143 / 515
第三章
将来を考えて1
しおりを挟む
ちなみにかなみの妹の朱里は大海ギルドで事務員をメインにしながら少し覚醒者としてもやっていくことにしたらしい。
手紙で改めて感謝とお姉ちゃんをよろしくね、なんて書かれていたけどかなみをよろしくどころか関わることも今後まずないだろうと思う。
「ほーら、ボーッとしてないでいくよー!」
「ちょ、待ってよ」
秘密の依頼ではあったが正式な仕事であり、危険な任務をこなした圭には報償金が出た。
ちょっとしたまとまった金額で懐が豊かになったのだけど夜滝たちには心配をかけた。
助けてもくれたのだし迷惑料、かつお礼として圭は夜滝たちの買い物に引っ張り出されることになった。
いっても圭は荷物持ち。
服見たり本見たりと色々連れ回される。
大変だけど楽しくはある。
「重い……」
しかし3人分の買い物なのだ、荷物の量は多くなる。
以前に比べて筋力値は上がったがそれでも3人分のお買い物の荷物は重たい。
「うむ、ちょっとお昼がてら休憩でもしようか」
女性のエネルギッシュさには敵わない。
「にしても平和だねぇ」
悪魔教との戦いは大きなニュースとなったが多くの人にとっての日常は変わらない。
いつゲートがどこに出てくるのかというわずかな不安に蓋をしながらも人々は日常を暮らしているのだ。
「そうだな……」
振り返ってみると無茶なことなことをしたものだと圭も思う。
蓮のことがあったから勢いに任せたように引き受けてしまったけれどかなり危険なことに首を突っ込んでいた。
こうして無事にみんなといられるのも運が良かったからと言わざるを得ない。
強くならなきゃと思う。
よく分からないステータスをしたマティオを倒せるほどになんてことは思わない。
けれどもう少し生存確率を上げて危険な状況から逃げ出せるぐらいの能力は欲しいなと思う。
「なあ圭」
「なに?」
「ギルドを作らないかい?」
「ギルドを? いきなりどうしたの、夜滝ねぇ?」
お昼を食べ終えてちょっとデザートを食べていた圭たち。
次にどこに買い物に行くのかと相談していたら急に夜滝がギルドを起こそうなんて言い出した。
「えっ、でもギルドに所属するのは……」
「ギルドも二種類あるんだよ」
一つは大海ギルドのようにギルドとしてやっていくもので法人化して会社と同じような扱いになる。
こちらに所属する場合は他の会社との競合は基本的に避けてギルドにのみ所属しなければならない。
一方で法人化しないギルドもある。
いわゆる企業ギルドというやつで企業の中に覚醒者チームを作って運用する場合やフリーランスの覚醒者が集まったチームなどで立ち上げられる。
こちらは法人化していないので他で働きながらも所属することができるのだ。
「一度立ち上げてしまえばいくつかの手続きは簡略化出来る。うちの会社もこちらのギルドは副業としても認めているしこれからもみんなで活動するつもりならギルドとして登録するのもいいかもしれないと思ってねぇ」
「確かにそうだな」
「和輝のお爺さんや優斗も加えれば要件も満たす。最終的に強くなったのなら独立して法人化してもいいのだしね」
「圭さんのギルドなら入るよ。というか圭さんのところじゃなきゃ嫌かな」
「私もお兄さんのところがいいかな」
波瑠とカレンも賛同する。
かなみが圭君と呼ぶのならとカレンは圭のことをお兄さんと呼び始めた。
好きに呼んでくれて構わないけれどなぜお兄さん呼びが良いのかは圭も知らない。
「ギルドか。立ち上げてみてもいいかもな」
フリーでやっていた時よりも責任は重たくなるけれどどうせ身内でやるだけなのだ。
ここら辺で一つ覚醒者としての活動を前に進める時が来たのかもしれない。
「水野さんあたりに相談したら細かいこと分かるかな」
「いいと思うよ」
「あとはあれだよな」
「あれってなんだよ、カレン?」
「爺さんが言ってたんだけど欲を言うならヒーラーが欲しいななんて」
カレンというタンクがいて、圭と波瑠という近距離アタッカーがいて、夜滝という遠距離アタッカーがいる。
チームのバランスとしてはかなりいい感じになってきた。
ここでさらにバランスを保ちながら戦力アップを図ろうと思った時にヒーラーが欲しいと和輝は考えていた。
ヒーラーは別にヒールだけの存在ではない。
ある程度の魔法での攻撃や味方に対してのバフをかけられる補助的な役割もこなせるのがヒーラーでいるだけでもかなりチームとしての安心感も出る役割である。
ケガなどをしてもその場で治してもらえることは戦いにおいて大きなアドバンテージになる。
「ヒーラー……ねぇ」
「分かってるけどさ」
けれどヒーラーはそこら中にいるものではない。
ヒーラーはヒーラーとしての治療魔法が扱えるのには才能が必要なのである。
そのために覚醒者の中でもヒーラーはかなり少ない。
たとえ低級覚醒者でもヒーラーであるならばかなり重宝されるような存在になるのだ。
口ではヒーラーが欲しいというがそれはどこのチームやギルドでも同じことなのである。
ヒーラーの競争率は遥かに高くて欲しいと思っても引き入れるのは簡単なことではない。
手紙で改めて感謝とお姉ちゃんをよろしくね、なんて書かれていたけどかなみをよろしくどころか関わることも今後まずないだろうと思う。
「ほーら、ボーッとしてないでいくよー!」
「ちょ、待ってよ」
秘密の依頼ではあったが正式な仕事であり、危険な任務をこなした圭には報償金が出た。
ちょっとしたまとまった金額で懐が豊かになったのだけど夜滝たちには心配をかけた。
助けてもくれたのだし迷惑料、かつお礼として圭は夜滝たちの買い物に引っ張り出されることになった。
いっても圭は荷物持ち。
服見たり本見たりと色々連れ回される。
大変だけど楽しくはある。
「重い……」
しかし3人分の買い物なのだ、荷物の量は多くなる。
以前に比べて筋力値は上がったがそれでも3人分のお買い物の荷物は重たい。
「うむ、ちょっとお昼がてら休憩でもしようか」
