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第二章
ゴブリンは古代遺跡を探索します1
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改めて思う。
魔道具の効果は凄いと。
アラクネから盗まれた杖はおそらく魔法の補助が効果としてのメインであった。
自己治癒能力を高めたり、身体能力を強化してくれるのはメインの効果ではないはずで効果そのものもそれほど高くないはずである。
にも関わらず猿たちの回復力を高めて再び戦うことを可能にし、ボス猿が一時的に蛇と対等に渡り合うまでに能力を補助してくれた。
ドゥゼアが持ったところでその効果の実感は薄いだろうけどゴブリンとして戦おうと思ったら少しでも力を高めてくれるものがあった方がいい。
魔道具というと人の物という印象も強かったけれど魔物が持ってもいいものなのだと再認識した。
アラクネと猿とのことで人から盗むということも考えてもいいかもしれないとも思った。
ただ今は人に近づくのが怖い。
ゴブリンで弱いからということもあるが謎のジジイに追いかけ回されたりゴブリンが狙われていると聞くと人に近づかないのがいい。
旅を続けてもっとこの地域から離れた時には多少悪い手を考えるのもいいかもしれない。
「古代遺跡?」
「そうである」
ゴブリンたちを他の群れに押しつけたしダンジョンでも探しに行こうかと思っていた。
クモにダンジョンや魔道具でもありそうな場所はないかと聞いたところ古代遺跡という答えが返ってきた。
ちなみにこのクモはしばらく一緒にいる個体で、他の寡黙なクモたちに比べて比較的よく喋るのだ。
どうやらアラクネの計らいでドゥゼアたちを担当するクモになったらしい。
どっか行ってることもあってそうした時には別のクモがいるけどいつの間にかまた戻ってきたりしていた。
「人里離れたところに古い遺跡があるのである。
時々人間も来るのであるが大体入ったきり出てこないである」
ついでに強い冒険者の死体でもないかなんて軽い気持ちで聞いてみたけど中々面白そうな答えである。
この世界には不思議な場所がたくさんある。
長い歴史の中で色々な文明や国などが興ったり滅んだりした。
人同士の戦いだけでなく魔物との戦いも頻繁に起こるのでどんな文明が興って、どのように滅んでいったのか正確な記録もない。
さらに中にはダンジョンが放置されすぎて世界と融合した、なんて場所まであると言われている。
今回はいつからあるかも分からないが古くからある遺跡があるらしい。
こうした場所には長いこと放置された魔道具や大切に隠されたり保管されている魔道具があることもある。
一方で人工的な遺跡には侵入者を撃退するための罠やガーディアンがいることもあってダンジョンとはまた違った危険がある。
内容の違いはあれどダンジョンだろうが遺跡だろうがどの道危険なことには変わりがない。
「んじゃそこに行ってみるか」
危なければ逃げる。
冒険者が戻ってこないというのは気になるけど上手くいけばそうした冒険者のアイテムも手に入れられるかもしれない。
リスクを冒さずに何かを手に入れられることなどないのだから行くだけ行ってみる。
「お前らもそれでいいか?」
「ドゥゼアについていく」
「古代遺跡ってなんだかワクワクする響きだね!」
レビスとユリディカも反対意見はなさそうなのでそのまま古代遺跡とやらに向かうことにした。
ーーーーー
一見するとただの草原のように見える。
しかしよくみるとそこらに落ちている岩は自然物ではなく人工的に切り出された石が崩れたようなものである。
家の壁とか柱だったのか、はたまたもっと別のものなのか。
はるか昔にはこの辺りには町でもあったのかもしれない。
だが今は一面草に覆われていて文明の跡も見られない。
どんな生活がここにあったのだろうかと暇なので思いを巡らそうにもそのヒントが少なすぎた。
「柱か……」
なんだか木っぽくないものがあるように感じてその緑の表面を手でこすってみた。
するとついていた草のようなものが取れて中が見えた。
白い石で作られた柱であった。
人口的に作られたもののようでようやく文明の痕跡が残っているのが見つかった。
「ここである」
「おお……これは、雰囲気あるな」
他の柱はツタやコケに覆われていてよく見ないと見逃してしまうぐらいだった。
しかしクモに案内された先にあったのはまだそれなりに綺麗な柱だった。
真白な石で作られた柱が4本。
四角を描くように立っているのが見えた。
さらに近づくとどうしてそんな風に柱が立っているのか分かった。
地面に階段がある。
その階段を囲むように柱が立っているのだ。
元々何かの建物の一部であったのかもしれない。
「何か……分かるものもないか」
早速突入!
