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第三章
奇妙なステータス1
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ついでにいうならばこの潜入に自分は適していると圭は思う。
そうした経験があったりするわけではないが能力としてピッタリなのである。
その能力とは真実の目のことだ。
このスキルにより相手の名前を圭は見抜くことができる。
犯罪行為に関わっているかなどはわからないが、たとえ相手が正体を隠していても名前だけは見抜けるというのは強みになる。
名前を偽っている人は怪しい人な可能性が高い。
そうした人を中心に観察していけば何かが分かるかもしれないと思った。
「ここです」
圭は嶋崎に一等地に立ち並ぶオフィスビルの中の一棟に連れられてやってきた。
いつもよりもかっちりとした服装の圭は緊張した面持ちでビルに入る。
「いいですか?村雨さんと私の関係は大学の先輩後輩。私は一般企業の会社員ということでお願いしますね」
「はい、分かっています」
エレベーターで上がりながら簡単に設定を確認する。
圭と嶋崎の関係は大学時代の先輩後輩関係ということになった。
嶋崎は実際に通っていた大学であるがブレイキングゲートから溢れたモンスターによって現在は封鎖区域となっているので記録なども確かめようがないところとなっている。
黒月会がどこまで突っ込んで調べるかは不明であるが出来る限り不審に思われる要素は排除しておきたい。
ここでの嶋崎はなんて事はないただの会社員だということで通している。
「これから会うのは上級会員と呼ばれる私よりも立場が上の人です。会っていきなり疑われることはないと思いますが気をつけてください」
エレベーターが目的の階に着いた。
どうしても緊張はしてしまう。
けれど圭の胸の内には静かに怒りの炎が燃えている。
出来る、やらなきゃいけないと自分を奮い立たせてエレベーターから降りる。
「嶋崎です。お話ししていた新規の加入希望者をお連れしました」
「入れ」
嶋崎がドアをノックして声をかける。
一度視線を合わせてうなずき合うと嶋崎がドアを開けて中に入る。
「ようこそいらっしゃいました」
中に入るとスーツ姿の30代ぐらいの男性が出迎えてくれた。
整髪料でかっちりと髪を整えて営業スマイルを浮かべている。
「鈴木勝といいます。よろしくお願いします」
鈴木が手を差し出してきたので圭も応じる。
真実の目で見たところ覚醒者ではないが名前は本物であった。
「こっちは長里といって、秘書みたいなものです」
鈴木の後ろには体つきのいい男性が立っていた。
どう見たって秘書ではない。
おそらく護衛のようなものだろうと思った。
『長里悠真
レベル248[156]
総合ランクD[E]
筋力B[C](一般)
体力C[D](一般)
速度E(無才)
魔力D[E](一般)
幸運E(無才)
スキル:無し
才能:無し』
やはりというかこちらは覚醒者だった。
しかしその能力を見て圭は驚いた。
驚いたというか疑問に思った。
見たことがないステータスの表示をしている。
レベルの横に括弧で低いものが表示されている。
さらにはレベルだけじゃなくいくつかのステータスも低いものが見られる。
初めて見る表示で内心でひどく動揺してしまう。
なんとか態度に出さないように取り繕うが頭の中は疑問でいっぱいだ。
これまで装備やスキルの効果などでステータスが上がっているところは見たことあるけど下がっているものは見たことがない。
何かの要因で能力を抑えているようなことがあり得るのだろうか。
さらにはよくよく見ると括弧の形もいつもと違うなと思った。
「どうかなさいましたか?」
「あ、いえ」
思わずぼんやりと考え込んでしまった。
慌てて薄い笑顔を浮かべてごまかす。
「お座りください」
「どうも」
フカフカのソファーに鈴木と対面して座る。
「当会に加入なさりたいとか……」
「そうです」
「これはまたどうして?」
「……強くなりたくて」
「ほう?」
「俺は……G級覚醒者です。そのせいで馬鹿にされてきました……覚醒者だからとしたいこともできず、だからといってG級じゃ何もできなくて。ここなら覚醒者を強くしてくれるって聞いたんです」
「なるほどなるほど。ですが誰でも強くなれるとは……」
「もちろんタダでとは言いません」
圭は手に持っていたアタッシュケースをテーブルの上に置いた。
アタッシュケースを開くとその中には札束。
「3000万あります」
これは圭個人が用意したものではなく大海ギルドの方で用意してくれたもの。
入会するのにお金など用意する必要はないが黒月会は別名拝金教と呼ばれている。
つまりお金を積めばそれだけ良い待遇を受けられるのだ。
圭に対する疑いの目は少なからずあるだろうけどお金はそんな疑いの目をくもらせてくれる。
アタッシュケースを回して中のお金を見せると鈴木の目の色がサッと変わる。
3000万も十分に大金で現金で目の前にあることなどまずない。
「私の希望を叶えてくれるのならもっと出す用意もあります。鈴木さんにはこれからお世話になると思いますのでこちらはご自由にお納めください」
