481 / 515
第十章
シャリンパンチ!2
しおりを挟む
「なんか……おもちゃみたいだな」
振り回すコブの威力は高そうだけど幹をねじりながら攻撃する様はちょっと面白いとカレンは思った。
「木材にはなるようですが重たい上にあまり高く買い取ってもらえるモンスターではないので魔石だけ回収してしまうのがいいかもしれません」
「じゃあそうしようか」
今現在お金には困っていない。
労力に見合わないのならモンスターを回収することなくゲートの攻略を効率的に行った方がいい。
「ゲートの中は森林……少しハンマーブローツリーは見つけにくいですか特徴的なコブがあるのでよく見れば分かるでしょう。お昼は用意しておきます」
「分かりました。ありがとうございます」
圭たちはゲートの中に入る。
ゲートの中はやや明るめの森だった。
背の高い木が生えていて空は青空が広がっている。
穏やかで戦いやすい環境である。
「まずはハンマーブローツリーを探そうか」
ゲート近くにモンスターは出てこない。
見回した感じでもハンマーブローツリーっぽそうな木は見えない。
入ってきたゲートから真っ直ぐ森の中を進んでいく。
「あっ、アレじゃない?」
波瑠が少し先に見える木を指差した。
周りの木よりもやや低めの木がそこに生えている。
「はぁ~分かりやすいな」
普通の木にも見えないこともないのだけどよく見ると枝の先端が大きく膨らんでいる。
ハンマーブローツリーは先端の膨らんだコブのところで攻撃を仕掛けてくるモンスターであった。
「とりあえずシャリンは待機!」
「にぇ!? ブゥ……」
心配はしていないが念のためにハンマーブローツリーがどんなものなのか直接確かめておく必要がある。
シャリンには後ろで見ていてもらうことにして圭はいつものメンバーでハンマーブローツリーと戦ってみることにした。
盾を構えたカレンを先頭にハンマーブローツリーに近づく。
「動いてんな」
「風じゃなさそうだねぇ」
ハンマーブローツリーに近づくと枝葉がサワサワと動き出す。
一応そよそよと風は吹いているので風の可能性もあるが近づくほどに動きが大きくなる。
顔のようなものはないのでどこが正面とかないのだろうが圭たちのことを認識しているのは間違いなかった。
「来るぞ!」
一本の枝が大きく動いた。
グッとコブを後ろに引いて力を溜め、カレンに向かって横振りで繰り出した。
「フッ!」
息を吐き出しながらカレンがコブを盾で受け止める。
体を突き抜けるような衝撃があるけれどカレンは一歩も引かずにコブを受け止め切った。
「はっ!」
カレンの後ろから波瑠が飛び出して枝を切り付ける。
神をも切ったナイフはハンマーブローツリーの枝をスパッと切り裂いてコブが地面に落ちる。
次のコブが波瑠に振り下ろされたけれどもうすでに波瑠はそこにいなかった。
「これはどうだい?」
夜滝が魔法を放つ。
植物系に有効な炎が渦巻くようにしてハンマーブローツリーに襲いかかる。
「ただの木じゃないようだねぇ」
ハンマーブローツリーはコブの生えていない枝を数本ぐるぐるとまとめるようにして夜滝の炎を受けた。
火がついて燃えた部分を切り捨てて延焼を防ぐあたり木ながら知恵を感じさせる。
「圭さん!」
薫が圭を強化する。
「こっちこい!」
前に出た圭に向けられそうになったコブをカレンが引きつける。
魔力による挑発は有効でコブの軌道がカレンに向かう。
「ピッピッ!」
カレンに差し向けられた枝をフィーネが大鎌で切り落とす。
「くらえ!」
幹近くまで踏み込んだ圭はハンマーブローツリーを切り付ける。
やや硬さを感じたものの薫の強化も得てしっかりと魔力が込められた圭の剣はハンマーブローツリーの幹を切り裂いた。
「どうだ?」
ハンマーブローツリーが地面に倒れ、圭は大きく飛び退いて様子を窺う。
「まだ生きてるのか?」
「わかんねぇな」
ハンマーブローツリーは枝をグネグネと動かしている。
動いている以上まだ生きているのだろうが、コブを圭たちの方に向ける様子はない。
「死にかけて悶えているだけなんですかね?」
試しに盾を構えたカレンが近づくけれどカレンに攻撃は飛んでこない。
生命力の強いモンスターが生存できないほどの攻撃を受けても体だけ少しの間動いていることはあり得る話だ。
「動きが弱くなってきたな」
油断しないようにハンマーブローツリーの様子を見ていると段々と枝の動きが鈍くなってきた。
そしてそのまま枝がパタリと地面に落ちるとハンマーブローツリーは動かなくなった。
「おりゃ!」
さらに念のためとカレンがメイスでハンマーブローツリーを殴りつける。
「完全に死んだようだねぇ」
殴りつけても何の反応もない。
ようやくハンマーブローツリーは死んだようである。
「結構足掻くもんだな」
「ちょっと気持ち悪かったね」
ウネウネと枝を動かしている様は木というより軟体生物みたいだった。
「こんな感じでみんなで連携取りながら戦うんだ。分かった?」
圭はシャリンに目を向ける。
シャリンは圭の言いつけ通りに手を出さずに戦いの様子を見ていた。
シャリン単体でも強そうであるが連携をとって戦うことができればより効率的に敵を倒すことができる。
みんなの能力も上がって今回の連携はかなり完璧なものだったと圭は思った。
振り回すコブの威力は高そうだけど幹をねじりながら攻撃する様はちょっと面白いとカレンは思った。
「木材にはなるようですが重たい上にあまり高く買い取ってもらえるモンスターではないので魔石だけ回収してしまうのがいいかもしれません」
「じゃあそうしようか」
今現在お金には困っていない。
労力に見合わないのならモンスターを回収することなくゲートの攻略を効率的に行った方がいい。
「ゲートの中は森林……少しハンマーブローツリーは見つけにくいですか特徴的なコブがあるのでよく見れば分かるでしょう。お昼は用意しておきます」
「分かりました。ありがとうございます」
圭たちはゲートの中に入る。
ゲートの中はやや明るめの森だった。
背の高い木が生えていて空は青空が広がっている。
穏やかで戦いやすい環境である。
「まずはハンマーブローツリーを探そうか」
ゲート近くにモンスターは出てこない。
見回した感じでもハンマーブローツリーっぽそうな木は見えない。
入ってきたゲートから真っ直ぐ森の中を進んでいく。
「あっ、アレじゃない?」
波瑠が少し先に見える木を指差した。
周りの木よりもやや低めの木がそこに生えている。
「はぁ~分かりやすいな」
普通の木にも見えないこともないのだけどよく見ると枝の先端が大きく膨らんでいる。
ハンマーブローツリーは先端の膨らんだコブのところで攻撃を仕掛けてくるモンスターであった。
「とりあえずシャリンは待機!」
「にぇ!? ブゥ……」
心配はしていないが念のためにハンマーブローツリーがどんなものなのか直接確かめておく必要がある。
シャリンには後ろで見ていてもらうことにして圭はいつものメンバーでハンマーブローツリーと戦ってみることにした。
盾を構えたカレンを先頭にハンマーブローツリーに近づく。
「動いてんな」
「風じゃなさそうだねぇ」
ハンマーブローツリーに近づくと枝葉がサワサワと動き出す。
一応そよそよと風は吹いているので風の可能性もあるが近づくほどに動きが大きくなる。
顔のようなものはないのでどこが正面とかないのだろうが圭たちのことを認識しているのは間違いなかった。
「来るぞ!」
一本の枝が大きく動いた。
グッとコブを後ろに引いて力を溜め、カレンに向かって横振りで繰り出した。
「フッ!」
息を吐き出しながらカレンがコブを盾で受け止める。
体を突き抜けるような衝撃があるけれどカレンは一歩も引かずにコブを受け止め切った。
「はっ!」
カレンの後ろから波瑠が飛び出して枝を切り付ける。
神をも切ったナイフはハンマーブローツリーの枝をスパッと切り裂いてコブが地面に落ちる。
次のコブが波瑠に振り下ろされたけれどもうすでに波瑠はそこにいなかった。
「これはどうだい?」
夜滝が魔法を放つ。
植物系に有効な炎が渦巻くようにしてハンマーブローツリーに襲いかかる。
「ただの木じゃないようだねぇ」
ハンマーブローツリーはコブの生えていない枝を数本ぐるぐるとまとめるようにして夜滝の炎を受けた。
火がついて燃えた部分を切り捨てて延焼を防ぐあたり木ながら知恵を感じさせる。
「圭さん!」
薫が圭を強化する。
「こっちこい!」
前に出た圭に向けられそうになったコブをカレンが引きつける。
魔力による挑発は有効でコブの軌道がカレンに向かう。
「ピッピッ!」
カレンに差し向けられた枝をフィーネが大鎌で切り落とす。
「くらえ!」
幹近くまで踏み込んだ圭はハンマーブローツリーを切り付ける。
やや硬さを感じたものの薫の強化も得てしっかりと魔力が込められた圭の剣はハンマーブローツリーの幹を切り裂いた。
「どうだ?」
ハンマーブローツリーが地面に倒れ、圭は大きく飛び退いて様子を窺う。
「まだ生きてるのか?」