女性のエネルギッシュさには敵わない。
「にしても平和だねぇ」
悪魔教との戦いは大きなニュースとなったが多くの人にとっての日常は変わらない。
いつゲートがどこに出てくるのかというわずかな不安に蓋をしながらも人々は日常を暮らしているのだ。
「そうだな……」
振り返ってみると無茶なことなことをしたものだと圭も思う。
蓮のことがあったから勢いに任せたように引き受けてしまったけれどかなり危険なことに首を突っ込んでいた。
こうして無事にみんなといられるのも運が良かったからと言わざるを得ない。
強くならなきゃと思う。
よく分からないステータスをしたマティオを倒せるほどになんてことは思わない。
けれどもう少し生存確率を上げて危険な状況から逃げ出せるぐらいの能力は欲しいなと思う。
「なあ圭」
「なに?」
「ギルドを作らないかい?」
「ギルドを? いきなりどうしたの、夜滝ねぇ?」
お昼を食べ終えてちょっとデザートを食べていた圭たち。
次にどこに買い物に行くのかと相談していたら急に夜滝がギルドを起こそうなんて言い出した。
「えっ、でもギルドに所属するのは……」
「ギルドも二種類あるんだよ」
一つは大海ギルドのようにギルドとしてやっていくもので法人化して会社と同じような扱いになる。
こちらに所属する場合は他の会社との競合は基本的に避けてギルドにのみ所属しなければならない。
一方で法人化しないギルドもある。
いわゆる企業ギルドというやつで企業の中に覚醒者チームを作って運用する場合やフリーランスの覚醒者が集まったチームなどで立ち上げられる。
こちらは法人化していないので他で働きながらも所属することができるのだ。
「一度立ち上げてしまえばいくつかの手続きは簡略化出来る。うちの会社もこちらのギルドは副業としても認めているしこれからもみんなで活動するつもりならギルドとして登録するのもいいかもしれないと思ってねぇ」
「確かにそうだな」
「和輝のお爺さんや優斗も加えれば要件も満たす。最終的に強くなったのなら独立して法人化してもいいのだしね」
「圭さんのギルドなら入るよ。というか圭さんのところじゃなきゃ嫌かな」
「私もお兄さんのところがいいかな」
波瑠とカレンも賛同する。
かなみが圭君と呼ぶのならとカレンは圭のことをお兄さんと呼び始めた。
好きに呼んでくれて構わないけれどなぜお兄さん呼びが良いのかは圭も知らない。
「ギルドか。立ち上げてみてもいいかもな」
フリーでやっていた時よりも責任は重たくなるけれどどうせ身内でやるだけなのだ。
ここら辺で一つ覚醒者としての活動を前に進める時が来たのかもしれない。
「水野さんあたりに相談したら細かいこと分かるかな」
「いいと思うよ」
「あとはあれだよな」
「あれってなんだよ、カレン?」
「爺さんが言ってたんだけど欲を言うならヒーラーが欲しいななんて」
カレンというタンクがいて、圭と波瑠という近距離アタッカーがいて、夜滝という遠距離アタッカーがいる。
チームのバランスとしてはかなりいい感じになってきた。
ここでさらにバランスを保ちながら戦力アップを図ろうと思った時にヒーラーが欲しいと和輝は考えていた。
ヒーラーは別にヒールだけの存在ではない。
ある程度の魔法での攻撃や味方に対してのバフをかけられる補助的な役割もこなせるのがヒーラーでいるだけでもかなりチームとしての安心感も出る役割である。
ケガなどをしてもその場で治してもらえることは戦いにおいて大きなアドバンテージになる。
「ヒーラー……ねぇ」
「分かってるけどさ」
けれどヒーラーはそこら中にいるものではない。
ヒーラーはヒーラーとしての治療魔法が扱えるのには才能が必要なのである。
そのために覚醒者の中でもヒーラーはかなり少ない。
たとえ低級覚醒者でもヒーラーであるならばかなり重宝されるような存在になるのだ。
口ではヒーラーが欲しいというがそれはどこのチームやギルドでも同じことなのである。
ヒーラーの競争率は遥かに高くて欲しいと思っても引き入れるのは簡単なことではない。
82
あなたにおすすめの小説
シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~
尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。
だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。
全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。
勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。
そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。
エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。
これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。
…その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。
妹とは血の繋がりであろうか?
妹とは魂の繋がりである。
兄とは何か?
妹を護る存在である。
かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
焔の幽閉者!自由を求めて最強への道を歩む!!
雷覇
ファンタジー
とある出来事で自身も所属する焔木一族から幽閉された男「焔木海人」。
その幽閉生活も一人の少女の来訪により終わりを迎える。
主人公は一族に自身の力を認めさせるため最強の力を求め続ける。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる