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第6話 今度は目隠しなしで
「塚原さん、あまり食べすぎないでくださいね。あとでするんでしょ」
「……うん、まぁ…」
そういうことをはっきりと口に出す文化ではなかったから、和倉の態度には面食らう。まぁセフレという関係に落ち着いた以上、体の関係がメインなのが前提なわけで、そういうものなのかもしれないが。
自分はすっかり食べ切って飲み切った和倉が、じっと見つめてくる。なんとなく居心地が悪くて、明日食べることにして弁当の蓋を閉じた。
「先にシャワー浴びて来てください」
「うん…」
元妻と別れてから、色気のある関係になった相手はいない。元妻とも数年はセックスレス状態だったから、プロを除けば7~8年はしてない。こんなに気恥ずかしいものだったか?いやそもそも無理矢理されることが目的なのに、同意の上でするのはちゃんと興奮できるんだろうか?
と、思っていたのは完全に杞憂だった。
「待って待って!!!」
「待ちません。ほら、もう期待して勃ってますよ。何を待つんですか?」
「……!」
30分前、塚原がシャワーから出たら、また洗濯物が全部畳んであった。塚原が普段畳むよりも格段に綺麗にピチッと並んでいる。それに礼を言うと和倉は、毎週金曜日に自分が畳むからずっと積んでてくださいと言って笑った。それから今度は和倉がシャワーを浴びに浴室へ向かった。畳んでもらった洗濯物を今度はちゃんとタンスに仕舞ってから、シンとした部屋でソファに座っていると、シャワー待ちという実感が湧いて耐えられなくなった。
状況を忘れるためにテレビをつけて、5分ほど努めて何も考えないように画面を見ていたら、突然背後から目を塞がれ、器用にもう片手で一瞬で後ろ手に縛り上げられた。そのまま押し倒され、後ろから頭をソファに押さえつけられる。
「なにおまえ、プロ!?」
「あなたがそういう趣味だって知って、ちょっと調べてみたんです」
「……っ」
そうだ。知られている。元妻とは至ってノーマルな行為しかしてこなかった。その時は自分の性癖を知らずにいたが、どこかずっと物足りなかった。その物足りなさを、この男は埋めてくれるのだ。
縛られてのしかかられている事実とこれから起こることへの期待に、ゾクゾクと背筋を駆け上がるものがある。
「ほら、抵抗して」
「……、」
すでに期待しすぎて力が抜けて足腰が立たない。それでも一応和倉から逃げるように、ソファの端へと這って進む。だが、ぐ、と縛られた腕を後ろに引かれてバランスを崩したところで、背中の真ん中を膝で踏まれ、ソファに押さえつけられた。
「…すぐ捕まっちゃいましたね」
耳に吐息がかかるくらい近くに、和倉の顔がある。のしかかられて、男の重みと大きさと固さを実感する。知っている人間なのに、同意の上での行為なのに、力では敵わないかもしれないと思うと少し恐怖心が芽生える。しかしそれすらもこの状況ではプラスになる。
「…っ、」
疼く後ろに、ズボン越しに硬いものの感覚がある。耳に吹きかかる息が荒くなり、それがごしごしと擦り付けられる。
「わ、和倉…!」
前回は目隠しをされていて、しかもすぐに意識も失ったから、自分の感覚を追うことに精一杯で和倉の様子を気にかける余裕がなかった。でも今回は、まだ挿入もしていないのにこの状況に興奮しているらしい和倉の様子が気になる。いつも爽やかでかっこいい後輩が、どんな顔でおじさんの尻に興奮して擦り付けてるんだろうか。
そんなことを考えていたら、急に前に手が伸びてきて、同じく硬くなっている塚原のそれを服の上から掴んだ。
「ほんとにこういうのが興奮するんですね」
「…あっ、待て、強い…」
「痛いの好きでしょ」
決して痛いのが好きなわけではない。ただ無理矢理されるのがいいのだと主張しようと思ったが、どちらでも大した差はないような気もする。実際、年下の男に痛くされているという事実にも興奮している。
「和倉ぁ、」
「気持ちいいですね」
興奮して、頭が沸騰しそうなくらいに熱い。女性を抱くときに、こんなに興奮したことがあっただろうか。初めの頃は好奇心と、慣れてきてからは相手を気持ちよくせねばという義務感も同時に持っていたような気がする。ただただ状況と快楽に酔うような経験は初めてかもしれない。
「汚れちゃいますよ」
自分が触ったくせにそんなことを言いながら、ずるっとパンツごと脱がしてくる。もう先からはだらしなく液体が溢れ、糸を引いた。
「あなたみたいなおじさんがこんな縦に割れたアナルしてるなんて、知られたのが俺でよかったですね」
なぜか嬉しそうにしながら、尻を掴んで穴を横に広げ、ちゅ、ちゅ、と尻たぶに口付けてくる。それから、ドロっと温かいものが穴に塗りつけられた。開き具合を確かめるように、入り口をぐっ、ぐっ、と指でほぐされる。奥までは入ってこない。早く、早く欲しい。
「もう少し待ってくださいね。奥まで、挿れてあげますからね」
ピリ、とビニールを破る音が聞こえる。後ろ手に縛られているし、背中を膝で押さえつけられているから身動きは取れない。明るいリビングで、こんなみっともない格好で、歳の離れた部下に尻を向けている。多分背後で和倉がコンドームを着けている。挿入を待つ時というのは、こんな、こんな気持ちなのか。心臓の音が大きくなる。もうすぐ、またあの快感が来る。
「……うん、まぁ…」
そういうことをはっきりと口に出す文化ではなかったから、和倉の態度には面食らう。まぁセフレという関係に落ち着いた以上、体の関係がメインなのが前提なわけで、そういうものなのかもしれないが。
自分はすっかり食べ切って飲み切った和倉が、じっと見つめてくる。なんとなく居心地が悪くて、明日食べることにして弁当の蓋を閉じた。
「先にシャワー浴びて来てください」
「うん…」
元妻と別れてから、色気のある関係になった相手はいない。元妻とも数年はセックスレス状態だったから、プロを除けば7~8年はしてない。こんなに気恥ずかしいものだったか?いやそもそも無理矢理されることが目的なのに、同意の上でするのはちゃんと興奮できるんだろうか?
