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第七章
妹分を助けろ5
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[どけろ!]
ウィルソンが他の悪魔教の男を押し退けて壁を切りつける。
[いねぇ!]
もちろん圭たちは逃げた後なので壁の中に圭たちはいない。
[あ、あちらに続いています!]
[んなもんみれば分かる! 無駄口叩いてないでさっさと追いかけろ!]
壁の中の方を見ると圭たちが来た方向に伸びている。
そこから逃げたことなど一目瞭然である。
[仲間がいたのか……]
ユファに助けに来る仲間などいないと思っていた。
そのために周りの警戒を少し怠っていたことは否めない。
[ふん、まあいい……こちらにも仲間はいる]
ーーーーー
[あなたはケイね?]
本気で走ればユファは圭たちを置き去りにできる。
しかしそうはしないで速度を抑えて並んで走る。
「あなたが圭さんですかって言ってます」
薫が通訳してくれる。
走りながらなので体力低めな薫には若干辛そうであるが、ダンテがいる四階まではどうにか頑張ってもらうしかない。
「そうだけど……」
[やっぱりね。ダンテが送ってきた写真の人だと思ったの。ルシファーお姉様のお気に入りだって聞いているわ]
写真なんていつ撮ったんだろうと疑問に思うけど、ユファの方が顔を知っていてスムーズに事が運んだのだから気にしないことにした。
[助かったわ。隠れているのにも魔力が必要で……どうやら悪魔の力を感じ取るのがうまい覚醒者がいるみたいね]
ユファは仲間内で狩人と呼ばれていて、気配を隠すのも上手かった。
けれど相手はそんなユファのことも正確に追いかけてくる。
魔力を追ってきているというよりもユファの持つ悪魔の力を辿ってきているようだった。
[そのせいで苦労したわ。エステの予約はキャンセルになるし……限定バーガーを食べ損ねた。あいつら……いつかぶっ殺してやる……]
「はは……最後はちょっと翻訳できません」
「何を言いたいかは顔を見れば分かる」
すごい美人だけどさすがは悪魔との契約者といったところか。
明らかな殺気を漂わせているので翻訳できないというところと合わせて何を言っているのかほんのりと察した。
「とりあえずまだ追ってきてないようだな」
「でもすぐに来るだろうねぇ」
振り返っても悪魔教の連中は見えない。
ただユファを連れて逃げたのならどこに行くのかは簡単に見当がつく。
逃げるのにわざわざ上の階に行く必要はない。
となると下の階に向かうことは誰でも予想がつく。
下の階に行くにはエントランスを通らねばならないので逃げた方向が分からなくてもエントランスに向かってくることは確実である。
悪魔の力を探知できる人がいるなら余計に追いかけてくるだろう。
ただ極寒の九階、極暑の八階に来ても悪魔教は追いかけてこなかった。
[チッ……めんどうね]
どうしてそこまで必死に追いかけてこなかったのか。
その理由が七階で分かった。
[ここは通さないぞ。……チッ、暴食の奴ら使えねぇ。逃しやがって]
七階は空島。
各島が石の橋によって繋がっているのだが、その橋を塞ぐように悪魔教が待ち受けていた。
だから慌てて追いかけてくる必要がなかったのかとユファは盛大に舌打ちしていた。
七階における空島間の間隔は広く、とても飛び越えていけない。
波瑠のように空中を移動できるのならともかくユファを含め一般的な覚醒者は石橋を渡らねばならない。
通れるルートも限られているので石橋を塞がれてしまうと圭たちに取れる選択肢はほとんどなくなってしまう。
『キリル・ヘルナンデス
レベル201[120]
総合ランクC[E]
筋力C[E](無才)
体力B[D](一般)
速度B[D](一般)
魔力B[E](一般)
幸運D[E](一般)
スキル:怒狂化[貸与]
才能:無し』
橋を塞ぐ悪魔教の真ん中に立つ細身の男もB級覚醒者であった。
B級であるユファを相手にするためにちゃんと対抗しうる人を用意してきている。
人数も多いしC級覚醒者もいて圭たちが戦うにも厳しい雰囲気がある。
「一気に抜けるぞ!」
全員を相手して倒している暇なんてない。
どうにかして隙を作って抜けていきたいと圭は考えた。
[どうかして道を切り開くわ!]
ユファが背負っていた弓を手に取る。
矢を持っていないのにユファは弓を引いた。
するとユファの手から魔力が伸びてまるで矢のような形を成す。
ユファは物理的な矢を使わなくとも魔力による矢を作り出して撃ち出すことができる魔弓という技術の持ち主だった。
魔力のコントロールに加えて矢として飛ばしてもいいような魔力量も必要となる技術である。
薫もやろうと思えばやれるのだけどかなりの練習も必要だし強化回復とやることも多いのであまり魔力をそちらで消耗するのは現実的ではない。
[道を開けなさい!]
ユファが魔力の矢を放つ。
うっすらとした魔力の軌跡を残しながら矢はキリルに真っ直ぐ飛んでいく。
[くく……俺があんたを倒して主からより力をもらおう]
[チッ……]
キリルの目が赤く染まって、腕や顔の血管が浮き出てくる。
剣を抜きざまに矢を弾き飛ばしてキリルはニヤリと笑った。
ウィルソンが他の悪魔教の男を押し退けて壁を切りつける。
[いねぇ!]
