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第八章
汚れた魔力の天女を止めて5
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「おおっ……」
カレンの盾から光が広がる。
光に包まれた瞬間体が楽になってみんなの顔に驚きが広がる。
「やっぱりか」
汚れた魔力のために作られた装備なのでこれぐらいはできてもいい。
「……ただ戦闘するには少し厳しいですね」
カレンの盾から広がった光の膜の中は黒い霧が腫れている。
そのためか効果範囲がはっきりと分かる。
場にいる全員がすっぽりと収まってもあまりあるほど光の範囲はあるけれどいざ戦おうと思った時に光の範囲は狭いと言わざるを得なかった。
カレンを中心として防衛戦を行うのなら戦えるかもしれないなどと風馬はどうにかする方法に頭を悩ませる。
「……私の魔力じゃこれが限界みたいだ」
これ以上範囲を広げようとしてもカレンじゃ広げられない。
「じゃあ風馬さんが使ってみたら?」
「なるほど」
カレンの魔力で限界ならば風馬の魔力でやってみればいい。
波瑠がさらりと出した提案に圭も納得する。
「使ってみてくれ」
「申し訳ありませんね」
カレンから風馬に盾が手渡される一瞬でも光の膜のが消えて当たりがうっすらと黒くなる。
そしてまた再び苦痛が襲いかかってくる。
「風馬?」
C級覚醒者である剣心も苦しそうな顔をしている。
風馬が盾を持ったのに光が広がらないことに不思議そうに視線を向ける。
「……何の反応もありません」
風馬は眉をひそめて渋い顔をしている。
いくら魔力を込めても盾はうんともすんともいわない。
まるでただの盾のように何の反応も見せないのである。
「なぜだ?」
「何かあるんでしょうか……?」
『イスギスの盾
エスギスの妹であるイスギスによって作られた大型の盾。
□□□□□□で起きた神魔大戦の時にエスギスが使用していた。
使用者に守護の力を与え魔を払うがエスギスがイスギスの裏切りにあって盾の力も封印されてしまった。
イスギスが裏切ったのは子供のためであり、いつかこの盾がイスギスを裏切らせた者への復讐になればと加護を込めていた。
封印が解かれて本来の力を発揮できるようになった。
使用者に守護の聖なる力を与えて体を保護してくれる。
神が作りし武器であり品質は非常に高く魔力の流れや魔法の発動を補助してくれる。
イスギスの加護によりスキルの力を強化してくれる。
魔力適応率が高く使用時に体力と筋力と魔力に補正を得られる。
イスギスの盾は現在八重樫カレンに帰属しています。
適性魔力等級:A
必要魔力等級:D』
「あっ……」
なぜだろうと圭も真実の目を使ってみてみた。
するとまた知らない文言が増えていた。
「何かあるのか?」
「この盾はカレンに帰属しているようです」
帰属というものが何なのか圭にはよくわからない。
ただこの状況に影響を及ぼしていそうだと思った。
「帰属型の魔道具だったんですか」
「帰属型……とは?」
「まずは八重樫さんに盾を返そう。このままでは私らが辛い」
「そうですね」
風馬が盾をカレンに返し、カレンが盾に魔力を込めると再び光の膜が広がって楽になる。
「ふぅ……なかなか辛いね」
時間が経つに連れて段々と苦痛も大きくなって体の中を侵食していくような感じがある。
死の気配という状態異常よりもキツイものだと波瑠はため息をついた。
「帰属型とは……いや、意外でもないか」
「帰属型ってなんですか?」
「文字通り所有者に帰属してしまう魔道具のことだ。強力な魔道具に時折見られるもので、一度帰属してしまうと帰属した所有者しか魔道具を使うことができないのだ」
強力な力や効果を持つ魔道具の中には所有者に帰属するものがある。
最初に使い始めた人や魔道具が主を決めるのだなど帰属の仕方にも色々な種類があるものの一度帰属してしまうと帰属した主を変えることは容易ではない。
帰属した魔道具は帰属先の所有者しか扱うことができなくなるのである。
今回イスギスの盾はカレンに帰属した。
そのために風馬が魔力を込めても何の反応を見せなかったのである。
「じゃあカレンしかこの盾を使えないってことですか?」
「そうなるな」
「ではどうしましょうか?」
「……僕が倒しましょう」
「えっ?」
みんなが頭を悩ませているとエスギスの方を見ていた風馬が口を開いた。
「僕と右近でボスを倒しましょう」
今のところ影響を受けているのはC級以下の覚醒者になる。
A級覚醒者の風馬とB級覚醒者の右近は影響を受けていない。
「みなさんで周りのモンスターを引きつけて、その間に俺と右近で戦います。最大でもB級ゲート相当のボスなら二人でも倒せると思います」
クワインデカルトが減っていくと黒い霧が発生した。
このままクワインデカルトが減るとより霧が濃くなって風馬たちも無事では済まなくなるかもしれない。
見るとだいぶクワインデカルトの数が減ってきている。
圭たちがカレンの盾の効果の範囲内で戦ってクワインデカルトを引きつけつつ、その間にカレンの盾の効果外でも戦える風馬と右近でエスギスを倒そうというのだ。
「悪くない策だな。それに一つ試してみよう」
「何をなさるのですか?」
「こうしてみるのだ」
剣心はスキル道具の王を発動させた。
「おっ!」
すると光の膜の範囲が大きく広がった。
剣心のスキルである道具の王は魔道具の力をより高めてくれる。
