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第五章
ヒーラースカウト1
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朝になっても停電もスマホの電波も復旧しなかった。
しかし雨は止んで、強く吹き荒んでいた風も止んだ。
昨日までの荒天がウソのような雲一つない晴天が広がっていた。
懐中電灯をつけなくても大丈夫なぐらい明るくなったので圭たちは地下から出てみた。
薫は魔力不足の影響が朝になっても起きなかったのでそのまま寝かせておいた。
孤児院の中を見て回ったけれど特にモンスターの気配はない。
いないのならと圭たちは子供を数人連れてトイレに連れていく。
緊急用の携帯トイレもあるが、やはりみんな恥ずかしさがあって我慢する結果になってしまった。
どうしても我慢できなかった子以外を少しずつトイレに連れていった。
そうしているうちに昼になってまず電波の方が回復した。
すぐにスマホを確認しても回復したてでは情報もなかったけれど覚醒者協会に連絡を取ることはできた。
「ええ……分かりました。ではそのようにします」
「どうだった?」
覚醒者協会に助けを呼んだ結果が気になって波瑠を始めとしてみんなが圭をじっと見ていた。
「今日は来れないらしい」
「えー!?」
「なんでだよ?」
「この停電のせいだ。どうやらここのゲートとは別にゲートブレイクを起こしたところがあって、そこから出てくるモンスターが電気を好む性質があるようなんだ」
電話して話を聞いたところ色々なことが分かった。
現在起きている大規模停電はブレイキングゲートのせいだった。
電気を好むモンスターがゲートから出て、電気の多く集まる変電所などに襲いかかった。
そのせいで大規模な停電が起きたのである。
現在はブレイキングゲートを発見して処理し、外に出たモンスターも討伐している最中なのだという。
ライフラインとして必要な電波は先にどうにか復旧させた。
しかしおおよそのモンスターは倒したのだがまだ残っているモンスターもいる。
なのでもう1日どうにか持ち堪えてほしいと言われてしまった。
駄々をこねたところで向こうに負担をかけるだけとなる。
今のところ危険は大きくないので承諾するしかない。
「なるほどね……しかし何も今全部重なることはないのにねぇ」
夜滝は大きなため息をついた。
今回の事件は大きな不幸がいくつも重なった。
酷い嵐、停電、ゲートのブレイク。
嵐は自然のものであるし、停電は孤児院側で起きたものとはまた別物のゲートのブレイクによるものだった。
何もこんな時にいっぺんにそれら全てが起こらなくともと思わざるを得ない。
「でも全部起きたからこうして何事もなかったのかもしれませんね」
「確かにそうだな」
嵐が起きて天井に穴が空いたから圭たちは孤児院に来た。
そして停電が起きたから孤児院に留まったのである。
もし圭たちがいなかったら孤児院はクオルカンティカートに襲われて酷いことになっていたかもしれない。
そう考えると嵐や停電のおかげで孤児院は助かったと言えるのかもしれない。
環境的には最悪だったが不幸が重なったおかげで結果良かったとはなんとも皮肉なものである。
「とりあえずもう1日なんとか耐え忍ぼう。多分モンスターの脅威はないと思うけど慎重に大人しくしていよう」
危険を冒す必要はない。
非常用の食料はまだあるしあと1日待てば助けが来るという希望も出来た。
薫の治療で梅山も良くなったので焦る必要もなくなったのである。
「薫君、少しいいかな」
暇を潰そうとボードゲームなんかも一部持ってきた。
子供たちもたくましいものでそうしたもので遊んでワイワイとしている。
圭は薫を隅に呼んだ。
「な、なんですか?」
「少し話しておかなきゃいけないことがあるんだ」
声をひそめて話す圭に薫は緊張したような表情を浮かべる。
「薫君が覚醒したことについてなんだけど」
時間もなくて切羽詰まった状況、でも目の前には弱ったモンスターという絶好の条件。
だから有無を言わさず薫にクオルカンティカートを倒してもらって覚醒させた。
おそらくこの先ちゃんとした調査が入る。
個別に何が起きたのか聞き取りなどが行われるはずで誘拐された薫ももちろん対象のはずである。
モンスターを倒して覚醒しました。
そしてそれを主導したのは圭です。
そのようなことを言われて注目されるのは避けたい。
さらに薫は高い才能を秘めていて、しかも持っている能力はヒーラーである。
ヒーラーはヒーラーといいながらも単純に怪我を治したりするだけではなく、薫がやってみせたように能力を強化もするサポーターである。
回復と強化を行えるヒーラーは戦闘における安定度をぐっと増してくれる。
どこでも欲しい人材である。
無論圭も欲しいと思う能力である。
「薫君が覚醒したのは偶然じゃないんだ」
「……そんな気がしていました」
どう考えたってあんな状況で剣を持たせてモンスターにトドメを刺さすのはおかしい。
覚醒したということや覚醒者になりたくないかという発言もあわせると圭が薫を覚醒者にしようとしてやらせたとしか思えない。
