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第五章
おねだり1
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レッドゲート攻略は大きな話題となった。
レッドゲートから帰ってきた数少ない例として大和ギルドは英雄視された。
その一方で失ったものも大きい。
他の覚醒者たちも城の中に強制的に移転させられたのだが、その場にモンスターがいたり罠があったりと無事でなかった人たちも多かったのである。
圭たちは運良くモンスターがおらず、すぐに隠し通路を見つけられたので無事であったのだ。
さらに北条が倒れたという事件が発生した。
ゲートを出て妻子に迎えられた北条であったがその後倒れて病院に緊急搬送された。
原因は激しい戦闘による魔力の消耗だとされたが圭たちにとっては北条と離れる時間ができたのでありがたいものであった。
「ふおぉぉ~!」
「気に入ったか?」
「めーちゃめちゃいい!」
さまざまな混乱はあったために圭たちのこともほとんど注目されなかった。
圭がカルヴァンにトドメを刺したけれど、ダメージを負って逃げてきたカルヴァンが油断している隙に攻撃したら倒せたという説明に一定以上の説得力があって追及されることはなかった。
どんな状況であれゲートのボスにトドメを刺したという事実は変わらない。
そのことは倒れる前の北条も証言してくれていたので圭たちの功績が認められた。
エリーナとカルヴァンの魔石、ナイフは回収されてしまったけれど功績の大きさからお金か、ナイフかを選ぶことができた。
相手としてはもちろんお金を選ぶだろうなんて考えていたのかもしれないが、圭が選んだのはナイフであった。
『悪魔のツノで作られた神を殺したナイフ
エリーナに力を与えた悪魔君主ダダナが自らのツノを折り、名匠シュトラスケルフィダスがミスリルと混ぜて作ったナイフ。
悪魔君主はこのナイフを使って神を殺して血を吸わせた。
それにより神性も宿っている。
決して衰えることのない切れ味を誇り、己の体かのように魔力と馴染む。
悪魔の力を宿しており、下級の悪魔は恐れを抱く。
神に届く才能を持つ名匠が作りし武器であり品質は非常に高く魔力の流れや魔法の発動を補助してくれる。
魔力伝送率が高く使用時に体力と筋力と速度と魔力に補正を得られる。
適性魔力等級:A
必要魔力等級:C』
このナイフは実はカルヴァンではなくエリーナの方から出てきたものだった。
混ざり合うように崩れていったので他の人には見えていないようだがエリーナが崩れてナイフが床に落ちたのを圭は見ていた。
つまりナイフがシークレットクエストの報酬なのだろうと思ってナイフを選んだのだ。
神を殺したナイフ。
それだけ聞くとかなり物騒なナイフであるが神を倒すことができる可能性がある。
圭たちが欲しい武器であった。
波瑠のナイフも何か良いものはないかと考えていたのでちょうど良かった。
能力が凄すぎたり悪魔の力が宿ってるとか若干不安なところはあるけれど波瑠に使ってもらうことにした。
黒いナイフはカッコいい。
軽くて切れ味も良くて持つだけで力が溢れてくる。
「ふふー!」
「よほど気に入ってんだな」
「そりゃあゲートから出たユニーク武器って憧れだからね!」
鼻息荒くナイフの刃を眺めている波瑠はちょっとだけヤバい感じに見えるけれど、それだけナイフが嬉しかったのである。
「えへへ、圭くんありがとう!」
「おう、喜んでもらえてよかったよ」
圭さんが圭くんになった。
ナイフを抱えて波瑠は満面の笑顔を浮かべている。
「あとは……」
圭はチラリとテーブルの上を見た。
天然の水晶のようなゴツゴツとした形をした黒い金属がそこにある。
実はナイフはシークレットクエストの成功報酬ではなかった。
ゲートを攻略してから数日後ベッドで休んでいると急にシークレットクエスト成功しました!という表示が現れた。
貢献度が出て、一位は山之内だったのだが死んだためか斜線で消されて圭が繰り上げ一位となった。
二位以下はいなかった。
おそらくエリーナに直接手を下したのが山之内と圭だけだったからなのだろう。
そして急にベッドの上に降ってきたのが黒い金属の塊だった。
『アダマンタイト
究極の剛性を宿す金属。
アダマンタイトを用いて作られたものは何物よりも硬い。
加工にも相当の実力や技術を必要とする。』
「アダマンタイトねぇ……」
ミスリルよりもさらに希少な金属であるアダマンタイトのことは圭もあまり聞いたことがない。
非常に硬い金属ですごく高価なことぐらいは知っている。
「なーぁー? おにーさーん?」
目を輝かせてカレンが圭に擦り寄る。
慣れない行為に耳が真っ赤になっているけれどここは引けなかった。
「ミスリル食べられたしぃ? アダマンタイト……欲しーなぁ~」
ミスリル以上の希少金属。
おそらくほとんどの人が一生目にすることもないものである。
「加工……できるのか?」
「分かんないけど……試させて欲しいなぁって」
なんだかんだで鍛冶仕事が好きなカレン。
珍しい金属と聞いて手を出してみたいと思っていた。
「ネーエー、マスター」
そしてアダマンタイトを狙っているのはカレンだけじゃない。
「フィーネ、サミシカッタノォ」
「おい、どこでそんなセリフ覚えてきた?」