剣心のスキルによってカレンの盾の力が引き出されて効果範囲が大きくなったのである。
カレンの盾から光が広がる。
光に包まれた瞬間体が楽になってみんなの顔に驚きが広がる。
「やっぱりか」
汚れた魔力のために作られた装備なのでこれぐらいはできてもいい。
「……ただ戦闘するには少し厳しいですね」
カレンの盾から広がった光の膜の中は黒い霧が腫れている。
そのためか効果範囲がはっきりと分かる。
場にいる全員がすっぽりと収まってもあまりあるほど光の範囲はあるけれどいざ戦おうと思った時に光の範囲は狭いと言わざるを得なかった。
カレンを中心として防衛戦を行うのなら戦えるかもしれないなどと風馬はどうにかする方法に頭を悩ませる。
「……私の魔力じゃこれが限界みたいだ」
これ以上範囲を広げようとしてもカレンじゃ広げられない。
「じゃあ風馬さんが使ってみたら?」
「なるほど」
カレンの魔力で限界ならば風馬の魔力でやってみればいい。
波瑠がさらりと出した提案に圭も納得する。
「使ってみてくれ」
「申し訳ありませんね」
カレンから風馬に盾が手渡される一瞬でも光の膜のが消えて当たりがうっすらと黒くなる。
そしてまた再び苦痛が襲いかかってくる。
「風馬?」
C級覚醒者である剣心も苦しそうな顔をしている。
風馬が盾を持ったのに光が広がらないことに不思議そうに視線を向ける。
「……何の反応もありません」
風馬は眉をひそめて渋い顔をしている。
いくら魔力を込めても盾はうんともすんともいわない。
まるでただの盾のように何の反応も見せないのである。
「なぜだ?」
「何かあるんでしょうか……?」
『イスギスの盾
エスギスの妹であるイスギスによって作られた大型の盾。
□□□□□□で起きた神魔大戦の時にエスギスが使用していた。
使用者に守護の力を与え魔を払うがエスギスがイスギスの裏切りにあって盾の力も封印されてしまった。
イスギスが裏切ったのは子供のためであり、いつかこの盾がイスギスを裏切らせた者への復讐になればと加護を込めていた。
封印が解かれて本来の力を発揮できるようになった。
使用者に守護の聖なる力を与えて体を保護してくれる。
神が作りし武器であり品質は非常に高く魔力の流れや魔法の発動を補助してくれる。
イスギスの加護によりスキルの力を強化してくれる。
魔力適応率が高く使用時に体力と筋力と魔力に補正を得られる。
イスギスの盾は現在八重樫カレンに帰属しています。
適性魔力等級:A
必要魔力等級:D』
「あっ……」
なぜだろうと圭も真実の目を使ってみてみた。
するとまた知らない文言が増えていた。
「何かあるのか?」
「この盾はカレンに帰属しているようです」
帰属というものが何なのか圭にはよくわからない。
ただこの状況に影響を及ぼしていそうだと思った。
「帰属型の魔道具だったんですか」
「帰属型……とは?」
「まずは八重樫さんに盾を返そう。このままでは私らが辛い」
「そうですね」
風馬が盾をカレンに返し、カレンが盾に魔力を込めると再び光の膜が広がって楽になる。
「ふぅ……なかなか辛いね」
時間が経つに連れて段々と苦痛も大きくなって体の中を侵食していくような感じがある。
死の気配という状態異常よりもキツイものだと波瑠はため息をついた。
「帰属型とは……いや、意外でもないか」
「帰属型ってなんですか?」
「文字通り所有者に帰属してしまう魔道具のことだ。強力な魔道具に時折見られるもので、一度帰属してしまうと帰属した所有者しか魔道具を使うことができないのだ」
強力な力や効果を持つ魔道具の中には所有者に帰属するものがある。
最初に使い始めた人や魔道具が主を決めるのだなど帰属の仕方にも色々な種類があるものの一度帰属してしまうと帰属した主を変えることは容易ではない。
帰属した魔道具は帰属先の所有者しか扱うことができなくなるのである。
今回イスギスの盾はカレンに帰属した。
そのために風馬が魔力を込めても何の反応を見せなかったのである。
「じゃあカレンしかこの盾を使えないってことですか?」
「そうなるな」
「ではどうしましょうか?」
「……僕が倒しましょう」
「えっ?」
みんなが頭を悩ませているとエスギスの方を見ていた風馬が口を開いた。
「僕と右近でボスを倒しましょう」
今のところ影響を受けているのはC級以下の覚醒者になる。
A級覚醒者の風馬とB級覚醒者の右近は影響を受けていない。
「みなさんで周りのモンスターを引きつけて、その間に俺と右近で戦います。最大でもB級ゲート相当のボスなら二人でも倒せると思います」
クワインデカルトが減っていくと黒い霧が発生した。
このままクワインデカルトが減るとより霧が濃くなって風馬たちも無事では済まなくなるかもしれない。
見るとだいぶクワインデカルトの数が減ってきている。
圭たちがカレンの盾の効果の範囲内で戦ってクワインデカルトを引きつけつつ、その間にカレンの盾の効果外でも戦える風馬と右近でエスギスを倒そうというのだ。
「悪くない策だな。それに一つ試してみよう」
「何をなさるのですか?」
「こうしてみるのだ」
剣心はスキル道具の王を発動させた。
「おっ!」
すると光の膜の範囲が大きく広がった。
剣心のスキルである道具の王は魔道具の力をより高めてくれる。
剣心のスキルによってカレンの盾の力が引き出されて効果範囲が大きくなったのである。
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