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乱暴
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「なあ!本当にクロウへの嫌がらせだったのか?僕への嫌がらせじゃないのか?!」
次の日、ぐったりと重い身体で目を覚ましたジャスは、アウルにギャンギャンと文句を言った。
「やだって言ったのに全然やめてくれないし……」
「ああ、テメェ自分の意志で言ってたのか。てっきりまたクロウの魔法で言わされてんのかと思ってあえて無視してたわ」
着替えをしながらアウルは悪びれもなく言った。
ジャスは重い身体をノロノロと起こそうとした。
「おい、無理すんなよ」
「うるさいっ。……うぅっ、全然軽くじゃなかった……。もう本当になんか色々された……。最終的に本気のキスとか訳わかんねえものされてからの記憶は無いし……。何されたか分かんないけどすごく体中が痛い……」
「んだよ。文句言いやがって。別にいつもされてんだろ」
「された記憶ありませんけどっ」
「ああ、いつもテメェが寝てる時だったわ」
「くっそ」
「やっぱり、寝てるとき好き勝手すんのもいいが、意識ある時に触る方がいいな。反応を見て調整できる」
「調整ってなんだよっ」
アウルは、ブツブツ言うジャスを宥めるように頭を撫でた。
「まあ、少しやり過ぎたのは認める。ちょっと最後だと思ったら調子乗った。コーヒー持ってきてやるから大人しくしてろ」
そう言って、アウルは部屋を出ていった。
「全く、軽率にいちゃつくのを認めるんじゃ無かった」
ジャスは呟いた。
「最後とか、言うから……。全部許すしか無くなるじゃないか」
夜の事を思い出す。
『これで最後だ。ここまで触らせて欲しい』
『最後に、もう少しキスさせろ』
『最後だから、テメェも触れ』
『もっと欲しがれよ。これで最後なんだぞ』
イチャつきの途中、何度も言われた『最後』は、もしかしたらアウルが自分自身への言い聞かせだったのかもしれない。
「全く、本当にクロウへの嫌がらせだったのかよ」
心残りを無くすかのような、アウルの必死の顔での行為は、嫌がらせのいちゃつき、と言った言葉の範疇を、超えていたような気がした。
「意図は知らないけど、実際に嫌がらせとしては成功してたよ」
「クロウ!!」
いつの間にか、部屋の真ん中にクロウが現れていた。
ニコニコと笑っている。
「ちゃーんと、二人の官能的なシーン、堪能させてもらったよ。ホント、契結んじゃう一歩手前だったよねー」
「あっ、その……あれは」
ジャスは気まずそうに顔をそらした。
「ま、どうせジャスくんの事だからアウルに頼まれれば嫌って言えないよね?流されやすいもんね」
そう言って、クロウはジャスに近寄った。
「ねえ、昨日本気の、正気を失うくらいのキスされてたよね?まあジャスくんはその後の事なんて覚えてないよね?どうなったか教えてあげようか?」
クロウのニヤニヤした顔に、ジャスは黙って無視することにした。しかしそれに構わずにクロウは話を続けた。
「すごかったよぉ。アウルにどこ触られてもヨダレ垂らして悦びの悲鳴あげちゃってさ。アウルにひっついて、アウルのおっぱいずーっとカジカジしてニャンニャンしてるし、アウルが少し休憩して水を持ってくるって言えば、行っちゃヤダって泣き叫ぶし。最終的には、アウルのアレを口に乱暴に突っ込まれて、ただの穴扱いみたいにされてるのに、嬉しそうにしてるし」
「はあ」
ジャスは、クロウの話を聞いて、呆れたようにため息をついた。
「なあクロウ、さすがに僕でもそれは嘘だってわかるよ。さすがにあり得なさすぎるから」
「そうだ、嘘だな」
いつの間にか、アウルがコーヒーを持って部屋に戻ってきていた。
「クロウ、テメェジャスに嘘言うんじゃねえよ」
アウルはクロウを睨みつけながらキッパリと言った。
「俺はジャスの口に乱暴に突っ込んだつもりはねえし、ただの穴扱いなんかもしてねえ。ちゃんと愛情持ってセックスのつもりで口に……」
「待って待って!」
ジャスは真っ赤になってアウルの発言を止めた。
