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第1話
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「あのね、今日はお話があるの」
「なに?~ちゃん」
「あのね、私ね、悠君の事が好きなの」
「僕も、~ちゃんの事好きだよ」
「だからね、大きくなったら悠君と結婚するの」
「わかった。約束するよ」
「うん!」
どうやら、昔の夢を見ていたようだ。
小さい頃の俺は、どうやら名前が思い出せない女の子と将来結婚する事を約束したらしい。でも、その事は多分、今日の夢を見るまで忘れていたし、しかも、その約束をした後に女の子が引っ越してしまい、今となっては音信不通。あの子がなにをしているかなんて、知った事ではない。
それより今は、服を着替えて、ゴミを出して、朝食を作り、食べて学校に行かないといけない。俺は、モソモソと布団から出て、まだ覚醒しきってない目を、冷たい水でこじ開けた。
俺の名前は、仲間悠。都会の高校に進学と同時に、一人暮らしを始めた。
最初の方はアワアワしていたが、一週間経った今では、大抵の事は自分で出来る。
今日もいつもどおり、制服に着替えた後、朝食を作った。それを一人でモソモソと食べる。食べ終わったら、歯を磨いて、身だしなみを整えて家を出る。
しかも今日は、一週間に一度のゴミ出しの日だ。ゴミ捨て場に持って行くゴミを忘れずにゴミを握りしてトコトコと歩いて学校に行く。
そんな代わり映えしない普通の日常が俺の全てだった。
そんなある日、いつもの様に同じ時間に家を出て、ドアの鍵を閉める。トコトコと鉄階段を下りて行くと、古いアパートに似合わない、水色の綺麗な封筒が、俺のポストに入っていた。
俺は、それをポストからとってみる。するとそこには、
『足立美沙』
そう書かれていた。
誰だ?あだちみさ?俺の知り合いにこんな名前の女の子はいない。じゃあ誰なんだ。そんな疑問が頭の中を巡る。
ここで悩んでいても意味がない。そう思った俺は、登校しながらこの手紙の事を考えていた。後輩にこんな感じの名前の人がいたのか?それとも違うクラスの女子か、だったら直接渡しにくるだろう。中学の時にこんな名前の女の子がいたか?帰ったら卒業アルバムでも開くか。それとも……
いやいや、それはない。だってあの女の子とは何年も音信不通。今さら何の用事って話だよ。俺の頭の中は、それだけでいっぱいだった。
学校に着く前に、この手紙を鞄の中に入れた。友達に変に冷やかされるのがイヤだったし、先に手紙を読まれるのがイヤだ。
そんな理由が俺の羞恥心を守るのだった。
眠たくなる授業を受ける。ノートには、きちんと板書を写しているが、頭では、あの手紙の事をずっと考えていた。
あの手紙の差出人の相手がどんな意図で俺に手紙を出したのか?全くわからない。生まれてこの方、異性にモテたことなど全くない。そんな俺に、どんな理由かは知らんが、手紙を出すなど、期待以外何を想像していいのかわからなくなった。
そんな事をモンモンと考えていたが、答えなど出るはずない。俺は、ボォーとしながら昼飯の弁当を食べた。
「おい、悠。目が死んでるぞ」
「ほんとだ、おもしろいなその顔。ちょっと写真撮らせて」
「うるさい。国木田、本間」
俺は、そう言って飯を食べる手を止めた。
「あのな、すぐに写真を撮るなわかったか本間」
「はいはーい」
「あと国木田、俺の目は死んでないぞ」
「そうか?」
「で、どうした2人とも」
「なんか、あったか?」
「そうそう。俺も国木田も心配したんだぞ」
そう言って2人は俺の顔を見つめる。
「ありがとな、心配しなくても大丈夫だ。ちぃと考え事をしてて」
「そうか、なんかあったら言えよ。本間よりかは、役に立つと思うから」
「何だと、国木田!」
「ははは、そうだな」
「何、賛成してんだよ!!」
そうやって昼休みが過ぎていった。
帰りのHRを終えて、俺は少し、国木田と本間と駄べり家に帰った。
さて、ここからが今日の俺の悩みの種だ。
見知らぬ人からの手紙。一応、中学の時の卒業アルバムを探してみた。発見した卒業アルバムに『足立美沙』と言う名前の女の子はいなかった。
だとすると、残るはあの時の女の子。
「ゴクリ」と生唾を飲み込み、手紙を丁寧に開いた。
するとそこには綺麗な文字で 、
『拝啓、仲間 悠様』
と書かれていた。
俺は、この時はまだこれから起こる事を全くもって予想していなかった。
