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二章
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アニスの身体の痺れは、十五分ほどで全快した。まだこんこんと眠り続けるジュセルの横で、アニスとケイレンは斬り合いと殺しの痕跡をできるだけ消そうと動いていた。
アニスは顔を顰めながらぶつぶつと文句を言っていた。
「毒の回りの速さといいこの解毒剤の効きの速さといい‥マリキシャのグーラがこれだけのものを作っているとは思えない。どっかに専属のヨーリキシャかレイリキシャでも抱えてんのか‥それにしても厄介な‥」
その言葉を横で聞き流しながら、ケイレンは苦笑いしていた。同じようなことを考えたからだ。
「まあ、もう考えても仕方ないだろ。とりあえずグーラが手を引くって言ったからには明後日の夜までは安全だ。それに、グーラ以上の腕利きは今イェライシェンにはいないはずだから‥警戒するに越したことはないけどな」
「ん。今回のことで飲食物にはもっと気を配らなきゃならないってのが身に沁みたよ。‥‥まさか屋台の店員ごと抱き込んでくるとはね。いつも広場に店を出している知ってる屋台だったから、私も警戒が足りなかった」
ケイレンが外れてしまった扉板を抱えながら首を振った。
「無理だろ‥まさか元々ある屋台ごと抱き込んでるなんて思わねえよ。まあ、今回は命拾いできたし次に活かせればいいさ」
そう言いながら扉板を扉の枠の横に立てかけた。弾け飛んでしまった蝶番は、蹴り飛ばされた衝撃ですっかり歪んでしまい、使い物になりそうにない。
アニスは、下の使用人部屋に置いてあった大きなボロ布を持ってきて、頭の潰れたラスの遺体をそれにくるむ作業をしていた。右側頭部からグーラの分銅をもろに受けたその頭は、顔も半分潰れてしまっており人相がわかりづらい状態になっている。うう、と顔を顰めながら遺体を布に何重にもくるみ込んでくるみ終わりを固く結んで留めると、アニスが憂鬱そうに呟いた。
「こいつをかわいがってるっていう、裏請負会の副頭が、この遺体の状況を見てどう思うか‥考えただけでも頭が痛いね」
アニスの言葉を聞いて、ケイレンも深いため息をついた。
「まあ‥他のやつが来るにしても、正攻法で来るなら俺とアニスで撃退はできると思うが‥いつまでこの状態を続けるか‥ジュセルだって参っちまうだろうし‥」
部屋の中に散らばっている壊れた家具の欠片などを拾いながら、アニスは頷いた。
「‥‥ハリスが依頼主ってのが確定したってことだし‥この先どうするか、覚悟を決めて考えていかなきゃならないよ、黒剣。‥私は次の依頼までならぎりぎりまで手を貸せるけど‥二か月後にはショレルダ大隊商会の仕入れに随行する仕事があるんだからね」
「‥‥わかってる‥」
そう、アニスはあくまで次の依頼までの空いた時間を善意で雇われてくれているにすぎないのだ。その空いた時間はあと二か月足らずしかない。だが、その短い期間で、この厄介な問題が解決するとも思えない。
やってくる暗殺者を警戒しながら暮らし、次々に屠り続けていくか。
ハリスの依頼を取り下げるように働きかけるか。
‥‥いっそ、人知れずハリスを殺すか。
今のところこの三つしか方策を思いつかないが、この三つが全て悪手であることはケイレンもわかっている。
ラスの血が滲んでいる床に目を落としながら、ケイレンは唇を噛んで考え続けていた。
ジュセルが目を覚ましたのは、日も高く上がった頃だった。
何だか身体が重く、頭が痛いような気がして目が覚めたジュセルは、窓の外にある日の高さに驚いて布団をはねのけた。
「やば、朝飯‥!」
上体をぐっと起こすと、くらりと眩暈がする。え、どういうこと?と覚えのない身体の不調に驚いていると、水差しを手にしたケイレンが部屋に入ってきた。
「あ、ジュセル!目が覚めたんだな」
飛び跳ねるようにしてひと足にジュセルの傍まで来ると、横の小机に水差しを置いて寝台に腰かけ、じっとジュセルの顔を覗き込んだ。
起き抜けにいきなりケイレンの秀麗な顔が目の前に突き出され、ジュセルはどぎまぎした。
「え、な、何?」
内心の動揺を押し隠しながら取り繕って言葉を押し出した。少し赤らんだジュセルの顔を見つめて、ケイレンはにこりと笑った。
「‥特に、身体に変なところとかもなさそう、かな?よかった‥」
ケイレンの言うことがどういうことなのか理解できず、ジュセルは思わず首をかしげた。
「なんで?俺、別にどこも悪くないよ」
「ああ、うん‥」
ジュセルに問い返されたケイレンは、少し気まずそうに口ごもった。その様子を不審に思いながら何の気なしに辺りを見回してみると、明らかに違和感がある。
(え?扉‥外れてる?あれ、あそこにあった飾り棚もないし‥なんで?)