と、思っていたのは完全に杞憂だった。
「待って待って!!!」
「待ちません。ほら、もう期待して勃ってますよ。何を待つんですか?」
「……!」
30分前、塚原がシャワーから出たら、また洗濯物が全部畳んであった。塚原が普段畳むよりも格段に綺麗にピチッと並んでいる。それに礼を言うと和倉は、毎週金曜日に自分が畳むからずっと積んでてくださいと言って笑った。それから今度は和倉がシャワーを浴びに浴室へ向かった。畳んでもらった洗濯物を今度はちゃんとタンスに仕舞ってから、シンとした部屋でソファに座っていると、シャワー待ちという実感が湧いて耐えられなくなった。
状況を忘れるためにテレビをつけて、5分ほど努めて何も考えないように画面を見ていたら、突然背後から目を塞がれ、器用にもう片手で一瞬で後ろ手に縛り上げられた。そのまま押し倒され、後ろから頭をソファに押さえつけられる。
「なにおまえ、プロ!?」
「あなたがそういう趣味だって知って、ちょっと調べてみたんです」
「……っ」
そうだ。知られている。元妻とは至ってノーマルな行為しかしてこなかった。その時は自分の性癖を知らずにいたが、どこかずっと物足りなかった。その物足りなさを、この男は埋めてくれるのだ。
縛られてのしかかられている事実とこれから起こることへの期待に、ゾクゾクと背筋を駆け上がるものがある。
「ほら、抵抗して」
「……、」
すでに期待しすぎて力が抜けて足腰が立たない。それでも一応和倉から逃げるように、ソファの端へと這って進む。だが、ぐ、と縛られた腕を後ろに引かれてバランスを崩したところで、背中の真ん中を膝で踏まれ、ソファに押さえつけられた。
「…すぐ捕まっちゃいましたね」
耳に吐息がかかるくらい近くに、和倉の顔がある。のしかかられて、男の重みと大きさと固さを実感する。知っている人間なのに、同意の上での行為なのに、力では敵わないかもしれないと思うと少し恐怖心が芽生える。しかしそれすらもこの状況ではプラスになる。
「…っ、」
疼く後ろに、ズボン越しに硬いものの感覚がある。耳に吹きかかる息が荒くなり、それがごしごしと擦り付けられる。
「わ、和倉…!」
前回は目隠しをされていて、しかもすぐに意識も失ったから、自分の感覚を追うことに精一杯で和倉の様子を気にかける余裕がなかった。でも今回は、まだ挿入もしていないのにこの状況に興奮しているらしい和倉の様子が気になる。いつも爽やかでかっこいい後輩が、どんな顔でおじさんの尻に興奮して擦り付けてるんだろうか。
そんなことを考えていたら、急に前に手が伸びてきて、同じく硬くなっている塚原のそれを服の上から掴んだ。
「ほんとにこういうのが興奮するんですね」
「…あっ、待て、強い…」
「痛いの好きでしょ」
決して痛いのが好きなわけではない。ただ無理矢理されるのがいいのだと主張しようと思ったが、どちらでも大した差はないような気もする。実際、年下の男に痛くされているという事実にも興奮している。
「和倉ぁ、」
「気持ちいいですね」
興奮して、頭が沸騰しそうなくらいに熱い。女性を抱くときに、こんなに興奮したことがあっただろうか。初めの頃は好奇心と、慣れてきてからは相手を気持ちよくせねばという義務感も同時に持っていたような気がする。ただただ状況と快楽に酔うような経験は初めてかもしれない。
「汚れちゃいますよ」
自分が触ったくせにそんなことを言いながら、ずるっとパンツごと脱がしてくる。もう先からはだらしなく液体が溢れ、糸を引いた。
「あなたみたいなおじさんがこんな縦に割れたアナルしてるなんて、知られたのが俺でよかったですね」
なぜか嬉しそうにしながら、尻を掴んで穴を横に広げ、ちゅ、ちゅ、と尻たぶに口付けてくる。それから、ドロっと温かいものが穴に塗りつけられた。開き具合を確かめるように、入り口をぐっ、ぐっ、と指でほぐされる。奥までは入ってこない。早く、早く欲しい。
「もう少し待ってくださいね。奥まで、挿れてあげますからね」
ピリ、とビニールを破る音が聞こえる。後ろ手に縛られているし、背中を膝で押さえつけられているから身動きは取れない。明るいリビングで、こんなみっともない格好で、歳の離れた部下に尻を向けている。多分背後で和倉がコンドームを着けている。挿入を待つ時というのは、こんな、こんな気持ちなのか。心臓の音が大きくなる。もうすぐ、またあの快感が来る。
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