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第四章
やはり塔は謎である1
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ちゃんとお留守番できるのか不安であったけれど賢いフィーネはちゃんとお留守番もできた。
子供用の教育の本や動画なんかを見せて日中は家で大人しくしてもらった。
ひらがなやカタカナもすぐにマスターして、簡単な計算なんかもできるようになった。
この分ではあっという間にやることがなくなりそうなのでテレビも解禁して、ちゃんとやっちゃダメなことも伝えておいた。
ただ一つ困った癖のようなものがある。
フィーネは気になった機械を分解するようになったのだ。
炊飯器や掃除機など綺麗に分解していたのだ。
どうやって分解しているのか覚えていてちゃんと戻していたので気がつかなかった。
けれどテレビを分解した時に誤って液晶を壊してしまってフィーネが物を分解していたことが知られてしまった。
その時は怒られるのを恐れたフィーネが夜滝の下着の中に隠れていて探すのに苦労した。
圭が夜滝の服にはあまり触れないことをちゃんとフィーネは理解していて隠れたのである。
どうやって分解したのかというと足をドライバーのような形にすることができたので分解できたようだ。
もう一通り家にある家電製品は分解してしまったようなのでもう勝手に分解しないことを約束した。
「次はパソコンか……」
色々と知識を得ようとする姿勢やその吸収の早さは素晴らしいので良いことだ。
けれどもただ閉じ込めておくだけではそのうちフィーネのストレスも溜まってしまいそうだなと少し悩んでいた。
とりあえず次はパソコンが欲しいとフィーネはどこから得た知識で圭に甘えてきた。
うまく使えば知識も得られるしフィーネの暇つぶしにもなる。
パソコンでやってはダメなことをちゃんとリストアップして教えてからパソコンを与えようと圭は考えていたのであった。
「ふふ~、ちょっとお父さんみたいだね」
圭の話を聞いて波瑠がクスクスと笑う。
波瑠にスマホを買い与える時、波瑠の父親も色々と悩んでいた。
その姿と圭がフィーネについて悩んでいる姿が重なってクスリときてしまったのである。
「子供を持つってこんな感じなのかな?」
「結構違うとは思うけどちゃんと向き合って考えることは同じ……かな?」
「親って大変だな」
「でも圭さんなら上手くやれそう」
「そうか?」
「うん、優しいお父さんになりそう」
ニコニコとしながら波瑠が圭を見る。
圭の気性は穏やかであるし良い父親になってくれそうだと波瑠は思った。
「お兄さんは子供とか欲しいと思うのか?」
「子供? いや……あまり考えたことなかったな」
「じゃあ結婚願望とかは?」
「結婚は……したいかな。子供とかは授かりものだから分かんないけどさ、いたらいいかなとは思う」
「ふぅーん」
「みんなしてその目何さ?」
「なんでもなーい」
「そうだな、なんでもない」
「結婚願望があるのは良いことだねぇ」
波瑠、カレン、夜滝がそれぞれちょっと嬉しそうな顔をしている。
圭に結婚願望があるのがそんなに嬉しいかと思うけれど圭の結婚願望だって極々一般的なものである。
圭もまだ若いので将来のことと言われてもぼんやりとしていて明確なことは考えていない。
結婚願望があるかと聞かれればあるかなぐらいである。
「それじゃあ私は近くで時間潰しています」
「ありがとうございます」
「ご武運を」
今日圭たちは再び塔を訪れていた。
けれど運転は圭がしてきたのではない。
重恭が車を運転してきてくれた。
圭のことを過去にクビにしてくれた社長と重恭の関係も綺麗になった。
クソ社長は必死になって戦った重恭のことをひどく罵倒した。
甥っ子がケガをしたのも、トラックが壊れたのも全て重恭の責任で退職金を支払わないとまで啖呵を切った。
けれど亀の甲より年の功。
何でもかんでもケチると良いことはない。
しっかりと事前に弁護士に相談していた重恭はちゃんと会話の録音などをしていた。
圭にもこれぐらいの冷静さがあればもっとまともな対応を取れたかもしれない。
今からとってもいいのだけどクソ社長と関わり合いになりたくないのでやめておく。
お金にも困っていないし、ここからさらに圭が訴えでも起こせば会社が消し飛んでしまうかもしれない。
路頭に迷わせられかけたからといってクソ社長を路頭に迷わせるような人にはならないのだ。
「それじゃあ今日は3階だ」
圭たちは塔の中に入る。
重恭は塔の中に入らず、そのまま車を預かってもらうことにした。
「……誰もいないな。フィーネ、いいぞ」
「ジャジャン!」
「久しぶり、フィーネ」
「ハル、ヒサシブリ!」
塔に入って少し歩き、周りに誰もいないことを確認してからフィーネに声をかける。
フィーネだって外出したいだろう。
みんなと相談の上でフィーネも塔の中に連れて行ってみることにした。
一応レベルやステータスがあるということはフィーネも強くなる可能性があるということ。
もしかしたらフィーネも成長して戦力になってくれるかもしれないと思ったのである。
「ちょっとしゃべりも流暢になったんじゃない?」
「フィーネアタマイイ。ダカラオベンキョウデキル」
