nexus〈名前のない手紙〉

ポレロ

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第6話

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  『拝啓 足立美沙さんへ
  お手紙ありがとうございます。今回は突然のお手紙で驚きました。
  さて、本題に入りたいのですが、すいません。この手紙の内容を全く覚えていなく、すいませんが結婚などの約束などこの手紙で初めて知りました。大変申し訳ありません。
  なので、失礼かも知れませんがこれがおれの気持ちです。大変申し訳ありません。
                                            敬具  仲間悠より』
  書き終えた俺は、「ふぅー」と息をついた。
  この本当の気持ちを彼女には、知ってもらいたい。
  酷い事をしていると言う自覚はある。
  でも、ここで嘘をついてしまう程、度胸のある人間じゃない。
  妹の咲さんには、また色々と文句を言われるかもしれないが、俺の気持ちだ。
  そこは、言われるがままになるだろうな。
  「はははっ」軽く笑いがこみ上げた。
  今日はさっさと、飯食って寝るか。
  うん、そうしよう。

  翌日、杉さんの所に電話をかけた。
  「もしもし、杉さんですか?」
  「はい、なんでしょうか、仲間悠様」
  「あの、手紙書けたのでどうしたらいいかと思って電話しました」
  「それでしたら、ご自宅のポストへ入れておいてください。そしたら、私が回収しに参ります」
  「そうですか。わかりました。では、失礼します」
  「はい」
  そうして、「ピッ」と電話を切った。
  俺は、朝食などとって、学校の準備をして、家をでた。
  もちろん、足立美沙さんへの手紙をポストへちゃんと入れた。
  色々と思う所があるが、やはり何も知らない彼女に深く入り込むのも気がひける。
  この事は、もっと彼女を知ってからにしよう。
  そう心の中で一抹の決心をした。

  朝の学校はいつも賑やかだ。
  俺は、いつもの様に下駄箱で自分の上靴を出してクラスに向かう。
  クラスに向かう途中に目に入る、友達同士の雑談。
  この雑談をBGMにリノウムの床をコツコツと歩く。
  そして、自分のクラスにつき、教室に入り自分の席に座る。
  何分かすると国木田と本間が一緒にクラスに入ってくる。
  「おっはよー悠」
  「おはよう、本間」
  「おはよ、仲間」
  「おはよう、国木田」
  いつもの3人組がこれで完成だ。
  「あのさ国木田」
  「なんだ」
  「昨日はありがとな」
  「いいよ、あれぐらい」
  「何々、なんかあったの?」
  「こっちの話だ」
  「わかったよ。ちぇー」
  「俺は頼りにしてるよ」
  「まじで!ありがと」
  「はは、単純だな」
  「うるさいなぁ」
  これがいつもの会話だ。
  誰にも邪魔されずに、こうやって3人で楽しく話す。
  これが俺の今いる大切な空間だ。

  こうやって、学校が過ぎていき放課後。
  そろそろ帰ろうと思った時、後ろから不意に言葉をかけられた。

  「仲間君、ちょっといいかな」
  言葉の主は足立咲さんだ。
  「何かな?」
  「杉さんから聞いたよ。お姉ちゃんにお返事書いたんだってね」
  「そうだよ」
  「お姉ちゃんそれ聞いた時、めちゃくちゃ嬉しそうだった」
  「それは嬉しいよ」
  「お姉ちゃんのあんな笑顔久々に見た」
  「そうなんだ」
  「うん」
  そう言って咲さんは、ズイッと顔を近づけに来た。
   「だからね、お姉ちゃんの笑顔の為によろしくね」
  そう言って、「じゃあね」と言って走り去っていった。
  「よろしくってどうすんだよ」
  そう言った独り言が、ぽつりと口から自然に出た。

  「これが、あの人からの手紙なのね」
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