31 / 515
第一章
俺にだって守れるんだ1
しおりを挟む
圭は波瑠と水野を会わせて細かな話を聞いた。
波瑠も答えられる範囲で頑張って答えてそれを元に押せばいけそうだと水野は答えた。
出来れば母親にも話を聞きたかったのだけど勝手なことをしていると知られたくないしぬか喜びになるかもしれない。
波瑠の思いを汲み取って今回は波瑠の母親には秘密裏に話を進めることにした。
必要であれば連絡を入れるが出来る限り知らせないでおく。
波瑠の家族思いな態度に水野はよりやる気を出していた。
波瑠の父親働いていた会社に水野から連絡を入れて会うことになった。
水野は笑っていた。
あまり情報は出さずに波瑠の父親の件で会いたいと伝えたのだけど電話口に出たのが水野の若い女性の声なので相手は舐めているようであったと。
事態を重く受け止めずに相手を軽んじるような奴ほど戦いやすい。
圭はもうプロが入ってくれるのでいらないと思ったけれど付き添うことになった。
『村雨さんも……一緒に来てもらっちゃダメですか?』
なんて潤んだ瞳で言われたら断れなかった。
水野もプロだけど女性だけじゃ不安なのかもしれないと微力ながらと圭も一緒に波瑠の父親が働いていた会社に同行する。
「馬子にも衣装って奴ですかね?」
「ぴっしりとしてればそれなりにマトモには見えますかね?」
「カッコいいですよ、村雨さん」
だらしない格好ではいられないので圭はスーツを新調して真面目な格好で波瑠と水野と共に波瑠の父親の会社に向かっていた。
圭もスーツを来てしっかりした格好をすればちゃんとした人に見える。
弁護士は無理でもその手伝いぐらいには見えれば御の字である。
波瑠の父親の会社に着くと小さい会議室に通される。
席について5分ほど待たされてようやく相手が会議室に入ってきた。
どうやら完全にこちらのことを舐めているらしかった。
「遅れまして申し訳ございません。えーと、それで今日は何の御用で?」
電話でも訪問の内容は伝えているはずなのにこの態度である。
「弥生波瑠さんの父親である弥生秀治さんについてです」
「ああ……そうでしたね」
「どうやら秀治さんがゲート内で亡くなったことに対する補償金を支払っていないようですがこのことは事実でよろしかったでしょうか?」
「ええ、そうです。ですがそれは弥生さんによる重大な過失が……」
「ではゲート内事故報告書を読ませていただいてもよろしいですか?」
「え、ええと……」
「事故報告書はご家族の要望があれば公開せねばならないことになっています。ですので速やかに出していただきたいです」
「ちょ、ちょっと待ってください! あなた一体何なのですか!」
「申し遅れました。私、水野優佳と申します」
別にご挨拶を忘れていたわけじゃない。
相手が入ってきてすぐに話し出したから水野もそれに応じて始めただけだ。
水野は名刺を渡した。
「べ、弁護士……RSIの法務部……」
「今回弥生波瑠さんの代理人としてこちらにうかがいました。
私の言葉は依頼人である弥生波瑠さんのご意志であると思ってください」
「な……」
「事故報告書をお願いできますか? 無いはずはありません。保険会社にも提出なさっているはずですし報告書の作成は法律で義務化されています。法律を破れば……」
「す、すぐにお持ちします!」
顔をひきつらせて男が会議室を出ていく。
結局水野が名刺を渡して自己紹介しても相手は名乗らず役職すら分からなかった。
「やっぱりロクでもなさそうですね」
水野がため息をつく。
なんの知識も相手にはなさそうだけど今のところボロが出るほどの言い訳もしないのでむしろやりにくい。
「失礼いたしました。私、副社長を勤めます山﨑と申します」
先ほどの男とは別の男性が入ってきた。
30代半ばぐらいの細身の男性で副社長らしい。
相手もようやく事態を理解したみたいで上の役職の人間が出てきた。
水野や圭と名刺の交換をして山﨑はファイルを差し出した。
事故報告書というものでゲートの中で何が起きたのかを取りまとめた報告書である。
水野がファイルを開いて中身を確認する。
急いで印刷したのかページの順番が間違ったりしている。
あらかじめ用意していたものでは絶対にない。
「……これで全てですか?」
「はい。何かありましたか?」
「失礼ですがこれでは補償金の支払いを拒否することなんて出来ません」
パタンとファイルを閉じて水野は睨みつけるように山﨑に視線を向けた。
事故報告書を見て1番に思ったのは内容が薄いということだった。
これでは報告書ではなくただ会社にとって都合のいい内容を並べた作文でしかない。
とてもじゃないけれどこの内容では報告書の体をなしておらず仮に記載の内容が本当だとしても補償金の支払いは拒否出来るものではない。
「しかし重大な過失が……」
「はぁ……その重大な過失というのが何なのかわかっていますか?」
「えっ? 今回は……弥生さんが単独行動をして……」
「覚醒者特別法で言う重大な過失は明らかに他の人にも損害が出たような場合のことです。調べましたがこちらの会社で他に重大な過失に当たりそうなほどのケガをした覚醒者はいませんね」
山﨑の表情がこわばる。
この会社にアポイントを取ってから水野はちゃんと相手のことも調べていた。
波瑠も答えられる範囲で頑張って答えてそれを元に押せばいけそうだと水野は答えた。
出来れば母親にも話を聞きたかったのだけど勝手なことをしていると知られたくないしぬか喜びになるかもしれない。
波瑠の思いを汲み取って今回は波瑠の母親には秘密裏に話を進めることにした。
必要であれば連絡を入れるが出来る限り知らせないでおく。
波瑠の家族思いな態度に水野はよりやる気を出していた。
波瑠の父親働いていた会社に水野から連絡を入れて会うことになった。
水野は笑っていた。
あまり情報は出さずに波瑠の父親の件で会いたいと伝えたのだけど電話口に出たのが水野の若い女性の声なので相手は舐めているようであったと。
事態を重く受け止めずに相手を軽んじるような奴ほど戦いやすい。
圭はもうプロが入ってくれるのでいらないと思ったけれど付き添うことになった。