「わかんねぇな」
ハンマーブローツリーは枝をグネグネと動かしている。
動いている以上まだ生きているのだろうが、コブを圭たちの方に向ける様子はない。
「死にかけて悶えているだけなんですかね?」
試しに盾を構えたカレンが近づくけれどカレンに攻撃は飛んでこない。
生命力の強いモンスターが生存できないほどの攻撃を受けても体だけ少しの間動いていることはあり得る話だ。
「動きが弱くなってきたな」
油断しないようにハンマーブローツリーの様子を見ていると段々と枝の動きが鈍くなってきた。
そしてそのまま枝がパタリと地面に落ちるとハンマーブローツリーは動かなくなった。
「おりゃ!」
さらに念のためとカレンがメイスでハンマーブローツリーを殴りつける。
「完全に死んだようだねぇ」
殴りつけても何の反応もない。
ようやくハンマーブローツリーは死んだようである。
「結構足掻くもんだな」
「ちょっと気持ち悪かったね」
ウネウネと枝を動かしている様は木というより軟体生物みたいだった。
「こんな感じでみんなで連携取りながら戦うんだ。分かった?」
圭はシャリンに目を向ける。
シャリンは圭の言いつけ通りに手を出さずに戦いの様子を見ていた。
シャリン単体でも強そうであるが連携をとって戦うことができればより効率的に敵を倒すことができる。
みんなの能力も上がって今回の連携はかなり完璧なものだったと圭は思った。
24
あなたにおすすめの小説
シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~
尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。
だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。
全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。
勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。
そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。
エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。
これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。
…その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。
妹とは血の繋がりであろうか?
妹とは魂の繋がりである。
兄とは何か?
妹を護る存在である。
かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
現実世界にダンジョンが出現したのでフライングして最強に!
おとうふ
ファンタジー
2026年、突如として世界中にダンジョンが出現した。
ダンジョン内は無尽蔵にモンスターが湧き出し、それを倒すことでレベルが上がり、ステータスが上昇するという不思議空間だった。
過去の些細な事件のトラウマを克服できないまま、不登校の引きこもりになっていた中学2年生の橘冬夜は、好奇心から自宅近くに出現したダンジョンに真っ先に足を踏み入れた。
ダンジョンとは何なのか。なぜ出現したのか。その先に何があるのか。
世界が大混乱に陥る中、何もわからないままに、冬夜はこっそりとダンジョン探索にのめり込んでいく。
やがて来る厄災の日、そんな冬夜の好奇心が多くの人の命を救うことになるのだが、それはまだ誰も知らぬことだった。
至らぬところも多いと思いますが、よろしくお願いします!
天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~
仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。
焔の幽閉者!自由を求めて最強への道を歩む!!
雷覇
ファンタジー
とある出来事で自身も所属する焔木一族から幽閉された男「焔木海人」。
その幽閉生活も一人の少女の来訪により終わりを迎える。
主人公は一族に自身の力を認めさせるため最強の力を求め続ける。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる