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対策を練ろう
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昼食時間になると、またひと騒ぎある。リオーチェは本当は家からお弁当を持参したいのだが、ロレアントが入学してからお弁当の無事が確保されなくなったので諦めている。仕方なく学院の食堂に行くのだが、そうするとどうしてもロレアントに遭遇する。ロレアントはそれがごく当然であるかのようにリオーチェを見つけると必ず隣に座る。リオーチェの意思などお構いなしだ。
「リオ、何食べるの」
「‥日替わりランチです」
「僕も」
そう言って一緒に並ぼうとするが、なぜかロレアントは生活面でかなり鈍くさい。魔法や実験、剣術などで扱う道具は危なげなく華麗に扱っているのに、カップ、皿、カトラリーなどを持って移動しようものなら高確率でひっくり返す。そういうロレアントの性質を知っているから、リオーチェは並ぼうとするロレアントを制して仕方なく自分一人で並ぶ。
だがそうすると、嫌がらせがやってくる。後ろから横から前から、無数の手や足が伸びてくる。ぶつかられたり踏まれたり引っかかれたり。食事自体はロレアントが食べることが確定しているからそこに手を出す者はいない。
ただ、執拗にリオーチェを狙ってくるのだ。
ボロボロになりながら二人分をトレーにのせてもらい、ロレアントのところへ持っていく。そして自分の分をもって去ろうとすれば、くんと袖を引かれる。
「どこ行くの、リオ。一緒に食べよう」
なぜこのようにロレアントがリオーチェに懐いているのか、リオーチェにもわからない。恐らくは小さい頃からの擦りこみなのだろう。さすがに学院に入って貴族子女を多く関わればそんなことはないだろうと踏んでいたのだが、このぼんやり令息の極度の面倒くさがりを失念していた。
新しい人間関係を築くことがどうやらかなり苦手らしいのだ。それは学院に入ってからわかったことだったので、リオーチェにとっては計算外だった。
相変わらず食事マナーそのものは素晴らしいのに、口の端に何かついていたり派手にものを落っことしたり水の入ったコップをひっくり返したりしているロレアントの傍で仕方なく世話をする。
周囲は少し遠巻きにしながら、それでもリオーチェの耳に入るくらいの大きさでひそひそと悪口を言っている。
「まあ、何様のつもりなのかしら」
「あんなにロレアント様のお側に近づいて‥馴れ馴れしい」
「図々しいんですわよ、ほら作法も知らない田舎貴族ですし」
「クラン家なんて聞いた事もありませんでしたわ」
えーそうですー、作法なんて知らなくても生きていける珍しいタイプの貴族ですー。
心の中でそう相槌を打ちながら、もはや無心で世話のみに集中する。自分の食事はその合間に口に放り込むという作業になっている。
「侍従に任せればいいものを、なぜあんな田舎者がしゃしゃり出てくるのかしら」
「侍従の存在をご存じないのではなくて?」
「お優しいロレアント様の心情に付け込んでいるんだわ」
侍従。
‥‥‥侍従!
そうだ、ロレアントには優秀な侍従がいるではないか。なぜか学院にだけはついてこないが、ロレアントに勝るとも劣らないほどの美貌を持った優秀な侍従が!
思わず作業の手を止めてリオーチェは考えた。なぜあの侍従は学院にだけついてこないのだろう。辺境伯以上の貴族には侍従がついていることは当たり前だ。侍従用の控室が設置されているくらいである。しかもロレアントの立場ならどんな無理でも聞いてもらえるはずだ!
