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第四章
悪夢消ゆる日3
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「お前が起こすはずの悪夢……ここで止めてやるよ。ヒカリ、行くぞ」
「やるのだ!」
グッと足に力を溜め、完全に背を向けた瞬間を狙って一気に穴から飛び出した。
「‘なっ……’」
「ほりょー!」
しかしジョンも決してレベルが低い覚醒者ではない。
トモナリがジョンに到達するより一瞬早く違和感に気がついた。
何かが来ると気づいたジョンは体をねじった。
首を狙ったトモナリだったが、ジョンが動いて狙いがそれた。
「浅かったか……!」
「‘ああああああっ! 腕がぁ!’」
それぞれ中途半端な結果になった。
一撃で倒すつもりだったが倒せなかった。
けれどもジョンも攻撃を完全にかわすことができず、トモナリに左腕を切り落とされ、ヒカリに脇腹を爪でざっくりと斬られた。
「だけど今なら……」
腕をなくしてジョンは怯んでいる。
今ならとどめをさせるとトモナリは再びジョンに迫る。
「トモナリィ!」
「うっ!」
後少しでジョンに攻撃が届く。
そんな時に横から拳が飛んできた。
腕をたたむようにしてガードしたトモナリが見たのは、アメリカの覚醒者たちと戦っていたはずのワンであった。
「‘ワン、そいつを殺せ!’」
殴られた勢いでトモナリが壁にぶち当たる。
壁が砕けて飛び出した先は外だった。
「ヒカリ、来るな!」
殴りつけられた腕が痺れる。
今どれぐらいの高さにいて、落ちるまでにどれぐらいの猶予があるのか。
そんなことを考える暇もない。
トモナリと一緒に飛び出してきたワンは落下する空中なことも構わずトモナリを殴りつける。
「‘腕の分、ぶっ殺して……’」
「どりゃああああっ!」
「‘なん、この!’」
トモナリに腕を斬り落とされた。
ジョンの怒りはトモナリに向いていた。
だから忘れていたのだ。
トモナリの思いを継いで虎視眈々とジョンを狙っている存在を。
倒すべきはワンではなくジョン。
とっさにヒカリに来るなと叫んだがジョンは日本語も分からない。
気配を消していたヒカリはジョンに体当たりした。
トモナリとワンが飛び出した壁の穴から様子を見下ろしていたジョンは、後ろからの衝撃に穴の外に押し出される。
「わははははー!」
「‘このクソ野郎ー!’」
「トモナリ、今行くのだ!」
かなり降りてきたと思っていたが、まだまだビルの高い位置であった。
この高さから落ちたら助からないだろう。
ヒカリは空中でワンと揉み合いになっているトモナリに向かう。
「こいつ!」
翼を広げて飛行体勢をとりたいのにワンがそうさせてくれない。
このままじゃ共倒れになってしまう。
空中で上手く力が入らないのか攻撃そのもののダメージは大きくないが、それでもワンの力の方が強くてトモナリも苦戦している。
「トモナリー!」
「ヒカリ!」
トモナリのところにヒカリが飛んできた。
ワンもヒカリの方を振り向く。
そしてビルから落ちるジョンに気がついた。
「おっ? ふぐっ!」
ワンはトモナリの腹を蹴って飛び上がる。
「‘ワン!’」
なすすべもなく落下するジョンをワンが受け止める。
「ヒカリ、少し支えてくれ!」
「任せるのだ! ふぬうううううう!」
ヒカリがトモナリの胸にしがみついて翼を激しく羽ばたかせる。
落下のスピードが緩やかになって風圧が弱くなる。
トモナリも翼を大きく広げて体勢を整える。
「はっ!」
トモナリも翼を動かし始める。
力強く羽ばたく翼によって落ちていく速度はさらに遅くなった。
「結構ギリだったな」
