人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

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第五章

ご両親に呼び出され3

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「けれどあなただってかーくんを信用できないところには預けられないし、こっちに来てくれたら嬉しいって言ってたじゃないの?」

「確かに来てくれたら嬉しいがエンジェルが……」

「お父さん、エンジェルやめて……」

「薫がそう望むことが1番だろう?」

 1番反対しそうな顔をしていたジェームズだったが急に薫の味方をし始めた。

「あなた分かってる? 小さいギルドでやっていくことがどれだけ危険なことか」

「うっ……だが君だって気に入らない相手なら消してしまおうとか言っていたのに、こうして呼び出しているではないか!」

 ちょっと聞き捨てならないことが聞こえてしまったような気がするなと圭は思った。

「かーくんがあれだけ褒めるから少し話を聞いてみようと思っただけよ! なんならこのまま帰さなくてもいいのよ?」

 圭は本人を前にしてそんな会話をするのはやめてほしいなと遠い目をしていた。

「お母さん、お父さん!」

 会話に耐えられなくなった薫が勢いよく立ち上がった。

「僕ももう子供じゃないんだ! 自分のことは自分で決める! アメリカにも行かないし、僕は圭さんのところで覚醒者として活動したいんだ!」

 今一度薫は自分の思いを言葉にした。

「……あなたの思いはわかったわ。でも村雨さんが信用できる人かどうかはまた別問題よ」

 ーーーーー

 信頼できる人かどうか確かめると言って圭が連れてこられたのは家の地下だった。
 エレベーターで降りていくと地下には広いスペースがあった。

「ここは特注のトレーニングルームよ。ジェームズが本気で暴れると流石に危ないけれどそれぐらいしなきゃ壊れないような作りになっているわ」

 真っ白な部屋は対覚醒者用に特別に造られた頑丈なものであった。
 ジェームズが戦力を出せば耐えられるものではないが、圭が暴れたところで大きな影響はない。

「戦ってみればどんな人物かは分かる」

 薫の意思は分かったけれど圭が薫を預けるのに信頼するに値する相手かどうかは分からない。
 そこで圭がどんな人なのか確かめようとしていた。

 どんな理論だと思うのだが戦えばある程度相手のことが分かるというのがジェームズの主張。
 そのために圭がトレーニングルームに連れてこられたのである。

『バーンスタイン・ジェームズ
 レベル178
 総合ランクB
 筋力A(英雄)
 体力B(一般)
 速度B(一般)
 魔力B(一般)
 幸運D(無才)
 スキル:インザスポットライト
 才能:護るものの多さが力になる』

 やはりA級覚醒者たる力をジェームズは持っている。
 タンクではあるが筋力値が高くて、単体での攻撃力もあるタンクだった。

 能力値だけを見てもとてもじゃないが勝てる相手ではない。

「好きにかかってくるといい。もちろん俺は攻撃しないから」

 ジェームズは装備を身につけて圭の前に立つ。
 圭は当然装備なんてないので訓練用の剣を借りて構える。

「……かーくん、あなたも手助けしていいわよ」

「本当?」

「ええ、どうせならあなたの力も見せてちょうだい」

 この機会に薫の力も確かめておこうと小百合は思った。
 2人の信頼度合いも分かるかもしれない。

「分かった。圭さん、僕が支援します!」

「助かる!」

『村雨圭
 レベル30
 総合ランクF(E+)
 筋力E(D+)(英雄)
 体力E(D+)(伝説)
 速度E(D+)(英雄)
 魔力E(D+)(一般)
 幸運D(神話)
 スキル:真実の目、導く者
 才能:類い稀な幸運』

『ユーシャナの再臨が発動!
 あなたへの想いが力を強化します!』

 ボスクオルカンティカートとの戦いで圭もまたレベルアップしていた。
 割と平均的に伸びているようだけどそれが良いのか悪いのかちょっと分からない。

 しかしなんだか能力を眺めているとゲートで強化された時よりも強くなっている。
 1人に強化をかけているということもあるのかもしれないが、もう1つ現れた表示の内容が関わっているのかもしれない。

 ユーシャナの再臨とは薫の才能である。
 あなたへの想いとか理解できない部分はあるけれど、ともかく才能が発動して薫の能力がより強くなっているようだ。

「いきます!」

 どうせなら胸を借りるつもりで戦おうと気持ちを切り替える。
 床を蹴って一気にジェームズとの距離を詰める。

 相手はA級。
 それにいざとなればヒーラーである薫もいる。

 圭は全力で真っ直ぐに剣を振り下ろした。

「驚いたぞ。思っていたよりも速いな」

 そうは言いながらもジェームズは普通に圭の剣を盾で受け止めていた。

「素直な攻撃だな。だが鋭く、基礎もありそうだ」

「まだまだ!」

 圭は続けて攻撃する。
 持てる限りの力を尽くして攻撃するけれどジェームズはしっかりと圭の攻撃を防御する。

 まるで巨大な岩の塊を殴っているみたいに盾を押し返すことすらできない。

「ぐっ!」

「圭さん!」

 ジェームズが盾ごと押し返してきて圭は突き飛ばされる。
 ゴロリと床を一回転してすぐさま起き上がる。

「お父さん、攻撃はしないって」

「今のは攻撃ではない!」

「そんな……」

「次の一撃で終わりにしよう! 君の全力を見せてくれ」

「……分かりました」

 終わりのない勝負をいつまでもしてはいられない。
 ジェームズの言葉に圭は大きく頷く。
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