人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大

文字の大きさ
15 / 515
第一章

神話級の幸運6

しおりを挟む
「じゃあ私も本格的にあっちに移るかね」

 圭がいたから夜滝このアパートの部屋を借りっぱなしにしていた。
 だから圭がいなくなるなら夜滝にもここにいる理由はなかったのである。

 買ってきた福神漬けは好みじゃないな、なんて話しながらカレーを食べて夜滝は部屋に戻っていった。

「……何というか激動って感じだな」

 寝る前にシャワーを浴びることにした。
 色々あってあまり感じていなかったけど意外と体は疲れていたことに今更気がついた。

 死にそうな目に遭ってからまさかこんなことになるだなんて誰が予想できようか。

「……少し痩せたかな?」

 お風呂場についている鏡で自分の姿を見る。
 しばらく病院だった上に心労は尽きなかった。

 元々そんなにふくよかでもないが少しやつれたような気がする。

「…………そういえば」

 鏡で自分の姿を見てふと思った。
 真実の目で自分の能力を見ることができるのだろうかと。

 少し心臓の音が大きくなる。
 これまでG級だと馬鹿にされてきた。

 もしかしたら夜滝のようなこともあり得るかもしれない。

「……真実の目」

 鏡に見える自分に向かってスキルを発動させる。

『村雨圭
 レベル1
 総合ランクH
 筋力G(英雄)
 体力G(伝説)
 速度G(英雄)
 魔力G(一般)
 幸運G(神話)
 スキル:真実の目、導く者(未覚醒)
 才能:類い稀な幸運(未覚醒)』

「え……ええええっ!?」

 自分の能力を見て圭は驚いた。
 手に持っていたシャワーを落としてしまう。

 こちらもまた見るべきところが多くて理解が追いつかない。
 まずパッと見た時に目についたのはレベルが1であることと並ぶGの能力値だった。

 そして自分の総合評価がGを超えてHであるという衝撃。
 ショックでお風呂場でよろける。

 けれど希望もある。
 才能と思われるところに見たこともない神話だとかどう考えても才能が高そうな英雄や伝説といった文字が見られるところだ。

 なんだかスキルもある。
 俺は本気出せばすごいんだよ、才能あるんだよと口にしてもいいような可能性はあるのではないかと思う。

「神話、英雄、伝説ってどれが上なんだ?」

 その3つが一般や無才に比べて凄そうなことは誰でも同意するだろう。
 ただこの3つの序列がいまいち分からない。

 英雄の話が伝説になって、さらにそれが語り継がれて神話になる。
 だから英雄、伝説、神話の順番であるのかなと圭は推測しているがデータが少なすぎる。

 どれが多いのか分かれば数の多さから上下も判断できそうだけど今のところ自分を含めて3人しか見ていないので決めつけるのは早計といえる。
 やっぱりでも神とついているから神話は1番上かなと考えている。

 だとしたら神の話が如き幸運を持っていることになる。

「てか……幸運ってなんだよ?」

 幸運が高いとどうなるのか。
 それもまだ理解ができていない。

 それに結局レベルを上げる方法も分からないので秘めたる能力があったとてどう活かしていいのか想像も出来ない。

「だけど……」

 無能じゃない。
 今は無能かもしれないけど自身には秘められた力があったのだ。

 シャワーに流れるお湯に混じって圭は泣いた。
 誰にも理解してもらえないしまだ秘められている力で、他の人を見返すことなんてできない。

 でも何も出来ないとか役立たずとか必死に耐え抜いてきた影を落とす言葉が今はもう心に突き刺さっていない。
 自分も成長してやれることがあるかもしれない。

 そう思えるだけでも圭は嬉しかった。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。 だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。 全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。 勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。 そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。 エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。 これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。 …その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。 妹とは血の繋がりであろうか? 妹とは魂の繋がりである。 兄とは何か? 妹を護る存在である。 かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!

勇者辞めます

緑川
ファンタジー
俺勇者だけど、今日で辞めるわ。幼馴染から手紙も来たし、せっかくなんで懐かしの故郷に必ず帰省します。探さないでください。 追伸、路銀の仕送りは忘れずに。

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~

仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。

焔の幽閉者!自由を求めて最強への道を歩む!!

雷覇
ファンタジー
とある出来事で自身も所属する焔木一族から幽閉された男「焔木海人」。 その幽閉生活も一人の少女の来訪により終わりを迎える。 主人公は一族に自身の力を認めさせるため最強の力を求め続ける。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

処理中です...