて塔の外に運び出す作業なんかのために時間も取られてしまう。

 五階の攻略を終えて一度解散し、日を改めて再び六階から攻略を再開する。

「また変に時間かかりそうだな」

 六階からはモンスターを討伐するだけというシンプルな試練になる。
 攻略そのものは加速してもおかしくないのだけどヴァルキリーギルドは一応利益も求めている。

 そのために倒したモンスターを塔の外に運び出すという作業が必要になるのだ。
 単純に往復するだけなら時間も気にならないがモンスターを抱えて行ったり来たりするとなると多少の時間もかかる。

 しかも今回はギルドも部隊を二つに分けてより濃い経験をできるようにした。
 単に倒して登るより時間はどうしてもかかってしまう。

「ちょっと近くない?」

「大事なお客様だから守らなきゃ」

 ずっと気になっていたのだが黒羽の距離が圭と近かった。
 黒羽によると圭は大事なお客様なので守るために近くにいるというのだけど触れ合うほどに近づく必要ないだろうと波瑠は渋い顔をする。

 シャリンも警戒心をあらわにしているのだけど、黒羽はシャリンが圭の反対側を守ってと上手くコントロールして圭は今黒羽とシャリンの間に挟まれていた。
 ヴァルキリーギルドの面々は黒羽の味方なので止めるどころかむしろ応援している。

 赤城を含めた黒羽を守りたい人は圭のことを怖い目で見ているけれど応援したい組の勢力が意外と強かった。

「ま、まあ……」

 圭としてはかなり微妙な立場だった。
 お世話になっている身で離れてくれとも言えないし変に口を挟んで争いになっても困る。

 仕方なくただただ黙って状況を受け入れるしかないのである。

「……何者ですか?」

 またもや見学状態の圭たちであったが攻略中のヴァルキリーギルドに近づいてくる集団があった。
 塔の中ではゲートと違って他の覚醒者がいてもおかしくはない。

 ただ軽く挨拶することがあっても情報交換でもする目的がなければ話すことはない。
 むしろ狩場が被っているなと感じたら離れることの方が多いのである。

 情報が欲しくて近づいてくるという可能性もあるので赤城は警戒しつつ相手に声をかける。

「失礼します。村雨圭さんにお話がありましてお声がけさせて頂きました」

「あれ、あの人は……」

「知り合いか?」

 十名ほどの集団はアジア系の人に見えた。
 片方の拳をもう片方の手で包み込むような独特の礼をして男性が話し出した。

 パッと見た時には思い出せなかったけれど先頭の女性と目が合って圭は思い出した。

「リウ・リーインさん、それにワン・ヤンさんですね?」

「覚えていてくださいましたか。ありがとうございます」

 女性はリウ・リーイン。
 そして声をかけてきた男性はワン・ヤンであった。

 中国にある大型ギルドの青龍ギルドの副ギルドマスターのリーインは以前圭が塔のシークレットクエストで手に入れた紅剣を欲していた人である。
 塔のシークレットクエストをクリアして青龍ギルドは青剣を手に入れていて対となる紅剣を探していたのだ。

 さらに圭が以前襲われたリウ・カイは青龍ギルドのギルドマスターのリウ・ウェイロンの兄弟で、カイがウェイロンに大怪我を負わせて青剣を奪ったなど色々な繋がりはある。
 どうしてこんなところにいるのかと圭は驚く。

 しかも圭に話があるなど圭としては心当たりもない。

「知り合いのようだな……少し休憩だ」

 赤城が気を利かせてくれる。
 ヴァルキリーギルドのみんなが離れていく。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。 だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。 全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。 勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。 そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。 エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。 これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。 …その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。 妹とは血の繋がりであろうか? 妹とは魂の繋がりである。 兄とは何か? 妹を護る存在である。 かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~

仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。

焔の幽閉者!自由を求めて最強への道を歩む!!

雷覇
ファンタジー
とある出来事で自身も所属する焔木一族から幽閉された男「焔木海人」。 その幽閉生活も一人の少女の来訪により終わりを迎える。 主人公は一族に自身の力を認めさせるため最強の力を求め続ける。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

処理中です...