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別れ②
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「メチャクチャだね。アウルは」
クロウを見送ってから、ジャスはアウルに言った。
「どうするのこれから。魔法使えないでどうやって稼いだりしていくわけ?」
「んな心配いらねえよ。貯めてる金はある。魔法薬もいくらかまだある」
アウルはあっさりと答えた。
そして、ジャスをジッと見つめ、口を開いた。
「おい、ジャス。俺は……」
「絶対にやめてよ、謝るとか」
ジャスはアウルの口を押さえて言った。
「アウルが謝ったら、僕が振られたみたいじゃないか」
「あ、ああ、そうだな」
アウルは素直に頷いた。
「テメェは、振られてねえな。結局、テメェは最後まで、俺の事好きじゃなかったしな」
「……そう、かな」
ジャスはバツが悪そうに顔をそらした。
「そりゃあ分かる。最後までテメェは、俺に好きだとは絶対言わなかったからな」
そう言って、アウルはジャスの頬を撫でた。ジャスのは少し俯いて口を開いたが、アウルはその口を押さえた。
「絶対にやめろ、謝んのは。テメェが謝ったら俺が振れられたみてえだろ」
アウルの言葉に、ジャスは笑った。
「今夜、契を結ぶの?その……クロウと」
ふと、ジャスはたずねた。
アウルは躊躇いなく頷いた。
「早いほうがいいからな。まごまごしてる必要ない」
「そっか、そりゃあそうだよね。お互いに同意してるんだし」
ジャスはそう言って外を見た。
「じゃあ、僕はもう帰るよ。自分の村に。僕はもう必要ないからね」
そう言って、纒めておいた荷物を持った。
「必要ないとか言うんじゃねえよ。」
アウルは険しい顔で言った。そして、ジャスを強く抱き締めた。
「やめてよ。浮気者」
ジャスが慌てて言うが、アウルは不貞腐れたように体を強く抱きしめて離さない。
「クロウにもさせてただろうが」
「すぐ誰かさんに引っ剥がされたし」
「ありがとうジャス」
アウルはそう言って顔をジャスの頭に擦り付けた。
「テメェが、俺の所に乗り込んで来てくれて良かった」
「何だよそれ」
ジャスは笑いながら、アウルの頭をポンポンと撫でた。
「俺だってよくわかんねえんだよ。でも、テメェを愛せて、良かったと思ってる」
「これからはクロウを愛すんだよ。そうだろ?」
「当たり前だ。俺は俺の花嫁になるやつを後悔させるつもりはねえんだ」
「じゃあ離してよ、もう。これ以上いたら……」
これ以上いたら。
その先を言う前に、アウルはジャスを離した。
「迷いの森の迷わない魔法は、ちゃんと昨日のうちにかけておいている。ちゃんと無事に帰れるはずだ」
「ありがとう」
ジャスはそう言って、荷物を背負って玄関に向かった。
「今度いつか、マリカにも詫を入れに行く」
「無理しないでいいよ。じゃあクロウにもよろしくね」
ジャスはアウルの家を出た。
見送りはもう、いらないから、とアウルには言ったので、アウルは家から顔を出さなかった。
これ以上いたら。これ以上いたら嫉妬してしまう。
今更クロウに嫉妬してしまう。
あの優しくてへんてこな執着心を持つ愛を、自分でない人に向けるのだと思うと、妙に胸がざわついて吐き気がしてしまう。
僕も相当自分勝手だな、とジャスは自虐的に笑った。
クロウを見送ってから、ジャスはアウルに言った。
「どうするのこれから。魔法使えないでどうやって稼いだりしていくわけ?」
「んな心配いらねえよ。貯めてる金はある。魔法薬もいくらかまだある」
アウルはあっさりと答えた。
そして、ジャスをジッと見つめ、口を開いた。
「おい、ジャス。俺は……」
「絶対にやめてよ、謝るとか」
ジャスはアウルの口を押さえて言った。
「アウルが謝ったら、僕が振られたみたいじゃないか」
「あ、ああ、そうだな」
アウルは素直に頷いた。
「テメェは、振られてねえな。結局、テメェは最後まで、俺の事好きじゃなかったしな」
「……そう、かな」
ジャスはバツが悪そうに顔をそらした。
「そりゃあ分かる。最後までテメェは、俺に好きだとは絶対言わなかったからな」
そう言って、アウルはジャスの頬を撫でた。ジャスのは少し俯いて口を開いたが、アウルはその口を押さえた。
「絶対にやめろ、謝んのは。テメェが謝ったら俺が振れられたみてえだろ」
アウルの言葉に、ジャスは笑った。
「今夜、契を結ぶの?その……クロウと」
ふと、ジャスはたずねた。
アウルは躊躇いなく頷いた。
「早いほうがいいからな。まごまごしてる必要ない」
「そっか、そりゃあそうだよね。お互いに同意してるんだし」
ジャスはそう言って外を見た。
「じゃあ、僕はもう帰るよ。自分の村に。僕はもう必要ないからね」
そう言って、纒めておいた荷物を持った。
「必要ないとか言うんじゃねえよ。」
アウルは険しい顔で言った。そして、ジャスを強く抱き締めた。
「やめてよ。浮気者」
ジャスが慌てて言うが、アウルは不貞腐れたように体を強く抱きしめて離さない。
「クロウにもさせてただろうが」
「すぐ誰かさんに引っ剥がされたし」
「ありがとうジャス」
アウルはそう言って顔をジャスの頭に擦り付けた。
「テメェが、俺の所に乗り込んで来てくれて良かった」
「何だよそれ」
ジャスは笑いながら、アウルの頭をポンポンと撫でた。
「俺だってよくわかんねえんだよ。でも、テメェを愛せて、良かったと思ってる」
「これからはクロウを愛すんだよ。そうだろ?」
「当たり前だ。俺は俺の花嫁になるやつを後悔させるつもりはねえんだ」
「じゃあ離してよ、もう。これ以上いたら……」
これ以上いたら。
その先を言う前に、アウルはジャスを離した。
「迷いの森の迷わない魔法は、ちゃんと昨日のうちにかけておいている。ちゃんと無事に帰れるはずだ」
「ありがとう」
ジャスはそう言って、荷物を背負って玄関に向かった。
「今度いつか、マリカにも詫を入れに行く」
「無理しないでいいよ。じゃあクロウにもよろしくね」
ジャスはアウルの家を出た。
見送りはもう、いらないから、とアウルには言ったので、アウルは家から顔を出さなかった。
これ以上いたら。これ以上いたら嫉妬してしまう。
今更クロウに嫉妬してしまう。
あの優しくてへんてこな執着心を持つ愛を、自分でない人に向けるのだと思うと、妙に胸がざわついて吐き気がしてしまう。
僕も相当自分勝手だな、とジャスは自虐的に笑った。
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