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第五章
最も不幸で、最も幸運な者1
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重恭にはゲートを探してもらうがすぐに実戦投入はできない。
覚醒者として活動するのに必要な知識というものがある。
波瑠の時にはちゃんとそうしたことを学んだ圭が教えたのだけど、今は覚醒者のベテランがいる。
薫に必要な覚醒者としての基礎的なルールなどの理論的なことを重恭が、そして実戦で必要なことを和輝が教えた。
薫も勉強はできる方なので吸収は早かった。
そして薫も取り巻く環境も変化を迎えていた。
薫が不登校になっていることは小百合とジェームズも知っていたのだが薫がそうしたいのならと様子を見ていた。
今回薫がブレイキングゲートにさらわれるなどの事件があったので急遽帰国することになり、薫ともしっかり話し合ったのだ。
圭の後押しもあって薫は高校を転校してまた学生生活を始めることになった。
薫に関して説得の手伝いをするのはいいんだけど一々会社の前にゴツいスーツの外国人を送り込むのはやめてほしい。
最後には見ててください圭さん!と薫は意気込んでいたけれど小百合がどんな説得をしたのか圭は知らない。
ただ面白いのは転校することになった先の高校は超がつく有名な私立高校で覚醒者活動を認めている全国的数少ない学校であった。
今のところ薫は覚醒者であることは隠していて、小百合とジェームズもヒーラーであるならそうした方がいいと同意してくれた。
だが将来的には薫も覚醒者登録するつもりであるし、先を見据えての選択であった。
頭のいい学校だが薫もそれ相応の学力があるので勉強面では心配していない。
「こちらのゲートはF級で発見は3日前です。ちょっと遠かったので安く落札することができました」
実際に薫が転校するまでは手続きの都合などがあって少し時間がかかる。
そこでその前にゲートに何回か戦いに行って慣れておこうと考えていた。
ちょうどそのタイミングで重恭がいい感じのゲートを見つけてくれたのでそのまま攻略権を落札してもらった。
車で5時間かかる場所だったので競争相手が少なくてお手頃な値段で権利が手に入った。
朝から車を運転してゲートまでやってきた圭たち一行。
着く頃にはお昼になっていたのでご飯を食べたりして休憩しながらゲート情報の確認をする。
「出てくるモンスターはコボルトです。二足歩行で凶悪な犬のような顔をしたモンスターで力は弱いですがすばしっこさと集団で動く性質があります。予想されるボスはボスコボルト。こちらもF級は超えない程度のモンスターですね」
用意してきた資料を重恭が読み上げる。
事前にどんなゲートなのかは確認してあるがもう一度チェックしておくのは大事だ。
「モンスターの回収はどうですか?」
「使える部分は主に魔石だけですね。死体は回収する必要がないです」
「じゃあ今回は割と楽そうだな」
魔石だけ回収すればいいのは楽でいい。
「それじゃあ早速行こうか。シゲさんはテントの準備頼みます」
「分かりました。お気をつけて下さい」
重恭はサポートなのでゲートには入らない。
「薫君、心の準備はいい?」
「は、はい! 大丈夫です!」
薫の装備は比較的しっかりしたものとなっている。
体力値と速度値の才能値が低いので相対的に敵の攻撃に対して脆弱だということになる。
なので装備で防御力を高めるという手段を取ることにした。
「なんだか奇妙な感じですね……」
誘拐された時は混乱していた状況だった。
改めてゲートを通り抜ける時の不思議な感覚に薫は驚いていた。
圭たちはもう慣れっこであるが最初のころは薫のように驚いたものである。
「割と視界の開けた森……情報通りだねぇ」
ゲートの中は森となっているが密集したような暗い森ではなく比較的木々の間が開いていて明るい森であった。
「き、緊張します……」
「ピピ、シンコキュウ! ヒッヒッフー」
「フィーネ、それは深呼吸じゃないぞ」
今回はギルドのメンバーしかいないのでフィーネも来ていた。
クオルカンティカートとの戦いでフィーネも多少戦えそうなことは分かったし、連れて行ってほしいというので連れて行くことにした。
ケルテンの思惑からは外れるかもしれないがフィーネ自身が望んだことであり、フィーネの幸せという側面から考えるとこちらの方が適ってはいる。
「ヒッヒッフー……」
「薫もそれ違うからな」
「あっ、少し落ち着いてきました」
「まあ落ち着いたならいいけどよ」
圭たちの実力ならばF級ゲートで危険なことは少ない。
今回は薫のレベル上げと能力チェックを兼ねてのゲート攻略なので雰囲気も明るめである。
「こ、声がしますね……」
森の奥からギャアギャアと鳴き声が聞こえてきた。
犬というよりも猿などの叫び声に近いような声に薫が怯えたような顔をする。
薫はまだまだモンスターという存在に対して恐怖心を持っている。
これは戦っていく中で自身で克服するしかない。
「来たぞ!」
「薫君、少し下がるんだ!」
「わ、分かりました!」
森の奥からコボルトが走ってきた。