「どうしたの?リオ」
「いえ‥お野菜も召し上がってください、また実験中に倒れますよ」
そう言って野菜の入った皿をぐいと押しやりながらリオーチェは考えた。
これは直接あの侍従に頼むしかない。なんのかんの面倒くさがりなロレアントに進言して何とかなるとも思えない。今日の授業が終わったらさっそくヘイデン家のタウンハウスを訪ねよう。どうせロレアントは魔法理学研究会とやらがあったはずだ。ついてこいと言われているが、ついていかなければならない義理は多分ない。
今日の放課後は、ロレアントが来る前にダッシュで帰ろう。リオーチェは心の中でぐっとこぶしを握った。
今日の被害は靴がダメになったこととノートが三冊行方不明になっただけだ。わりと軽めの被害だった。お昼に食堂で並んでいる時爪で引っ掻かれたところがみみずばれになっているからそうでもないか。痛む腕を少しさすりながら、リオーチェは鞄をひっつかんで導体車溜まりに走った。
無論「まあはしたない」という嫌味を背に受けながらだったが、そんなことはどうでもいい。
自家の導体車に滑り込めば、事情を知っている運転手は何も訊かずにすぐ車を動かし始める。ここで呑気にお帰りなさいなんていうやり取りをしていれば、悪意を持った令嬢たちやその取り巻きが追いかけてくるのを運転手も知っているのだ。
そしてようやく、リオーチェは身体を休める。このところ本当に疲れる。昨日湯あみの時に小さいハゲができているのを侍女のメイリーに見つけられてしまい号泣された。リオーチェのせいでもないのに泣かれてもどうしようもない。
「‥‥ああ、もう、面倒くさい‥」
まるでロレアントの口癖のようだ、と思いながらリオーチェは目を閉じた。
導体車が家に着くと、そのまま隣の正門に向かった。門番もリオーチェと親しいので何も訊かずに通してくれる。玄関に入れば、侍女頭が出迎えてくれた。
「あら、リオーチェ様。今日は坊ちゃまとご一緒ではないのですか?」
「ロレアント様は研究会がおありでしたので。あの、ランスさんは今お時間ありますか?」
いつもリオーチェにとても優しい侍女頭が、珍しく眉をひそめた。
「‥大丈夫かとは思いますが‥どのような御用ですか?」
「ロレアント様の事についてお願いがあって」
侍女頭は少し考えるような様子をしていたが、顔をあげて言った。
「ではサンルームの方でお待ちください。‥リオーチェ様、お腹に余裕はありますか?先ほどジャンがピモータルトを焼いていましたので」
「いただきます!」
ピモーはもうすぐ旬になる果実だ。甘く柔らかい果肉でそのまま食べてもお菓子などに焼き込んでも美味しい。ジャンはデザートづくりがとてもうまく、いつもおいしいデザートをリオーチェに分けてくれる。侍女頭もいつもそれを許し、何なら自ら勧めてくれるのだ。
「あ、でもどなたかおいでになるから作られたのではないですか?‥私は大丈夫ですよ?」
招かれざる客である自分が食べてしまったら、本来の用途に足らなくなるのではないか、と危惧したリオーチェが慌てて付け足すと、侍女頭はにっこりと微笑んだ。
「当家のデザートの最優先順位はリオーチェ様にありますから!全く問題ありませんよ!」
そういう侍女頭の言葉に送られてサンルームに向かう。
だがそれっておかしくないか?といつもリオーチェは思う。
婚約者でも何でもない、ただのお隣さんであるだけのしがない地方貴族の令嬢に、この屋敷の者たちは親切が過ぎるように思えるのだ。
デザートのサーブはいつもリオーチェが最初だし、いつ来ても全くとがめられることなどないし、何ならこの屋敷にはリオーチェ用のクローゼットまである。
小さい頃はヘイデン夫人がリオーチェを着せ替え人形のようにあれこれと飾り付けたがって、信じられないほどのドレスや装飾品を買い込んでいたのだ。クラン家ではそんなことをしてもらうわけにはいかないと断固受取を拒否していたが、「じゃあここがリオちゃんのクローゼットということにするわね」の一言で、実家の自室より広いクローゼットが設置されてしまった。