「ふひー」
勢いがついて飛び上がる前にトモナリとヒカリは地面に着いてしまった。
落下の勢いはほとんど殺されていたので、割と着地することができた。
「のわっ!?」
「……バケモノかよ」
トモナリとヒカリに少し遅れてワンが落ちてきた。
ジョンをお姫様抱っこで抱きかかえたワンは落下の速度を緩める手段を持たず、着地の勢いで隕石でも落下してきたように地面が陥没する。
かなりの衝撃があったはず。
それなのにワンは陥没した地面の真ん中で立っていた。
「来るぞ、ヒカリ」
「うむ、やるのだ!」
ジョンをそっと下ろしたワンはトモナリのことを見た。
感情を宿さない虚な瞳は、ゾッとするような感情をトモナリに抱かせる。
「足が……」
走り出したワンの足元にトモナリは違和感を覚えた。
「ぐっ! でもやはり……」
一気にトモナリと距離を詰めたワンは拳を振り回す。
速くて重たいパンチをかわしきれず、かすめて頬が裂ける。
それでもアメリカの覚醒者と戦っている時に比べて体のキレがない。
トモナリにはワンが動き始めに足を引きずっているように見えた。
ビルの高層階の落下を身一つで耐え抜いて無事なはずがなかったのだ。
ワンは足を傷めている。
多少くじいた程度なら意にも介さないだろう。
引きずるほどということなら骨折ぐらいはしている可能性がある。
それでもワンは力強い。
骨折して動きにくさはあるだろうが、痛みを感じないワンは骨折も無視して殴りかかってくる。
「どりゃー! ぬおっ! ぬわー!」
襲いかかってくるヒカリの頭を鷲掴みにして放り投げる。
だいぶ荒々しい戦い方をするものだ。
イレブンは生前の経験を感じさせたが、ワンにはそうしたものは感じない。
見た目にも若いし覚醒者としてあまり活動していなかったのかもしれない。
どうやってこれほどの能力を得て、どうしてジョンの操り人形になることになったのか。
そんなこと知らないけれど、とにかく能力だけでも強い。
「やるのだ!」
グッと足に力を溜め、完全に背を向けた瞬間を狙って一気に穴から飛び出した。
「‘なっ……’」
「ほりょー!」
しかしジョンも決してレベルが低い覚醒者ではない。
トモナリがジョンに到達するより一瞬早く違和感に気がついた。
何かが来ると気づいたジョンは体をねじった。
首を狙ったトモナリだったが、ジョンが動いて狙いがそれた。
「浅かったか……!」
「‘ああああああっ! 腕がぁ!’」
それぞれ中途半端な結果になった。
一撃で倒すつもりだったが倒せなかった。
けれどもジョンも攻撃を完全にかわすことができず、トモナリに左腕を切り落とされ、ヒカリに脇腹を爪でざっくりと斬られた。
「だけど今なら……」
腕をなくしてジョンは怯んでいる。
今ならとどめをさせるとトモナリは再びジョンに迫る。
「トモナリィ!」
「うっ!」
後少しでジョンに攻撃が届く。
そんな時に横から拳が飛んできた。
腕をたたむようにしてガードしたトモナリが見たのは、アメリカの覚醒者たちと戦っていたはずのワンであった。
「‘ワン、そいつを殺せ!’」
殴られた勢いでトモナリが壁にぶち当たる。
壁が砕けて飛び出した先は外だった。
「ヒカリ、来るな!」
殴りつけられた腕が痺れる。
今どれぐらいの高さにいて、落ちるまでにどれぐらいの猶予があるのか。
そんなことを考える暇もない。
トモナリと一緒に飛び出してきたワンは落下する空中なことも構わずトモナリを殴りつける。
「‘腕の分、ぶっ殺して……’」
「どりゃああああっ!」
「‘なん、この!’」
トモナリに腕を斬り落とされた。
ジョンの怒りはトモナリに向いていた。
だから忘れていたのだ。
トモナリの思いを継いで虎視眈々とジョンを狙っている存在を。