といきたいところであるが不用心に入っていくわけがない。
まずは何があってもいいように体力を回復させておく。
持ってきた蛇肉の干し肉を食べて階段の周辺を捜索する。
この階段がなんなのかヒントになるようなものでもあればと思った。
古い文明だと石に文字を刻んだものがあったりもするので読むことができればどんな遺跡なのか分かる可能性も低いながらあるのだ。
だけどこんなに周りになんもなさそうなところでは何も見つけられなかった。
魔道具の効果は凄いと。
アラクネから盗まれた杖はおそらく魔法の補助が効果としてのメインであった。
自己治癒能力を高めたり、身体能力を強化してくれるのはメインの効果ではないはずで効果そのものもそれほど高くないはずである。
にも関わらず猿たちの回復力を高めて再び戦うことを可能にし、ボス猿が一時的に蛇と対等に渡り合うまでに能力を補助してくれた。
ドゥゼアが持ったところでその効果の実感は薄いだろうけどゴブリンとして戦おうと思ったら少しでも力を高めてくれるものがあった方がいい。
魔道具というと人の物という印象も強かったけれど魔物が持ってもいいものなのだと再認識した。
アラクネと猿とのことで人から盗むということも考えてもいいかもしれないとも思った。
ただ今は人に近づくのが怖い。
ゴブリンで弱いからということもあるが謎のジジイに追いかけ回されたりゴブリンが狙われていると聞くと人に近づかないのがいい。
旅を続けてもっとこの地域から離れた時には多少悪い手を考えるのもいいかもしれない。
「古代遺跡?」
「そうである」
ゴブリンたちを他の群れに押しつけたしダンジョンでも探しに行こうかと思っていた。
クモにダンジョンや魔道具でもありそうな場所はないかと聞いたところ古代遺跡という答えが返ってきた。
ちなみにこのクモはしばらく一緒にいる個体で、他の寡黙なクモたちに比べて比較的よく喋るのだ。
どうやらアラクネの計らいでドゥゼアたちを担当するクモになったらしい。
どっか行ってることもあってそうした時には別のクモがいるけどいつの間にかまた戻ってきたりしていた。
「人里離れたところに古い遺跡があるのである。
時々人間も来るのであるが大体入ったきり出てこないである」
ついでに強い冒険者の死体でもないかなんて軽い気持ちで聞いてみたけど中々面白そうな答えである。
この世界には不思議な場所がたくさんある。
長い歴史の中で色々な文明や国などが興ったり滅んだりした。
人同士の戦いだけでなく魔物との戦いも頻繁に起こるのでどんな文明が興って、どのように滅んでいったのか正確な記録もない。
さらに中にはダンジョンが放置されすぎて世界と融合した、なんて場所まであると言われている。
今回はいつからあるかも分からないが古くからある遺跡があるらしい。
こうした場所には長いこと放置された魔道具や大切に隠されたり保管されている魔道具があることもある。
一方で人工的な遺跡には侵入者を撃退するための罠やガーディアンがいることもあってダンジョンとはまた違った危険がある。
内容の違いはあれどダンジョンだろうが遺跡だろうがどの道危険なことには変わりがない。
「んじゃそこに行ってみるか」
危なければ逃げる。
冒険者が戻ってこないというのは気になるけど上手くいけばそうした冒険者のアイテムも手に入れられるかもしれない。
リスクを冒さずに何かを手に入れられることなどないのだから行くだけ行ってみる。
「お前らもそれでいいか?」
「ドゥゼアについていく」
「古代遺跡ってなんだかワクワクする響きだね!」
レビスとユリディカも反対意見はなさそうなのでそのまま古代遺跡とやらに向かうことにした。
ーーーーー
一見するとただの草原のように見える。
しかしよくみるとそこらに落ちている岩は自然物ではなく人工的に切り出された石が崩れたようなものである。
家の壁とか柱だったのか、はたまたもっと別のものなのか。
はるか昔にはこの辺りには町でもあったのかもしれない。
だが今は一面草に覆われていて文明の跡も見られない。
どんな生活がここにあったのだろうかと暇なので思いを巡らそうにもそのヒントが少なすぎた。
「柱か……」
なんだか木っぽくないものがあるように感じてその緑の表面を手でこすってみた。
するとついていた草のようなものが取れて中が見えた。
白い石で作られた柱であった。
人口的に作られたもののようでようやく文明の痕跡が残っているのが見つかった。
「ここである」
「おお……これは、雰囲気あるな」
他の柱はツタやコケに覆われていてよく見ないと見逃してしまうぐらいだった。
しかしクモに案内された先にあったのはまだそれなりに綺麗な柱だった。
真白な石で作られた柱が4本。
四角を描くように立っているのが見えた。
さらに近づくとどうしてそんな風に柱が立っているのか分かった。
地面に階段がある。
その階段を囲むように柱が立っているのだ。
元々何かの建物の一部であったのかもしれない。
「何か……分かるものもないか」
早速突入!
といきたいところであるが不用心に入っていくわけがない。
まずは何があってもいいように体力を回復させておく。
持ってきた蛇肉の干し肉を食べて階段の周辺を捜索する。
この階段がなんなのかヒントになるようなものでもあればと思った。
古い文明だと石に文字を刻んだものがあったりもするので読むことができればどんな遺跡なのか分かる可能性も低いながらあるのだ。
だけどこんなに周りになんもなさそうなところでは何も見つけられなかった。
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