人の才能が見えるようになりました。~いい才能は幸運な俺が育てる~

犬型大

文字の大きさ
421 / 515
第八章

暴食の悪魔の悪魔的所業

しおりを挟む
「何か問題でもあったのか?」

 後日青龍ギルドからアーティファクトのリストが届いた。
 青龍ギルドは色々なものを保有しているようでリストにあるアーティファクトも数が多い。

 良いものからそうでもないものまでピンキリで確認していくだけでも楽じゃない。
 そんな時にダンテから連絡があった。

 変装で化けられそうな相手を見つけたというのだけど、どうにもトーンが暗かった。
 直接会って話したいというので再び夜滝の家に集合した。

 リストをチェックするために波瑠やカレン、薫も集まっていたのでちょうどよかった。

「ケイ、お前たちの力を借りたい」

「何があったんだ?」

 ダンテはいつになく真剣な顔をしている。
 普段は軽い態度のユファもダンテの放つ重たい空気に静かにしている。

「俺は暴食の悪魔の契約者を中心に少し話を聞いてVIPで招待されるやつを探した。その過程でとんでもないことが分かった」

「とんでもないこと……?」

 ダンテが言うとより重みを感じる。
 大概のことは何でもないと言い放ってしまいそうなダンテがとんでもないと感じるなんてどんなことだろうか。

「奴ら人間を喰ってる」

「………………はっ?」

 サラッと言い放った言葉であったが、あまりの内容に圭は理解できなかった。
 圭だけでなく夜滝たち、ユファも同じだった。

「暴食の悪魔ベルゼブブの使徒アザード・ロドリゲスは船上のパーティーの裏で人間を食べているのだ」

 ダンテは圭が理解できるようにゆっくりと噛み砕いて同じ内容を告げた。

「に、人間を!?」

「食べるってあの?」

「イート……ッテコトヨネ?」

「そうだ。パーティーで料理を食べる裏でアザードは人間をも食らっているのだ」

「そんなことって……」

 あまりの内容にみんな驚きを隠せない。
 人を食べるだなんて確かにとんでもない行いである。

「俺はルシファーの契約者だが人の心まで捨てたつもりはない。人を喰らうなど傲慢な行いは許せない」

 正義感を語るつもりはないが人に劣る畜生のような行為には虫唾が走る。

「何を手伝ってほしいんだ?」

 アザードが人を食うやばいやつなことは分かった。
 しかしダンテがアザードを倒すのなら結果的にそうした人たちは助け出されるのではないかと圭は思った。

 ならば圭たちが何か手伝うこともないだろう。

「話によると今回日本に来る時も人を喰らうらしい。人をさらって食べるらしく当日船に運び込まれるようだ。俺がアザードを倒すのはいいが……その間に犠牲になる者が出ても助けられない。あるいは口封じをされてしまうかもしれない」

「……つまり俺たちに食べられる人たちを助けろっていうのか?」

「その通りだ。いかに俺が強くとも身は一つしかない。出来ることには限界があるんだ」

「ユファも忍び込ませる。手伝ってくれ。過ぎたる傲慢を見過ごすわけにはいかない」

[私の名前出た?]

 会話が早過ぎてユファはついていけていない。

「どうするみんな?」

 想像以上に重たい話である。
 人として見過ごすことのできない話であるけれど、人を喰らうなんてヤバい連中と関わってリスクがないわけがない。

 潜入してさらわれた人を探すのはかなり危険が大きそうである。

「んなの見過ごせねぇよ!」

「とんでもない話だから止めなきゃいけないと思う」

「証拠もなきゃ警察も動けないだろうしねぇ」

「人を食べるなんて……ひどいです」

「……そうだよな」

 みんなは非道な行いに怒っている。
 何となく分かってはいたけれどここで怖気付いて見て見ぬ振りする仲間たちではない。

「分かった。どうにか協力できないか考えてみるよ」

「ありがとう、ケイ。君には恩ばかり増えていくな」

「いつか返してくれ」

「ルシファー様の名にかけて返すと誓おう」

 料理人として船に行くかどうか悩んでいた。
 少なくともそこについては行くということで決まりそうだと圭は思った。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~

尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。 だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。 全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。 勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。 そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。 エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。 これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。 …その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。 妹とは血の繋がりであろうか? 妹とは魂の繋がりである。 兄とは何か? 妹を護る存在である。 かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!

おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。 ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。 過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。 ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。 世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。 やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。 至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!

天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~

仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。

焔の幽閉者!自由を求めて最強への道を歩む!!

雷覇
ファンタジー
とある出来事で自身も所属する焔木一族から幽閉された男「焔木海人」。 その幽閉生活も一人の少女の来訪により終わりを迎える。 主人公は一族に自身の力を認めさせるため最強の力を求め続ける。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

処理中です...