部屋を見回して不審げな顔をしているジュセルに気づいたのか、ケイレンは昨夜深更に起きたことを伝えることにした。
「昨夜‥グーラの襲撃があったんだ」
「ええっ!?俺、全然気づかなかった!‥ごめん‥」
しょんぼりと項垂れるジュセルに、ケイレンが慌てて話を続けた。
「いやいや!ジュセルは、薬で眠らされてたんだから仕方ないよ!」
「薬‥?」
またジュセルは首を傾げた。この家での食事はすべて自分が作っている。そんなものを入れる隙はないはずだが、と考えたところで風呂上がりのラッカ水を思い出した。
「ラ‥ッカ水」
そう呟いたジュセルは、胃の底から冷え冷えとしたものが広がるのを感じ気分が悪くなった。‥まさか、アニスが‥?
ケイレンは更に話を続けた。
「ラッカ水の屋台ごと、相手にとり入れられてたみたいで‥アニスが、気づかなくて悪かった、って落ち込んでたよ」
それを聞いて、ジュセルは心の底からほっとした。冷えた感覚が消えて温もりが戻ってくる。あんなに信頼しきっていたヒトに裏切られるなんて、辛いし嫌すぎる。アニスがそうでなくてよかった、と思うと共に、そう考えてしまった自分を深く愧じた。
ケイレンの話は続く。
「‥ジュセルを眠らせて、こちらの動きを悪くして確実に殺そうとしたらしいんだが‥それをグーラ自身は知らなかったらしい。何だかそれを気に入らないとかで、グーラはこの依頼を降りると言い出したんだ」
「ええ!?じゃ、俺もう狙われないってこ‥と‥」
一瞬喜びを全面に押し出したジュセルだったが、苦いままのケイレンの顔を見て言葉は尻すぼみになった。
「‥‥ごめん。グーラが狙わないってだけで、ジュセル自身については依頼主が取り下げない限り、狙われることに変わりはないんだ‥ただ、今日と明日は狙われることがないから‥」
ケイレンの言葉を聞いて疑問に思ったジュセルはそのまま問い返した。
「え、何で?二日だけ?」
「‥‥グーラが明日の夜、金をとりに来る。この依頼から降りるためのものだ。それを受け取るまでは新しい暗殺者は来ないと思うから」
ジュセルはごくりと喉を鳴らした。
恐ろしいがこれは絶対に聞かなくては、と言葉を絞り出す。
「その、金って‥いくらなの?」
「言わない、絶対に」
ケイレンは、これまで見たこともないような厳しい顔で鋭くそう言い放った。その口調のあまりの鋭さにジュセルは思わずびくりと肩を震わせた。これまでなら、ジュセルにそのような反応をさせただけで慌てふためいていたケイレンは、微動だにせず黙ってジュセルを見つめている。
きっと、ジュセルが想像もできないような金額なのだろう。だからこそ絶対に教えない、というケイレンの確固たる意志を読み取ってジュセルは、はあ、と息を吐いた。
それを聞いたケイレンは途端に表情を変え、少し悲しそうな顔になった。厳しさが完全に消えたわけではないが、ジュセルが見たことのある表情だ。
布団の外に出ていたジュセルの手に、ケイレンは恐る恐る自分の指先をそっと触れさせた。
「‥‥気にするなって言っても、ジュセルは気にするだろう?‥でも俺は‥ジュセルの命を守るためなら何を投げ出してもいいんだ。‥ジュセルが無事で、いつもみたいに笑ってくれて、俺の傍にいてくれるなら‥」
ケイレンに触れられている指先から、じんじんと熱が広がっていくような気がする。ジュセルは少し迷ってから、その指先をそっと握りしめた。ケイレンがハッとして、ジュセルの方に身体の向きを直した。
そして、空いている方の腕でゆっくりとジュセルの身体を引き寄せ、自分の胸にジュセルの顔を押しつけた。ふわりとケイレンの匂いがする。同じ石鹸を使っているはずなのに、ケイレンの身体からは甘く爽やかな香りがした。
ジュセルも空いている方の手を、おずおずとケイレンの背に回す。それに気づいたケイレンが嬉しそうな、それでいて少し悲しそうな表情を浮かべた。
アニスは顔を顰めながらぶつぶつと文句を言っていた。
「毒の回りの速さといいこの解毒剤の効きの速さといい‥マリキシャのグーラがこれだけのものを作っているとは思えない。どっかに専属のヨーリキシャかレイリキシャでも抱えてんのか‥それにしても厄介な‥」
その言葉を横で聞き流しながら、ケイレンは苦笑いしていた。同じようなことを考えたからだ。
「まあ、もう考えても仕方ないだろ。とりあえずグーラが手を引くって言ったからには明後日の夜までは安全だ。それに、グーラ以上の腕利きは今イェライシェンにはいないはずだから‥警戒するに越したことはないけどな」
「ん。今回のことで飲食物にはもっと気を配らなきゃならないってのが身に沁みたよ。‥‥まさか屋台の店員ごと抱き込んでくるとはね。いつも広場に店を出している知ってる屋台だったから、私も警戒が足りなかった」
ケイレンが外れてしまった扉板を抱えながら首を振った。
「無理だろ‥まさか元々ある屋台ごと抱き込んでるなんて思わねえよ。まあ、今回は命拾いできたし次に活かせればいいさ」
そう言いながら扉板を扉の枠の横に立てかけた。弾け飛んでしまった蝶番は、蹴り飛ばされた衝撃ですっかり歪んでしまい、使い物になりそうにない。
アニスは、下の使用人部屋に置いてあった大きなボロ布を持ってきて、頭の潰れたラスの遺体をそれにくるむ作業をしていた。右側頭部からグーラの分銅をもろに受けたその頭は、顔も半分潰れてしまっており人相がわかりづらい状態になっている。うう、と顔を顰めながら遺体を布に何重にもくるみ込んでくるみ終わりを固く結んで留めると、アニスが憂鬱そうに呟いた。
「こいつをかわいがってるっていう、裏請負会の副頭が、この遺体の状況を見てどう思うか‥考えただけでも頭が痛いね」
アニスの言葉を聞いて、ケイレンも深いため息をついた。
「まあ‥他のやつが来るにしても、正攻法で来るなら俺とアニスで撃退はできると思うが‥いつまでこの状態を続けるか‥ジュセルだって参っちまうだろうし‥」
部屋の中に散らばっている壊れた家具の欠片などを拾いながら、アニスは頷いた。
「‥‥ハリスが依頼主ってのが確定したってことだし‥この先どうするか、覚悟を決めて考えていかなきゃならないよ、黒剣。‥私は次の依頼までならぎりぎりまで手を貸せるけど‥二か月後にはショレルダ大隊商会の仕入れに随行する仕事があるんだからね」
「‥‥わかってる‥」
そう、アニスはあくまで次の依頼までの空いた時間を善意で雇われてくれているにすぎないのだ。その空いた時間はあと二か月足らずしかない。だが、その短い期間で、この厄介な問題が解決するとも思えない。
やってくる暗殺者を警戒しながら暮らし、次々に屠り続けていくか。
ハリスの依頼を取り下げるように働きかけるか。
‥‥いっそ、人知れずハリスを殺すか。
今のところこの三つしか方策を思いつかないが、この三つが全て悪手であることはケイレンもわかっている。
ラスの血が滲んでいる床に目を落としながら、ケイレンは唇を噛んで考え続けていた。
ジュセルが目を覚ましたのは、日も高く上がった頃だった。
何だか身体が重く、頭が痛いような気がして目が覚めたジュセルは、窓の外にある日の高さに驚いて布団をはねのけた。
「やば、朝飯‥!」
上体をぐっと起こすと、くらりと眩暈がする。え、どういうこと?と覚えのない身体の不調に驚いていると、水差しを手にしたケイレンが部屋に入ってきた。
「あ、ジュセル!目が覚めたんだな」
飛び跳ねるようにしてひと足にジュセルの傍まで来ると、横の小机に水差しを置いて寝台に腰かけ、じっとジュセルの顔を覗き込んだ。
起き抜けにいきなりケイレンの秀麗な顔が目の前に突き出され、ジュセルはどぎまぎした。
「え、な、何?」
内心の動揺を押し隠しながら取り繕って言葉を押し出した。少し赤らんだジュセルの顔を見つめて、ケイレンはにこりと笑った。
「‥特に、身体に変なところとかもなさそう、かな?よかった‥」
ケイレンの言うことがどういうことなのか理解できず、ジュセルは思わず首をかしげた。
「なんで?俺、別にどこも悪くないよ」
「ああ、うん‥」
ジュセルに問い返されたケイレンは、少し気まずそうに口ごもった。その様子を不審に思いながら何の気なしに辺りを見回してみると、明らかに違和感がある。
(え?扉‥外れてる?あれ、あそこにあった飾り棚もないし‥なんで?)
