朧月

カフェ・オーレ

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寂しさを埋めるモノ

0.2

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朋美のお母さんが15時に仕事に行ってすぐに、私は朋美の体を揺さぶって起こした。

「おはよ!お昼だよ起きて!」

「…うるさい」

毛布を頭から被ってもう一度眠りについた朋美と、床で寝ていた為体が痛いと起きた朋樹。

「あ!朋樹おはよー!」

「…今何時…」

時計を見てバッと起き上がり
急いで誰かに電話をかけ始める。

「ごめん!今起きた、すぐに準備してそっち行く、うん。本当にごめん」

ピッと切られた電話。
その声で朋美は起き、私と2人で朋樹を睨む。

「私達を差し置いて…さては彼女だな…?」

「あ、バレた?ごめんね~」

自分の部屋にそそくさと戻り、お風呂に入ってすぐに出掛けていった朋樹。
その姿に、2人で涙を流す。

「次こそはいい男捕まえるんだもん…グスッ」

憂さ晴らしに2人で大声で演歌を歌う。
なんて虚しい10代なんだ。

「もー演歌も飽きた…、学校も今日辞めに行こうとしてたのに…」

私よりも酷い鳥の巣みたいな頭で起き上がった朋美。
顔はパンパンに浮腫んで、まるで鏡を見ているかのよう。

「あ、そーだ朋美も退学になったってお母さんから聞いたよ」

「あー…、帰って来てたんだあの人」

2人で一階に降りると、机には置きっぱなしの煙草とライターが。
好奇心で2人で吸ってみると、頭がクラクラとして気持ちの良い感覚が。

「なんでかなぁー…、こんな人生になるなんて昔は思っても無かったのに」

「私達って運命共同体だよね!2人とも絶望的じゃない?」

「皐月ほど楽観的になれたらこんなに悲惨じゃ無かったのに…」

ポケットから携帯を取り出し、昨日のメールを皐月に見せる。
あれからも17件程、杏果からメールが届いていた。

「高城先生が言ってたけど、あんた知ってたの?」

キョトンとしながら、皐月は微笑む。
彼女は昔からこうだ。
何も言わずにただ笑う。

「知ってたよ、私って勘が鋭いから」
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