これは、あの時の女の子と俺をつなぐ物語なのだ。
「なに?~ちゃん」
「あのね、私ね、悠君の事が好きなの」
「僕も、~ちゃんの事好きだよ」
「だからね、大きくなったら悠君と結婚するの」
「わかった。約束するよ」
「うん!」
どうやら、昔の夢を見ていたようだ。
小さい頃の俺は、どうやら名前が思い出せない女の子と将来結婚する事を約束したらしい。でも、その事は多分、今日の夢を見るまで忘れていたし、しかも、その約束をした後に女の子が引っ越してしまい、今となっては音信不通。あの子がなにをしているかなんて、知った事ではない。
それより今は、服を着替えて、ゴミを出して、朝食を作り、食べて学校に行かないといけない。俺は、モソモソと布団から出て、まだ覚醒しきってない目を、冷たい水でこじ開けた。
俺の名前は、仲間悠。都会の高校に進学と同時に、一人暮らしを始めた。
最初の方はアワアワしていたが、一週間経った今では、大抵の事は自分で出来る。
今日もいつもどおり、制服に着替えた後、朝食を作った。それを一人でモソモソと食べる。食べ終わったら、歯を磨いて、身だしなみを整えて家を出る。
しかも今日は、一週間に一度のゴミ出しの日だ。ゴミ捨て場に持って行くゴミを忘れずにゴミを握りしてトコトコと歩いて学校に行く。
そんな代わり映えしない普通の日常が俺の全てだった。
そんなある日、いつもの様に同じ時間に家を出て、ドアの鍵を閉める。トコトコと鉄階段を下りて行くと、古いアパートに似合わない、水色の綺麗な封筒が、俺のポストに入っていた。
俺は、それをポストからとってみる。するとそこには、
『足立美沙』
そう書かれていた。
誰だ?あだちみさ?俺の知り合いにこんな名前の女の子はいない。じゃあ誰なんだ。そんな疑問が頭の中を巡る。
ここで悩んでいても意味がない。そう思った俺は、登校しながらこの手紙の事を考えていた。後輩にこんな感じの名前の人がいたのか?それとも違うクラスの女子か、だったら直接渡しにくるだろう。中学の時にこんな名前の女の子がいたか?帰ったら卒業アルバムでも開くか。それとも……
いやいや、それはない。だってあの女の子とは何年も音信不通。今さら何の用事って話だよ。俺の頭の中は、それだけでいっぱいだった。
学校に着く前に、この手紙を鞄の中に入れた。友達に変に冷やかされるのがイヤだったし、先に手紙を読まれるのがイヤだ。
そんな理由が俺の羞恥心を守るのだった。
眠たくなる授業を受ける。ノートには、きちんと板書を写しているが、頭では、あの手紙の事をずっと考えていた。
あの手紙の差出人の相手がどんな意図で俺に手紙を出したのか?全くわからない。生まれてこの方、異性にモテたことなど全くない。そんな俺に、どんな理由かは知らんが、手紙を出すなど、期待以外何を想像していいのかわからなくなった。
そんな事をモンモンと考えていたが、答えなど出るはずない。俺は、ボォーとしながら昼飯の弁当を食べた。
「おい、悠。目が死んでるぞ」
「ほんとだ、おもしろいなその顔。ちょっと写真撮らせて」
「うるさい。国木田、本間」
俺は、そう言って飯を食べる手を止めた。
「あのな、すぐに写真を撮るなわかったか本間」
「はいはーい」
「あと国木田、俺の目は死んでないぞ」
「そうか?」
「で、どうした2人とも」
「なんか、あったか?」
「そうそう。俺も国木田も心配したんだぞ」
そう言って2人は俺の顔を見つめる。
「ありがとな、心配しなくても大丈夫だ。ちぃと考え事をしてて」
「そうか、なんかあったら言えよ。本間よりかは、役に立つと思うから」
「何だと、国木田!」
「ははは、そうだな」
「何、賛成してんだよ!!」
そうやって昼休みが過ぎていった。
帰りのHRを終えて、俺は少し、国木田と本間と駄べり家に帰った。
さて、ここからが今日の俺の悩みの種だ。
見知らぬ人からの手紙。一応、中学の時の卒業アルバムを探してみた。発見した卒業アルバムに『足立美沙』と言う名前の女の子はいなかった。
だとすると、残るはあの時の女の子。
「ゴクリ」と生唾を飲み込み、手紙を丁寧に開いた。
するとそこには綺麗な文字で 、
『拝啓、仲間 悠様』
と書かれていた。
俺は、この時はまだこれから起こる事を全くもって予想していなかった。
これは、あの時の女の子と俺をつなぐ物語なのだ。
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