圭の肩に乗って頬に体を擦り付けているフィーネもアダマンタイトを欲しがっている。
レッドゲートから帰ってきた数少ない例として大和ギルドは英雄視された。
その一方で失ったものも大きい。
他の覚醒者たちも城の中に強制的に移転させられたのだが、その場にモンスターがいたり罠があったりと無事でなかった人たちも多かったのである。
圭たちは運良くモンスターがおらず、すぐに隠し通路を見つけられたので無事であったのだ。
さらに北条が倒れたという事件が発生した。
ゲートを出て妻子に迎えられた北条であったがその後倒れて病院に緊急搬送された。
原因は激しい戦闘による魔力の消耗だとされたが圭たちにとっては北条と離れる時間ができたのでありがたいものであった。
「ふおぉぉ~!」
「気に入ったか?」
「めーちゃめちゃいい!」
さまざまな混乱はあったために圭たちのこともほとんど注目されなかった。
圭がカルヴァンにトドメを刺したけれど、ダメージを負って逃げてきたカルヴァンが油断している隙に攻撃したら倒せたという説明に一定以上の説得力があって追及されることはなかった。
どんな状況であれゲートのボスにトドメを刺したという事実は変わらない。
そのことは倒れる前の北条も証言してくれていたので圭たちの功績が認められた。
エリーナとカルヴァンの魔石、ナイフは回収されてしまったけれど功績の大きさからお金か、ナイフかを選ぶことができた。
相手としてはもちろんお金を選ぶだろうなんて考えていたのかもしれないが、圭が選んだのはナイフであった。
『悪魔のツノで作られた神を殺したナイフ
エリーナに力を与えた悪魔君主ダダナが自らのツノを折り、名匠シュトラスケルフィダスがミスリルと混ぜて作ったナイフ。
悪魔君主はこのナイフを使って神を殺して血を吸わせた。
それにより神性も宿っている。
決して衰えることのない切れ味を誇り、己の体かのように魔力と馴染む。
悪魔の力を宿しており、下級の悪魔は恐れを抱く。
神に届く才能を持つ名匠が作りし武器であり品質は非常に高く魔力の流れや魔法の発動を補助してくれる。
魔力伝送率が高く使用時に体力と筋力と速度と魔力に補正を得られる。
適性魔力等級:A
必要魔力等級:C』
このナイフは実はカルヴァンではなくエリーナの方から出てきたものだった。
混ざり合うように崩れていったので他の人には見えていないようだがエリーナが崩れてナイフが床に落ちたのを圭は見ていた。
つまりナイフがシークレットクエストの報酬なのだろうと思ってナイフを選んだのだ。
神を殺したナイフ。
それだけ聞くとかなり物騒なナイフであるが神を倒すことができる可能性がある。
圭たちが欲しい武器であった。
波瑠のナイフも何か良いものはないかと考えていたのでちょうど良かった。
能力が凄すぎたり悪魔の力が宿ってるとか若干不安なところはあるけれど波瑠に使ってもらうことにした。
黒いナイフはカッコいい。
軽くて切れ味も良くて持つだけで力が溢れてくる。
「ふふー!」
「よほど気に入ってんだな」
「そりゃあゲートから出たユニーク武器って憧れだからね!」
鼻息荒くナイフの刃を眺めている波瑠はちょっとだけヤバい感じに見えるけれど、それだけナイフが嬉しかったのである。
「えへへ、圭くんありがとう!」
「おう、喜んでもらえてよかったよ」
圭さんが圭くんになった。
ナイフを抱えて波瑠は満面の笑顔を浮かべている。
「あとは……」
圭はチラリとテーブルの上を見た。
天然の水晶のようなゴツゴツとした形をした黒い金属がそこにある。
実はナイフはシークレットクエストの成功報酬ではなかった。
ゲートを攻略してから数日後ベッドで休んでいると急にシークレットクエスト成功しました!という表示が現れた。
貢献度が出て、一位は山之内だったのだが死んだためか斜線で消されて圭が繰り上げ一位となった。
二位以下はいなかった。
おそらくエリーナに直接手を下したのが山之内と圭だけだったからなのだろう。
そして急にベッドの上に降ってきたのが黒い金属の塊だった。
『アダマンタイト
究極の剛性を宿す金属。
アダマンタイトを用いて作られたものは何物よりも硬い。
加工にも相当の実力や技術を必要とする。』
「アダマンタイトねぇ……」
ミスリルよりもさらに希少な金属であるアダマンタイトのことは圭もあまり聞いたことがない。
非常に硬い金属ですごく高価なことぐらいは知っている。
「なーぁー? おにーさーん?」
目を輝かせてカレンが圭に擦り寄る。
慣れない行為に耳が真っ赤になっているけれどここは引けなかった。
「ミスリル食べられたしぃ? アダマンタイト……欲しーなぁ~」
ミスリル以上の希少金属。
おそらくほとんどの人が一生目にすることもないものである。
「加工……できるのか?」
「分かんないけど……試させて欲しいなぁって」
なんだかんだで鍛冶仕事が好きなカレン。
珍しい金属と聞いて手を出してみたいと思っていた。
「ネーエー、マスター」
そしてアダマンタイトを狙っているのはカレンだけじゃない。
「フィーネ、サミシカッタノォ」
「おい、どこでそんなセリフ覚えてきた?」
圭の肩に乗って頬に体を擦り付けているフィーネもアダマンタイトを欲しがっている。
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