恐ろしいことに、夫人が亡くなった後もそこの衣装は増え続けている。
何でもヘイデン侯爵の言いつけで毎年リオーチェのドレス予算が組まれているらしいのだ。
なんでやねん。
西の方の国の訛りで話す庭師のサイカンの言いぶりを思わず真似したくなる。毎年謎のご招待を受け、寸法を計られ、オーダーメイドのドレスが作られる。だが正直それを着ていく場所などない。デビュタントの際には恐ろしい代物を仕立てられそうになって、両親とともに「記念のものですから親が誂えます」と泣きを入れに行った。貧相な自分の見た目でそんなものを着て行ったらいい笑いものだ。パートナーになってくれた従兄にそう零せば、従兄は呼吸困難になるくらいに笑っていたっけ。
「リオ、何食べるの」
「‥日替わりランチです」
「僕も」
そう言って一緒に並ぼうとするが、なぜかロレアントは生活面でかなり鈍くさい。魔法や実験、剣術などで扱う道具は危なげなく華麗に扱っているのに、カップ、皿、カトラリーなどを持って移動しようものなら高確率でひっくり返す。そういうロレアントの性質を知っているから、リオーチェは並ぼうとするロレアントを制して仕方なく自分一人で並ぶ。
だがそうすると、嫌がらせがやってくる。後ろから横から前から、無数の手や足が伸びてくる。ぶつかられたり踏まれたり引っかかれたり。食事自体はロレアントが食べることが確定しているからそこに手を出す者はいない。
ただ、執拗にリオーチェを狙ってくるのだ。
ボロボロになりながら二人分をトレーにのせてもらい、ロレアントのところへ持っていく。そして自分の分をもって去ろうとすれば、くんと袖を引かれる。
「どこ行くの、リオ。一緒に食べよう」
なぜこのようにロレアントがリオーチェに懐いているのか、リオーチェにもわからない。恐らくは小さい頃からの擦りこみなのだろう。さすがに学院に入って貴族子女を多く関わればそんなことはないだろうと踏んでいたのだが、このぼんやり令息の極度の面倒くさがりを失念していた。
新しい人間関係を築くことがどうやらかなり苦手らしいのだ。それは学院に入ってからわかったことだったので、リオーチェにとっては計算外だった。
相変わらず食事マナーそのものは素晴らしいのに、口の端に何かついていたり派手にものを落っことしたり水の入ったコップをひっくり返したりしているロレアントの傍で仕方なく世話をする。
周囲は少し遠巻きにしながら、それでもリオーチェの耳に入るくらいの大きさでひそひそと悪口を言っている。
「まあ、何様のつもりなのかしら」
「あんなにロレアント様のお側に近づいて‥馴れ馴れしい」
「図々しいんですわよ、ほら作法も知らない田舎貴族ですし」
「クラン家なんて聞いた事もありませんでしたわ」
えーそうですー、作法なんて知らなくても生きていける珍しいタイプの貴族ですー。
心の中でそう相槌を打ちながら、もはや無心で世話のみに集中する。自分の食事はその合間に口に放り込むという作業になっている。
「侍従に任せればいいものを、なぜあんな田舎者がしゃしゃり出てくるのかしら」
「侍従の存在をご存じないのではなくて?」
「お優しいロレアント様の心情に付け込んでいるんだわ」
侍従。
‥‥‥侍従!
そうだ、ロレアントには優秀な侍従がいるではないか。なぜか学院にだけはついてこないが、ロレアントに勝るとも劣らないほどの美貌を持った優秀な侍従が!
思わず作業の手を止めてリオーチェは考えた。なぜあの侍従は学院にだけついてこないのだろう。辺境伯以上の貴族には侍従がついていることは当たり前だ。侍従用の控室が設置されているくらいである。しかもロレアントの立場ならどんな無理でも聞いてもらえるはずだ!