「おぉ~確かにこれなら色々と悩んじゃうかもね」
フィーネの話し方も少しずつ良くなってきている。
この分なら近いうちに普通の人と変わりないレベルで話せるようになるかもしれない。
子供用の教育の本や動画なんかを見せて日中は家で大人しくしてもらった。
ひらがなやカタカナもすぐにマスターして、簡単な計算なんかもできるようになった。
この分ではあっという間にやることがなくなりそうなのでテレビも解禁して、ちゃんとやっちゃダメなことも伝えておいた。
ただ一つ困った癖のようなものがある。
フィーネは気になった機械を分解するようになったのだ。
炊飯器や掃除機など綺麗に分解していたのだ。
どうやって分解しているのか覚えていてちゃんと戻していたので気がつかなかった。
けれどテレビを分解した時に誤って液晶を壊してしまってフィーネが物を分解していたことが知られてしまった。
その時は怒られるのを恐れたフィーネが夜滝の下着の中に隠れていて探すのに苦労した。
圭が夜滝の服にはあまり触れないことをちゃんとフィーネは理解していて隠れたのである。
どうやって分解したのかというと足をドライバーのような形にすることができたので分解できたようだ。
もう一通り家にある家電製品は分解してしまったようなのでもう勝手に分解しないことを約束した。
「次はパソコンか……」
色々と知識を得ようとする姿勢やその吸収の早さは素晴らしいので良いことだ。
けれどもただ閉じ込めておくだけではそのうちフィーネのストレスも溜まってしまいそうだなと少し悩んでいた。
とりあえず次はパソコンが欲しいとフィーネはどこから得た知識で圭に甘えてきた。
うまく使えば知識も得られるしフィーネの暇つぶしにもなる。
パソコンでやってはダメなことをちゃんとリストアップして教えてからパソコンを与えようと圭は考えていたのであった。
「ふふ~、ちょっとお父さんみたいだね」
圭の話を聞いて波瑠がクスクスと笑う。
波瑠にスマホを買い与える時、波瑠の父親も色々と悩んでいた。
その姿と圭がフィーネについて悩んでいる姿が重なってクスリときてしまったのである。
「子供を持つってこんな感じなのかな?」
「結構違うとは思うけどちゃんと向き合って考えることは同じ……かな?」
「親って大変だな」
「でも圭さんなら上手くやれそう」
「そうか?」
「うん、優しいお父さんになりそう」
ニコニコとしながら波瑠が圭を見る。
圭の気性は穏やかであるし良い父親になってくれそうだと波瑠は思った。
「お兄さんは子供とか欲しいと思うのか?」
「子供? いや……あまり考えたことなかったな」
「じゃあ結婚願望とかは?」
「結婚は……したいかな。子供とかは授かりものだから分かんないけどさ、いたらいいかなとは思う」
「ふぅーん」
「みんなしてその目何さ?」
「なんでもなーい」
「そうだな、なんでもない」
「結婚願望があるのは良いことだねぇ」
波瑠、カレン、夜滝がそれぞれちょっと嬉しそうな顔をしている。
圭に結婚願望があるのがそんなに嬉しいかと思うけれど圭の結婚願望だって極々一般的なものである。
圭もまだ若いので将来のことと言われてもぼんやりとしていて明確なことは考えていない。
結婚願望があるかと聞かれればあるかなぐらいである。
「それじゃあ私は近くで時間潰しています」
「ありがとうございます」
「ご武運を」
今日圭たちは再び塔を訪れていた。
けれど運転は圭がしてきたのではない。
重恭が車を運転してきてくれた。
圭のことを過去にクビにしてくれた社長と重恭の関係も綺麗になった。
クソ社長は必死になって戦った重恭のことをひどく罵倒した。
甥っ子がケガをしたのも、トラックが壊れたのも全て重恭の責任で退職金を支払わないとまで啖呵を切った。
けれど亀の甲より年の功。
何でもかんでもケチると良いことはない。
しっかりと事前に弁護士に相談していた重恭はちゃんと会話の録音などをしていた。
圭にもこれぐらいの冷静さがあればもっとまともな対応を取れたかもしれない。
今からとってもいいのだけどクソ社長と関わり合いになりたくないのでやめておく。
お金にも困っていないし、ここからさらに圭が訴えでも起こせば会社が消し飛んでしまうかもしれない。
路頭に迷わせられかけたからといってクソ社長を路頭に迷わせるような人にはならないのだ。
「それじゃあ今日は3階だ」
圭たちは塔の中に入る。
重恭は塔の中に入らず、そのまま車を預かってもらうことにした。
「……誰もいないな。フィーネ、いいぞ」
「ジャジャン!」
「久しぶり、フィーネ」
「ハル、ヒサシブリ!」
塔に入って少し歩き、周りに誰もいないことを確認してからフィーネに声をかける。
フィーネだって外出したいだろう。
みんなと相談の上でフィーネも塔の中に連れて行ってみることにした。
一応レベルやステータスがあるということはフィーネも強くなる可能性があるということ。
もしかしたらフィーネも成長して戦力になってくれるかもしれないと思ったのである。
「ちょっとしゃべりも流暢になったんじゃない?」
「フィーネアタマイイ。ダカラオベンキョウデキル」
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