部屋を見回して不審げな顔をしているジュセルに気づいたのか、ケイレンは昨夜深更に起きたことを伝えることにした。
「昨夜‥グーラの襲撃があったんだ」
「ええっ!?俺、全然気づかなかった!‥ごめん‥」
しょんぼりと項垂れるジュセルに、ケイレンが慌てて話を続けた。
「いやいや!ジュセルは、薬で眠らされてたんだから仕方ないよ!」
「薬‥?」
またジュセルは首を傾げた。この家での食事はすべて自分が作っている。そんなものを入れる隙はないはずだが、と考えたところで風呂上がりのラッカ水を思い出した。
「ラ‥ッカ水」
そう呟いたジュセルは、胃の底から冷え冷えとしたものが広がるのを感じ気分が悪くなった。‥まさか、アニスが‥?
ケイレンは更に話を続けた。
「ラッカ水の屋台ごと、相手にとり入れられてたみたいで‥アニスが、気づかなくて悪かった、って落ち込んでたよ」
それを聞いて、ジュセルは心の底からほっとした。冷えた感覚が消えて温もりが戻ってくる。あんなに信頼しきっていたヒトに裏切られるなんて、辛いし嫌すぎる。アニスがそうでなくてよかった、と思うと共に、そう考えてしまった自分を深く愧じた。
ケイレンの話は続く。
「‥ジュセルを眠らせて、こちらの動きを悪くして確実に殺そうとしたらしいんだが‥それをグーラ自身は知らなかったらしい。何だかそれを気に入らないとかで、グーラはこの依頼を降りると言い出したんだ」
「ええ!?じゃ、俺もう狙われないってこ‥と‥」
一瞬喜びを全面に押し出したジュセルだったが、苦いままのケイレンの顔を見て言葉は尻すぼみになった。
「‥‥ごめん。グーラが狙わないってだけで、ジュセル自身については依頼主が取り下げない限り、狙われることに変わりはないんだ‥ただ、今日と明日は狙われることがないから‥」
ケイレンの言葉を聞いて疑問に思ったジュセルはそのまま問い返した。
「え、何で?二日だけ?」
「‥‥グーラが明日の夜、金をとりに来る。この依頼から降りるためのものだ。それを受け取るまでは新しい暗殺者は来ないと思うから」
ジュセルはごくりと喉を鳴らした。
恐ろしいがこれは絶対に聞かなくては、と言葉を絞り出す。
「その、金って‥いくらなの?」
「言わない、絶対に」
ケイレンは、これまで見たこともないような厳しい顔で鋭くそう言い放った。その口調のあまりの鋭さにジュセルは思わずびくりと肩を震わせた。これまでなら、ジュセルにそのような反応をさせただけで慌てふためいていたケイレンは、微動だにせず黙ってジュセルを見つめている。
きっと、ジュセルが想像もできないような金額なのだろう。だからこそ絶対に教えない、というケイレンの確固たる意志を読み取ってジュセルは、はあ、と息を吐いた。
それを聞いたケイレンは途端に表情を変え、少し悲しそうな顔になった。厳しさが完全に消えたわけではないが、ジュセルが見たことのある表情だ。
布団の外に出ていたジュセルの手に、ケイレンは恐る恐る自分の指先をそっと触れさせた。
「‥‥気にするなって言っても、ジュセルは気にするだろう?‥でも俺は‥ジュセルの命を守るためなら何を投げ出してもいいんだ。‥ジュセルが無事で、いつもみたいに笑ってくれて、俺の傍にいてくれるなら‥」
ケイレンに触れられている指先から、じんじんと熱が広がっていくような気がする。ジュセルは少し迷ってから、その指先をそっと握りしめた。ケイレンがハッとして、ジュセルの方に身体の向きを直した。
そして、空いている方の腕でゆっくりとジュセルの身体を引き寄せ、自分の胸にジュセルの顔を押しつけた。ふわりとケイレンの匂いがする。同じ石鹸を使っているはずなのに、ケイレンの身体からは甘く爽やかな香りがした。
ジュセルも空いている方の手を、おずおずとケイレンの背に回す。それに気づいたケイレンが嬉しそうな、それでいて少し悲しそうな表情を浮かべた。
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