「どうしたの?リオ」
「いえ‥お野菜も召し上がってください、また実験中に倒れますよ」
そう言って野菜の入った皿をぐいと押しやりながらリオーチェは考えた。
これは直接あの侍従に頼むしかない。なんのかんの面倒くさがりなロレアントに進言して何とかなるとも思えない。今日の授業が終わったらさっそくヘイデン家のタウンハウスを訪ねよう。どうせロレアントは魔法理学研究会とやらがあったはずだ。ついてこいと言われているが、ついていかなければならない義理は多分ない。
今日の放課後は、ロレアントが来る前にダッシュで帰ろう。リオーチェは心の中でぐっとこぶしを握った。
今日の被害は靴がダメになったこととノートが三冊行方不明になっただけだ。わりと軽めの被害だった。お昼に食堂で並んでいる時爪で引っ掻かれたところがみみずばれになっているからそうでもないか。痛む腕を少しさすりながら、リオーチェは鞄をひっつかんで導体車溜まりに走った。
無論「まあはしたない」という嫌味を背に受けながらだったが、そんなことはどうでもいい。
自家の導体車に滑り込めば、事情を知っている運転手は何も訊かずにすぐ車を動かし始める。ここで呑気にお帰りなさいなんていうやり取りをしていれば、悪意を持った令嬢たちやその取り巻きが追いかけてくるのを運転手も知っているのだ。
そしてようやく、リオーチェは身体を休める。このところ本当に疲れる。昨日湯あみの時に小さいハゲができているのを侍女のメイリーに見つけられてしまい号泣された。リオーチェのせいでもないのに泣かれてもどうしようもない。
「‥‥ああ、もう、面倒くさい‥」
まるでロレアントの口癖のようだ、と思いながらリオーチェは目を閉じた。
導体車が家に着くと、そのまま隣の正門に向かった。門番もリオーチェと親しいので何も訊かずに通してくれる。玄関に入れば、侍女頭が出迎えてくれた。
「あら、リオーチェ様。今日は坊ちゃまとご一緒ではないのですか?」
「ロレアント様は研究会がおありでしたので。あの、ランスさんは今お時間ありますか?」
いつもリオーチェにとても優しい侍女頭が、珍しく眉をひそめた。
「‥大丈夫かとは思いますが‥どのような御用ですか?」
「ロレアント様の事についてお願いがあって」
侍女頭は少し考えるような様子をしていたが、顔をあげて言った。
「ではサンルームの方でお待ちください。‥リオーチェ様、お腹に余裕はありますか?先ほどジャンがピモータルトを焼いていましたので」
「いただきます!」
ピモーはもうすぐ旬になる果実だ。甘く柔らかい果肉でそのまま食べてもお菓子などに焼き込んでも美味しい。ジャンはデザートづくりがとてもうまく、いつもおいしいデザートをリオーチェに分けてくれる。侍女頭もいつもそれを許し、何なら自ら勧めてくれるのだ。
「あ、でもどなたかおいでになるから作られたのではないですか?‥私は大丈夫ですよ?」
招かれざる客である自分が食べてしまったら、本来の用途に足らなくなるのではないか、と危惧したリオーチェが慌てて付け足すと、侍女頭はにっこりと微笑んだ。
「当家のデザートの最優先順位はリオーチェ様にありますから!全く問題ありませんよ!」
そういう侍女頭の言葉に送られてサンルームに向かう。
だがそれっておかしくないか?といつもリオーチェは思う。
婚約者でも何でもない、ただのお隣さんであるだけのしがない地方貴族の令嬢に、この屋敷の者たちは親切が過ぎるように思えるのだ。
デザートのサーブはいつもリオーチェが最初だし、いつ来ても全くとがめられることなどないし、何ならこの屋敷にはリオーチェ用のクローゼットまである。
小さい頃はヘイデン夫人がリオーチェを着せ替え人形のようにあれこれと飾り付けたがって、信じられないほどのドレスや装飾品を買い込んでいたのだ。クラン家ではそんなことをしてもらうわけにはいかないと断固受取を拒否していたが、「じゃあここがリオちゃんのクローゼットということにするわね」の一言で、実家の自室より広いクローゼットが設置されてしまった。
恐ろしいことに、夫人が亡くなった後もそこの衣装は増え続けている。
何でもヘイデン侯爵の言いつけで毎年リオーチェのドレス予算が組まれているらしいのだ。
なんでやねん。
西の方の国の訛りで話す庭師のサイカンの言いぶりを思わず真似したくなる。毎年謎のご招待を受け、寸法を計られ、オーダーメイドのドレスが作られる。だが正直それを着ていく場所などない。デビュタントの際には恐ろしい代物を仕立てられそうになって、両親とともに「記念のものですから親が誂えます」と泣きを入れに行った。貧相な自分の見た目でそんなものを着て行ったらいい笑いものだ。パートナーになってくれた従兄にそう零せば、従兄は呼吸困難になるくらいに笑っていたっけ。
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