倒すべきはワンではなくジョン。
とっさにヒカリに来るなと叫んだがジョンは日本語も分からない。
気配を消していたヒカリはジョンに体当たりした。
トモナリとワンが飛び出した壁の穴から様子を見下ろしていたジョンは、後ろからの衝撃に穴の外に押し出される。
「わははははー!」
「‘このクソ野郎ー!’」
「トモナリ、今行くのだ!」
かなり降りてきたと思っていたが、まだまだビルの高い位置であった。
この高さから落ちたら助からないだろう。
ヒカリは空中でワンと揉み合いになっているトモナリに向かう。
「こいつ!」
翼を広げて飛行体勢をとりたいのにワンがそうさせてくれない。
このままじゃ共倒れになってしまう。
空中で上手く力が入らないのか攻撃そのもののダメージは大きくないが、それでもワンの力の方が強くてトモナリも苦戦している。
「トモナリー!」
「ヒカリ!」
トモナリのところにヒカリが飛んできた。
ワンもヒカリの方を振り向く。
そしてビルから落ちるジョンに気がついた。
「おっ? ふぐっ!」
ワンはトモナリの腹を蹴って飛び上がる。
「‘ワン!’」
なすすべもなく落下するジョンをワンが受け止める。
「ヒカリ、少し支えてくれ!」
「任せるのだ! ふぬうううううう!」
ヒカリがトモナリの胸にしがみついて翼を激しく羽ばたかせる。
落下のスピードが緩やかになって風圧が弱くなる。
トモナリも翼を大きく広げて体勢を整える。
「はっ!」
トモナリも翼を動かし始める。
力強く羽ばたく翼によって落ちていく速度はさらに遅くなった。
「結構ギリだったな」
「ふひー」
勢いがついて飛び上がる前にトモナリとヒカリは地面に着いてしまった。
落下の勢いはほとんど殺されていたので、割と着地することができた。
「のわっ!?」
「……バケモノかよ」
トモナリとヒカリに少し遅れてワンが落ちてきた。
ジョンをお姫様抱っこで抱きかかえたワンは落下の速度を緩める手段を持たず、着地の勢いで隕石でも落下してきたように地面が陥没する。
かなりの衝撃があったはず。
それなのにワンは陥没した地面の真ん中で立っていた。
「来るぞ、ヒカリ」
「うむ、やるのだ!」
ジョンをそっと下ろしたワンはトモナリのことを見た。
感情を宿さない虚な瞳は、ゾッとするような感情をトモナリに抱かせる。
「足が……」
走り出したワンの足元にトモナリは違和感を覚えた。
「ぐっ! でもやはり……」
一気にトモナリと距離を詰めたワンは拳を振り回す。
速くて重たいパンチをかわしきれず、かすめて頬が裂ける。
それでもアメリカの覚醒者と戦っている時に比べて体のキレがない。
トモナリにはワンが動き始めに足を引きずっているように見えた。
ビルの高層階の落下を身一つで耐え抜いて無事なはずがなかったのだ。
ワンは足を傷めている。
多少くじいた程度なら意にも介さないだろう。
引きずるほどということなら骨折ぐらいはしている可能性がある。
それでもワンは力強い。
骨折して動きにくさはあるだろうが、痛みを感じないワンは骨折も無視して殴りかかってくる。
「どりゃー! ぬおっ! ぬわー!」
襲いかかってくるヒカリの頭を鷲掴みにして放り投げる。
だいぶ荒々しい戦い方をするものだ。
イレブンは生前の経験を感じさせたが、ワンにはそうしたものは感じない。
見た目にも若いし覚醒者としてあまり活動していなかったのかもしれない。
どうやってこれほどの能力を得て、どうしてジョンの操り人形になることになったのか。
そんなこと知らないけれど、とにかく能力だけでも強い。
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