「待って。その、嘘って……そういう事じゃなくて、全部嘘でしょ?僕ニャンニャンなんて言ってないよね?行かないでって泣いたりしてないよな?」
すがるような目で見るジャスに、アウルはポンと肩を叩いて優しい目で言った。
「可愛かったぞ」
「やだっ!嘘だっ!!」
「ねえ、まだイチャつき終わってないの?」
クロウが不機嫌そうに、アウルとジャスに話しかける。そして、クロウは何やら小瓶を手にとってクルクル回している。
昨日アウルから貰った魔法薬の瓶だ。
「そ、それ、返せよ」
ジャスは慌てて言った。クロウは魔法薬の瓶を見てニヤリと笑った。
「ああ、これ?今から飲むのかな?」
「そうだよ」
「いいよ。俺が飲ませてあげる」
そう言うと、クロウは素早くジャスに近寄り、頭を強く掴むとむりやり口には流し込むように薬を突っ込んだ。
ジャスは一瞬の出来事に対応できず、薬にむせて盛大に咳き込んだ。
「テメェ、ジャスに何すんだよ!」
アウルはクロウに詰め寄った。しかし、クロウはアウルを無視して、咳き込んで小さくなっているジャスを見下しながら、空になった瓶を投げ捨てた。
「あーあ、こぼしちゃって、もったいないなぁ。まあ少しでも飲めたなら効果は出るからいっか」
「クロウ、テメェ……」
「怖い顔しないでよ。薬飲ませてあげただけだよ」
クロウは飄々と肩をすくめてみせた。
「んな乱暴に飲ませる奴があるか」
「えー?それアウルが言う?どうせアウルだって、そのコーヒー、無理やり口に流し込むつもりだったでしょ?」
「俺はいいんだよ」
よくねえよ、とジャスは突っ込みたかったが、思った以上に薬のむせ込みが激しくて、声が出なかった。
アウルはジャスに何やら魔法をかける。するとジャスの咳はすぐに収まった。
「ジャスに乱暴すんじゃねえよ。とにかく、今日話があるのは俺にだろう。あっちできっちり話をするぞ」
アウルはそう言って、クロウを居間の方へ促した。
「ジャス、テメェもさっさと着替えてコーヒー一気飲みしてあとから来いよ」
アウルはジャスへもそう言い放って、部屋を出た。
「一気飲みだってさ。熱々みたいだけど」
クロウはからかうようにジャスに言うと、アウルを追って部屋を出た。
「なあ!本当にクロウへの嫌がらせだったのか?僕への嫌がらせじゃないのか?!」
次の日、ぐったりと重い身体で目を覚ましたジャスは、アウルにギャンギャンと文句を言った。
「やだって言ったのに全然やめてくれないし……」
「ああ、テメェ自分の意志で言ってたのか。てっきりまたクロウの魔法で言わされてんのかと思ってあえて無視してたわ」
着替えをしながらアウルは悪びれもなく言った。
ジャスは重い身体をノロノロと起こそうとした。
「おい、無理すんなよ」
「うるさいっ。……うぅっ、全然軽くじゃなかった……。もう本当になんか色々された……。最終的に本気のキスとか訳わかんねえものされてからの記憶は無いし……。何されたか分かんないけどすごく体中が痛い……」
「んだよ。文句言いやがって。別にいつもされてんだろ」
「された記憶ありませんけどっ」
「ああ、いつもテメェが寝てる時だったわ」
「くっそ」
「やっぱり、寝てるとき好き勝手すんのもいいが、意識ある時に触る方がいいな。反応を見て調整できる」
「調整ってなんだよっ」
アウルは、ブツブツ言うジャスを宥めるように頭を撫でた。
「まあ、少しやり過ぎたのは認める。ちょっと最後だと思ったら調子乗った。コーヒー持ってきてやるから大人しくしてろ」
そう言って、アウルは部屋を出ていった。
「全く、軽率にいちゃつくのを認めるんじゃ無かった」
ジャスは呟いた。
「最後とか、言うから……。全部許すしか無くなるじゃないか」
夜の事を思い出す。
『これで最後だ。ここまで触らせて欲しい』
『最後に、もう少しキスさせろ』
『最後だから、テメェも触れ』
『もっと欲しがれよ。これで最後なんだぞ』
イチャつきの途中、何度も言われた『最後』は、もしかしたらアウルが自分自身への言い聞かせだったのかもしれない。
「全く、本当にクロウへの嫌がらせだったのかよ」