有り体に言えば賄賂というやつである。
こんな金額必要ないんじゃないかと思うけどお金をさらっと用意してくれるところを見るにかなみの本気度合いもうかがえる。
そうした経験があったりするわけではないが能力としてピッタリなのである。
その能力とは真実の目のことだ。
このスキルにより相手の名前を圭は見抜くことができる。
犯罪行為に関わっているかなどはわからないが、たとえ相手が正体を隠していても名前だけは見抜けるというのは強みになる。
名前を偽っている人は怪しい人な可能性が高い。
そうした人を中心に観察していけば何かが分かるかもしれないと思った。
「ここです」
圭は嶋崎に一等地に立ち並ぶオフィスビルの中の一棟に連れられてやってきた。
いつもよりもかっちりとした服装の圭は緊張した面持ちでビルに入る。
「いいですか?村雨さんと私の関係は大学の先輩後輩。私は一般企業の会社員ということでお願いしますね」
「はい、分かっています」
エレベーターで上がりながら簡単に設定を確認する。
圭と嶋崎の関係は大学時代の先輩後輩関係ということになった。
嶋崎は実際に通っていた大学であるがブレイキングゲートから溢れたモンスターによって現在は封鎖区域となっているので記録なども確かめようがないところとなっている。
黒月会がどこまで突っ込んで調べるかは不明であるが出来る限り不審に思われる要素は排除しておきたい。
ここでの嶋崎はなんて事はないただの会社員だということで通している。
「これから会うのは上級会員と呼ばれる私よりも立場が上の人です。会っていきなり疑われることはないと思いますが気をつけてください」
エレベーターが目的の階に着いた。
どうしても緊張はしてしまう。
けれど圭の胸の内には静かに怒りの炎が燃えている。
出来る、やらなきゃいけないと自分を奮い立たせてエレベーターから降りる。
「嶋崎です。お話ししていた新規の加入希望者をお連れしました」
「入れ」
嶋崎がドアをノックして声をかける。
一度視線を合わせてうなずき合うと嶋崎がドアを開けて中に入る。
「ようこそいらっしゃいました」
中に入るとスーツ姿の30代ぐらいの男性が出迎えてくれた。
整髪料でかっちりと髪を整えて営業スマイルを浮かべている。
「鈴木勝といいます。よろしくお願いします」
鈴木が手を差し出してきたので圭も応じる。
真実の目で見たところ覚醒者ではないが名前は本物であった。
「こっちは長里といって、秘書みたいなものです」
鈴木の後ろには体つきのいい男性が立っていた。
どう見たって秘書ではない。
おそらく護衛のようなものだろうと思った。
『長里悠真
レベル248[156]
総合ランクD[E]
筋力B[C](一般)
体力C[D](一般)
速度E(無才)
魔力D[E](一般)
幸運E(無才)
スキル:無し
才能:無し』
やはりというかこちらは覚醒者だった。
しかしその能力を見て圭は驚いた。
驚いたというか疑問に思った。
見たことがないステータスの表示をしている。
レベルの横に括弧で低いものが表示されている。
さらにはレベルだけじゃなくいくつかのステータスも低いものが見られる。
初めて見る表示で内心でひどく動揺してしまう。
なんとか態度に出さないように取り繕うが頭の中は疑問でいっぱいだ。
これまで装備やスキルの効果などでステータスが上がっているところは見たことあるけど下がっているものは見たことがない。
何かの要因で能力を抑えているようなことがあり得るのだろうか。
さらにはよくよく見ると括弧の形もいつもと違うなと思った。
「どうかなさいましたか?」
「あ、いえ」
思わずぼんやりと考え込んでしまった。
慌てて薄い笑顔を浮かべてごまかす。
「お座りください」
「どうも」
フカフカのソファーに鈴木と対面して座る。
「当会に加入なさりたいとか……」
「そうです」
「これはまたどうして?」
「……強くなりたくて」
「ほう?」
「俺は……G級覚醒者です。そのせいで馬鹿にされてきました……覚醒者だからとしたいこともできず、だからといってG級じゃ何もできなくて。ここなら覚醒者を強くしてくれるって聞いたんです」
「なるほどなるほど。ですが誰でも強くなれるとは……」
「もちろんタダでとは言いません」
圭は手に持っていたアタッシュケースをテーブルの上に置いた。
アタッシュケースを開くとその中には札束。
「3000万あります」
これは圭個人が用意したものではなく大海ギルドの方で用意してくれたもの。
入会するのにお金など用意する必要はないが黒月会は別名拝金教と呼ばれている。
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圭に対する疑いの目は少なからずあるだろうけどお金はそんな疑いの目をくもらせてくれる。
アタッシュケースを回して中のお金を見せると鈴木の目の色がサッと変わる。
3000万も十分に大金で現金で目の前にあることなどまずない。
「私の希望を叶えてくれるのならもっと出す用意もあります。鈴木さんにはこれからお世話になると思いますのでこちらはご自由にお納めください」
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