だらしなく開いた口からよだれをまき散らしながら一直線に圭たちの方に向かってくる。
覚醒者として活動するのに必要な知識というものがある。
波瑠の時にはちゃんとそうしたことを学んだ圭が教えたのだけど、今は覚醒者のベテランがいる。
薫に必要な覚醒者としての基礎的なルールなどの理論的なことを重恭が、そして実戦で必要なことを和輝が教えた。
薫も勉強はできる方なので吸収は早かった。
そして薫も取り巻く環境も変化を迎えていた。
薫が不登校になっていることは小百合とジェームズも知っていたのだが薫がそうしたいのならと様子を見ていた。
今回薫がブレイキングゲートにさらわれるなどの事件があったので急遽帰国することになり、薫ともしっかり話し合ったのだ。
圭の後押しもあって薫は高校を転校してまた学生生活を始めることになった。
薫に関して説得の手伝いをするのはいいんだけど一々会社の前にゴツいスーツの外国人を送り込むのはやめてほしい。
最後には見ててください圭さん!と薫は意気込んでいたけれど小百合がどんな説得をしたのか圭は知らない。
ただ面白いのは転校することになった先の高校は超がつく有名な私立高校で覚醒者活動を認めている全国的数少ない学校であった。
今のところ薫は覚醒者であることは隠していて、小百合とジェームズもヒーラーであるならそうした方がいいと同意してくれた。
だが将来的には薫も覚醒者登録するつもりであるし、先を見据えての選択であった。
頭のいい学校だが薫もそれ相応の学力があるので勉強面では心配していない。
「こちらのゲートはF級で発見は3日前です。ちょっと遠かったので安く落札することができました」
実際に薫が転校するまでは手続きの都合などがあって少し時間がかかる。
そこでその前にゲートに何回か戦いに行って慣れておこうと考えていた。
ちょうどそのタイミングで重恭がいい感じのゲートを見つけてくれたのでそのまま攻略権を落札してもらった。
車で5時間かかる場所だったので競争相手が少なくてお手頃な値段で権利が手に入った。
朝から車を運転してゲートまでやってきた圭たち一行。
着く頃にはお昼になっていたのでご飯を食べたりして休憩しながらゲート情報の確認をする。
「出てくるモンスターはコボルトです。二足歩行で凶悪な犬のような顔をしたモンスターで力は弱いですがすばしっこさと集団で動く性質があります。予想されるボスはボスコボルト。こちらもF級は超えない程度のモンスターですね」
用意してきた資料を重恭が読み上げる。
事前にどんなゲートなのかは確認してあるがもう一度チェックしておくのは大事だ。
「モンスターの回収はどうですか?」
「使える部分は主に魔石だけですね。死体は回収する必要がないです」
「じゃあ今回は割と楽そうだな」
魔石だけ回収すればいいのは楽でいい。
「それじゃあ早速行こうか。シゲさんはテントの準備頼みます」
「分かりました。お気をつけて下さい」
重恭はサポートなのでゲートには入らない。
「薫君、心の準備はいい?」
「は、はい! 大丈夫です!」
薫の装備は比較的しっかりしたものとなっている。
体力値と速度値の才能値が低いので相対的に敵の攻撃に対して脆弱だということになる。
なので装備で防御力を高めるという手段を取ることにした。
「なんだか奇妙な感じですね……」
誘拐された時は混乱していた状況だった。
改めてゲートを通り抜ける時の不思議な感覚に薫は驚いていた。
圭たちはもう慣れっこであるが最初のころは薫のように驚いたものである。
「割と視界の開けた森……情報通りだねぇ」
ゲートの中は森となっているが密集したような暗い森ではなく比較的木々の間が開いていて明るい森であった。
「き、緊張します……」
「ピピ、シンコキュウ! ヒッヒッフー」
「フィーネ、それは深呼吸じゃないぞ」
今回はギルドのメンバーしかいないのでフィーネも来ていた。
クオルカンティカートとの戦いでフィーネも多少戦えそうなことは分かったし、連れて行ってほしいというので連れて行くことにした。
ケルテンの思惑からは外れるかもしれないがフィーネ自身が望んだことであり、フィーネの幸せという側面から考えるとこちらの方が適ってはいる。
「ヒッヒッフー……」
「薫もそれ違うからな」
「あっ、少し落ち着いてきました」
「まあ落ち着いたならいいけどよ」
圭たちの実力ならばF級ゲートで危険なことは少ない。
今回は薫のレベル上げと能力チェックを兼ねてのゲート攻略なので雰囲気も明るめである。
「こ、声がしますね……」
森の奥からギャアギャアと鳴き声が聞こえてきた。
犬というよりも猿などの叫び声に近いような声に薫が怯えたような顔をする。
薫はまだまだモンスターという存在に対して恐怖心を持っている。
これは戦っていく中で自身で克服するしかない。
「来たぞ!」
「薫君、少し下がるんだ!」
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森の奥からコボルトが走ってきた。
だらしなく開いた口からよだれをまき散らしながら一直線に圭たちの方に向かってくる。
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