心残りを無くすかのような、アウルの必死の顔での行為は、嫌がらせのいちゃつき、と言った言葉の範疇を、超えていたような気がした。
「意図は知らないけど、実際に嫌がらせとしては成功してたよ」
「クロウ!!」
いつの間にか、部屋の真ん中にクロウが現れていた。
ニコニコと笑っている。
「ちゃーんと、二人の官能的なシーン、堪能させてもらったよ。ホント、契結んじゃう一歩手前だったよねー」
「あっ、その……あれは」
ジャスは気まずそうに顔をそらした。
「ま、どうせジャスくんの事だからアウルに頼まれれば嫌って言えないよね?流されやすいもんね」
そう言って、クロウはジャスに近寄った。
「ねえ、昨日本気の、正気を失うくらいのキスされてたよね?まあジャスくんはその後の事なんて覚えてないよね?どうなったか教えてあげようか?」
クロウのニヤニヤした顔に、ジャスは黙って無視することにした。しかしそれに構わずにクロウは話を続けた。
「すごかったよぉ。アウルにどこ触られてもヨダレ垂らして悦びの悲鳴あげちゃってさ。アウルにひっついて、アウルのおっぱいずーっとカジカジしてニャンニャンしてるし、アウルが少し休憩して水を持ってくるって言えば、行っちゃヤダって泣き叫ぶし。最終的には、アウルのアレを口に乱暴に突っ込まれて、ただの穴扱いみたいにされてるのに、嬉しそうにしてるし」
「はあ」
ジャスは、クロウの話を聞いて、呆れたようにため息をついた。
「なあクロウ、さすがに僕でもそれは嘘だってわかるよ。さすがにあり得なさすぎるから」
「そうだ、嘘だな」
いつの間にか、アウルがコーヒーを持って部屋に戻ってきていた。
「クロウ、テメェジャスに嘘言うんじゃねえよ」
アウルはクロウを睨みつけながらキッパリと言った。
「俺はジャスの口に乱暴に突っ込んだつもりはねえし、ただの穴扱いなんかもしてねえ。ちゃんと愛情持ってセックスのつもりで口に……」
「待って待って!」
ジャスは真っ赤になってアウルの発言を止めた。
「待って。その、嘘って……そういう事じゃなくて、全部嘘でしょ?僕ニャンニャンなんて言ってないよね?行かないでって泣いたりしてないよな?」
すがるような目で見るジャスに、アウルはポンと肩を叩いて優しい目で言った。
「可愛かったぞ」
「やだっ!嘘だっ!!」
「ねえ、まだイチャつき終わってないの?」
クロウが不機嫌そうに、アウルとジャスに話しかける。そして、クロウは何やら小瓶を手にとってクルクル回している。
昨日アウルから貰った魔法薬の瓶だ。
「そ、それ、返せよ」
ジャスは慌てて言った。クロウは魔法薬の瓶を見てニヤリと笑った。
「ああ、これ?今から飲むのかな?」
「そうだよ」
「いいよ。俺が飲ませてあげる」
そう言うと、クロウは素早くジャスに近寄り、頭を強く掴むとむりやり口には流し込むように薬を突っ込んだ。
ジャスは一瞬の出来事に対応できず、薬にむせて盛大に咳き込んだ。
「テメェ、ジャスに何すんだよ!」
アウルはクロウに詰め寄った。しかし、クロウはアウルを無視して、咳き込んで小さくなっているジャスを見下しながら、空になった瓶を投げ捨てた。
「あーあ、こぼしちゃって、もったいないなぁ。まあ少しでも飲めたなら効果は出るからいっか」
「クロウ、テメェ……」
「怖い顔しないでよ。薬飲ませてあげただけだよ」
クロウは飄々と肩をすくめてみせた。
「んな乱暴に飲ませる奴があるか」
「えー?それアウルが言う?どうせアウルだって、そのコーヒー、無理やり口に流し込むつもりだったでしょ?」
「俺はいいんだよ」
よくねえよ、とジャスは突っ込みたかったが、思った以上に薬のむせ込みが激しくて、声が出なかった。
アウルはジャスに何やら魔法をかける。するとジャスの咳はすぐに収まった。
「ジャスに乱暴すんじゃねえよ。とにかく、今日話があるのは俺にだろう。あっちできっちり話をするぞ」
アウルはそう言って、クロウを居間の方へ促した。
「ジャス、テメェもさっさと着替えてコーヒー一気飲みしてあとから来いよ」
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