もちろん圭たちは逃げた後なので壁の中に圭たちはいない。
[あ、あちらに続いています!]
[んなもんみれば分かる! 無駄口叩いてないでさっさと追いかけろ!]
壁の中の方を見ると圭たちが来た方向に伸びている。
そこから逃げたことなど一目瞭然である。
[仲間がいたのか……]
ユファに助けに来る仲間などいないと思っていた。
そのために周りの警戒を少し怠っていたことは否めない。
[ふん、まあいい……こちらにも仲間はいる]
ーーーーー
[あなたはケイね?]
本気で走ればユファは圭たちを置き去りにできる。
しかしそうはしないで速度を抑えて並んで走る。
「あなたが圭さんですかって言ってます」
薫が通訳してくれる。
走りながらなので体力低めな薫には若干辛そうであるが、ダンテがいる四階まではどうにか頑張ってもらうしかない。
「そうだけど……」
[やっぱりね。ダンテが送ってきた写真の人だと思ったの。ルシファーお姉様のお気に入りだって聞いているわ]
写真なんていつ撮ったんだろうと疑問に思うけど、ユファの方が顔を知っていてスムーズに事が運んだのだから気にしないことにした。
[助かったわ。隠れているのにも魔力が必要で……どうやら悪魔の力を感じ取るのがうまい覚醒者がいるみたいね]
ユファは仲間内で狩人と呼ばれていて、気配を隠すのも上手かった。
けれど相手はそんなユファのことも正確に追いかけてくる。
魔力を追ってきているというよりもユファの持つ悪魔の力を辿ってきているようだった。
[そのせいで苦労したわ。エステの予約はキャンセルになるし……限定バーガーを食べ損ねた。あいつら……いつかぶっ殺してやる……]
「はは……最後はちょっと翻訳できません」
「何を言いたいかは顔を見れば分かる」
すごい美人だけどさすがは悪魔との契約者といったところか。
明らかな殺気を漂わせているので翻訳できないというところと合わせて何を言っているのかほんのりと察した。
「とりあえずまだ追ってきてないようだな」
「でもすぐに来るだろうねぇ」
振り返っても悪魔教の連中は見えない。
ただユファを連れて逃げたのならどこに行くのかは簡単に見当がつく。
逃げるのにわざわざ上の階に行く必要はない。
となると下の階に向かうことは誰でも予想がつく。
下の階に行くにはエントランスを通らねばならないので逃げた方向が分からなくてもエントランスに向かってくることは確実である。
悪魔の力を探知できる人がいるなら余計に追いかけてくるだろう。
ただ極寒の九階、極暑の八階に来ても悪魔教は追いかけてこなかった。
[チッ……めんどうね]
どうしてそこまで必死に追いかけてこなかったのか。
その理由が七階で分かった。
[ここは通さないぞ。……チッ、暴食の奴ら使えねぇ。逃しやがって]
七階は空島。
各島が石の橋によって繋がっているのだが、その橋を塞ぐように悪魔教が待ち受けていた。
だから慌てて追いかけてくる必要がなかったのかとユファは盛大に舌打ちしていた。
七階における空島間の間隔は広く、とても飛び越えていけない。
波瑠のように空中を移動できるのならともかくユファを含め一般的な覚醒者は石橋を渡らねばならない。
通れるルートも限られているので石橋を塞がれてしまうと圭たちに取れる選択肢はほとんどなくなってしまう。
『キリル・ヘルナンデス
レベル201[120]
総合ランクC[E]
筋力C[E](無才)
体力B[D](一般)
速度B[D](一般)
魔力B[E](一般)
幸運D[E](一般)
スキル:怒狂化[貸与]
才能:無し』
橋を塞ぐ悪魔教の真ん中に立つ細身の男もB級覚醒者であった。
B級であるユファを相手にするためにちゃんと対抗しうる人を用意してきている。
人数も多いしC級覚醒者もいて圭たちが戦うにも厳しい雰囲気がある。
「一気に抜けるぞ!」
全員を相手して倒している暇なんてない。
どうにかして隙を作って抜けていきたいと圭は考えた。
[どうかして道を切り開くわ!]
ユファが背負っていた弓を手に取る。
矢を持っていないのにユファは弓を引いた。
するとユファの手から魔力が伸びてまるで矢のような形を成す。
ユファは物理的な矢を使わなくとも魔力による矢を作り出して撃ち出すことができる魔弓という技術の持ち主だった。
魔力のコントロールに加えて矢として飛ばしてもいいような魔力量も必要となる技術である。
薫もやろうと思えばやれるのだけどかなりの練習も必要だし強化回復とやることも多いのであまり魔力をそちらで消耗するのは現実的ではない。
[道を開けなさい!]
ユファが魔力の矢を放つ。
うっすらとした魔力の軌跡を残しながら矢はキリルに真っ直ぐ飛んでいく。
[くく……俺があんたを倒して主からより力をもらおう]
[チッ……]
キリルの目が赤く染まって、腕や顔の血管が浮き出てくる。
剣を抜きざまに矢を弾き飛ばしてキリルはニヤリと笑った。
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