『村雨さんも……一緒に来てもらっちゃダメですか?』
なんて潤んだ瞳で言われたら断れなかった。
水野もプロだけど女性だけじゃ不安なのかもしれないと微力ながらと圭も一緒に波瑠の父親が働いていた会社に同行する。
「馬子にも衣装って奴ですかね?」
「ぴっしりとしてればそれなりにマトモには見えますかね?」
「カッコいいですよ、村雨さん」
だらしない格好ではいられないので圭はスーツを新調して真面目な格好で波瑠と水野と共に波瑠の父親の会社に向かっていた。
圭もスーツを来てしっかりした格好をすればちゃんとした人に見える。
弁護士は無理でもその手伝いぐらいには見えれば御の字である。
波瑠の父親の会社に着くと小さい会議室に通される。
席について5分ほど待たされてようやく相手が会議室に入ってきた。
どうやら完全にこちらのことを舐めているらしかった。
「遅れまして申し訳ございません。えーと、それで今日は何の御用で?」
電話でも訪問の内容は伝えているはずなのにこの態度である。
「弥生波瑠さんの父親である弥生秀治さんについてです」
「ああ……そうでしたね」
「どうやら秀治さんがゲート内で亡くなったことに対する補償金を支払っていないようですがこのことは事実でよろしかったでしょうか?」
「ええ、そうです。ですがそれは弥生さんによる重大な過失が……」
「ではゲート内事故報告書を読ませていただいてもよろしいですか?」
「え、ええと……」
「事故報告書はご家族の要望があれば公開せねばならないことになっています。ですので速やかに出していただきたいです」
「ちょ、ちょっと待ってください! あなた一体何なのですか!」
「申し遅れました。私、水野優佳と申します」
別にご挨拶を忘れていたわけじゃない。
相手が入ってきてすぐに話し出したから水野もそれに応じて始めただけだ。
水野は名刺を渡した。
「べ、弁護士……RSIの法務部……」
「今回弥生波瑠さんの代理人としてこちらにうかがいました。
私の言葉は依頼人である弥生波瑠さんのご意志であると思ってください」
「な……」
「事故報告書をお願いできますか? 無いはずはありません。保険会社にも提出なさっているはずですし報告書の作成は法律で義務化されています。法律を破れば……」
「す、すぐにお持ちします!」
顔をひきつらせて男が会議室を出ていく。
結局水野が名刺を渡して自己紹介しても相手は名乗らず役職すら分からなかった。
「やっぱりロクでもなさそうですね」
水野がため息をつく。
なんの知識も相手にはなさそうだけど今のところボロが出るほどの言い訳もしないのでむしろやりにくい。
「失礼いたしました。私、副社長を勤めます山﨑と申します」
先ほどの男とは別の男性が入ってきた。
30代半ばぐらいの細身の男性で副社長らしい。
相手もようやく事態を理解したみたいで上の役職の人間が出てきた。
水野や圭と名刺の交換をして山﨑はファイルを差し出した。
事故報告書というものでゲートの中で何が起きたのかを取りまとめた報告書である。
水野がファイルを開いて中身を確認する。
急いで印刷したのかページの順番が間違ったりしている。
あらかじめ用意していたものでは絶対にない。
「……これで全てですか?」
「はい。何かありましたか?」
「失礼ですがこれでは補償金の支払いを拒否することなんて出来ません」
パタンとファイルを閉じて水野は睨みつけるように山﨑に視線を向けた。
事故報告書を見て1番に思ったのは内容が薄いということだった。
これでは報告書ではなくただ会社にとって都合のいい内容を並べた作文でしかない。
とてもじゃないけれどこの内容では報告書の体をなしておらず仮に記載の内容が本当だとしても補償金の支払いは拒否出来るものではない。
「しかし重大な過失が……」
「はぁ……その重大な過失というのが何なのかわかっていますか?」
「えっ? 今回は……弥生さんが単独行動をして……」
「覚醒者特別法で言う重大な過失は明らかに他の人にも損害が出たような場合のことです。調べましたがこちらの会社で他に重大な過失に当たりそうなほどのケガをした覚醒者はいませんね」
山﨑の表情がこわばる。
この会社にアポイントを取ってから水野はちゃんと相手のことも調べていた。
127
あなたにおすすめの小説
シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~
尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。
だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。
全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。
勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。
そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。
エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。
これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。
…その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。
妹とは血の繋がりであろうか?
妹とは魂の繋がりである。
兄とは何か?
妹を護る存在である。
かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
焔の幽閉者!自由を求めて最強への道を歩む!!
雷覇
ファンタジー
とある出来事で自身も所属する焔木一族から幽閉された男「焔木海人」。
その幽閉生活も一人の少女の来訪により終わりを迎える。
主人公は一族に自身の力を認めさせるため最強の力を求め続ける。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる