人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

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第五章

覚醒者の義務3

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「波瑠、周りのスケルトンを頼む! 俺とカレンでスケルトンナイトを倒すぞ! 夜滝ねぇとシゲさんは状況を見てサポートを」

 圭が周りの状況を見て指示を出す。
 波瑠は素早さを活かして周りのスケルトンを翻弄しながら倒していき、スケルトンナイト周りを戦いやすいように片付ける。

 その間に圭とカレンでスケルトンナイトを相手にする。
 スケルトンナイトの等級はF~E級相当になる。

 圭とカレンの2人でも十分に戦える相手だ。
 それぞれ横から回り込むようにして挟撃を仕掛ける。

 スケルトンナイトは圭の攻撃を剣で防いで、続けて横に転がってカレンのメイスもかわす。
 動きは鈍いが動き方は悪くない。

 真実の目で見たように実力があったというのも嘘ではなさそうだと思える。
 技術はありそうだがそれでも圭とカレンの方が能力が高い。

 カレンのメイスが脇腹に直撃してスケルトンナイトが地面を転がっていく。
 普通のスケルトンならこれでバラバラになるが鎧を着ているスケルトンナイトは一味違う。

 大きく鎧はへこんだけれどスケルトンナイトは無事だった。

「村雨さん!」

 スケルトンナイトがそのまま立ちあがろうとしていることを隙と見た重恭がメイスを投擲した。
 回転しながら真っ直ぐに飛んでいったメイスはスケルトンナイトの頭に当たった。

 ヘルムが飛んでいき、スケルトンナイトが大きくバランスを崩した。

「おりゃああっ!」

 続いてカレンが盾でスケルトンナイトに体当たりする。
 バランスを崩していたスケルトンナイトは軽くぶっ飛ばされて地面に再び倒れる。

「トドメだ!」

 倒れたスケルトンナイトに素早く近づいた圭がメイスを思い切り振り下ろす。
 どうにか剣で防ごうとしていたけれど剣ごとスケルトンナイトの頭はメイスに潰された。

 少し距離を取ってスケルトンと戦いながら様子を見るが動き出す感じはないので倒せたみたいだった。
 残りのスケルトンと戦っている間に上原のギルドがスケルトンナイトを2体倒してくれていた。

「魔石を回収しましょう」

 今回の相手はスケルトンだった。
 骨に利用価値はほとんどなく回収する必要はないので魔石だけを集めることになった。

 スケルトンナイトの魔石だけは別に分けておき、ザクザクと魔石を拾い集めていく。

「シゲさん、助かりました」

 圭は魔石を集めながら重恭に感謝を述べる。
 スケルトンナイトと戦っている時メイスを投げてフォローしてくれた。

 あのおかげでスケルトンナイトを簡単に倒すことができた。
 
「助けになれたなら幸いだ。それにしても強くなったね」

 ゴブリンに囲まれていた時には余裕がなかった。
 けれどこうして改めて圭の戦いを見てトラックの運転席で怯えていた情けないような青年はもういないのだと重恭は思った。

 同時に立派にみんなを率いて戦う姿に感動すら覚えている。
 ヘルカトの事故が良かったなどと決していうことはできない。

 しかしこうして圭が殻を破るきっかけにはなったのだ。

「もうこの年になって私は成長することがないが若い君には未来がある」

「シゲさん……」

「手助けになれることなら何でもするから頑張りなさい」

 重恭の優しい微笑みに圭も胸が熱くなるような思いがしていた。
 重恭も頑張ればレベルが伸びないことはないだろう。

 けれど才能値は低く、現在のレベルもそれなりに高いのでおそらく努力に見合った結果は得られない。
 若くないことは確かなので無理のない範囲で重恭にはギルドを手伝ってもらうことにしよう。

 スケルトンの数は多く集めてみると魔石も数はあった。
 この数なら利益が出てボーナスもあるかもしれないと圭は少し期待した。

「お疲れ様です! こちらどうぞ」

「ああ、ありがとう」

 一通りスケルトンの魔石を集めたところでゲートが不安定になってきた。
 ボスも倒したのでゲートが消失するのである。

 なので余計な欲は出さないで魔石の回収を切り上げてゲートを脱出した。
 外では覚醒者協会の人たちが待っていてくれて状況や怪我の有無などの確認を行なっている。

 入る前に資料を配っていた子が忙しく覚醒者たちに飲み物を渡している。

「数だけは一丁前にいたから疲れたな」

 ゲートの重たい雰囲気から解放されてカレンがグッと体を伸ばす。
 スケルトンは殴った時の手応えもあるしそれなりに戦えるようになるとシンプルなストレス解消みたいなものだった。

 最後にゲートの消失まで見届けて攻略は終了。

「それじゃあお疲れ様です」

「お疲れ様。今日は久々覚醒者として戦ったから疲れたよ」

「ゆっくり休んでください」

 工房まで車で向かい、そこで重恭とは解散となる。
 重恭は自分の車に乗り換えて家に帰っていった。

「さてと、フィーネはどうしてるかな?」

 重恭を見送って圭たちは工房の中に入った。

「ただいまー」

「おう、帰ったか」

 工房に入ると熱気が広がっていて、金属を叩く音が鳴り響いていた。
 カレンが覗き込むと和輝が真っ赤に熱された金属を叩いていた。

 そしてその横にはフィーネもいて、フィーネも金槌を持っていた。

「マスター!」

 フィーネは圭に気がつくと金槌を置いて肩まで走ってくる。
 こうした小動物的なところは可愛らしい。

「フィーネはどうだった?」

「良い子だったぞ」

「ずいぶん仲良くなったみたいですね」

「興味があるというのでな。少しやらせてみたら筋がいい。熱いのも平気だしリズムも一定だ。もう少しだけ力があれば完璧なんだがな」

 一緒に鉄を打っている様子を見れば仲良くなったことは一目瞭然だった。
 和輝は赤みが取れてきた鉄を水に投げ込むと立ち上がって腰を伸ばした。

「おっと……」

 和輝のお腹がなった。

「時間も忘れていてしまったな。空腹だ」

「それじゃあみんなで何か食べましょうか」

「はい! お肉食べたい!」

「そういえば冷蔵庫に肉あるぞ」

「おっ、やった!」

「フィーネ、イイコダッタ!」

「うん、そうみたいだな。フィーネもお肉食べるか?」

「タベル!」
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