「圭さんは……人を覚醒させられるんですか?」
しかし雨は止んで、強く吹き荒んでいた風も止んだ。
昨日までの荒天がウソのような雲一つない晴天が広がっていた。
懐中電灯をつけなくても大丈夫なぐらい明るくなったので圭たちは地下から出てみた。
薫は魔力不足の影響が朝になっても起きなかったのでそのまま寝かせておいた。
孤児院の中を見て回ったけれど特にモンスターの気配はない。
いないのならと圭たちは子供を数人連れてトイレに連れていく。
緊急用の携帯トイレもあるが、やはりみんな恥ずかしさがあって我慢する結果になってしまった。
どうしても我慢できなかった子以外を少しずつトイレに連れていった。
そうしているうちに昼になってまず電波の方が回復した。
すぐにスマホを確認しても回復したてでは情報もなかったけれど覚醒者協会に連絡を取ることはできた。
「ええ……分かりました。ではそのようにします」
「どうだった?」
覚醒者協会に助けを呼んだ結果が気になって波瑠を始めとしてみんなが圭をじっと見ていた。
「今日は来れないらしい」
「えー!?」
「なんでだよ?」
「この停電のせいだ。どうやらここのゲートとは別にゲートブレイクを起こしたところがあって、そこから出てくるモンスターが電気を好む性質があるようなんだ」
電話して話を聞いたところ色々なことが分かった。
現在起きている大規模停電はブレイキングゲートのせいだった。
電気を好むモンスターがゲートから出て、電気の多く集まる変電所などに襲いかかった。
そのせいで大規模な停電が起きたのである。
現在はブレイキングゲートを発見して処理し、外に出たモンスターも討伐している最中なのだという。
ライフラインとして必要な電波は先にどうにか復旧させた。
しかしおおよそのモンスターは倒したのだがまだ残っているモンスターもいる。
なのでもう1日どうにか持ち堪えてほしいと言われてしまった。
駄々をこねたところで向こうに負担をかけるだけとなる。
今のところ危険は大きくないので承諾するしかない。
「なるほどね……しかし何も今全部重なることはないのにねぇ」
夜滝は大きなため息をついた。
今回の事件は大きな不幸がいくつも重なった。
酷い嵐、停電、ゲートのブレイク。
嵐は自然のものであるし、停電は孤児院側で起きたものとはまた別物のゲートのブレイクによるものだった。
何もこんな時にいっぺんにそれら全てが起こらなくともと思わざるを得ない。
「でも全部起きたからこうして何事もなかったのかもしれませんね」
「確かにそうだな」
嵐が起きて天井に穴が空いたから圭たちは孤児院に来た。
そして停電が起きたから孤児院に留まったのである。
もし圭たちがいなかったら孤児院はクオルカンティカートに襲われて酷いことになっていたかもしれない。
そう考えると嵐や停電のおかげで孤児院は助かったと言えるのかもしれない。
環境的には最悪だったが不幸が重なったおかげで結果良かったとはなんとも皮肉なものである。
「とりあえずもう1日なんとか耐え忍ぼう。多分モンスターの脅威はないと思うけど慎重に大人しくしていよう」
危険を冒す必要はない。
非常用の食料はまだあるしあと1日待てば助けが来るという希望も出来た。
薫の治療で梅山も良くなったので焦る必要もなくなったのである。
「薫君、少しいいかな」
暇を潰そうとボードゲームなんかも一部持ってきた。
子供たちもたくましいものでそうしたもので遊んでワイワイとしている。
圭は薫を隅に呼んだ。
「な、なんですか?」
「少し話しておかなきゃいけないことがあるんだ」
声をひそめて話す圭に薫は緊張したような表情を浮かべる。
「薫君が覚醒したことについてなんだけど」
時間もなくて切羽詰まった状況、でも目の前には弱ったモンスターという絶好の条件。
だから有無を言わさず薫にクオルカンティカートを倒してもらって覚醒させた。
おそらくこの先ちゃんとした調査が入る。
個別に何が起きたのか聞き取りなどが行われるはずで誘拐された薫ももちろん対象のはずである。
モンスターを倒して覚醒しました。
そしてそれを主導したのは圭です。
そのようなことを言われて注目されるのは避けたい。
さらに薫は高い才能を秘めていて、しかも持っている能力はヒーラーである。
ヒーラーはヒーラーといいながらも単純に怪我を治したりするだけではなく、薫がやってみせたように能力を強化もするサポーターである。
回復と強化を行えるヒーラーは戦闘における安定度をぐっと増してくれる。
どこでも欲しい人材である。
無論圭も欲しいと思う能力である。
「薫君が覚醒したのは偶然じゃないんだ」
「……そんな気がしていました」
どう考えたってあんな状況で剣を持たせてモンスターにトドメを刺さすのはおかしい。
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「圭さんは……人を覚醒させられるんですか?」
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